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ランニングタイツは本当にタイム向上に役立たないのか

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「ランニングタイツはランニングのタイム向上や疲労回復につながらない」という米国スポーツ医学会で発表された内容に衝撃を受けたランナーもおおいかもしれません。

いまどきは多くのランナーがランニングタイツを着用していますし、その機能性を信じていたのではないでしょうか。

ニュースとして取り上げられたことで、「ランニングタイツって効果ないんだよ」なんてことが、ランナー同士の間で交わされることが予想されますが、わたしの個人的な感覚としては、「本当に効果ないのか?」という疑問が残ります。

それ以上に気になるのが、このニュースを読んだ人の多くが、なんの疑問もなくこの結果を信じているということです。正直なところ、そのことについて「このままではいけない」という危機感があります。

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わたしは基本的にランニングタイツを使いません。寒さ対策でふくらはぎや腕にカバーを付けることはありますが、レースや旅ランの後半になると、外してしまうことがよくあります。

マラソンを始まったばかりのころは、SKINSなどを購入していましたが、めんどくさがりな性格もあって、いつの間にか使わなくなってしまいました。ですので、基本的にはわたしはランニングタイツ不要派です。

そのうえで、今回の実験で「ほんとうに効果がないのか?」と感じているのは、被験者の数があまりにも少なすぎるためです。しかもベテランのランナーという偏りがあります。

筋肉の疲労度の計測方法というのも、垂直跳びの高さや、柔軟性の計測という方法でしたが、そもそも疲労というのはとても数値化しにくいもので、この計測方法で本当に測れるのかという疑問があります。

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サプリなどでも、その評価が難しいのは効果の測定がとても難しいからです。今回は3種類のタイツを1日ごとに身につけて計測したということですが、実験は3日間です。人間の体は毎日コンディションが違います。

今日と同じ走り方を、必ず翌日できるわけではありません。3日間あれば、最初は不慣れだった動きも3日目には慣れることもあります。前日の疲労が翌日に影響を与えます。

たった3日の実験で、しかも17人の偏ったランナー。さらに使ったランニングタイツはナイキのものに限られています。これだけのことで、「すべてのランニングタイツに効果がない」なんてことは絶対に言えません。

例えば初心者は履いたらどうなるのでしょう?ランナーにはどれくらいの負荷がかけられたのでしょう。タイツがCW-Xだったら?SKINSだったら?

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今回の実験で言えるのは、ランニングタイツが必ずしもタイム向上に繋がるわけではないということを証明したに過ぎません。ただ、研究が進めばどのような状況においても、ランニングタイツが役に立たないという結果がでるかもしれません。もちろんその反対の結果も。

今回の発表を行った米オハイオ州立大学のアジット・シャウドハリ准教授は、心理的な部分も含めてタイツの効果は他にもあるかもしれないと語っています。

実際問題として、タイツやサプリメントの効果の測定が難しいのは、心理的な面が大きく影響するためです。プラシーボ効果というのを聞いたことがあるかもしれません。

例えば何の効果もない錠剤を、お医者さんが「痛みに効くから」と言って飲ませると、実際に痛みを感じなくなることがあります。ランニングタイツも足にいいものだと信じれば、それなりの結果が出ます。

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ここまで書いたものの、正直なところ、わたしはランニングタイツに効果があろうがなかろうがどっちでも構いません。わたしが言いたいのは、これくらいの研究結果に踊らされないで欲しいということです。

この発表を鵜呑みにするのは、バナナダイエットやチョコレートダイエットでダイエットできると信じているようなレベルの話です。反対に、メーカーの出しているランニングタイツの効果をそのまま鵜呑みにすることも同様です。

まず、わたしたち日本人は米国の学会で発表されたというだけで、すぐにそれを絶対的なものだと思いこんでしまうところがあります。アメリカ人が間違ったことをするわけがないという思い込み。

同じ研究結果を中国の准教授が出していたら、「本当に?」と疑ったと思いますが、米国という権威ならすぐに信じてしまいます。

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しかも、今回は学会で発表されただけで、米国スポーツ医学会の公式見解というわけではありません。まだ、何もかも途中なのに、「ランニングタイツって効果ないんだよ」という会話につながってしまいます。

大事なことは自分の感覚です。

自分の感覚で、自分に必要だと思えば履けばいいのであって、自分に合わないと思えば履かなければいいただそれだけです。どこかの偉い先生が言っていたから履く、もしくは履かないというのはどうなのでしょう。

自分がランニングタイツを履かない理由を今回の発表に関連付ける必要はありませんし、これまでランニングタイツを履いてきた人が脱ぐ必要もありません。

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今回はそういう結果が出たけれども、条件があまりにも狭いため、とても絶対的なものとは考えられません。

少なくとも情報発信を行う人は、それくらいの注意点も含めて伝えるべきなのですが、わたしの知る限り、そのような報道や、情報発信は見かけません。

こういうとこから、間違った常識のようなものが作られていくんだろうなという危機感がわたしにはあります。世の中には常識だと思われていたことがひっくり返る例がいくつもあります。

繰り返しますが、今回は「自分たちで行った実験では、ランニングタイツに効果を発揮しなかった」ということが学会で発表されただけです。実験内容を考えればそれくらいのことは誰だってわかるはずです。

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それがなぜか「ランニングタイツには効果ない」というミスリードが起きています。

もっと自分の感覚を信じて、そして誰かの言うことを「本当にそうなの?」と疑問に思う気持ちを一人ひとりに持ってもらいたい。ランニングに限らず、あらゆる物事においてです。

誰かが面白くないといったから、映画を観に行かなかった。誰かが美味しくないと言ったから、気になっているお店に行かなかった。そういう生き方でいいのでしょうか?自分で感じて自分で考え、自分で決める。

そんな当たり前のことがすっぽり抜けている。そのことがとても気になります。


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胸がギュってなる映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』

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映画館を出た瞬間から、スキップしたくなる。『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』はそんな映画でした。もちろん、そういう映画と分かっていましたが、想像以上に胸がギュってなっています。

わたしのイメージから、色恋の話は似合わないことは自覚しています。

それでも恋をしたくないわけではありません。したくないわけではないけど、もう恋の始め方も忘れてしまいました。いまの自分の状況で恋だの愛だの言っている場合でもない……というのは都合のいい言い訳です。

一歩を踏み出す勇気がないというのが本当のところ。

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わたしのことはどうでもいいんです。映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』を観てきました。この映画は日台合作の映画で、台湾旅行に行く前から行きたかった映画です。

わたしの夢は、日本人にあたり前のように中国人の友だちがいて、中国人にもあたり前のように日本人の友だちがいる時代を作ること。わたし1人ができることは小さいけれども、同じことを考えている人はきっといるはずです。

その小さな力がいくつもできたとき、わたしの夢は叶うのだと思っています。それが叶うのは10年後か100年後かはわかりませんが、わたしがやっているのはそのための種まき。

そして、その過程にあるのは日本人や中国人だけでなく、台湾や韓国の人たちも、あたり前のようにお互いをリスペクトし合える関係の構築。生まれた国がどこであれ、簡単につながり合えるようにしたい。

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そういう想いをずっと持っているため、この映画のストーリーのように、日本人の男の子と台湾人の女の子が結ばれるという話は、興味を惹かれました。しかもこれは実話を元にした映画です。

映画をこれから観ようという人もいると思いますので、ストーリーにはあまり触れないようにしておきます。ストーリーに触れずに、いかに素晴らしい映画なのかを伝えられる文章力がわたしにあるのかは疑問符がつきますが、頑張ってみましょう。

この映画をどう表現したら伝わりやすいか。映画を楽しみながら、ずっと悩んでいました。

この表現で合っているかはわかりませんが、画用紙に描かれたような映画。これがわたしの率直な感想です。とても余白がいっぱいで、こういう伝え方もあるんだなと変なところで感心してしまいました。

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余白はいっぱいあるのですが、決してそこが白いというわけではなく、そこには日本や台湾の風景で埋め尽くされています。でも恋は盲目。景色はそこにあるだけで、モギさんとリンちゃんの二人だけの世界を覗き込んでいるような気分になります。

小さなことに大はしゃぎをして、ちょっとしたことがきっかけで、世界が終わってしまうかのような深い悲しみの底に落ちてしまう。あぁ恋ってこういうものだったなと懐かしく思いながらも、2人の距離がどんんどん近くなっていくたびに、胸が締め付けられるような気持ちになります。

人を好きになるときの感情がむき出しになって、恋することから逃げているわたしを刺激します。

それはきっとわたしだけではなく、この映画を観た多くの人がそうなるのかもしれません。すでに大切な人がいる人は、その人のことをもっと好きになり、そうでない人は、もう一度、恋をしてもいいかな。恋をしたいなという気持ちにさせてくれます。

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そして映画館を出たらスキップをしたくなるわけです。

もうそんな年齢でもないのにな。そんな冷静なことを考えてしまう自分もいますが、少なくとも『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』を観たあとには、すべての言い訳が小さなものになり、ただただ幸せな気持ちに包まれます。

そして、ほんの少しだけ台湾の人たちの生活を垣間見れるのが、いいアクセントになります。きっと台湾の人たちにとっては、日本人の生活や日常の景色が新鮮に見えているのでしょう。

そうやって、お互いの国のことに興味を感じて、例えば台湾に旅行に行く人が増える。そうなると嬉しいのですが、『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』はまだまだ一部の台湾好きの人しか観ていない映画。

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でもママダメは、すべての日本人に観てもらいたい映画。観れば幸せな気持ちになれるし、台湾のことをもっと深く知りたくなるはずです。海外への興味を持つにはいいキッカケになる映画です。

この映画のようなことが、きっとこれからさらに増えていくはずです。たくさんの台湾人が日本を訪れていますので、どこに新しい出会いがあるかわかりません。反対に台湾に行く日本人も増えていますので、国同士はいろいろありますが、人と人の関係はさらに密になっていくはずです。

中国好きとしては、同じような関係を日本と中国とでもできていくといいのですが、これはまだまだハードルが高そうです。まずはできるところから。

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難しいことを抜きにしても楽しめる映画です。小さな映画館でしか上映されませんし、しかも期間はおそらく7月上旬くらいまで。台湾に興味のある人や、最近ドキドキしていないなと思う人は、本当におすすめです。ちょっと無理してでも観に行ってください。

好みは人それぞれですので、合わないという人もいるかもしれません。ユーチューブで冒頭の18分を配信していますので、その18分で引き込まれてしまったら、ぜひ映画館まで足を運んでください。

そしてわたしのように、胸がギュっとなる気分にひたってください。


ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。
著者:モギサン、 モギ奥サン
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満腹台湾珍道中「最後の1分1秒まで食べ続ける」編

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最終日の朝も、もちろん朝ごはんのための散歩から始まる。別にみんなに散歩をさせたいわけではなく、電車で行くのも歩いていくのも時間が変わらない。そんな不便な場所にお目当てのお店がある。

目指すのは油化街にあるお粥のお店「清粥小菜」。

わたしは台湾でお粥を食べた記憶がない。食べたことはあるのかもしれないが、記憶に残っていないので、おそらく食べていないのだろう。なぜか北京では毎日のようにお粥を食べる。

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台北の朝ごはんはわたしにとっては鬼門だ。ここ最近、あまり美味しい朝ごはんに当たったことがない。いいお店が見つからず、屋台の朝ごはんで済ますことが多い。そんなわたしにとって、朝にお粥を食べるというのは盲点だった。

昨夜あれだけ食べたにも関わらず、お腹と背中がくっつきそうだと言いながら、ホテルから歩くこと25分。

初めてのお店で戸惑うかと思ったが、お店のおばちゃんのほうが手慣れたもので、言葉は通じなくても問題なく注文することができる。わたしが選んだのはお粥1つとおかず3皿。

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たくさんあるおかずの中から美味しそうなものを選ぶのだが、わたしは選ぶという作業が苦手だ。選ばれなかったものの気持ちを考えると……いやそうではなく、ただ優柔不断なだけだ。

こういうときは、あれもこれも見ようとはせず。目に入ってきたもので美味しそうなものを「これとこれとこれ!」という感じで勢いをつけて注文することにしている。優柔不断な自分を他の人に見せるのは好きではない。ただの見栄っ張り。

おかずはどれも優しい味で、前日までの暴飲暴食で疲れている胃袋を癒やしてくれる。

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実はこのお店、ドラマ「孤独のグルメ」の台湾ロケで使われたお店。それが美味しいという評価につながるかどうかは別として、少なくともわたしの舌にはとても合う朝ごはん。これは毎回でも来たくなる美味しさ。

台北で初めて、また来たいと思える朝ごはんのお店に出会えたかもしれない。

台北で朝ごはんといえば阜杭豆漿だが、朝から何十分も待つのはどうも納得がいかない。味は確かに美味しいし、作業を見ているだけでも楽しい。ただ、朝はサッと食べてすぐに行動したいわたしには向いていない。

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朝ごはんの場所を清粥小菜に選んだのはちゃんと意味がある。清粥小菜のある油化街には台湾で一番と言われている縁結びの神様、月下老人が祀られているのだ。

霞海城隍廟……読み方がわからない。学がないというのはこういうとき悲しい。ピンインなら「Xiá hǎi chénghuángmiào」。

油化街が好きなので、毎回来ているのだが、霞海城隍廟でお参りするのは初めてだ。わたしは基本的に神様にお願いごとはしない。ただ、みんながお参りするならそれに乗らない手はない。

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他の3人に良縁がやってきて、わたしにだけ縁が来なかったら悔しいだろ?

お参りの手順はお寺にいる姐さんが教えてくれる。手順通りにお参りをして、月下老人に意中の人の名前を告げるらしい。誰の名前を告げたのか?残念ながらそれだけは教えるわけにはいかない。

ここには大勢の日本人女性がやってくる。みんな切実そうな顔をしているが、きっとわたしの顔もそんな感じだったかもしれない。神様にお願いごとをするのは気恥ずかしいから、真面目にお願いしてしまう。

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油化街を抜けて、次に目指したのは西門。

朝早い時間だったので、まだお店も空いていないような状態だったが、さすが台北の原宿。平日にも関わらず、そこそこ人が集まっている。わたしは西門はどうも落ち着かないので、ゆっくり見て回ったことがない。

台北という大きな括りの中でも、訪れる人によって好きな街が違う。これが台北の面白さかもしれない。わたしが好きなのは油化街や富錦街が落ちつける街だが、人によっては西門や台北101周辺が好きだったりする。

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どこの国に行ってもわたしが好きになるのは、のんびり本を読める街。海外に行ってまで本を読まなくてもいいじゃないかと思うかもしれないが、海外だからこそより本の世界に没頭できたり、いつもとは違う情景が浮かんできたりする。油化街や富錦街はそういう街なのだ。

西門を散策しながら、そういえばマンゴーかき氷を食べていないことを思い出し西門町芒菓冰へ。さっき朝ごはんを食べたばかりなのに、マンゴーかき氷だけでなく大根餅と油條(揚げパン)を注文。

出てきたのは笑ってしまうくらい大きなかき氷に、これでもかと言うほどマンゴーが乗っています。今回の訪台で絶対に食べると決めていたのに、美味しものが多すぎて、すっかり忘れられていた存在のマンゴーかき氷。

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言うまでもなく100点満点の味。ただ、そのマンゴーかき氷の味を上回ったのが油條。わたしは油條が苦手なのだが、ここの油條は手が止まらないくらい美味しい。台湾はまだまだ奥が深い。

西門で台湾の夏の味を満喫した後は、とうとうホテルのチェックアウト。

旅の終わりはいつだって切ないもの。でもこんなところではわたしたちの旅は終わらない。最後のメインイベントである、高級店の小籠包がわたしたちを待っている。

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少し時間があったので、近くにある二二八和平祈念公園内にある健康歩道へ。何が健康かというと、丸い石が25mにわたって敷き詰められている。その上を歩くと足つぼを刺激され激痛で歩けなくなる。

足つぼを刺激して、胃腸の調子を整えてランチに挑もうというのだ。

先に女子2人が挑戦して、5mであえなく撃沈。

実はわたしは、こういうのがかなり苦手。痛いのに弱い選手権があったら全国ベスト8に残る自信があるくらい、痛いのは嫌いだ。でもハダシストを名乗っている以上逃げる訳にはいかない。

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そっと足を載せて体重をかけてみる。「あれ?痛くない」伊達に1週間前に裸足で24時間マラソンを走っているわけではなかったようだ。とりあえず折り返しも入れて50m。あと10mあったらやばかったが、ぎりぎりで面目躍如。

この健康歩道は、台北のいたるところにあり、中正紀念堂には100mのものがあるらしい。

噂によるとこちらのほうが危険と言われているらしいが、次回の訪台では100mの健康歩道にも挑戦してみるのもいい。誰も一緒について来てくれなさそうだが。

足つぼで内蔵に刺激を与えて、いざ最後のランチ。

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向かったのは高級店の點水樓。台北では誰もが知る有名店で、小籠包以外の味も素晴らしい。ただし、値段もそこそこする。接待などで使うようなお店なのだが、最後の食事くらいは贅沢をしてもいいだろう。

點水樓の小籠包は皮が薄く、とても上品な味がする。純粋な美味しさだけで言えば、わたしが知っている小籠包のお店の中では一番美味しいかもしれない。価格もトップクラスなのは言うまでもない。

もう空港に向かうために地下鉄に乗り込む時間になっているにも関わらず、デザートの注文も忘れない、食いしん坊の4人組。

空港での時間なんてギリギリで乗り込めたらそれでいいのだ。いまは目の前にある美味しそうなデザートを注文せずにはいられない。最後の1分まで食べ続けるのが旅の礼儀。

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もっと食べたかったという想いと、まだまだここに残りたいという想い。3泊4日の台湾旅だったが、旅が終わるのが本当に残念でしかたなかった。でも終りが来るから旅なのだ。

そして、わたしはこう思う。終わりたくない旅をたくさん経験するほど、人生は豊かになっていくのだと。世の中には理不尽なことがいっぱいあり、日々の生活だけでもストレスを感じることがいくつもある。

旅はそういうものからわたしたちを開放してくれる。

そしてまた次の旅のために頑張ろうという気持ちにさせてくれる。すべてをやりきった旅ではこうはいかない。足りないからこそ、それがわたしたちの原動力になる。

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それでも、台湾にはまたすぐに遊びに行くのだろう。今回は一緒に行けなかった仲間もいる。きっとそう遠くないうちに台北に戻ってくるのだろう。遅くとも今年の台北マラソンまでには。

次の台湾では何を食べよう。帰国してすぐに台北ナビを眺めながらそんなことを考えている。


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著者:吹田 良平
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満腹台湾珍道中「台北を遊び尽くす」編

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台湾旅行に行くときに、どうしてもしたかったことが1つだけあった。まだ初々しさの残る2回目の訪台、わたしは1人で十分を訪れている。そのときに見たランタン飛ばしの光景。

いつかやってみたいと願い、今回の旅でようやくそれを実現することになる。

台北のホテルでチェックインを済ませたのが14時半。まだ部屋の掃除が終わっていないということで、まずは遅めの昼食。腹が減っては戦はできぬ。腹が減ってはランタンも飛ばせない。

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宿泊したのはビューティホテルズ台北ホテルB7。わたしがよく利用する台北駅南側にあるエリアだが、このあたりで美味しいお店というのはなかなか難しい。

それでも時短のために、個人的にはあまり評価の高くなかった二二八和平紀念公園のすぐ近くにある精緻雲吞料理「鐘國」さんへ。帰国してから知ったのだが、鐘國は台北に3店舗あるらしい。

結果的に中華圏はやっぱり大人数で行くべきだということを再確認。

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わたしが以前頼んだのは海老ワンタン。ワンタンのスープが淡白すぎたのがイマイチだと感じた理由。今回はいろいろと注文した結果、スープはやはり淡白だったが、その他の料理はしっかいと濃厚。

お……美味しいじゃないか。

ローカルなお店で、おばちゃんもちょいツンデレだが、基本的には優しいので、きっとこれから重宝するお店のひとつになる。ただしビールは置いてない。

荷物をホテルにおいて、向かうは十分。

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せっかくだからローカル線に乗ろうと思ったのだが、実は電車で十分に行くのは少しややこしい。切符が3種類あってそれぞれに乗れる電車が違う。鈍行と急行と特急といった感じだろうか。

特急は座席の予約がないとずっと立っていなくてはいけない。とりあえず目の前に来た鈍行に乗り込んだら、親切なおじいちゃんが「これは基隆行きだよ」と教えてくれる。行き先が違うので途中で乗り換えが必要。

「後から来る電車と同じのに乗ることになる」と教えられたので、次の電車を待つことに。やってきたのは特急なので座席がない。

いくらなんでも次の鈍行までは待つ時間はないので、特急に乗り込むものの当然座席はない。ところが一番前の車両だけは、荷物置き場のようになっていて、床に座り込むことができる。移動疲れしているわたしたちは、そこに座り込む。

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乗り換えの瑞芳までのドナドナの旅。数時間前まで新幹線のグリーン車に乗っていたのに、天国から地獄。

さらに瑞芳からは冷房でキンキンに冷やされたローカル線に乗り換えて、ほどなくして十分に到着。十分はそもそも炭鉱の町。毎年平渓天燈節が開催され、願い事が書かれた1000個のランタンが空に向かって上げられる。

ランタンを上げるだけなら、平渓天燈節に限らずいつでも上げることができる。

ランタンには色があり、例えば赤色なら健康運、黄色なら金運といったように、その色に合わせた願い事を書いて、空に上げると願い事が叶うと言われている。

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わたしたちが選んだのは、赤(健康運)−黃(金運)−藍(事業運)−桃(人気運)の4色。

やりたいと思っていたことなのだが、いざ願い事を書くとなると難しい。なんせ願い事なんて久しくしたことがないから。自分の願いは自分で叶える。それがわたしのスタイル。

みんな、それぞれの願いを書いた後に「またみんなで来れますように」という一言を付け加えておいた。

いろいろ書いたが、わたしが本当に願ったのはこれだけかもしれない。旅の一秒一秒が楽しくて、どれだけ笑ったかわからない。この時間がいつまでも続けばいいなとずっと思っていた。

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みんなの願いを込めたランタンは、台湾の大空に吸い込まれていく。わたしの長年の願いがかなった瞬間。

十分まで来たら次は九份。ここはタイムイズマネー。タクシーで一気に移動。ずーっと無口だったタクシーの運転手が、九份に着く直前に「我不喜欢日本」と言う。聞き間違えかと思ったが、翻訳アプリで「私は日本が嫌いです」と翻訳してくれる。

そういう人もいるんだなと思ったら、ところが「この車も、私の持ち物はあれもこれも全部日本製品だ」と自慢してくる。「不喜欢?喜欢?(嫌いなの?好きなの?)」と確認すると「喜欢(好きだ)」と笑顔で答える。

タイワニーズジョーク?

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この旅でずっと感じていたことだが、台湾のタクシーの運転手は基本的にみんなおちゃめだ。さらに話を聞くと運転手は、毎月日本に遊びに来ているらしい。

急に陽気になった運転手に別れを告げて、夕暮れ時の九份へと侵入していく。休日の夜だが、雨ということもあって人が少ない。それでも観光客の半数は日本人。LCCのセールで台湾行きがあっという間に売り切れる理由がよくわかる。

すでに閉まっているお店も多かったが、九份の魅力は日が沈んでから。

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千と千尋の神隠しの舞台となったと言われている建物は、日が沈んだ後に最も美しい表情を見せてくれる。昼間の姿も悪くはないが、九份に行くのなら、ぜひ夕方以降に訪れて欲しい。街全体が幻想的でただ歩いているだけで、夢の中にでもいる気分になれる。

だが、わたしたちには時間がない。いつまでも、その幻想的な街に浸っていたいが、美味しい小籠包がわたしたちを待っている。

小籠包のお店は閉店時間が意外と早い。この時間からでも間に合うお店を探して、一番遅くまで営業している京鼎楼へタクシーで移動。移動中はまたしてもみんな爆睡し、小籠包との戦いに備える。

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京鼎楼はわたしが初めて台湾で食べた小籠包のお店。それ以降、何度も来ようとしたのだが、いつも行列であきらめたていた。今回は、20時という遅い時間だったので、さすがにスムーズに入店。

台湾の小籠包には、ローカルな感じのするお店と高級感の鼎泰豊のようなお店があるのだが、京鼎楼はわりとローカルよりのお店で、安くて美味しいと評判。小籠包も美味しいのだが、他の料理も素晴らしい。

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閉店時間ギリギリまで粘り、ラストオーダーと言われたにも関わらず閉店10分前に「お願い、ビールをもう1本!これ最後だから」と追加のお願い。仕方ない子たちだねぇという表情で持ってきてくれるおばちゃん。

22時、完全に満腹の状態で京鼎楼を後にする。しかし、台北の夜はまだ終わらない。

夜といえば士林夜市。

一人旅だと士林夜市に行くことはあまりないのだが、初めての人がいれば行かないという選択肢はない。台湾の魅力がギュッと詰まった楽園のような場所。台湾慣れしてきた人たちは、自分好みの夜市を見つけるだが、それでもみんな最初に通過する道が士林夜市。

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満腹かどうかは問題ではない。雰囲気だけでも楽しめるのが夜市の魅力。

満腹と言いながらも到着してすぐに、フルーツの盛り合わせを購入。いやデザートだから……。さらに地下の飲食街に入って、蚵仔煎(牡蠣オムレツ)とビールを注文。気になる料理はいくつもあるけど、さすがにこれでフィニッシュ。

滞在日数が短いと、夜市を満喫できないという大きな問題がある。本来は空腹で夜市に行くのがいいのだが、他に食べたい美味しいお店がありすぎて、それはそれでももったいない気がする。

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最初のお店で腹8分目を心がければいいのだが、もちろんそんな大人の対応はできやしない。

器用な大人になれないから、わたしたちは旅に出る。不器用だからこそ、自分自身で知らない場所、知らない国に行って、自分の目で確かめたくなる。知識が欲しいだけなら有名人の旅行記でも読んでいればいい。

そう思うと、不器用な自分も好きになれる。そう思わなくても自分のことが大好きなのだが。

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終電2本前、時間はすでに24時をまわったところでホテルに戻り、台湾最後の夜が終わりを告げた。最終日のリミットはランチまで。最後まで台湾を遊び尽くすために、わたしたちは深い眠りに落ちていった。


台湾行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。
著者:台湾大好き編集部
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満腹台湾珍道中「台南の朝散歩と朝ごはん」編

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弾丸旅行なので時間がない。3泊4日、実質2日半しかないにも関わらず、台南も台北も満喫したいというのだから、どれだけ時間があっても足りない。

「時間がない、時間がない」ふしぎの国のうさぎの気分。

7時に朝ごはんを食べに出る予定が、「7時15分目標で準備中です!!」のLINE。そうね、女子は大変ですから。男は起床後5分もあれば、どこにだって出かけられる。これだけは男でよかったと常々思う。

時間はないが、2㎞先の牛肉湯のお店までは徒歩。知らない街を馴染ませるには、歩くのが一番というのがわたしの持論だ。蒸し暑さの残る台南で朝から散歩。タクシーを使えばすぐだが、便利なものは時として大切なものを振り落としてしまう。

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幸いここにいる4人はみんなランナー。走力の違いはあれど、2㎞という距離に臆する人はいない。

この旅を通じて感じたことだが、やっぱりランナーはすごい。運動することに抵抗なく、ある程度習慣になっている人たちは、動ける距離がまったく違う。

それが嬉しくて、余計にハードなスケジュールを組んでしまう。

とはいえ、やはり街歩きはとても重要だ。もしかしたら、観光名所を尋ねるよりも、小さな路地に入り込んで、見たこともないような景色の中に身を置くほうが、旅の記憶をより良いものにしてくれるとわたしは信じている。

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ちょっと気になる路地に入ったり、何も考えずに歩いたら、台湾らしい風景が目の前に広がる。予定外の発見や出会いに、朝から胸踊らせてしまったが、旅をするときはいつだって気持ちは二十歳。初めて海外に出たときから時計は止まっている。

てくてく歩きながら、お店がほとんど開いていないことに不安を感じながら、目的地の六千牛肉湯に向かう。路地を抜けて夏林路に出ると、少し賑やかになり、ポツポツと朝ごはん営業しているお店が目に入り始めて少し安心。

もしかして目当てのお店が休みだったらどうしようと思ったが、六千牛肉湯はちゃんと営業中。ただし、そこそこな行列。

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台南に来たなら牛肉湯は食べておいたほうがいいという口コミがあり、個人的にはかなり半信半疑だったのだが、現地の人たちが行列を作っているくらいだから期待度が一気に高まる。

ちなみにわたしは牛肉麺があまり好きではない。スープも麺も淡白な感じがして物足りない。牛肉湯も同じようなものだろうと思っていたのだが、そう思っていたことを深く反省するほどの衝撃を受けることになる。

注文したのは牛肉湯とライス。それだけだ。牛肉をご飯に乗せて、ご飯と一緒に口運ぶ。

……なんだこの美味しい食べ物は。

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41年生きてきて、こんなシンプルで美味しい牛肉料理を食べたことがない。これまで食べたどんな牛肉料理よりも深みがあり体に染みてくる。

スープをご飯にかけて食べると、これもまた美味。

勢いよく食べたいところだが、わたしは大変なことに気づいてしまった。ひと口食べるごとに、この幸せな時間の終わりが近づくということに。口に肉を運び幸せを噛みしめると、お椀に残された幸せがひとつ減っていく。

子どもの頃、めったに食べることのなかったケーキを、そんな気分で口にしていたことを思い出してしまった。

食べたいけれども、食べるとなくなる。せつなすぎる台南の朝ごはん。

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最後の一切れを口に運び、わたしの幸せな時間が終わってしまった。なんとかして自分で作れるようになりたいが、いったい何が入るとこんなにすごい味になるのか、皆目見当がつかない。

これはまた来なくてはいけない。個人的には牛肉湯を食べるためだけに台南に来てもいい。それで朝からずっと牛肉湯めぐりをしてみたい。いまこうして思い出すだけでも、なぜか目に涙が浮かんでくる。

これはきっと恋。

でもきっと次に来たときは、別の朝ごはんを食べに行くのだろう。わたしはきっと浮気性。いや、恋愛は一途ですから(フォローにならないフォローを入れておこう)。

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せっかく遠くまで歩いたのだから、ホテルまでの戻りは観光スポットをめぐりながら。時々やってくるスコールのような雨に、せっかく一晩で乾かした靴の中をびしょびしょに濡らされながら、昨夜行けなかった神農老街。

神農老街には夜に来るのが一番と言われていたが、雨の朝もこれはこれで画になる風景。本当はこういう路地をゆっくりと歩きたいのだが、これも次回への宿題としておこう。

神農老街から赤崁楼へ向かう途中、飲み物が欲しいということになり、朝から食欲全開の仲間たちと、フレッシュジュースのお店へ。わたしたちはここでようやくマンゴーに出会う。

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夏の台湾に来てマンゴーを口にしないなんてどうかしてる。

日本人の妙なテンションに圧倒されたのか、店員さんが「サービスです」と手渡してくれたのは、たっぷり入ったフルーツの盛り合わせ。どんだけ日本人に親切にすれば気が済むのだろう。こんなにもされると、どうお返ししていいかさっぱりわからない。

マンゴースムージーは言うまでもなく美味しい。きっと真夏の青空の下で飲むとさらに美味しいのだろう。実際に夏に来たら、ずっと台湾ビールを片手に持っていそうな気もするが。

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せっかくだからと、赤崁楼も中に入って見学。赤崁楼は台南で一番の見所かもしれない。ただ、わたしは勉強不足で、中国語の説明を読みながら学習。中国語はしゃべれないが、読む方は半分くらいわかる。

赤崁楼はオランダが統治していた時代の建物で、それを漢民族が取り戻し、その後一度大きく崩れてしまったものの再建。そして日本統治時代にも大修復が行われたのだとか。戦後にも大修復が行われ今の形になっている。

台南の歴史を見続けてきた建物が赤崁楼なのだ。

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建物内をゆっくりと見ていると、この時点で午前11時。本来なら10時には新幹線に乗っているべきだったのだが、予定は未定。1秒だって無駄にしていないのだから、なってしまったものは仕方ない。

素早くチェックアウトを済ませて、台南を後にする。

行きと同じ過ちを犯さないために、500ml缶の台湾ビールを買い込み、意気揚々と新幹線に乗り込んで、またしても2分もしないうちに「静かにしてね」との注意を受ける。

デジャヴか?これはデジャヴなのか?

24時間前に同じ注意を受けた記憶がある。違うところで同じ過ちを犯してしまったようだ。そして当然のように500ml缶の台湾ビールはあっという間になくなってしまう。学習能力ゼロ。

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台南にはたくさんのやり残しをしてしまったが、旅というのはそういうもの。

コンプリートしたら、そこに行く必要はなくなってしまう。行けなかった場所や、できなかったことが多ければ多いほど、また行きたくなるものだ。北京に行き過ぎて、北京での滞在時間のほとんどを公園での読書と昼寝に費やしているわたしが言うのだから説得力はまったくないのだが。

問題はここからだ。台南から台北に戻るのだが、予定よりも2時間遅れている。台北でランチに小籠包と思っていたのだが、台北に着く頃には閉店時間になってしまう。観光のスケジュールもかなり微妙な時間になっている。

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ちっぽけな脳みそをフル回転させて、この後のスケジュールを組み直す。何ができて、何ができないのか。

結果的にわたしたちが決めたのは「それでも全部やる」ということだ。2時間遅れているなら、寝る時間を2時間ずらせばいい。わたしたちに残された時間は限られている。躊躇せずに全部やろう。

くたびれるのは帰りの飛行機の中で十分だ。


愛の台南
著者:川島 小鳥
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満腹台湾珍道中「台南の夜は終わらない」編

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知らない土地に行ったときに、美味しいものにたどり着くにはどうすればいいか。これだけデジタル化が進んだ社会においても、その答えはもう何百年も変わっていない。

そこで暮らす人に美味しいお店を教えてもらえばいい。それだけだ。

万里の長城マラソンを毎年走ってくれる、もはや参加者と言うよりは万里の長城マラソン仲間と呼ぶべき人がいる。昨年の台北マラソンの前日にその仲間と一緒に食事をしたときに連れてきたのが台南で暮らす恋人。

会ったのはその1回だけだが、facebookでつながっているおかげで、お互いのことはそこそこ知っている。台南に行くならあたり前のように頼ることになる。台湾に行くちょっと前に連絡して、美味しいお店を教えてもらうだけでは飽き足らず、「一緒に食べよう」と誘うデリカシーのない男。

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彼女は上司との食事をほっぽり出して、わざわざこちらに合流してくれることに。申し訳ないと思う反面、自分の仲間と繋がってもらえれば面白いし、何よりも注文も全ておまかせしたほうが美味し物にありつける。

なにせ、これから食べに行くのは台湾火鍋のお店「小濠州沙茶爐中山店」。

火鍋は好きなのだが、いつも注文で迷ってしまう。量がわからないし、そもそもメニューが読めない。実際に注文してもらったのは、日本にはない野菜ばかり。そして言うまでもなく美味しい。

台南の料理は台北と比べてどことなく甘い。甘みとコクが強い感じがするのだが、基本的には素材の味を最大限に活かしているので、くどさがなくていくらでも食べれてしまう。

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「このあと夜市に行くから腹8分目で」
「いや8分目なんて無理!」
「とりあえず満腹にして後から考えよう」

後先考えないのが旅の醍醐味だ。後のことなんて後になってから 考えればいい。もちろんたくさん食べるための言い訳だ。とにかく野菜もお肉も美味しくて箸が止まらないのだ。

そして薄味の台湾ビールが、水のように消費されていく。お昼はお酒が置いてなかったのと、このお店のシステムとして、ビールは自分で冷蔵庫に取りに行って、最後に精算するため、店員さんを呼ばなくてもビールを飲める。台南のダメ人間製造システム。

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もっともこんなにもビールを消費しているのは、わたしたちのテーブルくらいだ。テーブルはすべて満席で、家族連れが多いからか、ビールを飲んでいる人たちはそれほど多くない。そもそも台湾では食事中にビールを飲んでいる人はかなり少ないイメージがある。

食事も美味しいのだが、実際に台湾で暮らしている人と話ができるのだから、話が盛り上がらないわけがない。しかも彼女は日本で育ったということもあり、日本語も普通に話すことができる。

わたしは幸運にもそういう人に出会えていたわけだが、台湾人と知り合うのはそれほど難しいことではない。

日本に来ている台湾人に話しかければ、すぐに友だちになれる。中国人との違い?そんなもの気にする必要はない。中国語がわからない?没問題。困ってそうならできる範囲で手を差し伸べればいい。

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あとはfacebookでつながっておけば、台湾に行くときに「今度行くよ」のメッセージを送れば濃密な時間を過ごせることを約束しよう。

そういう友だちを世界中に作ることができる時代。ほんの10年前では考えられないことが現実となっている。これを活かさない手はない。旅の知恵は時代とともに変化していく。

きっと10年後には自動翻訳で言葉の壁すらなくなっている。

これから花園夜市に向かおうというのに、苦しくなるくらい満腹になりお店を後にする。散々食べて2000円以下。食事時間だけ台南に移動できる魔法の扉、誰か作ってくれないものか。

外の天気はやや強めの雨。それでも台南に来て夜市に行かないのは、本当の意味で台南に来たことにはならない。タクシーにぎゅうぎゅう詰めになって花園夜市へ。

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さすが台湾の夜市。雨でも開催中……規模は普段の1/3以下だが。かなり大きめの広場の1/3くらいしかお店が出ていない。当然お客さんもポツポツいる感じで、華やかさはないのだが初めての夜市はいつだってワクワクが止まらない。

悲しいかな胃袋はもう何も欲していないと思ったら、入って数分で買い食いが始まる。

おいおい君たちの胃袋は宇宙なのかい?

あれもこれも食べたいのだが、雨がときおり強く降るため落ち着いて食べることができない。足はすでに靴を履いている意味がないほどのずぶ濡れ状態だったが、この日は1日中そんな感じ。

傘は雨から顔を守るためだけにある。

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台南の夜市を見ていて感じるのは、ちゃんと調理しているなということ。夜市というのは料理が適当なイメージがあるのだが、少なくともわたしが見た限りでは、ちゃんと料理を分かっている人が作っている。

それも、ものすごく手際がいい。こんな雨の日にお店を出すくらいだから、真面目なお店が多かっただけかもしれない。それでも見ていて飽きないくらいの手際のよさ。

満腹だと言いながらも、少し歩いては食べを繰り返し、そのうえホテルで食べる分も購入して、花園夜市を後にする。ここはまた来る必要がある。本来の華やかさをちゃんと見てみたい。

実は台南の夜市は5ヶ所あり、曜日ごとに開いている場所が違う。それをすべて制覇しようと思うと、いったい何度台南を訪れなくてはいけないのだろう。想像しただけでも嬉しい悲鳴しか上がらない。

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戻りももちろんタクシーを使う。本当は神農老街にも行っておきたかったが、さすがにこの雨の中では厳しい。次回への宿題ということにしておいた。やり残しがあれば、また台南に来る理由になる。

理由はなくても来てしまうのだが。

5人いるということでタクシーが簡単に捕まらず、コンビニでタクシーを呼ぶことに。台湾はタクシー文化なので、コンビニの端末を使えばタクシーを呼ぶことができる。アプリでも呼べるらしいがまだ本格的ではない。

北京ではコンビニが少ないため、みんなアプリを使っている。アプリで呼ぶのがあたり前すぎて、目の前を通過するタクシーをスルーするという意味の分からない状態になっているのが北京。台湾はコンビニが多いので、アプリがなくても成立するらしい。

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タクシーを待つ間、コンビニでホテルで飲むお酒を買い込む仲間たち。きっと牛のように胃袋を複数持っているのだろう。そういうわたしもビールをかごに入れていたが。ビールはもちろん別腹。

さらにホテル近くで、かわいい豚のケーキまで買い込みホテルへ戻る。そして23時からの宴会開始。

どんな体力、どんな胃袋をしているのだろう……

翌朝は7時に朝ごはんを食べに行く予定なので、女子はかなり早起きになるはず。でも後のことは後になってから考える精神は忘れない。その日のエネルギーはその日に使い切る潔さ。

今を楽しまないのであれば、それは旅とは言わない。

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そうやって、台湾2日目の夜が過ぎていった。ここまでまだ実質1日しか経過していない。旅としては考えられないくらいの濃密な時間を過ごし、最高に満たされた気持ちで四つ星ホテルの柔らかなベッドに体を溶け込ませていった。


わたしの台南: 「ほんとうの台湾」に出会う旅
著者:一青 妙
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満腹台湾珍道中「八田與一と日本語の通じる街」編

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台湾で最も知られている日本人。それが八田與一という人物。台湾に何度も通っている人は、いつしかその存在を無視することができなくなる。八田與一という人物をもっと知りたい。台湾と日本の関係を学びたい。そうやって台湾にハマっていく日本人が後を絶たない。

わたしたちが台南を訪れたのも、八田與一に引き寄せられたと言っても過言ではない。そもそもこの旅をする前に、仲間と「八田與一さんのお墓に行きたいね」と話をしていたところから、旅の話がトントン拍子に進み始めた。

八田與一のお墓は烏山頭ダムにある。

烏山頭ダムを作ったのが八田與一で、そこまでは台南から車で40㎞近く移動しなくてはいけない。いくらタクシー代が安い台湾でも、そこそこの値段になってしまうので、1人ではなかなか行きづらい。

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そんな場所に向かう話をする前に、時系列に沿って話を進めていこう。

わたしたちが降り立ったのは高鐵の台南駅。ここから台南の中心部までは台鐵で移動する必要がある。新幹線駅は後からできたので、市街地の遠くに駅がある。新横浜駅と横浜駅の関係だと思ってもらえばいい。

高鐵台南駅にある台鐵の駅が沙崙駅だ。初めての人はこれですでにわからなくなる。高鐵は新幹線、台鐵はJRみたいなものだと思ってもらえばいい。新幹線の台南駅はJRの沙崙駅に直結されていて、そこからJRの台南駅に向かう。日本の感覚で例えてみるならそんな感じだろうか。

沙崙線はローカル線なので、基本的には地元の人がたくさん乗ってくる。台北の人に比べるとどことなく垢抜けていない田舎っぽさが残る。1990年代の東京とその他の地方のような関係だろうか。見ていて少しほっとするのはなぜだろう。

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新幹線から乗り換えたときには弱まっていた雨も、台南駅を降りた途端に豪雨に変わる。梅雨時期にスコールが重なっているような感覚。この突然の豪雨にはこの後も何度となく苦しめられた。

台南での宿泊先は台南大飯店。日本人がよく泊まるホテルということもあり、完全に日本語対応ができている。わたしの拙い中国語よりも日本語で会話したほうがよっぽど通じてしまう悲しさ。

お昼どきを少し回っていたので、台南駅周辺での美味しいお店を調べる。台湾は外食文化なので美味しいお店を探すには、GoogleMapがあればそれで完結する。「美食」といれて検索すれば、いくつかのお店が出てくる。

その中から、評価の高いお店をチェックして、お店の雰囲気が良ければそこを選べば間違いない。少なくとも現地の人達に人気のお店にはたどり着ける。わざわざ台湾好きの人のブログを訪れて調べる必要はない。

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金鳳老牌陽春麵。

GoogleMapが案内してくれたお店は市場にある麺の専門店。よほどの台南通でもなければ、ここにたどり着くことはないだろうというような小さなお店。しかも閉店間際になだれ込む日本人4人組。

さすがにここでは日本語が通じないが、店員さんがスマホを駆使して注文を取ってくれる。この一生懸命さは日本の飲食店のマニュアルにはない、わたしたちがこの数十年で失ってしまったもの。

言葉が通じなくても一生懸命であることが伝われば心は通じる。

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4種類の麺とスープや小さなおかずを注文すると、ほとんど待つことなく料理が運ばれてくる。とにかく台湾グルメに飢えているわたしたちが乾いたスポンジが水を吸うかのごとく、次々に麺を胃袋におさめていく。

そしてその美味しさにいちいち驚かされる。台南の料理は味付けがシンプルで、素材の味がとても活かされている。しつこさがないからいくらでも食べれてしまう。しかも4人もいれば注文できる種類も多いので、様々な味を楽しむことができる。

中華圏を旅するときは、絶対に複数人で行ったほうがいい。食事の満足度が天と地ほど変わってくるのだ。

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これでもかというくらいの量を食べたにも関わらず、1人あたりの値段はなんと230円くらい。北京で食事をするよりも遥かに安く、しかも日本人好みの味。もちろん台北よりも安い。恐るべし台南の物価。

お腹と背中がくっつきそうなくらい空腹だったわたしたちは、大満足でお腹を膨らませてお店を後にする。その足で向かったのはタクシー乗り場……ではなく、ローカルのタピオカドリンクのお店。

台南にはローカルなお店が数多く残っている。台北もまだまだローカルなお店があるが、日本のチェーン店が入り込みすぎて少し興ざめするところがあるが、台南はわくわく感が止まらない。

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タピオカドリンクのお店で、店員に日本語で話しかける仲間。いや通じるわけないやんと思っていたら、見事に日本語で返してくる。こういうところが台南のすごいところ。どこでも通じるわけではないが、日本語が通じる場所があまりにも多い。

台湾人が「日本が好き」とよく言うのだが、その好きの度合が大きすぎて少し怖さも感じることがある。彼らの多くが、熱狂的に日本が好きなのだ。そして第2外国語として日本語を学び、日本に遊びに行くことを夢見ている。

何がそこまでさせるのか。

その答えの先にあるのが八田與一の存在だ。いや、あの戦争が終わる前までにこの土地で暮らしていた日本人の存在と言ってもいい。八田與一はその象徴に過ぎない。

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あの時代、日本が台湾を植民地支配していたのは事実だが、それは欧米の行っている植民地支配とはまったく違ったもので、そこで暮らす日本人と中国人、そして台湾の原住民のいずれも平等に学びの機会が与えられ、全員が日本国民として生きていた時代が確かにそこにあった。

当時の日本はお金もなくとても苦しい状態だったにも関わらず、日本で集めた税金を徹底して台湾の発展につぎ込んでいた。台湾の繁栄が日本を支えてくれる。その信念が台湾の発展、そして日本人と台湾人の結びつきにつながっている。

そんなことはほとんどすべての台湾人が知っているのだが、日本人はその歴史を知らない。わたしたちにとってはあの時代を語ることはタブーのようになっている。

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歴史的背景がわからないから、なぜ台湾人が熱狂的に日本を愛しているのかがわからない。それはとてももったいないことだとわたしは思う。

八田與一のお墓がある烏山頭ダムに向かったものの、大雨の影響で日本家屋などは閉鎖されていた。それでも烏山頭ダムの雄大さを感じることもでき、そしてなによりも八田與一のお墓には行くことができる。

八田與一のお墓と言っているが、烏山頭ダムにはあるのは八田夫妻のお墓だ。八田與一は戦時中にフィリピンに向かう途中にアメリカ軍の潜水艦によって撃沈され死亡し、それを聞いた外代樹(とよき)婦人は、烏山頭ダムの放水口に見を投げ出し、夫の後を追っている。

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夫婦の絆を強く感じるエピソードであり、人を愛するということの意味を考えさせられる。2人はお見合いで結婚をしている。外代樹さんは当時16歳。恋愛結婚なんて考えられなかった時代。

愛ははじめからそこにあるのではなく、夫婦で育てていくもの。その感覚も恋愛至上主義の中でわたしたち日本人が忘れてしまったものかもしれない。

その2人のお墓の前には八田與一の銅像が設置されている。わたしたちが訪問する1ヶ月前に首が切断されるという事件があったが、台南市により即座に修理がされている。

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切断をしたのは台中統一派の政治団体に所属する元台北市議だそうだ。

台湾には複雑な歴史があるため、中国から独立をしていると考える台湾独立派、台湾と中国の統一を考える台中統一派、そして日本の文化を大切にする知日派があり、それぞれがぶつかり合っている現実がある。

このあたりも台湾を知る上でとても重要な事だが、説明をするのは別の機会にしておこう。

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八田與一の銅像と夫婦のお墓を目にすると、さすがにこみ上げてくるものがある。小さなお墓と、存在を主張しない銅像。そこには日本人の美意識や、台湾の人たちの尊敬の念などが詰まっている。

もし1人で来たなら何時間も銅像の横に座っていたかもしれない。

彼や彼と同じ時代を台湾で生きた日本人がいて、いまこうして日本に熱狂してくれる若い人たちがいる。頭では理解していたが、ここを訪れたことで、そのことがしっかりと胸に刻まれたように感じる。

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そして帰りのタクシーの中で考える。今の時代だからわたしができることはなんだろうということを。それはきっとこうして、台湾の今やあの時代に起きたことを日本人に伝えていくことなんだろう。

この旅行記を読んだ人が、何かを感じて台湾に足を運び、台湾のことを深く知っていく。そうなれば、この長文の旅行記も少しは報われるかもしれない。


台湾を愛した日本人 著者:古川 勝三
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満腹台湾珍道中「初めての台南に上陸」編

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純粋に海外旅行に行くなんていつ以来だろう。しかも一人旅ではないのは、2013年の台北マラソンに行ったのが最後かもしれない。ただそのときも行きのフライトは単独で、1人だけ台北マラソンに参加。

初めての台湾は2010年、これまで4回の訪台で、今回が5回目の台湾。

初台湾は右も左も分からない状態でのツアーでの参加。今回はラン仲間とLINEで打ち合わせをしながらの自由旅行。LCCがセールを待ったり、エクスペディアでホテルを探したり。

自分で言うのもなんだが、台北の街にはそこそこ詳しくなったつもりだ。もちろん知らないことのほうが多いことは自覚しているが、台湾を楽しむコツというのはそれなりに心得ているつもりだ。

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ただ自分だけならホテルや飛行機を雑な選び方で決めるけれども、一緒に行くメンバーがいるから色々と慎重に。女子もいるので安ホテルでは嫌だけど、できるだけ安くは済ませたい。しかもできるだけアクセスのいい場所。

そんなことを考えながらホテル探しをしていたのに、最初に「ここいいんじゃないか」と提案したHOTELが「ほぼラブホ」との口コミで大ブーイング。キャンセルして別のHOTELにしてもらったはずが、数日前にそのホテルを予約したままだったことが発覚。

危なかった……そんなホテルエクスペディアに載せるなよと苦情を申し立てたくなる。

ぎりぎりキャンセルして、別のホテルに変更するなど、出発前から波乱の予感が漂う。いや、楽しい旅になる予感しかしない。波乱はいつだって旅の楽しみでしかない。トラブルこそが旅を楽しい思い出にしてくれる。

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さらに出発の数日前から台湾は大雨の予報。台南で暮らす友だちからは「週末は大荒れ」のメッセージ。梅雨時期だから仕方ないが、南の島の旅はやはり青空が似合う。

集合は金曜日の20時、成田空港第3ターミナル。偶然か必然か、電車に乗り込んで連絡を取り合っていたら4人中3人が押上駅からの乗り換えであることがわかり、なぜか押上で3人が集合。ただのコミュニケーション不足とも言う。

1人は仕事終わりにバスに乗り込んで、全員20時に無事集合。

フライトはバニラエアJW107。バニラエアはLCCだがANAグループということもあって、あまり遅延しない。

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ただし、成田空港がすでに悪天候ということもあって出発がやや遅れてしまい、0:55到着予定がちょっと遅延。これくらいは全然許容範囲と思いきや、桃園空港で入国審査の大行列。夜中到着はこれがあるからつらい。

それでも入国審査は日本語対応をしてもらいスムーズに通過。タクシーを使って桃園の中壢にあるホテルに移動。このときすでに午前3時。たくさん眠りたいところだが、わたしたちが台湾にいられる時間は短い。

「朝はゆっくりでいいよ」言いたい気持ちをぐっとおさえて、「8時半に朝ごはんね」と伝える。今回のメンバーのありがたいところは、そういう無茶振りでも文句のひとつもでなかったこと。

多少の不満はあったかもしれないけど、帰国までちょっと信じられないくらいに詰め込んたスケジュールにだったが、眠そうな顔をしても不満そうな顔は見せずについてきてくれるからすごく助かる。

ちょっとそれに甘えすぎたところは反省している。

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ホテルはまったくの初めての場所なのと、すぐに移動したいのもあって、この朝だけはホテルで朝ごはんをいただくことに。わたしは基本的にホテルの朝ごはんは食べない派。食べられる回数は限られているのだから、現地の人たちが食べているものを口にしたい。海外なら朝マックだってネタになる。

そうは言うものの、タイム・イズ・マネー。ホテルで朝ごはんを食べながら、台湾を現在進行形で襲っている豪雨のニュースをチェックして、この日の予定を再確認。向かうのは絶賛梅雨前線が停滞中の台南。サンダルを持ってくるべきだったとここでも反省。

仲間の一人がトイレから出られなくなるという前代未聞のトラブルに合ってしまったが、とりあえず大きな問題にはならずに、ホテルをチェックアウト。本人はこの世の終わりくらいに焦ったらしいが。

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ちなみに今回はAmazonで事前にSIMカード「FAREASTONE 台湾プリペイドSIM」を購入。電話はできないけど、5日間通話し放題で1100円。仲間が閉じ込められたトイレが圏外だったのが唯一の誤算。

宿泊した雲端商務旅館は、MRT空港線の環北駅まで徒歩3分。我ながらナイスチョイス。

「駅までどれくらい?」
「5分くらいで行けると思う」

3分後

「あれが駅」
「5分もかかってないやん!」

5分と言ったのに3分で着いたことにクレームを受ける。

世の中には理不尽なことがいっぱいある。

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MRT空港線は最近開通したばかりの路線で、環北駅はその終点。いずれ中壢まで伸びるとか伸びないとか。いずれにしても初めてのMRT空港線にワクワク。初めて台湾の地下鉄に乗る2人はコインタイプの切符にびっくり。

高鐵桃園駅から向かうは台南。

これまでの訪台で、台南は一度も訪れたことのない街。それ以前に新幹線すら初めて。仲間の一人は2回目の台南ということだが、みんなテンションが上りすぎて、ビジネス席に乗り込んで2分もしないうちに乗務員さんに「静かにしてね」との注意を受ける。

中国からきた人たちが日本で騒がしいとよく言われるが、それとたいして変わらない。いや、初めての台南でテンションが上げるなというほうが無理がある。

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持ち込んだ台湾ビールはあっという間に空になり、「没有(ないよ)」と言われているのに、車内販売のお兄ちゃんに何度も「ビールないの?」と確認する。日本人のイメージダウンになると分かっていても下がらないテンション。

楽しいのだから仕方ない。みんなで電車に乗るなんてなんだか修学旅行を思い出して、ついつい声も大きくなる。ダメな日本人とは理解している。

反省はしない。きっと同じことがまたあっても、また2分で注意を受けてしまう自信がある。

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高いテンションを下げようと神様が思ったのかどうかはわからないが、車窓を叩きつける雨は南に向かうにしたがって徐々に強まっていく。遠くの景色はほとんど見えないほどの大雨の中、1時間半で新幹線は台南駅に到着。

わたしにとっては初上陸の台南。4人組の珍道中はようやくここからスタートをすることになる。


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走らない台湾の旅に行ってきます!ハダシストが旅する意味

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ちょっと台湾に行ってきます。ずっと行きたかった台南と台北を実質2日半で回りますので、かなりの弾丸旅になりそうですが、あいにく天気も悪いという予報。

今回は珍しく1人旅ではありません。ラン仲間との4人旅。

旅慣れた人もいるので、かなり楽ちん。あまりのお手軽さにパスポートを持っていくのを忘れそうでこわい。一応荷造りはしましたが、絶対何か忘れています。

雨の予報ですので、ランニングすることもないでしょうから荷物はかなり少なめ。少なすぎて関税で止められるレベルですが、遊びに行くだけですのでそんなものです。

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台南に行きたかったのは、八田與一さんのお墓と像のある烏山頭ダムがあるからです。台湾に詳しい日本人なら知っていると思いますが、八田與一さんはおそらく台湾で一番尊敬されている日本人ではないでしょうか。

台湾の近代化に大きく貢献した人物で、少し前に上映された映画「KANO」でも、登場人物の一人として描かれていました。

わたしもダムを作ったことは知っていますし、台湾の人たちに慕われていたことも知っていますが、それ以上のことはわかりません。だからそれを知るために台南を訪れるわけです。

でも頭の中の9割は観光気分と、美味しいものを食べたいということで占められています。マラソン関係以外で海外に行くのは何年ぶりかわかりません。ずっと前にiPhoneを買いに香港に行った以来でしょうか。

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わたしにとって、海外=マラソンというイメージしかありません。北京なんて往復で2万円ですから毎月でも行けばいいのに、走らないとなるとなぜか二の足を踏んでしまいます。

今回ラン仲間と行けるのはいいきっかけかもしれません。

もっと積極的に台湾や中国に足を運んで、たくさんの経験をしたいところです。やっぱり自分で経験したことは、本を読んだり動画で見るよりも自分自身の栄養となります。

生きる糧と言っても過言ではありません。

毎日生きていくためには食事をしなくてはいけません。それと同じように、人生を生き抜くにはたくさんの気づきや学びが大切です。海外というのはそれらを簡単に手にすることができます。

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いや、国内にいてもそんなことはできるというのは、よほど恵まれた環境にある人だと思います。

もちろん日本国内にだって素晴らしい場所はたくさんあります。知らない文化だってもちろんあります。でも根底に流れる文化はやはり日本人同士という共通の理解があります。

海外に行くと隣の国ですら、正解が変わってしまいます。日本で正しいことが、お隣の国では正しくなかったりするわけです。人としてのあり方がもう違います。いくらグローバル化が進んでも、数十年というレベルでは違いはなくなりません。

わたしは日本人が嫌いというわけではなく、日本人以外の常識に触れていたと考えています。これは自分の考え方を硬直させないために必要なことです。人間はいつだって自分は正しいと思いがちですが、その正義は自分の中でだけ成立します。

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だから自分の正義を誰かに押し付けることを、わたしは好みません。自分の考え方と違う人たちが周りにいてくれることをとても嬉しく感じますし、「そうじゃないと思う」と言ってくれる人は、どんな高価な宝石よりも大切です。

高価な宝石なんてひとつも持っていませんが。

日本を飛び出れば、そんなことは日常茶飯事です。自分の常識なんて空港に降り立った瞬間から、どこか遠くに吹き飛んでいきます。それこそが、わたしが海外に出かけていく理由です。

言葉も通じずに、意思の疎通も難しい。そんな中で自分を理解してもらう。拙い言葉で一生懸命なんとかしようとすると、相手も本気で向き合ってくれます。困ったときには手を差し伸べてくれます。

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海外に行って嫌な思いをする人はきっとかなりの数いるような気がします。あくまでもわたしの感覚ですが、そういう人たちはきっと、現地の人たちと自分の間に壁を作っているように思えます。

アジアの国々に行くと、なぜか現地の人たちを見下すような日本人にたくさん出会います。それじゃあ誰も助けてくれないよなと思うのですが、それはその人の生き方ですから好きにすればいいかなと思います。

でも自分で壁を作っておきながら、自分には悪いことばかり起きるというのは間違っています。

海外を楽しむには、いかにして自分をOPENにできるのかが重要です。笑われることを恐れず、日本で暮らしているよりも2,3歩多く前に踏み込む。無防備に相手の懐に飛び込む。

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そんなこと言ってるといつか痛い目にあうからと言われそうですが、それも含めての旅です。身構えて後ろから叩かれたてヘコミますが、無防備で殴られても悪いのは自分だと開き直れるものです。

さて、初めての台南はどんな表情で迎えてくれるのでしょう。

完全にハマってしまうのか、それともやっぱり台北が好きってなるのか。どちらになるかはわかりませんが、起きている時間をすべて楽しむくらいのつもりではしゃいできます。


回想の八田與一 (家族やゆかりの証言でつづる)
著者:北國新聞社
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裸足ランニングはシューズを脱げばいいというわけではない

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24時間を裸足で走り終えて、少し落ち着いたところで感じたことは、やっぱり裸足で走るのは楽しいし、体がきちんと整うということです。

わたしの理屈では、正しいフォームで無理なく走れば人間はどんどん健康になっていきます。それはシューズを履いていても同じなのですが、シューズを履いて正しいフォームというのはなかなか難しいところです。

特に日本人がよく履く、アディダス、ナイキ、アシックスなどの大手メーカーで作られたシューズでは、走れば走るほど体に必要以上の負荷がかかっているような気がします。

それらのメーカーのシューズは、基本的に速く走るために作られていますので、走りながら体を整えるというようなコンセプトにはならないので、仕方ないところです。きっと誰もそんなシューズを望んでいませんし。

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裸足で走って体が整うと感じたのは、24時間マラソンの翌々日に行ったピラティスでした。

以前はひと月に2回くらいはレッスンを受けていたのですが、独立してからは毎月1回、国府津のお寺でピラティスを受講しています。動きを習うというよりは、自分の体の状態を確認するためです。

わたしの走り方は体幹をとても重視していますので、走っているだけでインナーマッスルが鍛えられます。マラソンで疲れる箇所は腹筋と背筋です。そして腹筋と背筋がわたしの走りの生命線です。

その腹筋と背筋を作ったのはピラティスですが、いまはピラティスをしなくても、必要なインナーマッスルは走るだけで十分に整います。だから毎月1回は自分の体チェックのために通っています。

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24時間マラソン後のピラティスは、とても体に柔軟性があり、なおかつ無駄な力をほとんど入れずに、体のバランスを取ることができました。これまでもそれは意識していましたが、今回は初めて本当の意味での力の抜き方に気づけたような気がします。

これは裸足で走るときの感覚にも似ています。24時間マラソン翌日のレポートにも書きましたが、無拍子で走れば荒れたアスファルトの上を裸足で走っても、ほとんど痛みを感じません。

ただし、無拍子で走ろうと思えば思うほど、そのフォームで走るのは難しいという難点があります。

マラソンで速く走ろうとするときに、必死になって力を入れて走っても速く走れないように、最大限のリラックスした状態の中で、ランナーは速く走ることができます。

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ちゃんと走ろう、速く走ろうという思いが強ければ強いほど、焦りになり動きにロスが発生します。

これはシューズを履いていても、裸足で走っていても変わりません。100%のフルスイングがホームランに繋がるのではなく、リラックスして振り抜いてボールを芯に当てるほうがホームランになるのと同じです。

リラックスして走ればいいと言うと、完全に脱力してダラダラ走る人がいますが、もちろんリラックスと脱力は違います。本当の意味でのリラックスをするには、体幹がしっかりしている必要があり、リラックスしてもブレない軸が必要です。

そして、そのためにはやはり裸足で、しっかりと地面を掴んでいなくてはいけません。

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シューズというのは、足の下に緩衝材を敷いているようなものです。それはワラーチでも同じです。この緩衝材があると、軸をまっすぐに立てることはまず不可能です。

体の軸が少しブレたときに、裸足であればすぐに修正できますが、シューズがあることで瞬時に正しい位置に戻すことができません。

勘違いしないでほしいのですが、だからシューズが悪いとわたしは言いたいのではなく、裸足はそれだけのポテンシャルがあり、走れば走るほど体を整えることができるのだとお伝えしたいだけです。

実際に、24時間を裸足で走ってわたしの体にはどこにも異変がないどころか、明らかにバランスが改善されています。

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じゃあすぐにシューズを脱ぎ去って、裸足で走れば健康になれるかというと、決してそういうわけではありません。物事にはすべて順番というものがあります。

裸足ランニングを習うときに、いきなり「あるべき姿」としての完成したフォームを習います。裸足とはこうやって走るものだということを習うわけですが、これまでと違う動きをするため、使う筋肉も違います。

その結果、正しくフォームを習得できなかったり、ケガをするという人も出てきます。

ですから、わたしが「裸足は体を整えることができるからおすすめ」と言ったところで、それを安易に真似るのは危険です。だからわたしは裸足ランニングを誰かに勧めたことはほとんどありません。

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靴を脱げばいい。

裸足ランニングはそんな簡単なことではありません。でも実際には靴を脱げばいいというだけのことでもあります。なんだか禅問答のようですが。

健康な体を手に入れたければ、靴を脱いで走ればいい。それだけです。ただし、靴を脱いで「正しく」走る必要があります。わたしは自分なりの正しい走り方にたどり着くのに5年以上かかっています。しかもいまだに模索中。

その「正しく」というのをどうやって伝えればいいのか。わたしの悩みはそこにあります。

無責任に、シューズを脱げばいいとは言えません。かといって、シューズでケガをする人をそのまま放置するというのも、わたしの立ち位置的にも違うような気がします。

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もっとも、裸足ランニングもジョグでちょろちょろ走っているくらいなら、やっぱりシューズを脱げばいいだけです。でもその先の裸足のメリットを手にするには、段階を踏んで正しい走り方を身に着けなくてはいけません。

しかも正しい走り方というのも裸足ランニングのスタイルによって違います。わたしの正しい走り方は裸足ランニングクラブではおそらく間違った走り方に位置づけされます。

逆に裸足ランニングクラブで教えている走り方で、わたしは走ろうとは思いません。目指すところも、違いますし走りの理論も違います。同じ裸足ランニングでもまったく違ったスタイルがあります。

そしてこれからさらに新しいスタイルが増えていくはずです。

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重要なことは、そのスタイルを表面的に真似ただけでは、裸足の本当の効果が得られにくいということを知ってもらいたいということです。そのうえで自分のスタイルを築いていってもらいたい。

裸足で走りさえすれば故障から解放され、走るだけで体が整う。そんなうまい話はありません。


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夢の島の悪魔〜ハダシスト夢の島24時間マラソン奮闘記〜

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マラソンの悪魔に会ったことないだろうか。マラソンの神様にいたずらされて東京マラソンになかなか出られない。そういう話はよく耳にするけれども、マラソンの悪魔に会ったという話は聞いたことがない。

ただ、今回はそのマラソンの悪魔にひどい目にあわされたという話だ。

「24時間グリーンチャリティリレーマラソンin東京ゆめのしま」通称、夢の島24時間マラソンの正式名称だ。もはや誰もチャリティマラソンであることを認識していない。

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それでも全員が走った周回数の合計がチャリティとして、都市緑化活動に寄付される。走れば走るほど東京に緑が増えていく仕組み。頭の賢そうな人が考えそうなイベント。チャリティだからたくさんのボランティアが助けてくれる。

大会当日の気温は32℃。1年前は裸足で陸上トラックに立つことが出来ないほどの灼熱だったことを思えば、まだましだが、理屈の上では裸足NGとなる気温。

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それでも1年前はスタートからしばらく待機という作戦を選んだ結果が、自己最低の70㎞未満。今年は根拠はないが、久しぶりに100㎞走れそうな気がしたので、熱さを我慢してスタートラインへ。

この判断は正解でもあり、不正解でもあった。

スタートは集団の最後尾のさらに後ろ。ほとんどのランナーがあっという間に駆け抜けるが、わたしの目標は24時間後に立っていること。できれば100㎞を超えて。

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100㎞という設定はあったが、これは目標ではない。目標設定というのは24時間マラソンでは何の意味もない。10年連続10回目の出場にもなれば、それくらいのことは理解しています。

わたしが今回取り組んだのは、「今だけを考えて走る」こと。

24時間マラソンに限らず、スタートから何分経った、何キロ走ったという情報は意味がなく、反対にあと何キロあるという情報も、精神的に自分を弱くする。

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例えば24時間マラソンで4時間経過後、「あと20時間もある」という思考回路になると、そこでもう精神的な負けの状態に追い込まれる。マラソンではいつだって、過去も未来もない。あるのは今という時間だけ。

いまできるベストの走りをすることが、今回のテーマ。

最初の2時間は、ただひたすらに耐えるだけの2時間だった。確実に足裏には熱が入って、痛みを感じ始めている。これ以上はダメだというところを見極めながら走る。

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13時スタートで15時を過ぎたあたりから、太陽が雲に隠れて走りやすい状況。

ただ、このときにはすでに足裏の皮の裏側のタンパク質が溶け始めている状態。ギリギリまで粘った結果が吉と出るか凶と出るか。

それでもスピードが必要なわけでもないので、上手に休みを入れながら距離を伸ばしていく。12時間経過で60㎞くらいは走っておきたいところ。

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休みと言っても序盤は補給のみ。座ることもなくすぐに走りに出る。

ところが、5時間経過するくらいで、走るのが辛くなってくる。走りによる筋肉疲労が始まってしまい、とてもじゃないが、24時間持ちそうになり。そこでわたしは走り方を切り替える。

足をまったく蹴り出さない、すり足のような走り。これについては近いうちに説明する。

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わたしの中では「無拍子」と名付けている。ひねりを使わずに、背中の筋肉の反発だけで前に進むから、筋肉を消耗しない。まだ実践で使ったことはなかったが背に腹は代えられない。

ところが無拍子が見事にハマり、走ることが楽しいと思えるくらいにまで回復した。無拍子だと足裏がまったく痛くない。夢の島陸上競技場の外周の路面はかなり荒れているが、無拍子ならほぼ痛みを感じずに走ることができる。

喜んで走っていたのもつかの間、一難去ってまた一難とはこういうときに使う言葉なのだろう。無拍子でしばらく走っていると、なぜか両足の親指の付け根が痛み始める。

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実際にはアーチに問題があるのだが、連鎖的に最も弱い場所として親指の付け根に負荷がかかって、痛みが発生。

とはいえ、走り方を戻しても痛みが出るので、走り方を変えたことが原因ではなく、もう足が限界だったのだろう。すでに走った距離はフルマラソンを超えていた。

そこからはだましだましの走りになる。痛みは疲労を引き起こす。無拍子で負荷がかからないはずの足がときどきパンパンになる。痛みを嫌って、フォームが崩れているのだ。

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この時点では、まだ休みをきちんと入れて、足先を高く上げて20分も休めばまた走り始めることができる。

これを繰り返そうとしたところで、異変は発生した。体が急に震えかけたのだ。気温が低かったのもあるが、わたしはこれを風邪であることを瞬時に理解して、すぐに上着を着て震えを止める。

わたしは1週間前から風邪を引いた状態で、直前で治ったつもりだったが、気温の低下でぶり返したらしい。

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とりあえず、足の疲労を抜いて走り出そうとするものの、やはり震えが止まらない。上着を着たまま、歩くように走りを再開して、なんとか誤魔化す。ただし喉の腫れと頭痛が伴う。

普通なら走るのを止めるところだが、自分にとっては記念すべき10回目の参加。走れる足があるなら走るという選択肢しかない。ただし、ここで小さなハプニングも発生。LINEで応援してくれてた仲間の書き込みで、現在の周回を知ってしまった。

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そして100㎞までの残り周回がわかったことと、体調不良がはっきりしたので、やはり目標設定を100㎞にきちんと切り替えることにした。この時点では無理のないちょうどいい設定。

疲労が溜まったら、少し長めに休みを入れたりして、周回を重ねていく。

走りもひどい状態になっていたが、苦痛の表情を見かねたのか、人生のモテ期かと思うくらい、いろんな美ジョガーたちが「がんばってください」と声をかけてくれる。

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そんな声援をもらったら意地でも100㎞は走っておきたいところ。1周が1.25㎞なので80周で100㎞になる。76周、77周と集会を重ねて、あと残り2周というところで、マラソンの悪魔がひょっこりと顔を出す。

それまでは薄曇りで、太陽の光を隠していたにも関わらず、79周目の陸上トラックに入る直前に雲がなくなり、陸上トラックは灼熱地獄へと化してしまった。ただし、そこに入らないという選択肢はない。

「夢の島には悪魔がいる」わたしはそうつぶやいた。

いつだって24時間マラソンが、思い通りになったことなんてない。絶対に想定外のトラブルがやってくる。

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慎重にトラックの白線を踏みながら走るが、スピードが出ないから足裏が焼かれていくのがわかる。気合と根性でなんとかトラックを抜け出したが、もうまったく走れない。足の長さ分の1歩を進むことすらむずかしい。

残り1周で100㎞というところなのに。

足の裏は一度熱に反応してしまうと、それは数日間痛みを覚えてて、通常の何倍も痛みを感じやすくなる。それまでなんとか耐えてきた外周の荒れた路面。一歩踏み出すだけで涙が出そうになる。

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通常は1周に15分もあれば余裕で回れるのに、80周目は30分かかってもまだゴールにつかない。

ただし、太陽は再び雲に隠れて路面温度を下げてくれた。わたしが陸上トラックに入った、あの瞬間だけ灼熱地獄だったのだ。これを悪魔の仕業と言わずしてなんと言おう。

死に物狂いで、ゴール200m手前の個人参加者用のテントに戻り、最終的にはラン仲間と揃ってのゴール。余裕があったはずなのに、なぜか命がけの100㎞になってしまった。

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それでも100㎞は100㎞。

ウルトラマラソンを裸足で走ったことのある人にしてみれば、なんで100㎞に24時間もかかっているんだよと思うかもしれないが、そう思うなら来年の夢の島24時間に出てみるといい。

もちろんわたしも出場するが、天候によっては100㎞は無謀な挑戦になってしまうのが24時間マラソンの難しさであり、魅力でもある。

正直、じゃあ次は120㎞目標なんて気軽なことはとてもじゃないが、口には出来ない。

それでも来年はもっといい走りをできるはず。そういう確信のようなものはある。着実に裸足のウルトラランナーとしての自分の形が作られつつある。足裏はぼろぼろになってしまったが、得たものは決して小さくはない。

無拍子の走り方。まずはこれを早い段階で身につけなくてはいけない。

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いよいよ明日は夢の島24時間!10年連続10回目も裸足の河童

2008年

明日もしスタートラインに立つことができれば、10年連続10回目の出場になります。

24時間グリーンチャリティリレーマラソンin東京ゆめのしま

名前が長すぎるから、夢の島24時間と短縮されチャリティマラソンであることが忘れられている大会。この大会は日本で最も人気のある24時間マラソンです。

基本はチームの部があり、ちょっとおかしな人たちが、1人で24時間を走ります。24時間マラソンですが、12時間や6時間、4時間の部があり、それはそれで賑やかなのですが、この大会が楽しいのはコースがコンパクトだからです。

2009年

同じ場所をぐるぐる回るのが苦手という人もいるかと思いますが、この大会のコースはどこにでも応援する人がいて、そしてランナー同士の距離も近いため、孤立する瞬間というのがほとんどありません。

2008年 122.96㎞
2009年 120.27km
2010年 113.85km
2011年 125.74km
2012年 104.56km
2013年 86.97km
2014年 110.25km
2015年 81.9km
2016年 67.662km

2012年からはずっと裸足で走っています。裸足の河童が誕生したのは静岡の別の大会でしたが、裸足の河童が定着したのは、紛れもなくこの大会です。

2010年

そしてわたしがフルマラソン以上の距離を初めて走ったのもこの大会です。初フルマラソンの前に、自分がどれくらい走れるものなのか知りたくて出場したのが、第7回大会の2008年でした。

持っている記録としてはいたって平凡です。シューズを履いていても裸足でいても、順位的には後から数えたほうが早いくらい。シューズでの最長記録は夢の島ではなく、同じ系列の平塚での大会で128.02㎞です。

2011年

いずれ裸足でこの距離を塗り替えたいとは思いますが、夢の島陸上競技場の外周はとても路面が荒く、なかなかいい記録が出ません。しかも、この時期は晴れて路面温度が上がってしまうと、裸足では走れなくなります。

昨年は、最初の4時間で5㎞も走っていないかもしれません。

2012年 この年から裸足

今回の目標は100㎞ですが、でもそれを気にせずに走ろうかなと思います。いま何キロとか、何周目とか考えずに、走れる限り休みなく走り続ける。これが本当の目標です。

そのために春先からウルトラマラソン練習会ということで、長時間走り続ける練習をしてきました。10時間くらいなら、ほとんど休憩なしで走れるはずです。12時間走でもなければ100㎞のマラソンでもないので、それなりに休憩はいれるかもしれませんが、基本的には休まずコツコツ。

2013年

作戦としては水分はすべてO.R.Sにして、食べ物もできるだけ少なめ。ミックスナッツとピーナッツを持っていきます。できるだけ体脂肪で走れるのが理想です。あとスピードは絶対に上げない。痛くなったら止まるくらいでしょうか。

これまでやってきたことを積み重ねて、結果的に100㎞走っていたらそれでいいかなと思います。

2014年

別に記録を狙う大会でもありません。24時間もパソコンで作業もせずに走り続けてもいい。それくらいの位置づけです。言ってみれば1年に1回の安走日。

頑張らずに24時間気持ちよく走れれば結果は後からついてきます。

とはいえ、昨年の不甲斐ない記録だけは最低でも更新したいところです。24時間もあって67㎞しか走らないなんて考えられません。暑さの影響もありますが、明日の天気予報は曇り。言い訳はなしです。

2015年

24時間も走っているといろんなことが起こります。もう一歩も走れなくなってからの、奇跡的な回復があることも珍しくありません。24時間マラソンは諦めないことが最も重要です。

諦めずに24時間のできるだけ長い時間、コース上立ち続ける。これだけが今年のわたしの課題。

2016年

そんなこと言って、そうそうに寝ていたらごめんなさい。やる気はあります。でも繰り返しになりますが、何が起こるかわからないのが24時間マラソンです。

不安要素はいくつもあります。でもそういうのは走り前に考えることではありません。

足のコンディションは完璧に近い状態で、足裏も春先からの裸足トレイルのおかげでこれまでになく、いい状態をキープしています。あとは明日のスタートラインに立って覚悟を決めるだけ。

10回目の節目となる24時間グリーンチャリティリレーマラソンin東京ゆめのしま。何が起こるのか、そしてどういう結果が出るのか本当に楽しみです。


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高反発でクッション性に優れるシューズを物理的に考える

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フルマラソンの距離を2時間以内で走りきろうというナイキのチャレンジBREAKING2.0のノウハウを活かしたシューズの発売が開始されました。

いまのところはナイキズームフライとナイキ エア ズーム ペガサス34だけですが、近日中にサブ3ランナーのためのナイキ ズームヴェイパーフライ4%も発売されます。

ナイキズームフライとナイキ ズームヴェイパーフライ4%は、インソールにカーボンプレートを搭載しています。これに関しては賛否があるようですが、個人的な興味はそこではなく、高反発でありながらクッション性に優れるという考え方がとても気になります。

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ナイキのシューズだけでなく、アディダスのBOOSTも同じように高反発でクッション性に優れるのが特徴です。

アディダスのイベントを取材する機会が多いため、裸足ランナーでありながらBOOSTシューズで走ることがよくあります。ただ、高反発でなおかつクッション性が優れるということに対する疑問は常に持ち続けています。

物理的に考えてそんなことが可能なのでしょうか。

わたしはこう見えてバリバリの理系脳です。理系に行ったのは英語の授業が簡単だからという純粋な思いからでしたが(本当に切実な問題だった)、理系の思考というのは間違いなくいまのわたしのベースになっています。

理系脳は論理的でなければ、納得出来ないように出来ています。あらゆる現象には理由があり、突発的に物事が目の前に現れるということを受け入れることができません。そのため何をするにしても理屈っぽくなります。

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めんどくさい生き方をしているとよく言われますが、このめんどくさいところがわたしの良いところも作っている(そんなものがあるならですが)わけですから、とても大切なことです。

そしてその理系脳からすると、クッション性があるのに反発力があるというのは、なかなか理解しがたいものがあります。まったく理解できないわけではありません。例えばスーパーボールなどがその代表的なものです。

いまの若い人にはスーパーボールが分からないかもしれませんが、説明するのが面倒なのでわからない人はググってください。スーパーボールは指で変形するくらいの柔らかさがありますが、地面に叩きつけると驚くほど弾みます。

ただし、腰の高さくらいから手を離して落下させても大して弾みません。

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物と物がぶつかったときには、そこでエネルギーのロスが発生します。それは音だったり、熱だったりするわけですが、このロスが少なければ少ないほど、入力したエネルギーは返ってくるエネルギーに近くなります。

スーパーボールは衝突する瞬間に形状を変形させて、衝突によるエネルギーのロスを少なくしているため、返ってくるエネルギーが大きくなって反発します。

ところが、衝突するときのエネルギーが小さすぎると変形することもできないため、ロスが大きくなって、反発力が小さくなります(説明のために少し乱暴に書いています)。

高反発でクッション性に優れるランニングシューズの考え方も同じです。接地したときに地面に対してかかる力をソールを変形させながら力を蓄えて、その力をバネのようにして足裏を押し出して推進力を生み出します。

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接地するときの力が少なければ、その力はソールを変形させることができずに、反発力を生み出せません。

ナイキのカーボンプレートの入ったシューズは履いたことがありませんので、なんとも言えませんが、BREAKING2.0を観るかぎり、明らかに後半反発していなかったので考え方は同じです。もちろんアディダスのBOOSTも。

要するにこれらのシューズは誰が履いても速く走れるというわけではないということです。しっかりソールを変形させられる力がなければ、BOOSTやカーボンプレートからの戻ってくる力を作り出せません。

そして悩ましいのが、物理的に考えれば最高の反発を得られるための力というものがあるということです。

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スーパーボールは、力強く地面に叩きつけたほうが高く跳ね上がりますが、加える力をどんどん上げていっても跳ね返る高さにはどこかで限界がきてしまい、そこからはむしろ跳ねなくなります。100の力を加えるよりも80の力を加えたほうが、最適な反発を得られることがあります。

またシューズのソールに対して、どの部分に力がかかったときに、最高の反発力が得られるかも決まっています。

野球のバットやテニスのラケットで言うスイートスポットというやつです。もっと言えば、スイートスポットそのものも2つあります。

・足への衝撃を最小限にするスイートスポット
・最大の反発力を得られるスイートスポット

 この2つに対して、シューズメーカーがどう考えているかはわかりませんが、狙いとしてはおそらくこの2つのスイートスポットを同じ場所にしようとするはずです。そして特注品の場合は、ランナーに合ったスイートスポットを作り、市販品は、反発力や吸収力をを減らすなどをしてスイートスポットを広くします。

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もっともいくら広くするとはいえ、フォア(前)側にスイートスポットがあって、ヒール側で着地するとスイートスポット以外のところで走ることになり、まったくシューズの特性を活かせないことになります。

アディダスのBOOSTの中でも匠senなどはブーストがフォア部分にしか入っていません。これはトップランナーの多くがフォア側で着地するためで、必要な場所にだけBOOSTを入れることでスイートスポットを明確にしています。

ですので匠senで踵側からの着地をしたり、フラットな着地をしても、いいタイムは出せません。

ナイキズームフライでも同じようなことが言えます。BREAKING2.0では、各ランナーに最適なセッティングがなされていたはずです。最適な場所にスイートスポットを作り、最高のショック吸収力とその吸収した力から反発力を生み出します。

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市販品のナイキズームフライはスイートスポットを多めに取っているはずですが、合っていない走りをすれば、「使えないシューズ」と言う人も出てくるはずです。

そして実はスイートスポットはもうひとつあります。それは膝への振動を最小限に抑えるスイートスポットです。

おそらくハイレベルなシューズほど、このスイートスポットを無視して作られています。実業団クラスの選手にもなると膝周りの筋肉がしっかりしているため、このスイートスポットを無視しても問題ないためです。

いや、問題があってもそれを考慮して反発力が弱まると意味がありません。走って生計を立てている人は、命を削って稼いでいるわけですから、故障してでも1秒を縮めることを選ぶわけです。

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一般的な初心者向けシューズというのは、足への衝撃を最小限にするスイートスポットと膝への振動を抑えるスイートスポットを考慮して作られているはずです。反発力を考えないのでそのシューズではいつまでたってもスピードを出して走れません。

膝を故障するメカニズムは他のところにも原因がありますが、ランニングシューズの開発においては、3つのスイートスポットの考え方が基本になっています。意図的かどうかはわかりませんが、少なくともわたしはそう感じています。

話は戻って高反発でクッション性に優れるシューズですが、これはあくまでもシューズ設計者の夢であり、ランナーの夢のシューズでもあります。

なぜなら、ランナーは走り続けることで消耗をするからです。

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どんなに優れたランナーでもスタートと35㎞地点では体の状態が同じというわけにはいきません。何万回も地面に足を叩きつける行為をしているのですから当然です。少し難しい話ですが、このようなことを繰り返すことは痛みを感じる感覚を強くしてしまいます。

このため、前半と後半ではスイートスポットが変わってきます。シューズはどこかで最高の力を発揮できなくなってしまうのがマラソンです。もっともフルマラソン2時間切りなどを狙わずに、力を残して走りきれば話は別ですが。

ランニングシューズの開発は、解なき問題の最適解を導き出すような作業ですが、ちょっとそこからランナーが置いて行かれているように、わたしは感じています。

ランナーは各メーカーのプロモーションによってシューズを選び、運が良ければシューズとの相性が良くていい走りができ、相性が悪ければ膝を故障してしまいます。

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いま、ランニング界ではこのミスマッチが平然と放置されています。

意図的に放置しているのか、このミスマッチに気づいていないのかまでは分かりません。ここで説明したことも開発者から聞いたことではなく、あくまでも物理的に考えた結果の考察でしかありません。大きく外しているつもりもありませんが。

ここで「だから高反発で高クッション性のシューズはよくない」なんてことを言いたいわけではなく、そういう客観的な事実を知っておいてもらいたいというだけのことです。

少なくとも3つのスイートスポットの考え方を理解しているだけで、走り方によって選ぶべきシューズが違うということは分かってもらえるはずです。それだけ分かってもらえれば、そこから次に考えるのはそれぞれが行うことです。

自分に最適なシューズについては自分で考えて見つけてください。

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Appleが導く旅人スタイルとわたしに与えた影響

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Appleが新製品を発表しましたが、Appleの製品発表でワクワクしなくてなってからどれくらい経つのでしょう。新しい革新的なチャレンジが生まれることなく、ただの大企業となって何十年後かに衰退していくのを待つだけ。

じゃあApple製品を使わないかというと、iMacもMacBook AirもiPhoneもiPadも使っています。

なぜか?他に変わるものがないから。Windowsのあのへんてこなフォントを見ながら文章を書くなんて、わたしには絶対に無理。あのフォントではまず気分が乗りません。

Androidも使っている時期がありましたが、やっぱりiPhoneのほうがしっくりきます。iPhoneは3Gが発売されるとすぐに購入していますから、やっぱり馴染みやすいのでしょう。

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でもAndroidのようにデュアルSIMではないですし、不便に感じることは多々あります。

そして今の環境もベストかと言われると決してそうでもありません。例えば新しく発表されたMacBookがありますが、あれ1台でいまの2台あるMacをひとつにまとめることが出来ます。

ただし、理想の形にカスタマイズすると214,300円です。MacBook AirとiMacの両方を手放すとなんとかなりそうな気もしますが、やはり高価すぎます。

iPadだってもう文字入力が苦痛になるくらいの動作の遅さになっているので、新しいものに変えたい。iPhoneもそろそろ限界を感じています。でも全部を変えられるほど裕福ではありません。

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とはいえ、いずれなろうと思っている旅人になるときにはもっと貧乏なわけです。スナフキンはいつだって同じ服を着て、同じ帽子をかぶっています。

ひとつのところに留まらない生き方をしたいのであれば、たくさんの物を持つわけにもいきません。これと決めたものだけに絞ってその中で生きていかなくてはいけません。

もしわたしが限られたものしか持てない旅人になるなら、持ち物はこんな感じでしょうか。

パソコン:MacBook
デジカメ:OM-D E-M10
スマホ:iPhone SE

きっとこれだけあればいいような気がします。あとはその時に必要なものをその時だけ持つ。シューズはなくても走れますし、FLOPEEZEのサンダルがあればどこでも走れます。

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これに2セット分の衣類と2枚の手ぬぐいがあれば、世界中どこにいても生きていくことができます。それなのになぜいまはこんなにもモノに囲まれているのだろう。ときどき不思議に感じます。

Appleの製品にドキドキするような魅力を感じなくなりましたが、無駄なものが削ぎ落とされたそのデザインやコンセプトには安心感があります。そして、自分がモノを持ちすぎていることへの危機感も感じます。

その危機感を持ちながら、新しいMacBookが欲しかったり、iMacを買い替えたくなるという矛盾を含んでいるのですが、まだこれはいらないはとは思えないほどの姿は保っています。

新しいスピーカーのHomePodにはまってく魅力を感じませんが。なぜそれを作ろうと思ったのかすら理解できません。もちろんそれは、わたしが音楽を生活の中の重要なものとしていないからで、他の人には魅力があるのかもしれません。

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わたしがあまり物に固執しなくなったのは、やはりAppleの製品に触れてきたということも大きく影響しています。スタイリッシュで、独自路線を貫く姿は自分のライフスタイルを確立させるために必要なものでした。

おそらくこれからもしばらくは必要なのだと思います。

Appleはいまでこそ時代の主流にいますが、そもそもは異端児たちのアイテムでした。わたし自身が異端児とは思いませんが、自分らしさは忘れずにはいるつもりです。そのためにはまだまだApple製品は使っていきます。

今回の新製品の発表で、自分の理想とする未来にほんの少しだけ近づけたような気もしますので、わたし自身も旅人へとシフトしていけるようにゆっくりと準備を進めていこうと思います。

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もっともまだわたしの理想とする旅人というものの姿も曖昧で、追うべき姿もはっきりとは見えていませんが。

まだまだたくさんある、暮らしの中の不要なものを、少しずつ減らしてもっと自由になること。いくつもあるものをひとつにまとめたり、想い出の品を形ではなく記憶として留めておくことなど、すべきことはいっぱいあります。

それを支えてくれるのがAppleの製品です。

ワクワクすることはなくなりましたが、それでもな新しいものが出れば気になります。そんなAppleの製品に負けないだけの魅力ある仕事をすることが目先の目標です。今はその先にある留まらない生き方をするための足場づくり。

道具に使われることなく、道具を使いこなせるように日々頑張っていこう。新しく発表された製品たちをみて、そう強く誓いました。


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ランナーはもっとシューズ選びを慎重に行う必要がある

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マイロード靴総合設計・薄井さんのシューズで走るようになって、まだ1年も経過していませんが、裸足ランとの組み合わせによって、シューズの個性というのがわかりやすくなっています。

ただのランナーだったころ、シューズの違いなんてクッション性やフィット感、重さだけで選んでいましたが、最近はいろいろなシューズを履ける機会もあって、シューズのコンセプトや開発者の狙いが伝わってきます。

きっとこの感覚は、余程のシューズマニアの人でもないと共有してもらえないかもしれません。

それを分かるようになってくると、普通の人たちのシューズの選び方がいかに雑なものなのかがよくわかります。過去の自分もそうでしたし、そういう選び方しかできないのが現状ですが。

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ランニングシューズを選ぶときは、結局のところレーススピードで走ってみないと、そのシューズが本当に自分に合うのかどうかがわかりません。特に反発系のシューズはしっかり圧縮させないと反発しないので、ペタペタ走っている間は、そのシューズの本領が発揮されることはありません。

先日のアディダスのイベントで履いたシューズPure BOOST DPRは、わりと素直なシューズで、履いてすぐに走り方がわかりましたが、その時点ではこのシューズのポテンシャルには気づかず、むしろ安定感のなさが気になりました。

ところが、実際に坂道を全力で駆け上がると、グングンと坂道を上がっていく感覚が伝わってきます。

それだけの圧縮をBOOSTにかけなければ、推進力を得られないわけです。でもそういうことは一般の人にはおそらくわかりません。下手すれば履けば推進力が生まれる、ずるいシューズのようなイメージすら持っているかもしれません。

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どんなシューズにもコンセプトがあり、そのシューズの力を活かすためには、シューズに合った走りをしなければいけません。自分の走りを変えることは簡単ではありませんので、自分の走りに合ったシューズを選ぶのが本当のあるべき姿です。

でもほとんどの人は、実際に購入してみなければ自分の走りに合っているのかわかりませんし、そもそもシューズのポテンシャルを活かし切る走る方が必要だという考え方すらないかもしれません。

シューズのどこで接地して、どのようにして足を抜けば、最もロスを減らして走ることができるか。

そして、その走り方が自分に合っているかどうか。これがシューズを選ぶ基準になるべきですが、シューズを選ぶときは、フィット感と「サブ◯用」のような情報だけを頼りに購入しています。

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それをサポートするのがランニングショップの店員さんですが、正直なところ店員さんのスキルがあまりにも差がありすぎて、正直なところいい店員さんに当たるかどうかは運のようなものです。

本当は、この店員さんはすごいというのをRUNNING STREET 365などで紹介できればいいのですが、まだそこまで手が回りません。いい店員さんに出会うのが運なら、いいシューズに会えるのも運でしかありません。

そこで発生するミスマッチを、なんとか埋めたいところですがまだいい方法が思いつきません。

シューズの選び方ガイドなんてしても、とてもじゃないですが仕事にはなりません。ちゃんとした1足を本気で探すなら、2〜3時間はかかります。それこそランニングマガジン・クリールさんのシューズトライアルくらいの場が必要です。

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そこまで時間をかけてシューズを選びたい人がどれくらいいるのでしょう。

でもやはり間違ったシューズの選び方をしている人を見ると、なんとかすべきなんじゃないかという想いは強くなる一方です。そもそもフィッティングの方法から間違っていますし、シューズのサイズの考え方もわかっていません。

自分の足は25.5cmだから、25.5cmのシューズを選ばなきゃと思っている人がいますが、シューズによって25.5cmになる部分がそれぞれ違いがあります。親指部が25.5cmになるシューズと人差し指部が25.5cmになるシューズとでは、当然履いたときの窮屈感が違います。

これを「ナイキは細いから合わない」というような選び方をしていたりしますが、きちんとしたサイズを選んで、きちんとしたフィッティングを行えば、そうそう合わないシューズなんてないような気がします。

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外反母趾がひどいとかであればまた別問題ですが、本来の合わせ方と違う方法で合わせて、しかもその場で少し歩くくらいしかできないので仕方ないのですが、さすがにシューズ選びとしては乱暴です。

その結果として、膝をケガしたりするわけです。

そして「シューズが悪い」というのが、わたしを含めた裸足になった人たちの主張。シューズは確かに問題を抱えていますが、そのシューズのコンセプトに合わない走りをしているのに、それを選んだ自分の責任はなかったということで。

それを責任というのも乱暴かもしれません。いかんせん、シューズを履いて走るまでそのシューズが自分に合うのかどうかわからないのですし、その発想すらほとんどの人が情報発信していません。

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本来はメーカーのすることなのですが、メーカーでもシューズを開発している人と販売する人が必ずしも近い存在というわけではありません。特に海外メーカーのシューズの場合、日本は販売するだけの代理店をしているだけということもあります。

誤解を恐れずに言えば、メーカーの営業の人が、シューズのことを知らないで販売していることがよくあるということです。知らずにショップに並べてもらうから、店舗で売る側も知識が不足します。

メーカーから出される、そのシューズの特徴だけがおすすめできるポイントで、どのような走りをする人に適しているのかまでは、なかなか把握できません。

それを打開するためにアディダスなどは、走りを解析してシューズ選びを行うようなサービスを行っています。他のメーカーにも同じようなサービスがあります。問題はそのサービスで出た結果の信憑性がどれくらい高いかということと、ひとつのメーカーのシューズしか選べないということです。

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総合的にシューズを提案できるサービスにはある程度のニーズがありそうなのですが、そんなことはランニングショップがすでにやっているような気もします。

仮に最適なシューズを選びサービスをわたしが提供したとして、無料でもないかぎりそこまで真剣にシューズ選びをする人はいないかもしれないという不安もあります。

でも、やっぱりもっと最適なシューズを履いてもらいたい。そういう想いもあります。

そしていずれ自分でシューズを選べるくらいの感覚を身につけてもらいたいのですが、これはまだまだ始動するまでに時間がかかりそうです。シューズの選び方講習会なんかをショップでできればいいのですが、それにはきっとわたしの実績が必要です。

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こつこつレビューを続けて、実績を作っていこうと思います。

しかしまぁハダシストを名乗りながら、アパートの玄関に並んでいる幾つものシューズ。なぜこうなったのでしょう。ありがたい話ですが、日々の練習の半分以上が裸足です。たくさんあるシューズを走り潰せる日はやってくるのでしょうか。

でも、数年後にはレビュー用のシューズで、部屋がいっぱいになるくらいになっていると面白い気もします。それでもきっと裸足を止めることはないでしょうが。


速くケガなく走りたいなら正しくランニングシューズを選びなさい
著者:野村 憲男
楽天ブックス:速くケガなく走りたいなら正しくランニングシューズを選びなさい 脱・間違いだらけのシューズ選び [ 野村憲男 ]

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