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ピッチと心拍数をシンクロさせれば効率よく走れるという可能性

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生理学的に考えれば、ピッチと心拍数が同じになったとき、最も効率よく走れるのではないかという思いつき。現実的であるかどうかは別問題としてですよ。

ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、ふくらはぎのポンプ効果によって、静脈の血液が心臓まで送り返されているのは有名な話です。

単純に考えれば、着地した瞬間にふくらはぎは収縮し、そのタイミングで血液を流します。ふくらはぎの筋肉が弛緩したときには、静脈弁が閉じて血液が逆流しないようになっています。

一方で、血液そのものは心臓の心拍によって流れています。ピッチと心拍数を揃えるというのは、2つのポンプをシンクロさせるということです。

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物理的にそんなことが可能なのかと聞かれると、「そんなこと知らない」と答えるしかありません。でも机上の空論ではあるものの、これが人間の体にとってかなり負担の少ない状態で走れるという説はあながち間違いではありません。

ただ、フルマラソンを走るランナーのピッチは190〜200くらいです。そしてトップランナーでも心拍数は170以下でしょうから、遠からずとはいえシンクロしているかというとそれには程遠い値です。

ただ、フルマラソンのトップランナーというのは、効率よく走っているわけではありません。命を削って走っていますので、体に負荷がかかろうと押し通す走りをします。

ここで話しているのは、月曜日に仕事があるのに日曜日にフルマラソンを走る市民ランナーの話です。もしくは5日間で500kmを走れるようになるにはどうすればいいかを考えている頭のネジが数本行方不明になったランナーの話。

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ランナーには負荷のそれほど高くない心拍数というのがあります。人によりますが140〜150くらいでしょうか。イージーペースと呼ばれる運動強度が60〜75%くらいの領域です。

このときのピッチが140〜150くらいになるようにシンクロさせると、より効果的に血液を循環させることができ、疲労感も少なく走り続けられるという皮算用。

難しそうに思えますが、こういうのは体に秘められた力を信じて心拍数とピッチを近いところに持っていけば、勝手にシンクロするのではないかと思います。

どちらがどちらに引っ張られるのかは分かりません。例えばピッチを150に固定して、その時の心拍数が145なら自然と150に引き寄せられる。ない話ではありません。血管は繋がっているわけですから。

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問題はどうやってそれぞれを近づけるかということ。心拍数はそれなりに性能の高いGPSランニングウォッチがあれば問題ありません。あとはメトロノームアプリでもあればいいのかな。

今は愛媛マラソンに向けての調整中ですので、試すことはできませんが、南横ウルトラマラソンの練習に入ったら試してみようかと思います。南横ウルトラマラソンはもっと高いピッチで走る気もしますが、それでもシンクロさせることはできるはずです。

問題はMi band 3が、ランニング中にちゃんと心拍数を測ってくれるかということ。

こういうのは悩んでも仕方ありません。まずはやってみること。それで足りないところがあれば補っていけばいいんです。よくないのは思いついたのに、いろいろ理由を付けて試さないということ。

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「机上の空論でした」で終わるかもしれませんが、こういう思いつきはその過程で得られるものは必ずあります。あとは、疲労具合を血液検査でもできればいいんですが、これもやっぱり感覚で判断することになります。

まぁそれでも自分の体を信じるとしましょう。マラソンなんてメンタルのスポーツなので、「走りやすくなった」と思い込んだらそれで勝ちです。

こういうことを考えているときは一番楽しかったりします。


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ハダシスト2019年のマラソンスケジュールを検討してみた

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睦びの月も半分が過ぎたうとしているのに、そういえば今年はまだ2人しか知り合いに会っていないことに気づきました。会うことだけが親しむことではないので、いいとしましょう。

それよりも、今年のマラソン計画がまた立っていません。

どうせ守れないのだからあえて立てる必要もなさそうですが、自分の頭を整理するためにも一応書き出してみます。

2月 愛媛マラソン
3月 鹿児島マラソン・南横ウルトラマラソン・西湖リレーマラソン
4月
5月
6月
7月
8月 宮ヶ瀬湖24時間(個人)
9月
10月 万里の長城マラソン
11月 ハルカススカイラン
12月 花蓮太平洋縦谷マラソン(台北マラソン)

珍しく予定が空っぽです。 6月の夢の島がないのが大きいかもしれません。9月に1つくらい入れておきたいですね。まだ走ったことのない都道府県のフルマラソン。

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岩手の県南レジェンドランナーズをやるつもりでしたが、懐事情により来年に延期。今年は台湾の大会も加わってるし、その大会の日にたまたま台湾にいるのですが、前日に南横ウルトラマラソンを走っているのでやめておきます。

南横ウルトラマラソンは5位以内を狙っていくので。実際に順位はどうでもいいのですが、それくらいの気持ちを入れて走るということで。

フルマラソンをまだ走ったことのない地域は意外とたくさんあります。

青森・秋田・山形・福島・栃木・群馬・千葉・静岡・愛知・三重
滋賀・福井・岡山・広島・高知・福岡・佐賀・長崎・大分

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地図を埋めるだけなら

9月 田沢湖マラソン
9月 榛名湖マラソン
10月 弘前・白神アップルマラソン
10月 長井マラソン大会
10月 筑後川マラソン

この5つから選ぶことになりそうです。9月なら田沢湖か榛名湖、予算と食べ物で選ぶなら筑後川といったところでしょうか。どれか1つには出ようかとは思います。

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4月から7月まではまったく予定なしです。今年は裸足ランナーの集まる大会に出る予定もありません。それに関してはまたいずれ何かのタイミングで想いを言葉にするかもしれません。

今のタイミングで言えるのは、かすみがうらマラソンも飯能ベアフットマラソンも出ないということ。

夢の島の24時間は2月中に動きがなければ開催はないのでしょう。近くの公園で1人24時間裸足チャレンジでもしようかなと思います。路面がいいので、そこそこの距離を走れるような気がします。

どんな形であれ夢の島24時間が開催されるなら、当然そちらを選びますが。

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4ヶ月も大会に出ないなんて久しぶりかもしれません。もしかしたら、小さな10kmのレースなどには出るかもしれませんが、基本的には遠征はしないつもりです。その代わりではありませんが、7月か8月に花蓮に遊びに行こうかなと。

あとは今年の東西対抗東海道ウルトラマラソンは10月に開催したいのですが、開催するなら10月12〜14日。あ、筑後川マラソンとかぶるので、筑後川マラソンの案は消えました。

これに、あとラン仲間との遠征が入るでしょうか。遠征があるなら……ですが。ハルカススカイランと天童ラ・フランスマラソンが重ならないことを願うのみ。

台北マラソンは花蓮太平洋縦谷マラソンのスケジュール次第です。また1週ずれてくれたら、ハーフマラソンで出ようかなと思います。花蓮太平洋縦谷マラソンも本気ランの予定ですので。

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基本的には遠征は1ヶ月に1回まで(去年も言ってたけど)。

レースは減らしてもっと違ったランの楽しさを開拓していきます。坂道ランも暖かくなったら再開しますし、旅ランも本格的にやりたいなと。それに、今年のどこかで金沢から江戸までの5日間500kmチャレンジも。

そうやっていろいろ楽しんで、またフルマラソンを走りたくなったらレースに戻ります。


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iPhone 5SをようやくiPhone SEにしたお話

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iPhoneを買い替えました。iPhone 5SからiPhone SEへ。写真を見てもらえば分かると思いますが、見た目はまったく変わりません。iPhone 5Sはカバーなしで使っていたので、やや傷が多いくらいでしょうか。

iPhone SEも中古でしたので、ピカピカというわけではありませんが、頑張って良品を選んだのでそこそこきれいです。正直なところ、もうワンランクくらいボロでも良かったかもしれません。

まぁ楽天ポイントで全額払ったので、家計は圧迫していないということで。

iPhone SEはもう何年も前の機種ですので、さすがに驚くような快適さはありませんが、iPhone 5Sのようにアプリの立ち上げをずっと待つことはなくなりました。それだけで十分です。

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スマホでゲームをするわけでもありませんので。以前はPokemon GOをしていましたが、飽きたのでだいぶ前に消しました。

飽きるという意味では、今年になって乃木坂46の曲を聞かなくなりました。ですので、新しいiPhoneには乃木坂の曲は入れていません。3月の南横ウルトラマラソンの前には入れるかもしれませんが。

最近聞いているのはあいみょんと上白石萌音。それにAmazon Musicで程壁(チェン・ビー)。あいみょんは少し違いますが、上白石萌音と程壁は透き通るような声が特徴の歌手です。最近はそういう音楽を心が欲しているようです。

あいみょんは、メロディが好きなのと単語のチョイスが天才過ぎて、完全にハマりました。物書きとしてはただただ悔しいのですが、才能の差を嘆いても仕方ありません。

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iPhoneの容量を上げたのに、入れるものは減っています。アプリもこれから減らしていこうかなと。やっぱりわたしはミニマムなものが好きです。

自分が小さいということも影響しているのかもしれません(体も器も)。

iPhone SEがまた動作が重たくなったらどうしようかと本気で焦っています。過去の資産を活かすならiPhoneを買い続けるしかありませんが、iPhoneはどんどん大きくなっていきます。

もういっそのことAndroidにしようかなとは考えています。大好きなXiaomiのスマホに。

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今年の12月の台北マラソンか花蓮太平洋縦谷マラソンで台湾に行く前に、本気で考えることにします。台湾ならグローバル版を安く買えますので。

Xiaomiが好きなのはデザインがシンプルだからです。かつてのAppleのように。わたしはデザインでもやはりミニマムなものが好きです。必要最低限のデザインが最も美しい。

もっとも何が美しいかの価値観は人それぞれです。スマホだってiPhone SEなんて古臭くてダサいという考えの人もいるでしょう。大事なのは自分の軸があり、それに従って選んでいるかどうかということだけです。

あとは身の丈にあっているかということも大事です。

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少なくともわたしの身の丈には10万円以上もするスマホは不釣り合いです。しかも何をするというわけでもないのに。電話とSNSができればそれでいいんです。

老眼はやや進行していますが、まだ見えないというレベルではありません。先日、針の穴に糸を通すという作業をしたときにはかなり焦りましたが。

そうそう、iPhoneを買い替えたのは動きの遅さに耐えられなくなったからではなく、マナーモードスイッチが壊れたからです。さすがにマナーモードにできないのはいろいろと困ります。

ただでさえマナーのなっていない人間なのに、スマホでまで迷惑をかけるわけにはいかないので。

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いろいろなものをミニマムに。これも今年のテーマですね。普段の生活品も旅の荷物も、自分のやらなくてはいけないことも。あれこれとっ散らかった夢や目標も。

やる気だけはミニマムにならないように気をつけますが。


やめる勇気 「やらねば! 」をミニマムにして心を強くする21の習慣
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たどり着いたのは「太腿を下ろす」という感覚

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昨年のハルカススカイランでの大撃沈。その振り返りをしているときに、ひとつの気づきがありました。「走るということに対し根本的な勘違いをしているのでは?」ということです。

これまでは歩きの延長に走りがあると思っていました。だから、わたしは膝から下を動かすイメージで走っていました。実際にトレイルの下りなどは、それで恐怖心を克服しました。

でも、振り返りをしているときに感じたのは「太腿を下ろす」という感覚でした。

走るというのは「太腿を下ろす」ということで、太腿を下ろして足裏全体で受ける。走るというのは、ただこれを繰り返すだけなのではないかと。

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足のどこで着地するかなんて関係なく、肩甲骨周りの動きなんてどうでもよくて、ただ太腿から足を下ろす。足裏全体で受ける。足裏全体で受けたら、今度は反対の足の太腿を下ろす。

ものすごくシンプルです。ただ、安定感が高く、後半の失速がほとんどありません。16時間で東京日本橋から三島までの113kmを走れたのも、この走りがあったからです。980円のランニングシューズでサブ3.5をしたのも。

ただ、この走りに切り替える段階はかなり大変でした。これまでに使っていない筋肉に負荷をかけるわけです。膝にも負担がかかって「これは間違ったかな」と迷いが生じかけたときもありました。

でも、筋肉がついてくるとその心配は消えました。今でもまだカラダづくりをしていますし、本当に自分のものになるには、あと1年はかかるはずです。人間の体はそんなにすぐには変わりません。

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ランナーはつい、お手軽に速くなる方法を求めますが、そんな魔法のようなものはありません。ケガをしにくくなる走り方はあります。でもその走り方が自然と身につくには筋肉が変わらなくてはいけません。

裸足ランニングを始めて挫折する人の多くが、筋肉がついていないのに無理に走るからです。これまで踵着地やフラット着地をしていた人が、いきなりフォアフットに切り替えて、これまで通りの速度で走れるわけがありません。

多くの人がふくらはぎを痛めてしまい「自分には向いていない」と挫折します。

順序が違います。裸足で走れるようになりたいなら、距離を踏む前にふくらはぎの筋肉を強化しなくてはいけません。そのためには、スピードを落として長い時間走るか、筋トレをするかのどちらか。

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筋肉もないのにスピードを替えずに長い時間走ればどうなるか。故障するに決まってます。

もっとも、裸足ランニングに限らずランナーの故障のほとんどがこれが原因です。体ができていないのに無理して走るから体の弱い部分(関節)が耐えられなくなってケガをします。

わたしが太腿を下ろすという走り方に切り替えたのが11月ですから、まだ2ヶ月も経っていません。それでもそれなりに走れるのは、昨年の春から長い時間をかけてカラダづくりをしていたからです。

意図せずに土台ができていたので、少しの苦しみでレースを走れる域くらいにまでは到達しました。

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だから、この走り方を教えて欲しいと言われても、きっと断ると思います。教えたくないのではなく、形だけを真似たところで上手くいくはずがないからです。

そして、わたしに適した走りが他の人に適しているとは限りません。人間の体は1人ずつ違います。同じような骨格、同じような筋肉のつきかたをしている人はいません。

ランニングフォームというのは、それぞれが自分に最適なものを探さなくてはいけません。

よくトップランナーの動画を見て「この走りは素晴らしい、参考にすべき」とか評論している人がいますが、参考にするのはいいのですが、その走りはそのトップランナーのものです。

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真似たところで、筋肉のつき方も骨格も違うのに結果が出るはずがありません。仮に結果が出てもケガを招く確率がとても高くなります。

だから、わたしは具体的なことはここには書きません。太腿を下ろす感覚。これで通じる人には通じますし、何を言っているのかさっぱり分からないという人は、この走りに適していないので知る必要もないと思います。

わたしはこの走り方で4つのレースを走り、ほぼ確信しています。長い距離を走るのならこれでいいと。

ただ、速く走れるのかという部分においては確信がありません。11月から1度もスピード練習をしていませんので。でも、スピードが出てなくてもいいかなとは思っています。

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わたしがこれから向き合うのは5日間500kmの世界ですので、キロ6分で走れれば十分です。

追求者として、どこまで速く走れるのかは興味があるので試してはみますが、きっとあと1年くらい体を作り上げないとスピードを出すことはできないかと思います。

すぐに結果が出ない。だからランニングは面白い。でもやったことは必ず結果に繋がります。狙った結果に繋がるとは限らないのが玉に瑕ですが。


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有名人になるということ

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世の中の話題となっているAKBグループのNGT48でのトラブル。事実は小説よりも奇なりと言いますが、人間が想像できることはだいたい起きるものです。

個人的には誰が犯人で、運営がどうでとかはどうでもいいのですが、あまり語られない部分についてひとつだけ。

少なくともこの国では有名になること自体が大きなリスクであるということ。有名になるということは事件に巻き込まれる確率が格段に上がります。知らない人から恨みも買いますし、いきなり刺されることだってあります。

不要にトラブルにも巻き込まれます。でも、それが有名になるということです。

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そりゃ誰が悪いかを言えば、犯人が悪くて、所属しているアイドルを守れない運営が悪いんでしょうが、そこが悪いって言って何が変わるわけではありません。

「悪いことをしてはいけません」と言って犯罪がなくなるなら、警察や法律などの抑止力はいりません。そういう抑止力があってもひどい犯罪は跡を絶ちません。

性善説で考えるのは自由ですが、世の中から犯罪者はいなくなりません。その前提で話をしないと机上の空論で言葉を消費するだけです。

中国のように街にくまなく監視カメラをつけ、明らかな犯罪行為を行った場合には、人権を無視してあらゆる権利を奪うくらいの処罰が与えられれば、犯罪行為は減ります。でもそれは誰も望んでいません。

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断言しますが、この世の中から犯罪はなくなりません。今回のようなことはこれからも続きますし、表に出ていないだけで、現在進行系で被害にあっている人がいてもおかしくありません。

繰り返しますが、それが有名になるということです。

有名人にはプライバシーもありませんし、常に身の危険と隣り合わせです。それと引き換えに名声を得ているわけです。多くのファンが持ち上げてくれるわけです。

わたしのような人間ですら、マラソン大会の会場に行けばブログを読んでいる人から声をかけられます。わたしはもう20年以上前からネットで顔も名前も晒しています。デメリットよりもメリットのほうが多いと考えているからです。

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でもこれは男だからできるんだと思っています。女の人が同じことをすると、簡単にストーカー被害に合います。良いとか悪いという話ではなく、そうなるという事実。

僻みや妬みを持たずに生きている人をわたしは知りません。人間には様々な欲があり、その欲をコントロールできる人もいれば、欲によって動かされる人もいます。

有名になりたい。売れっ子になりたいというのも欲です。そういう人を弄びたいというのも欲です。

自分の欲だけが通るほど世の中は甘くありません。欲と欲がぶつかり合うと、ドロドロとした状態になるというのはわたしが改めて言うまでもありません。

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それを乗り越えてでも有名になりたいかどうか。
そういう特殊な世界にわたしたちの常識を当てはめても意味はありません。

有名になりたい。でも敵は作りたくありません。ネットでも叩かれたくありません。犯罪にも巻き込まれたくありません。ストーカーにも合わないようにしてください。

理想はそうなのは分かります。そこを目指すべきかもしれません。ただそれは無理です。

何万人もが自分のことを知っている世界で、絶対に犯罪に合わずに安全に生きていく方法なんてありません。ジョン・レノンだって、ビートルズを結成せずにリヴァプールでのんびり暮らしていたら銃殺されることはなかったわけです。

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この世界は理想郷ではありません。

ダウンタウンの松本さんが相方の浜田さんの電話番号を知らないそうです。電話番号をメモリに残すと、スマホを落としたときに浜田さんの電話番号が漏れてしまう可能性があるからという理由だそうです。

トップに立っている人でも不便を承知で、このようなリスク管理をしなくてはいけない世界。

犯罪を受け入れろと言っているわけでもありませんし、運営する人たちも本人たちも自衛する必要はあります。でも、そもそも運営をする人が善人とは限らないわけです。

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メンバー同士の確執だってあるでしょう。人間同士が競い合っているわけですから。外部から完全に隔離したところで、内部で犯罪が起きるのは容易に想像できます。

犯人探しや真実探しをするのも大事なことかもしれませんが、有名になるというのはこういうリスクもあるのだということを、共通認識として持っておくのにいい機会なのではないかと思います。

それでもスポットライトが当たる場所を目指すのか、違う道を進むのか。それだけは本人たちが自分の意志で決めなくてはいけません。いや、彼女たちだけではなくわたしたちも。


「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)
著者:勝間 和代
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諦めてもいい。ただ潔く

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雪が降る中でのマラソン大会。ランナーはなんであんな環境で走ってしまうのでしょう。わたしも人のことは言えませんが、寒さに耐えながら走ってもケガをリスクが高くなるだけなのに。

日本人は耐えるのが好きです。ただ、耐えて頑張ることに重きを置いて、その結果よりも耐えたことを褒めることすらあります。本当に大事なことは、耐えて何を得たかということです。

わたしはマラソン大会の途中で、まだ行けるのにと思うようなタイミングで身を引ける人をカッコいいなと思います。自分では絶対にできない判断であり賢い選択だからです。

賢いのは分かっているけど、倒れるまでは頑張りたいというのがわたしのスタンスです。

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でも最近は、少しずつ考え方が変わってきました。目先のことに全力を尽くすのではなく、もっと先を見れるようになってきたような気がします。気のせいかもしれませんが。

例えば、一昨日のTAMAハーフマラソン。1時間36分というタイムでしたが、さらに10km走れと言われたら、無理なく走れるくらいの余力を残してゴールしました(実際に言われたら寒いので拒否しましたが)。

このレースにエントリーしたのは、そもそも愛媛マラソンの調整と自分の現状を確認するためでした。だから、自己ベスト更新を狙うわけでもなく、仮に調子が良くても1時間30分以上はかけて走るつもりでした。

1年前の千葉マリンマラソンは、愛媛マラソンの調整レースなのに1時間30分以内の完走を目指しました。愛媛マラソンの目標タイムが3時間30分だったにも関わらず。

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少し前まで、わたしは点でしか物事を考えられませんでした。何をするにしてもピンポイントです。それはそれでわたしの強みではありました。でもそれだと目先のことしかできません。

少しだけ線で物事を考えられるようになって、刹那的な走りをすることは減ってきました。将棋では何手も先を読むのがあたり前らしいですが、何手先も読むことはできなくても、少し先のことまで考えて行動できるようになってきました。

今回でいえば愛媛マラソンが直近の目標ですが、それに対していま何をすべきかを考えられますし、その先の南横ウルトラマラソンにどうつなげていくかも考えています。

いつからそうなったのかは分かりません。1年前の段階ではそうではなかったわけで、2018年のマラソンシーズンが終わってからくらいでしょうか。

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2018年の4月にハルカススカイランに向けて体を作りあげることから初めて、意味のない練習(意味なく走る練習)は1つもしてきませんでした。もしかしたらそれが何らかの影響を与えた可能性はあります。

目標を定めて、そこに向けて全力を尽くす。途中で結果が出ないことに焦らないこと。いまやるべきことを地道に重ねていくこと。

結果的にはハルカススカイランではいい走りができませんでした。ただ、ロードレースで結果が出て、努力は報われるということを体感したことが大きいような気もします。

これがランニング以外にもいい影響を与えるのではないかと少し期待しています。

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わたしはこう見えてかなり気分屋です。いい仕事ができるときとそうでないときの差がかなりあります。そしてライティングという意味では、目先の仕事ばかりをこなしています。

物書きの仕事も点ではなく線で考えられるようになると、ひとつの壁を超えていけるはずです。

こういう考え方を20代で理解できていればとは思いますが、それができないからこそ今の自分があるわけです。20代から小さくまとまっていても人としての魅力は出ません(今のわたしに魅力があるかどうかは別として)。

でも、きちんと未来の着地点を決めて、そこに向けて今やるべきことを逆算して考え実行する。そういうことを若いうちからできる人が成功者になるのでしょうね。

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40代にしてようやく気づけたわたしは、これから大成することもないのでしょう。何事も遅きに失するということはありませんが、さすがにここからプロサッカー選手も目指せませんし、ベンチャー企業を起こす気にもなりません。

それが器というものです。

点ではなく線で考えられるようになると、自分の器というのも見えてきます。大きくもなく平凡に見える形であっても、自分だけの器。見えてくると器に入らないものを追いかけることもなくなります。

これまでは自分の器の形も分からずに、あれも欲しいこれも欲しいとなっていました。そして、手にすることができない現実を受け入れることができずに未練がましく。でも、そこから一歩抜け出せた気がします。

諦めてもいい。ただ潔く。


諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉
著者:為末 大
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TAMAハーフマラソン完走記〜走りをコントロールするということ〜

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東西対立東海道ウルトラマラソンで左足裏と右アキレス腱を痛めてしまい、ここまでの10日間はほぼ休養に当ててきました。徐々に回復傾向にはあったものの、前日のランレコード練習会での12kmが足にダメージを残します。

朝起きたときには、これはいけるかなという感覚でしたが、アパートから鶴巻温泉までの500mは左足を引きずるようにしか歩けません。足裏のアーチがまったくない状態。

電車移動の間、アーチを取り戻すためにあれこれアプローチした結果、二子玉川駅に着いたときには、歩くだけなら痛みはないくらいにまで回復していました。

ただ、今回走るのはハーフマラソン。わたしの予想は10kmくらいでのリタイアでした。

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ですので、家を出るときには「行く必要があるのだろうか?」と自分に問いかけます。取材という名目もあるので、とりあえず会場の多摩川河川敷には向かいましたが、完走できる気配はありません。

走ってみたら意外といけたという状態を期待して、軽くアップをします。ただ、アップでNGとなるのは避けたいので、軽くジョグで流し、スクワットで体を温めます。

極寒。

この日はまさにその2文字に尽きました。レース序盤から雪が舞い、最終的には冷たい小雨が気力と体温を一緒に奪うようなコンディション。

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TAMAハーフマラソンはとても小さな大会で、ハーフマラソンでも150人程度の参加者数。スタートの列は図らずも2列目という好位置でしたが、序盤は控えめに入ります。

ただし、この日は記録のためにGARMINのGPSのランニングウォッチを付けていましたが、表示は一切チェックしませんでした。ペースで走るのではなく感覚で走ることを大事にしたかったので。

スタートしてすぐに判断したことは、左足が使いものにならないということでした。足を置いてくることはできても、それ以上のことは何もできません。

左足は添えるだけにして、右足1本で走るような感じになります。2つあるエンジンのうちの1つが使えないわけですから、スピードは期待できません。しかも肝心の右足も寒さと荒い路面に適応できず、必要以上に力が入っています。

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スタートしてそこそこいい位置にいましたが、1km走ったところでペースダウン。こんなに無駄な力が入っていて21kmも走れるわけがありません。

体全体の力を抜いて仕切り直し。

この間にキロ4分30秒のペースランナーに抜かれました。キロ4分45秒のペースランナーは後方ですので、おそらくキロ4分35秒〜40秒の間で走っていると推定。ただ、ペースは大事ではありません。

左足を守りながらも、フォームがおかしくならないように気をつけます。左足をかばって右足をケガするというのが最悪のシナリオ。幸い、右足の無駄な力が抜けたことで、アキレス腱痛の心配もありません。

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ただ、6kmでの折返しで向かい風になり、しかも微妙な上り傾向。ペースがかなり落ちた感覚がありました。後でチェックしてみると、キロ4分40秒台まで落ちています。

スピードに乗り切れないのは左足だけが原因ではなさそうです。どうやらわたしの走り方は、路面が荒れている場合や土の場合には適していないようです。接地が安定せず、しっかり体重をかけられないので、体をバネのように使うことができません。

そしてもうひとつ。ずっと気にしていたことがありました。カーフカバーは走りを阻害するということ。

これはRUNNING STREET 365の記事にも書きましたが、ふくらはぎの筋肉をカーフカバー(記事はタイツ)で圧迫することで、ふくらはぎの自然なポンプ効果が消されてしまうという可能性。

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実は東西対立東海道ウルトラマラソンのときも、寒さ対策でカーフカバーをしていました。ところが、20kmも走らないうちにふくらはぎに痛みがあり、これはおかしいと思って脱いでいます。

そこからはトラブルがありませんでしたので、おそらくカーフカバーが悪さをしていたのでしょう。

このため、今回もカーフカバーなしにしたかったのですが、雪が降るような気温です。寒さに負けてカーフカバーを履いたのが失敗でした。11kmまで走ったところで、カーフカバーを足首まで下ろします。

すると、これまで抑圧されていたストレスが開放されたのか、走りが一気に軽くなります。とはいえ、オーバーペースは左足を壊しかねないので、自重はしています。

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それでも15〜16kmまでがこの日の最速ラップの4分23秒。後ろからスタートした30kmの部、キロ4分15秒のペースランナーに抜かれるものの、それほど差が開かないと感じていましたが、悪くない走りをしていたようです。

ここまで悪いなりにも、うまく走りをコントロールできていることに満足していました。このペースで走れば、キロ4分45秒のペースランナーには追いつかれることもなさそうです。

完走も危ういと思っていたわけですから、我ながらよくできたと思った矢先にやらかしました。

左足を盛大に挫いてしまいました。あまりの痛みに大声を出してしまいましたが、そこでまず思い浮かんだのは知らず知らずのうちに左足をかばっていたということ。

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そして、そのことに対する怒りが湧いてきます。左足を使って走れないことは仕方ありません。タイムが悪いのだってこの日ばかりは受け入れます。でも、痛みから逃げていたという事実は受け入れるわけにはいきません。

痛みから逃げるくらいなら、最初からスタートラインに立つべきではない。

18kmをきちんとコントロールして走りましたが、残り3kmは怒りの感情を抑えることができず。幸いわたしは足を挫いたくらいでは足首の捻挫をしません。痛みはあっても悪化はしないと判断し、そこからは感情に任せて左足を使います。

最後の3kmは4分25秒、4分33秒、4分33秒。怒りに任せて走った1kmは結果的に失速しましたが、それでも4分33秒だってこの日の平均ラップを上回るペースです。

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1時間36分24秒(AVG:4分34秒)

昨年の千葉マリンマラソンよりも6分も遅いタイムですが、片肺運転だと思えば妥当なところです。そして、これによって、愛媛マラソンでのペースが決まりました。4分30秒前後といったところでしょうか。

愛媛マラソンは時計もしない可能性がありますので、実際には感覚で走ることになりますが。

ここからスピード練習を入れるので、もう少し速くなるかもしれませんが、奇跡のレベルアップを期待するほど経験の浅いランナーでもありません。むしろ、4分30秒のペースで走りきり、3月の南横ウルトラマラソンにつなげたいなと。

42.195kmをそのペースで走り切ることができれば、南横ウルトラマラソンの60kmもそこそこ期待できます。

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やや強引に出走したTAMAハーフマラソンですが、結果以外では得るものがありました。片肺運転でもキロ4分34秒。荒い路面や土の路面が苦手だということ。カーフカバーは向いていない。

そして、自分が圧倒的に寒さに弱いということです。

そういうことを愛媛マラソンにどう活かすのかというのが次の課題。同じミスを何度も繰り返せるほど、わたしには時間が残されていません。まずは足の回復を目指して、最高のコンディションで愛媛マラソン当日を迎えます。


エネルギーコントロールの授業ー人生を思いのまま変えていくシンプルにして究極の方法
著者:大原彩奨
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13回忌

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12年前の1月10日。あの日の夜の無力感だけはいまだに覚えています。1週間前に会ったばかりの父の他界。「なぜ?」という思いと「そだったか」という思いが交錯し、礼服を入れたはずのカバンに入っていたのは濃紺のスーツ。

完全に地に足が付いていなかったのでしょう。

翌日に松山まで移動し、父の姿を見ても涙は流さなかったような気がします。

あれから12年の月日が流れ、昨夜が13回忌。法要はわたしの愛媛マラソンに合わせてということで、2月まで先送りしてもらいました。一般的に法要は命日の前にするものと言われていますが、どうも根拠のない話だとか。

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なぜか、ここ最近は父のことを思い出すことが増えています。

年末あたりには1度夢に出てきました。あたり前に父がいる生活の夢を見ただけですので、枕元に立つというのではないのでしょう。昔からわたしには多くを語らない人でしたし。

男の親子はぺちゃくちゃおしゃべりするものではない。そう思っていたのですが、どうも世の中にはそうでもない家もあるようで、親子の形はいろいろですね。

わたしは小さな頃から習い事が多く、基本的には家にいません。父は会社勤めでしたが商売人でしたので、休みは水曜日などの平日でした。だから他の家のように週末に一緒に遊ぶなんてことはほとんどありません。

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別に嫌っているわけでもありませんでした。ただ接点がなかっただけ。

だから自然と会話も減っていきます。中学時代や高校時代にどれだけ言葉を交わしたか分かりません。大学に進学しないと言ったときに、大学だけは卒業しておけと諭されたことは覚えています。職場のある大阪江坂にある中華料理店。

基本的にわたしが選んだ道に口をだすこともありませんでした。わたしも悩みを相談をしたこともありません。もっとも悩みを誰かに相談するなんて、父に限らず人生で1度もありませんが(多分)。

自分のことは自分で決める。責任も取れない年齢のうちからその気持だけは強かった気がします。

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それは先天的なものなのか、父や母がそう育てたのか、はたまた偶然の産物なのかは分かりません。いつの間にかわたしは頼るということをしない人間になっていました。

人に頼るというのは今でも得意ではありません。

大学進学と父の転勤が重なり、妹や母が引っ越してくるまでの少しの間、父と2人暮らしをしていた時期がありました。あのときに何を話していたかは覚えてません。

そういえば大学選びも相談せずに決めました。最初からサッカーをするために関東の大学に行くと決めていましたので。1人暮らしのつもりが、結局家族と一緒だったのは誤算でしたが。

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湘南工科大学の特待生試験があったのは豊橋だったような気がします。朝早かったのもあって、父が新大阪駅まで送ってくれたのをさっき思い出しました。妙に頼もしかった記憶があります。

大学に入ってからは、バイトとサッカーと勉強だけの日々でしたので、父と顔を合わせることもほとんどありませんでした。そんなある日、父が倒れて救急車で運ばれたとの連絡がありました。

その時から、人生は永遠ではないということを徐々に意識し始めました。

重松家は短命な人が多いようで、祖父も若くして他界しています。父は5人兄弟ですが、すでに3人が他界しています。みんな真面目で働きすぎるところがありました。

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2人の叔父が亡くなったとき、わたしは働き方を変えました。それまでは午前2時3時まで働くことも珍しくなく、残業代だけで基本給以上になっていたのですが、できるだけ残業をしない働き方を模索し始めました。

機械設計という職業柄、年に1〜2回はどうしても踏ん張らなくてはいけないことがあります。そういうときは徹夜でも何でもしますが、そうでないときにはできるだけ自分の時間を増やすことに。

そういうときに出会ったのがマラソンでした。初マラソンは2006年10月29日ですので、あの日の2ヶ月とちょっと前ということになります。

2007年3月にも10kmのレースに出ていますが、あのときどんな心境だったのでしょう。よく走れたなと思うのですが、そういうときだから走れたのかもしれません。走ることが逃げ場だった。

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あのころ、まさか自分がここまで走ることに関わりながら生きていくとは思いもしませんでした。きっと縁があったのでしょう。走り始めたのがあのタイミングだったのも、走りことに向き合えるタイミングだったのも。

ありがたいことに虚弱体質で弱々しかったわたしに、父と母はスポーツという道を示してくれました。そこそこ強い体を手にしているのは、間違いなく両親のおかげです。

普段はそんなことを口にしませんが。こういうときくらいはね。でも、これからは意識して口に出してみようかなと思います。父を思い出すことが多いのも、きっと何かの意味があるのでしょうから。

今回は礼服を忘れないようにしないとですね。スーツそのものを忘れそうで不安なのです。今度は地に足がついていないのではなく、12年という月日のなかで、ただ物忘れがひどくなっただけですが。


愛する人を亡くした人へ ―悲しみを癒す15通の手紙
著者:一条 真也
楽天ブックス:愛する人を亡くした人へ 悲しみを癒す15通の手紙 [ 一条真也 ]

痛みはずっと寄り添ってくれた友だちのような存在

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わたしは痛みに弱いタイプの人間です。裸足で走ってるのに?と思われるかもしれませんが、裸足とシューズでフルマラソンのタイムが1時間近く違うわけですから、どれだけ痛みに臆病なのか分かるかと思います。

裸足ランナーでもサブ3を狙うような人たちは、「裸足のほうが速い」と言います。そういう人たちは、痛みに強いもしくは痛みを感じない人なんだろうなとは思います。

痛みには弱いのですが、忍耐力はそこそこあるつもりでいます。忍耐力があるなら痛みにも耐えられるような気がしますが、いつも言っているように痛みは感情ですので、精神論でなんとかなるものではありません。

忍耐力は完全に精神論ですね。耐えるだけですから。

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年末年始に東海道を走ったあと、いや実はそれよりも少し前から右足の人差し指の痛みが気になっていました。そして東海道を走った後に強く痛みだしたので、骨に問題があるのか?とも不安になりました。

ただ、昨日から激痛に変わって気づきました。「しもやけ」だってことに。

そういえば1年前も同じようなことで悩まされていたのに、典型的な喉元すぎればってやつです。いそいでユースキンを買ってきて指に塗りました。

すぐには痛みがなくなるわけではありません。むしろ痛みはさらに大きくなっています。ただ、痛みというのは嫌うようなものではないかなと思い始めています。

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痛みに弱いということは変わりませんが、痛みは43年間ずっと寄り添ってくれた友だちのような存在です。体に変化があるとき、いつも痛みを伴いました。

ハルカススカイラン以降のカラダづくりにおいても、何度も痛みが発生しました。上半身を鍛えるのに最近は18Lの灯油ケースに水をいれて抱えて立つというトレーニングをしています。

最初は背中の筋肉がひどいことになりました。起きていても寝ていても痛みがあります。人生の終わりなんじゃないかとも思いましたが、いつの間にか軽い筋肉痛になる程度にまで体が変化しました。

国宝松江城マラソンのあとや、台北マラソンのあとに足の甲に激痛が走り、次のレースを走れる気がしないという状態になりましたが、それ以降のレースでは同じ痛みが発生することはありません。

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むしろ、体は明らかにいい方向に変化しました。その結果が東西対抗東海道ウルトラマラソン初日の箱根越えでした。

痛みに弱いわたしにとって、痛い時期というのは本当につらいわけですが、痛みは変化の過程で必ず伴います。肉体的な変化であっても精神的な変化であっても。

成長するための別れというものも、43年も生きていれば何度か経験しています。

あれは本当に痛いもので、今でもしっかりと傷跡として残っています。でも、痛みはいずれ小さくなります。人間は本当によく出来ています。痛みは感情だから慣れることができます。

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痛みを感じなくなったときに、わたしは過去の自分から一歩前に踏み出しています。だから痛みは成長の証でもあるわけです。そう考えたら、いま体のあちこちが悲鳴を上げているのも、悪くないかなと思えるようになりました。

走れないのは本当にストレスなんですが、今の自分にはこの痛みが必要なんだと言い聞かせています。きっと痛みが消えたとき、わたしはさらに違う景色が見えるようになっているはずです。

しもやけの痛みは成長には役立ちませんが。


からだの痛みはこころのサイン ~ やさしくいたわるセルフケアブック ~
著者:ドリーン・バーチュー,ロバート・リーブス
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ZOZOタウンの前澤社長は1億円で何を手にしたのか

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ZOZOの前澤社長が総額1億円のお年玉キャンペーンが話題になりました。前澤社長のTwitterをフォローし、投稿をリツイートした人の中から100人に100万円をプレゼントするというものでした。

Twitterのフォロアーは350万人以上増え、リツイート数も世界記録を更新したそうです。

わたしの個人的な考えとしては、いい大人がするようなことではないとは思います。1億円のプレゼントをした前澤社長もリツイートした人に対しても。言葉は悪いですが品がありません。

でも、別に前澤社長にしてみれば、そんなことよりも世の中をパッと明るくしたかったのでしょう。宣伝効果も考えたのかもしれませんが、新年からウジウジやってないで、面白おかしくいこうというメッセージなんだと思います。

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だから、わたしのように世界の片隅で「品がない」なんて言っているよりもよっぽど、世の中にとっては有用なのでしょう。リツイートした人たちも、踊る阿呆に見る阿呆なら踊ったほうがいいというわけです。

実際のところ、このキャンペーンは大成功しました。

日本が元気になったかどうかは知りません。踊った人の数は555万人、多いのか少ないのかも分かりません。1億円の費用対効果としてはかなり大きいような気がします。

朝日新聞や読売新聞の1面広告を出すのに4000万〜5000万円かかるわけですから、1億円でここまで話題になっているわけですから、賢い人のすることはすごいと感心するしかありません。

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こうやってブログのネタにしている時点で、実はわたしも踊らされているのでしょうが、祭りには参加しない傍観者のつぶやきといったところでしょうか。

こういうときに祭りに加わらなくなったところが、自分の成長かなとは思います。

今回のキャンペーンはポイントカードに似ています。ポイントカードは買い物をするときに作ると、100円につき1ポイントもらえて、ポイントが貯まれば買い物に使えたり商品と交換ができます。

わたしはこれが好きではありません。できるだけポイントカードを作らないようにしています。カードを作るのは無料ですから、作らない意味がわからないかもしれません。

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でも、わたしは手持ちのカードもかなり絞って、これ以上は作らないようにしています。ほんの少しでもポイントカードに心を支配されたくないから。

ポイントカードで得することと引き換えに、わたしたちは心を支配されています。個人情報がどうこう言っている人もいますが、それはどうでもいいと思っています。わたしの個人情報くらいいくらでも差し出します。

でも心は差し出したくありません。ちょっとでも得をしたいという卑しさに、自分の心を使いたくないという思いがあります。それで清く正しく美しく生きられるのかというと、まったくもってそうでもありませんが。

それでもそうやって意識して自分の心を守らないと、あっという間に乗っ取られてしまうのが今の時代です。

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乗っ取られてしまったほうがきっと楽なのかもしれません。お金がすべてであり、得するように生きるほうが面白おかしく生きられるという考え方もあります。

でも、そういう人たちは損をすることを極端に嫌うようになります。

長い人生において、損をとるという選択をしなくてはいけないことがたくさんあります。いや、人生においては常に損をとるべきだとわたしは考えています。

その理由はいずれ書くかもしれませんが、ここではあまり深掘りはしません。

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ただ、目の前に損をする選択肢があるなら、常にそれをとるようにしてきました。損というのはババ抜きのようなもので、必ず誰かが引かなくてはいけません。みんなが嫌がるなら自分がとればいいかなと思うわけです。

損しても命を奪われるわけではありませんから。むしろそこから学ぶことはたくさんあります。得して手にするものは刹那的ですが、損から手にするものは自分自身の血肉となります。

ZOZOの前澤社長も1億円の損をとって、お金では買えない何かを手にしました(お金で買ったようなものですが)。それが何かは分かりませんが、宣伝効果とかいった安易なものでないのは間違いありません。

踊る阿呆になるのもいいですが、せめて踊らされていることを自覚しておくといいかとは思います。無意識に踊らされて、知らない間に底なし沼に落とされないように。

まぁ見る阿呆の戯言だと思って聞いておいてもらえれば。


なぜ、あの会社だけが選ばれるのか?-成功し続ける会社がやっているたった3つの仕組み
著者:宇都 雅史
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知識ではなく知恵を大切にする

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いつものように走れないのはもどかしいものです。今日も夕方に走ってきましたが、30分でアキレス腱に違和感があり、結局40分で終了。それでも痛みがかなり引いてきました。

基本的には炎症しているのと固くなって伸縮性がなくなっていると判断し、練習後はアイシングをして、そのあと温めるようにしています。これでだいぶいい感じなのですが、ケアって大事なんだなといまさら。

わたしはストレッチが嫌いなので、ラン後のストレッチをほとんどしません。「寝たら治る」なんて平気で言ってしまうタイプです。気づいている人もいると思いますが、わたしはインソールとケアの記事はほとんど書きません。

でも、やっぱりアイシングすると違うんです。腫れがきちんと引いてくれて、悪いところだけがはっきりと分かります。患部が腫れていると痛みの連鎖が起きて、結局痛みの原因がボヤケてしまうというか。

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アイシングで腫れを取り除いて、あとは患部の血流を良くすればケガの治りは早くなる……とわたしは考えています。医学に詳しいわけではないので参考にはしないでください。

ただ、世の中は理にかなわないことはありません。たぶんこれで治ります。

このアイシングという考え方を知っていれば東海道ももう少し楽に走れたのかな。そんなことを考えています。アイシングも嫌いなのであまりしないタイプでした。

24時間マラソンを裸足で走ったあとくらいでしょうか、アイシングなんてするのは。

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身をもって賢くなったと思えばいいのでしょうか。こうやって自分を削って学んだことは一生モノになります。今年の秋から始めるつもりの金沢江戸500km5日間ランでも活きてくるような気がします。

ちなみに、江戸時代に金沢の氷を献上品として江戸まで運んだという記録があります。1回ではなく毎年のことだったとかで、現代では信じられないようなことが200年前くらいに行われていた事実。

わたしたちは賢くなったのか、それとも愚かになったのか。

知識は増えて知恵が失われたのかもしれません。それが文明というものかもしれませんが、やっぱり知恵というのは大事にしたいところです。受け継いできた知恵だけでなく、自分で生み出す知恵も。

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今回のアイシングも、わたしにしてみれば知恵です。どうすれば痛みが引くのかを考えに考えて、冷やして温めるという結論に達しました。医学的に正しいかどうかは知りませんが、これは知恵です。

スポーツ医学的には常識なのかもしれません。でもこういうのは本を読んで知識として身につけても、本当にその必要性を感じてやらなくては意味がありません。

部活ならコーチが強制的にやらせるということもありますが、必要性を分かっていない人がそれを行っても、ケガの防止にはなっても、その人の力にはなりません。きっと部活を止めたらケアをしなくなります。

本当の意味でのコーチングというのは、気づきを与えることなんだろうなと思います。わたしのピラティスの先生がまさにそういうコーチングをしてくれました。

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手取り足取り教えるのではなく、感じることを重視してひとつひとつの動作を丁寧に進めてくれます。それによって、わたしは自分なりに、動きについて考える習慣がついていきました。

そうやって種を蒔いてくれたものが、このような状況に追い込まれたことで芽を出したのでしょう。

今年は種を蒔いてきたものが、ひとつひとつの芽を出してくるのではないかという予感があります。その芽をつぶしてしまわないようにという意味も込めて、丁寧に生きようと誓っています。

雑に生きていると、どうしても小さな変化、小さな気づきを見逃してしまいがちです。

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ちょっとでも心に引っかかったことがあれば、ゆっくりと立ち止まって考えてみる。立ち止まらないにしても、スピードを緩めてみることでも見逃してしまうものは減っていくはずです。

これまではたくさん失敗を重ねてきました。でも、もうそろそろそれらを回収しないと失敗を糧にできないまま、人生が終わりに向かってしまいます。

もちろんこれからも失敗はするでしょうが、転んでもただでは起きない自分であろうかなと。これまでのように転んですぐに起きて前に進むのではなく、転んだ理由を熟考できる自分。そこから知恵を蓄えられる自分。

それで人よりも遅れてもいいとする1年にしたいところです。


いのちの知恵 人生を深く生きるために
著者:望月 勇
楽天ブックス:いのちの知恵 人生を深く生きるために [ 望月勇 ]

次のステップに入るために毎日を丁寧に生きること

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今年こそは丁寧に生きよう。そんなことを考えています。

会社を辞めて3年半は、かなり慌ただしく生きてきました。それは必要だったのだと思います。常に忙しい状態が続いていて、ずいぶんと世の中から取り残された気もします(困ってはいませんが)。

年末年始に、自分には絶対にできそうにないということを達成しました。これによってランニングにおいての次の目標が決まりました。金沢から東京までの5日間500kmの旅ラン。

加賀藩の足軽飛脚が江戸時代に行っていた移動を、現代のわたしが挑戦します。これはどう考えても無理だと思っていました。いつかやってみたいけど失敗するだろうなと。

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でも、今回東海道を250km走ったことで、不可能ではないということに気づきました。

もちろん、今の自分で手が届くわけではありません。もう1〜2ランクのレベルアップがないと達成できません。でも夢だったものが目標に変わったわけです。積み重ねた先にあるもの。

そのレベルアップをするにあたって、大事なのは走力ではなく生き方なんじゃないかと思っています。一つひとつの行動や選択を大切にして、丁寧に生きること。

わたしは43年間をほぼ勢いだけで生きてきました。思いついたら行動に移し、とにかく動き回っていました。でも、それでは前に進めない領域に入ってきたように感じています。

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ここから先は達人への道といったところでしょうか。

むろん、自分が達人になれるかどうかなんて知りません。でも、凡人のまま走れるほど5日間500kmは簡単ではありません。特にわたしのように特別な才能を持っているわけではない場合は。

きっと天才なら5日間500kmなんていうのも簡単にできるのでしょう。でも凡人がその領域に入るには、人としてもっと深い部分から変わっていかないといけないんだと思います。

世の達人と呼ばれる人たちは、みんな独特な間合いと表現力を持っています。

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わたしはまだ「これ」と語れるものがありません。その場しのぎで43年間生きてきたわけですから当然です。軸がしっかりしていないわけです。もちろん、それを狙っていたわけですが。

カッコつけて言えば行雲流水がこれまでのスタイル。実態は節操のない生き方というだけですが。

気持ちにゆとりを持たせて、どんなときも慌てない。所作を美しく。言葉だけならなんとでも言えますし、これまでも言い続けてきました。でもそれはただの言葉遊び。

「こうありたい」と思いつつも、流れやすい方に流されてきました。

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でも、もうそろそろしっかりと根を張って、自分という形を作り上げていくべきかなと思います。その過程で失うものもあるかもしれません。でも、それを恐れて凡なまま生き続けるのはここまで。

もちろん、安易に人を傷つけていいというわけではありません。人の痛みを想像できる自分を手放すつもりもありません。むしろそれを手に入れるための43年だったわけです。

そして、その自分をベースに、ここから次のステップに入っていく。

即断即決即実行の自分とは分かれて、熟考しゆっくりと判断する自分へのシフトチェンジ。きっと数年はかかると思います。もしかしたら10年経ってもまだ移行中になるかもしれません。

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でも、きっとそれができたときに、金沢から東京までを5日間で走るという挑戦にも成功できるような気がします。

この挑戦はもしかしたら今年の秋から始めるかもしれません。おそらく最初は失敗が続くかと思います。これまでは失敗することを恐れて自分のできる範囲内のことしかやってきませんでしたが、ここからは無理と分かっていても挑もうかと。

そうやって自分の現在地をしっかりと掴みながら、理想の自分に近づいていければいいかなと思います。

言葉では偉そうなことを書いていますが、実際にはそう変わるわけではないかと思います。ですので、今年もまた生ぬるく見守ってもらえればと思います。

そして、いつか5日間で500kmを走ったときに、「とうとうやりやがったな」と思ってもらえれば。


今日もていねいに。 (PHP文庫)
著者:松浦 弥太郎
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第4回東西対抗東海道ウルトラマラソンレポート〜3日目〜

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大晦日から新年にかけてのネットカフェに泊まるものではないという教訓を得て、わたしは最終日55kmの道のりを走り始めた。ネットカフェだけならまだいいのだが、ビリヤードやらダーツがあるともうダメだ。

もちろん、ネットカフェを宿泊場所にしているほうが悪い。そんなことは重々承知しているので、今度の旅ランには耳栓を持っていくと決意した。

3日目の朝。普段の旅ランなら1日目に飛ばして2日目に潰れ、3日目から自分のペースで走れるようになる。ところが、この日は3日目にも関わらず、走れる気配がない。

足裏の痛みは少し改善されたように感じるが、両足のアキレス腱が悲鳴を上げている。完全に柔軟性を失っていて、いつ壊れてもおかしくない状態で走り出した。

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まずは島田宿。

痛いの辛いのを口にしたところで楽になるわけではない。8.7kmの距離を約2時間かかったが、朝ごはん休憩もいれているので、相変わらずの1時間に5kmペース。そこから考えるとこの日の走行時間は11時間。

5時30分にスタートしたのだから、最短でも16時30分がゴールタイムということになる。

もちろん現実はそんなに甘くはない。なんとなく推定したのが15時くらいだったのだが、最初の宿場町でその夢が打ち砕かれてしまうことになる。まさか4日目に入ることはないだろうが、かなり遅くなってからのゴールも視野に入れておいた。

天竜川駅の終電は23時台。思った以上に遅くて助かる。

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島田宿を通過した直後に大井神社があり、運試しではないが初詣を兼ねてのおみくじ。こういうときに神様を頼ったりはしないが、神様のご意向くらいは伺っておいていいのではないかと。

大吉。

なぜだろう、良かったと思うよりはここで1年の運をすべて使い切ってしまったような感覚。「完璧な男になんて惹かれない」と歌ったのはあいみょんだったか。

完璧な運勢にはワクワクが不足する。

まぁ神様が決めたことなので、わたしの知ったことではない。とりあえず神様は走り続けろと言っていると解釈して、そこから金谷に向かって走り出した。

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東海道で好きな場所を挙げるとするなら、金谷から日坂までの間。茶畑の中を通過する旧東海道は、他の道にはない穏やかさがある。ただし、アップダウンが半端ない。

アキレス腱への負荷も考えて、ここを迂回するという選択肢もあったのだが、大吉を引いたことで気持ちが大きくなっていたのだろう。なんとかなると判断して茶畑へ突入した。

走るような歩くようなペースでゆっくりと進んでいると向こうからきた地元の人に「おめでとうございます」の挨拶。そういえば新年だったと思い出し、こちらも「おめでとうございます」と返す。

こういう旅ランならではの交流が好きだ。走っていなかったら一生出会うことのない人と言葉を交わす瞬間。

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日坂を抜けて掛川に入ると宿場町の数はもう限られてくる。日坂までくると残りは35km。まともに走れることができれば4時間もあれば終わる距離だが、今のペースなら7時間。

ただ、感傷的になることはない。

掛川に入るとそこからはひたすら西に向かって走る。足裏もアキレス腱も痛いし、太腿にも疲労が溜まっている。でも200km以上を走っていれば当然のこと。

袋井宿を通過したのは15時26分で残りは12km。このままのペースで18時を超えるかどうかといったところ。

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見附宿のある磐田市はややアップダウンがあるはずなので、その手前で休憩を入れて気持ちを高めておく。ここでこわいのは気の緩み。交通事故の多くは自宅近くで起きていると何かで聞いたことがある。

ゴールが近づいたと思って気を緩めたら、何が起こるかわかったものではない。

見附宿を通過して最後の下り坂に入ったとき、マジックアワーを迎えた浜松の街がそこにあった。それを美しいと思う余裕すら残っていないことに苦笑いする。

まったくらしくない。

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全力を絞り出すなんて走り方はもう卒業したつもりだった。でも、もう気持ちも体も止まらない。ただひたすらに目の前の道だけを見つめて、上がらない足を引きずるように前に進む。

何度もランナーを出迎えた六所神社が視界に入ってくる。

ここに来てようやく、長いようで短く、短いようで長い250kmという距離を実感することができた。やり遂げたという喜びよりも、もう走らなくてもいいという安堵感がわたしを包み、ここまで耐えてくれた体に感謝した。

残り100メートルの記憶はほとんどない。気がつけば六所神社の境内に立ち、250kmの旅路を走り終えていた。

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走行可能時間だけで考えて46時間58分でのゴール。速いかどうかは問題ではない。これが今のわたしを表す数字であり、わたしが積み重ねてきたものだ。

これから時間をかけてこのタイムで走ったことの意味を、自分なりに消化していけばいい。もっと速く走れる自分を目指すのか、それとももっとうまく走れる自分を目指すのかはまだ決まっていない。

ただはっきりしているのは、自分にはまだ伸び代があるということ。きっとまだ強くなれる。そう感じながら、わたしは六所神社を後にした。


成長のための答えは、選手の中にある~選手のポテンシャルを100%引き出すスポーツメンタルコーチング
著者:柘植 陽一郎
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第4回東西対抗東海道ウルトラマラソンレポート〜2日目〜

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寝覚めはいいほうだと思っている。毎朝5時に起床して5分後には走りに出るという生活。朝ランだけはどんな理由があっても続けている習慣だが、この日は5時起床が無理だった。

眠る前に食べた大盛りパスタが胃に負担をかけたのか、それとも113kmという距離に体が耐えられなくなったのか。それでも時間は刻々と刻まれている。西軍の出口くんはこの日の5時に京都三条大橋をスタートしている。

さすがに113kmを走れば、負けることはないと思ったが、それでもわたしは2日で137kmを走る必要がある。出口くんが2日でゴールするにしても、22時から23時くらいと読んでいるが、わたしが何時に到達できるかはまったく分からない。

寒さに耐えながら、三島のホテルを後にしたものの走れない。左足の土踏まずがかなり腫れていて、きちんとした着地ができていない。そもそも足にも力がなく、前日のような走りはできそうもない。

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この日は薩埵峠を超えなくてはいけないにも関わらず。

三島の町は会社員時代に9ヶ月くらい暮らしたことがある。ただ、この日はそれを懐かしむ余裕もない。幸い視界は良好で、物が二重に見えるということはない。

沼津宿に到着したのは、午前7時だったので1時間で5.9kmしか進めていない。このペースで10時間走っても59km。この日の制限時間は18時間あったが、スタートを1時間遅らせたから実質17時間。

このペースで止まらずに走れば、100.3kmという皮算用。ただ、そういう無駄な計算をするというのは、メンタル面でかなり弱っている証拠でもある。気持ち良く走れていた初日の前半は、距離など気にしていない。

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ただ、冷静な判断も必要になる。東西対抗東海道ウルトラマラソンで重要なのは「どこまで走るか」ということ。野宿をNGとしていて23時までには宿泊施設に入らなくてはいけない。

大きな街なら泊まれる場所はいくらでもあるが、山奥にある宿場町などで泊まることは無理。しかも、この日は大晦日ということもあり、ホテルの埋まり具合がまったく読めない。

そうなると頼れるのはネットカフェ。

わたしの頭の中にある旧型コンピュータがフル稼働して考える。そして導き出された解は3つ。70km先の静岡か、80km先の藤枝か、90km先の島田。

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わたしは常々、人間は1日60kmくらいなら毎日走れると言い続けている。だが、それ以上の距離は負担が多すぎて毎日になると難しくなる。それゆえに旅ランでは毎日60kmという制限をつけている。

そこから考えると70km先というのも、現実的な目標として考えづらいが70kmを走れないと、3日目に70km近く残ってしまうことになる。それはどうしても避けるべき。

とりあえずの目標を島田に設定した。遠くを見ることで、自分の中に眠っている可能性が開花することに賭けたのだ。出来る範囲内のことしかしないのがハダシスト流だが、そのやり方が東西対抗東海道ウルトラマラソンでは通用しない。

走りながら成長できる人にゴールにたどり着く権利が与えられるというのを、過去3回のレースで学んできた。

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とはいえ、まったく休みなしで走り続けて100キロ行けるかどうか。休まないというのは、それはそれで現実的ではない。何よりも足裏の痛みがひどくて、1キロ以上続けて歩くこともできないのだから。

それに合わせて、どうやら右足のアキレス腱に違和感がある。無理をしたら切れるのでは?そんな嫌な予感がするような鈍い痛みで、できるだけフラットな着地を心がける。

ただ、ここはまだ勝手知ったる場所。原宿、蒲原宿と順調に進み、由比宿の蕎麦屋で昼ごはん。蕎麦屋だが、年越しそばは夜にとっておくために桜えびかき揚げ丼をチョイスしたが、結果的にはこの日に年越しそばは食べれていない。

この時点で13時30分。スタートから7時間30分で約38キロ。

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ほとんど走れていない状態でこの距離は決して悪くはないが、これは頑張っていることを自慢するレースではない。レースである以上結果が全てであり、このままで行けば藤枝にたどり着くのが精一杯。

それも、ここまでと同じペースで進むことができればという条件付き。

ゆっくり休憩を取れたのが良かったのか、上り坂は足裏への負担が少ないからか、薩埵峠は思いのほか早く通過。曇っていて眺めるべき富士山がそこになかったというのも、ある意味運がいい。

由比宿から興津宿まで9.2kmとなっているが、峠を楽しめたのもありここは余裕で到達。ただし、そろそろ太陽の傾きが気になる時間帯に入る。江尻でのんびりなんて考えていたが、そんな余裕はまったくない。

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そのまま静岡方面へと向かい、残り5時間となったところでこの日の宿にする予定のネットカフェまで22km。Google Mapはかなり際どい到着時間を示している。

ただ、ここで止まったら前日までの苦労が水の泡になってしまう。

もはや完全に歩いている時間のほうが長くなっていたが、ここでもう1段ギアを入れる。せめて歩くよりもスピードを上げて距離を積み重ねていく覚悟。

計算上は10分も余裕がない。コンビニで補給をしていると10分くらいはあっという間に消耗する。そして1度休むと、動けるようになるまで時間がかかる。それでも補給がないと走り切ることはできない。

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様々な状況の中で最適な判断が求められる。こういうのは嫌いではない。

そして、岡谷宿を抜けてあとは藤枝に向かうだけ。ここは毎回長く感じる場所だが、今回は真夜中だったのもありさらに長く感じている。通過する家から聞こえてくる紅白歌合戦。

あぁそういえば大晦日だった。

この時点で蕎麦は完全に諦めることに。ネットカフェなら食事があるので、それをお腹に入れておけばいい。なんて寂しい大晦日だろうと思ったが、家にいても仕事をしているだけだからそう変わるものでもない。

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最後の最後に道をロストしかけたが、22時45分に藤枝宿先にあるネットカフェに到達した。まさかネットカフェで年越しをするとは思っていなかったが、屋根があるだけありがたいというもの。

そして気になる西軍の出口くんは120kmを走り、早めに宿に入ったとのこと。本気で2日ゴールを狙っているのが伝わってくるが、わたしに今できるのは少しでも休むことだけ。

この日はシャワーも浴びずに、そのまま眠りにつくことにした。


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第4回東西対抗東海道ウルトラマラソンレポート〜1日目〜

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押すな押すなと言っていた彼が、本当は押してもらいたかったのだと知ったのはいつの頃だったのだろう。人の言葉には裏があると知ったとき、ただ面倒だと思った。

走ることが好きなのは、自分に正直でいられるから。誰かの発する声を裏読みしなくてもいいから。限界まで追い込まれたとき、人は誰だって正直になれる。もしそうでないなら、きっとそこはまだ限界ではないのだろう。

東京日本橋から静岡天竜川の東端までの250キロ。本当に250キロなのかどうかはわからない。ただ国道の標識には「東京から250km」と書かれてある。それは東海道における本当の中間を示すものではない。

西は三条大橋、東は日本橋。その距離がおよそ500キロなのはよく知られている。

だけど250キロの間まで両端からスタート競い合って、どちらが過酷なのかはわからない。250キロという距離よりも向き合わなくてはいけないものが、東西対抗東海道ウルトラマラソンにはある。

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東軍で2年連続して出場していた立野さんから「出られなくなった」と連絡を受けたとき、一瞬の躊躇もなく「自分が走ろう」と決めた。できる、できないという話ではない。細々とではあるものの、なんとか継続してきたイベントを途切れさせたくなかった。

西軍で3連覇中の出口さんも快く了承してくれ、日本代表経験者とのガチンコ勝負。そう思っていたのもつかの間、今度は出口さんが「仕事があり、31日からしかスタートできなくなった」との連絡。

こちらも31日からスタートというのも考えたが、あえて30日スタートにして、1日のハンディをもらうことに。

なにせ、出口さんは250キロを2日で走ろうというのだ。日本橋から小田原までの80キロですら、1度も走り切ったことのないわたしに勝ち目がない。場合によっては2日もゴールで待たせることになる。

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わたしはいくつかのプランを立てていた。その中のひとつが初日に箱根を越えるというチャレンジ。初日に113キロの箱根越えは、過去3回の大会で誰も達成したことがない。みんなわたし以上の走力があるにもかかわらず。

ただ、2018年の年末3レースで感じたのは、自分が過去に足を踏み入れたことのない領域にいるということ。「もしかしたらもしかする」ということで、最速プランに2日でゴールも入れておいた。イメージしない目標が達成されることはないのだから。

だか、そのプランは初日の早い段階で断念することになる。18時までに小田原に入れば、なんとか箱根を越えられると判断していたが、箱根どころか権太坂を上り、下り坂に入ったところで異変に気付いた。

目がちゃんと見えてなかった。走っている最中に車酔いする感覚があり、体のどこに異変があるのか確かめてみた。上下斜視。標識の文字を読み取れないくらいズレて見えていた。

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どうやら蓄積したストレスが神経系にダメージを与えたのだろう。そういえばレース2日前の夕方練習でも眩暈を覚えたが、あれも斜視だったのだろう。台湾で拗らせた風邪の影響もあったのかもしれない。

目先の問題は、前を見て走れないということだった。片目にすると遠近感がなく、ちょっとした段差にも引っかかりそうになる。両目を薄く開けるようにして、最低限の視界ならなんとか走れるが、スピード感が完全に狂ってしまう。速いのか遅いのか、感覚ですら分からない。

茅ヶ崎から、体づくりを1度教えたことのある重松さん(たまたま同姓)が並走してくれたのと、万里の長城マラソ仲間の草野さんが応援に駆けつけてくれたので、なんとか集中力を維持できたが、それがなかったらリタイアしていたかもしれない。

18時少し過ぎに小田原宿に到着。これはもう、先に行くしかなかった。レギュレーションは5時から23時までが走行可能時間。冬の東海道を知っているわたしが危険回避のために決めたもの。18時で切り上げたら5時間無駄になる。

それでは出口くんに抜かれてしまう。

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わたしは3時間ちょっとで箱根を越えたことがあるので(その時は箱根湯本からだったが)、5時間あればなんとかなると判断した。日が落ちて視界が狭くなったのもあって、斜視もいくぶん落ち着いている。箱根に入れば灯りは手元のライトのみ。足元以外を見る必要もない。

ただ、最速プランの沼津まで行くのいう案はなくなっている。三島に泊まれるホテルがあるのを確認して、気持ちを固めた。あとは気合と根性だけの世界。覚悟を決めて、走り抜けばいいだけのことだ。

残り5時間で30キロ、いま考えても正しい判断かどうかわからない。

上り始めてここまで並走してくれた重松さんが遅れ始める。だが、気をかけている余裕はない。これはレースであり、自分のために走っている。箱根は未開の地ではないので、遅れても自分でなんとかしてくれると信じて先を行く。

一気に駆け上がりと言いたいところだが、すでに90キロ近くを走ってきた体は簡単に悲鳴をあげる。ただ、この日ばかりはその声を聞いている場合ではない。雪が残る氷点下の箱根で立ち止まることはレースの終わりを意味するから。

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箱根は完全に闇の中なので、いつも通るショートカットのトレイルは使えない。ただ箱根の旧道は歩道がないところもあり、車の往来も少なくない。歩道も決して走りやすくはないので、状況判断をしっかりして、最適なルールを選んで芦ノ湖へ。

芦ノ湖からはひたすら下るだけ。残り15キロで2時間。痛みに耐えることさえできれば、時間内に三島にたどり着くことができる。耐えるだけなら得意分野だと、自分に言い聞かせた。

こういうときはほんの少しでも心のスキを見せてはいけない。

「みんな苦しんできた」と過去のレースを思い出し、その苦しみを自分も味わえることに感謝した。人間には限界の向こう側に行かないと見えない景色がある。それは挑戦をした者だけに与えられる権利でもある。

とはいえさすがに足裏は限界で、ところどころ硬い石畳になっている歩道で顔がゆがむが、スピードは緩めない。

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23時ちょうど。三嶋大社前を通過して、その先にあるホテルに飛び込んだのは、制限時間ギリギリのタイミングだった。とりあえず初日を乗りきったことに安堵したが、まだ135キロも残っている事実(並走の重松さんは遅れたものの無事到着)。

さてどうしたものかと思いながら、わたしは柔らかなベットに身を委ねた。


大谷翔平 挑戦
著者:岩手日報社
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