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すべてを手放して最後に自分の手に残っている大切なもの

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家賃2万円のアパートに暮らしていて、テレビも洗濯機もない生活をしていると、モノが少ないミニマリストのような生活をしているのだと思われがちですが、わたしは意外とたくさんのモノに囲まれて暮らしています。

シューズは数え切れないくらいありますし、寝袋だけで4セットあるかもしれません。コタツもありますし、事務所なので電話もFAXもあります。Macは2台ありますし、ディスプレイも1つ追加しています。

モノが少ない生活を理想とはしているものの、モノがないことで苦労するというのはわたしにとってNGです。

洗濯機がなくて苦労しないのかと思うかもしれませんが、、それはまったく苦痛ではありません。男1人分の洗濯なんて手洗いで10分もあれば終わります。洗濯機よりもよっぽど効率的です。

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とはいえ、最終的にはバックパック1つで世界中を旅する旅人になる予定なのに、いまの持ち物の多さは呆れるしかありません。なぜこんなにもモノが増えていくのでしょう?

江戸時代、そこで暮らす人たちの持ち物は、本当に最小限のものでした。家が火事になってもすぐに新しい生活を始めることができます。その時代が素敵だなんてことは言いません。でも、それでも人間は生きることができるという事実から目を背けるわけにはいきません。

そして、たくさんのモノがあれば豊かだという幻想。

台北101に上ったときに、途中でサンゴの加工品が展示販売していたのですが、その加工の素晴らしさにはため息しかでませんでしたが、それを購入することにどんな意味があるのかというところで引っかかってしまいました。

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家に珊瑚でできた鳳凰の像がある。「だからどうした」としか思えないのは、資本主義社会においては弊害しかない存在なのかもしれませんが、少なくとも40歳を超えた男が、モノに固執すると言うのは滑稽です。

一方で、わたしは美しさにはこだわります。先日、どうしてもUSBコネクタ付きの電源タップを購入したのですが、デザインのひどいものが多くて、たった1個の商品を選ぶのに30分以上悩みました。

部屋にあって美しくないものはひとつだって置きたくない。それに関しては尋常ではないこだわりがあります。きっと他の人から見れば偏執的に思えるかもしれません。

美しいモノが好きで、美しい女性が好きで、美しい生き方が好き。

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ただ、その美しいという基準も少し他の人からはズレているんだろうなと思います。わたしが好きな美しさは豪華絢爛なものではなく、むしろ無に近い美しさです。どこまでも無駄を削ぎ落とした先にある美しさ。

そういう意味でわたしは純粋でまっすぐなものや人に惹かれます。

いつか旅人になったときに、そういうものだけに囲まれて生きることができればいいのですが、まだ簡単には辿り着けそうにない境地です。

現状どこか妥協したモノに囲まれているということは、わたし自身が研ぎ澄まされていないということです。あれもこれも手放しきれないのは、心のどこかに迷いがあるからでしょう。

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いかにしてそういうものと決別していくのか。これから数年間のテーマはそこにあります。

たくさんのこだわりを手放したとき、自分の手には何が残っているのか。ちょっと気になりますよね。それをすぐに知ることはないかと思いますが、それほど遠くない未来に分かるような気もします。

最後に自分の手に残っている大切なもの。

それを見つけるためなら、もう少し手放す生活を加速できそうな気がします。


より少ない生き方 ものを手放して豊かになる
著者:ジョシュア・ベッカー
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山では足を滑らせてしまう自分の姿を想像しながら走っている

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ランナーの人はすでに知っているかと思いますが、埼玉で開催されていたトレラン大会中に滑落事故があり、1人のランナーが亡くなられました。

山が好きで、近所の山とはいえ頻繁に走りに行く者として、「そっか」では済ますことのできない気持ちでいます。いや、そもそもマラソンだって決して安全なスポーツではありません。

東京マラソンで、タレントの松村邦洋さんが心肺停止状態で倒れたことを、記憶している人も多いかと思います。マラソン大会中の突然死というものも毎年のように耳にします。

しっかりとした準備をすれば防げたのか、安全に注意すれば防げたのか。こういうとき、そういう議論になりがちですが、少なくともランナーは自分のしているスポーツが100%安全なものではないということを認識しておく必要はあるかなと思います。

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普段の練習だって道路を走っているのですから、どこで交通事故に合うかはわかりません。

トレランは山を走るわけですから、さらに危険ではあります。「しっかりとした準備を行えば山は危険ではない」という人もいるようですが、どれだけ準備をしても山は山です。物理的に最大の準備をしても、体は走りながら刻々と状態が変わっていきます。

レースですといつも以上にがんばれたり、ちょっと無理をしてしまう人も出てくるはずです。

ここまで書いて、自分がなぜトレランのレースに興味がないのか、少しだけ分かった気がします。実際には、興味がないのではなくて「怖い」のだと思います。

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知っている人は知っていると思いますが、わたしはかなりのビビリです。いつも言っているように石橋を壊れるまで叩くタイプです。壊れた橋を見て「ほら危なかったやん」と。

レースというのはいつも以上にアドレナリンが出て、気持ちがハイになります。それが気持ちいいという人もいるのでしょうが、わたしのようなビビリはそこで自分のリミッターが外されるのが怖いんです。

ただでさえビビっているのに、リミッターがハズレたら自分をコントロールできなくなります。そうなったときに何が起きるかを本能的に理解していたのかもしれません。でも山を走るのは好きだから、山には行きます。そして自分が自分でいられる範囲までしか走りません。

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流れ弾は臆病者に当たると言われますが、わたしは自分に流れ弾が飛んで来るのを知っているから、自ら戦場に出ないわけです。嫌なことや危ないことから徹底して逃げているわたしらしい判断ですが、それを卑怯だと言う人もいるかもしれません。

トレランのレースには出なくても、やっぱり走ることは安全ではありません。限界まで追い込んだら、体が壊れてしまう可能性もあります。寿命が短くなるという人もいます。

「それは他のスポーツでも同じこと、もっと危険なスポーツはいくらでもある」と言うこともできますが、それによってランニングが安全になるというわけではありません。

じゃあ走らなかったらいいのか。そんなこと考えるランナーはいないかと思います。走らなければ不健康になってしまうと知っているから。そして何よりも「自分だけは大丈夫」と思っているからです。

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ランニング中に事故に遭う確率と、交通事故に巻き込まれる確率、どれくらい差があるでしょう。おそらく交通事故に巻き込まれる確率のほうが高いのではないでしょうか。でもほとんどのひとは運転を止めようとはしません。

毎日のようにラジオから流れてくる事故情報は、他人事でしかないからです。

「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信。でも事故を起こそうと思って事故を起こす人はいません。まったく問題のない運転をしていても事故は起こります。

同じようにランニング中の事故は誰にでも起こる可能性があります。最大の準備をしてもそれは確率を下げるだけのことで、どうやってもゼロにはできません。

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もちろん確率を下げる努力は必要です。それと「自分だけは大丈夫」と思うことは違います。

自分にも起こることだと思っていれば、少し臆病な気持ちを持っていれば、ちょっとおかしいなと感じたときに立ち止まれるかもしれません。

日本人で初めて8000メートル峰全14座を登頂した竹内洋岳さんは、ピークの手前、数十メートルであっても違和感があったら折り返すそうです。14座のうちアンナプルナは死亡率が40.8%もあるとのこと。

そういう世界で生きている人たちと、わたしたちを同じ土俵で考えるのはおかしいかもしれません。それでも彼がなぜ14座に登頂できたかを考えると、わたしたちがロードや山を走るときの参考にはなると思います。

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彼の言葉でわたしの心に残り、今でも山に入るときにいつも気にしていることは「滑ると思って足を出す」というニュアンスのことです。足を一歩出したら、その足が滑ってしまう前提で足を出せば、実際に滑っても対応ができます。

それは一例ですが、大事なことは想像することです。この道を走っていったらどうなるのか。これ以上心拍数を挙げていくとどうなるのか。体からのSOS信号をこれ以上無視し続けたらどうなるのか。

想像すれば、どこかでブレーキが掛かるはずです。次の一歩を踏み出せなくなるときがあるかもしれません。

そこで止まったことを臆病だと言う人がいたとしても、それは自分自身の問題です。結果論でモノを語っても意味はありません。自分が危ないと感じたから、危険を想像できたから止まった。それでいいと思います。

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ただ、想像が度を過ぎると、わたしのようにトレランのレースには出ないなんて、ちょっとこじらせてしまいますので、いいあんばいで想像してもらえればと思いますが。

山であれば、少し危険なコースを走るときに足を滑らせる自分をイメージする。崖から落ちていく自分をイメージする。それをきちんとイメージできれば回避する方法を想像できます。

でも、そんなことしているとレースにならないのかもしれません。レースで重要なのはおそらく恐怖に打ち勝って勢いよく走る勇気なのでしょう。すぐに立ち止まってしまう、わたしのような臆病な人間が足を踏み入れていい世界ではありません。

だからわたしは自分のスタイルで、レースとは違うところでこれからも山を走り続けるのでしょう。


だからこそ、自分にフェアでなければならない。プロ登山家・竹内洋岳のルール
著者:小林 紀晴
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年末は東西対抗東海道53次ウルトラマラソン!年始は水戸街道ラン!

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あんまり宣伝していませんでしたが、今年も東西対抗東海道53次ウルトラマラソン開催します。

http://runningstreet365.com/ewtu2017

今のところ昨年出場の出口さんと立野さんのエントリーがありました。今年もまた1対1かなと思いながら、ちょっと挑戦してみようかなというチャレンジングなランナーが出てくるのを期待しています。

東西から約250kmずつ、4日間で走り抜ける大会。ルールは簡単。先に中央の天竜川のゴールに辿り着いたら勝利です。ただし、夜中の23時から午前5時までは走行禁止です。

わたしも何度も冬の旅ランをしていますが、夜中の無理な走りはとても危険です。この大会のベースはあくまでも旅にあり、人間は1日60kmなら何日でも走り続けられるということを伝えたいというコンセプトがあります。

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ですので、しっかり食事をして休養した上で翌日また走ることを理想としています。わたしと出口さんが毎晩ビールを飲んでいるだけというのもあるのですが…

開催は年12月28日(木)〜12月31日(日)の4日間で、西は京都三条大橋、東は東京日本橋をスタートします。

自分は走らないけど、東西のサポートしたいという人もいれば声をかけてください。本当にサポートしてくれる人がいて成立するレースです。少しの距離を並走するだけでも元気になれます。

特に日が沈んでからは並走してくれる人がいるかどうか、これはとても重要なポイントになります。

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1日50〜60km走った後に、日が沈んで気温がどんどん下がるなか走り続ける。これは本当に精神力が問われます。どんなランナーもそれを耐えなくてはいけませんが、サポートがいればその苦しみは間違いなく半減します。

年末で忙しい時期ですし、今回は大晦日にかかりますのでいろいろ難しいかと思います。でも、フルマラソンを歩かずに走りきれる人なら、4日間で250kmというのはそれほど難しいことではありません。

4日間で250kmではありませんが、年始はわたしが走ります。東西対抗東海道53次は運営側なのでサポートランはしても、走る距離はたかが知れています。

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昨年は奥州街道を走り、その前年は大阪から伊勢街道を走りました。そして今年は水戸街道、水戸から千住まで111kmです。

2日の始発で水戸に移動して、8時半くらいから走り始めます。

短いじゃないかと思うかもしれません。いや、実際に短いです。計算上は初日に59kmで、2日目に52kmくらいになります。長くしなかったのは良いコースが見つからなかったから。それと愛媛マラソンにベストコンディションで挑みたいためです。

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でも旅ランをしないという訳にはいきません。年に2回、お正月とお盆の旅ラン。これはわたしが走り続けるためのモチベーションでもあります。そして、できれば来夏には中山道を制覇したいと考えています。

1日60kmくらいならいくらでも走れる。そういう気持ちを持ち続けるために走り続けたいのです。

ちょうどいい場所にネットカフェはないので、最初から牛久に宿を取る予定です。こちらも、もし一緒に走っていいよという人がいれば、予約の都合もあるので早めに連絡もらえればと思います。

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もちろん、初日だけの並走や2日目だけの並走もOKです。今回はTrail Route ViewさんにGPS端末を貸してもらえる予定ですので、いつでもわたしの居場所が分かるはずです。

もちろん千住での打ち上げだけ参加も大募集です。

日本橋ではないので正月3日でも、きっと打ち上げできる居酒屋さんがあるはずです。千住宿のひとつ手前、松戸宿なら距離は約11km。走り始めにもいい距離ではないでしょうか。

2018年は頑張る!そう思っている人は、ぜひ一緒に走りましょう。


哲学者が走る: 人生の意味についてランニングが教えてくれたこと
著者:マーク ローランズ
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起きている時間はすべて仕事というわたしの「働き方改革」

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台湾から帰って大阪の叔母の家で仕事をしています。ラン仲間の出る神戸マラソンの取材に行くため、大阪に滞在ということですが、3日間の台湾とハルカススカイランがあったので、平日に遊ぶわけにはいきません。

日本中どこでも仕事ができるのは本当に助かりますが、まだまだライティングの仕事に頼っている部分が多すぎるという現実と向き合わなくてはいけません。

叔母の家で朝から晩までライティング。もったいないような、仕方ないような。

ただ、どこでも仕事ができるというのは、わたしの思い描く未来への第一歩ではあります。将来的には自分の情報発信だけで食べていくことが理想で、それをしながら旅人になることが目標でもあります。

 

Coffee 2306471 640鶴巻温泉を拠点に世界中を飛び回るライター。いや、そうなったときにはライターではなく、ジャーナリストという立場になるのかもしれません。

もちろんすぐにそういう地位に到達できるほど甘い世界ではありません。

わたしはライティングのいろはも学んでいないわけですから、この世界でずっとやってきた人たちには、同じ土俵では太刀打ちできません。ランニングマガジン・クリールの元編集長である樋口さんの文章を読んでいると、実力差に愕然とします。

わたしの文章はランニング界で面白がって読んでくれる人がいますが、面白いのは発想であって、文章の力ではないと感じています。みんなと違う見方をするから興味深いだけで、そんなものはいつか飽きられてしまいます。

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一発屋の芸人と同じで、独特の発想が定着してしまうと、わたしには魅力がなくなるわけです。

そうなる前に、自分の文体を身に着けて、自分だけの情報発信をしていくこと。そのためには他の人が経験したことのない生き方を目指さなくてはいけません。

世界中を旅しながら情報発信をする。今日はニューヨークで美味しいお店の記事を書き、明日はケニアでランニングのレポートを書く。それを喜んで読んでくれる人がいる。そこにわたしの理想があります。

そこにたどり着くにはあと8年はかかるのでしょう。独立してから10年でそこまでたどり着ければ理想的です。

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いくら素人でも10年間、ほぼ毎日2万文字も書き続けていれば、凡人でも文章を書けるようになります。その過程で自分らしい言葉遣いができるようにもなっているはずです。

最近は働き方改革とやらで、働く時間をどんどん短くしようとしていますが、そんなことをしたら日本は滅んでいくだけだと思うのはわたしだけでしょうか。

もし日本人が世界に誇れるような民族なら、働く時間を短くして効率的に働けばいいと思います。でも、わたしのような凡人が、他の人よりも結果を出すには周りの人の倍は集中して働く必要があります。

少なくとも前職の機械設計者という立場は、そうやって手にしてきました。

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仕事時間だけでは、とても天才的なベテラン設計者に追いつけそうもない。だったらわたしは何をすべきか。その答えは簡単です。みんなの倍働けばいいんです。みんなの70%しか才能がなくても倍の時間働ければ、周りの1.4倍もの結果を出すことが出来ます。

日本人はそうやって、世界に注目される国を作ってきました。ところが、働き方改革によって倍の時間働ける人がいなくなります。この国は縮小していく未来しかありません。

そんな中、誰からも文句を言われることなく1日16時間の労働ができる、自分商店はわたしにフィットしています。起きている時間はすべてが仕事。こんな幸せなことはありません。

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会社員が1日8時間で止まっているところ、わたしは倍動けます。

1日16時間働いて、「もう無理だ」と思いながら布団に入る。「眠れない」なんて感じる余裕もないまま、毎日深い眠りに落ちていく。このスタイルが好きです。

でも、仕事人間かというとそういうわけではありません。ないと思っています。

仕事をしているというよりは好きなことをしているだけですので、半分は遊んでいるような感覚。そこが会社員との大きな違いかもしれません。

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どれだけ働いてもストレスがない。楽しめば楽しむほど懐も暖かくなる働き方。これがわたしにとっての「働き方改革」です。

働いても働いても報われない会社員。本当に解消すべき問題はそこにあるはずですが、なぜか労働時間を減らそうとする国。仕事の時間が減ったから豊かになるわけではないのに。

もっとも、わたしのようは働き方を好まない人も多いのでしょう。決まった時間働いて、あとは家でのんびり過ごしたい。そういう生き方もあるのでしょう。いや、そういう人が大多数なのかもしれません。

わたしがそれを受け入れられないというだけのことです。


「働き方改革」の不都合な真実
著者:おおたとしまさ、常見陽平
楽天ブックス:「働き方改革」の不都合な真実 [ おおたとしまさ ]

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台湾で感じられた豊かさとわたしたちが学ぶべきこと

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母親と叔母と一緒に2泊3日の台北旅行に行ってきました。「美味しいものを食べたい」要望はこれだけですが、ずっと食べ続けるわけにもいきませんので、もちろん観光もしています。

台湾を訪問するのはおそらく6回目。定番の観光スポットも周りましたが、単独ではなかなか行くことのなかった場所も訪れています。

台北101や猫空、台湾総督府にも初めて入りました。

定番すぎる場所ではあるものの、いつも混雑しているイメージがあり、これまではなかなか行こうとはしなかった場所です。平日ということもあり、いずれも人は少なめで全体的に落ち着いた雰囲気の中で過ごせたように思えます。

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今回は初めての台湾という叔母と、何十年ぶりかの台湾という母がいたため、これまでとは違った視点で台湾の人たちを見ることができました。

人にもよるとは思いますが、台湾の人たちはいつも落ち着いている。そんな印象を強く受けました。もちろんこれまでも感じていたことですが、今回はそれを強く感じます。

例えば観光地に行っても、それほどしつこく物売りをしようとする人はいません。「もうひと押しすればいいのに」というようなところで、さっと引いてしまう姿を何度も見かけました。

自分が儲けることよりも、相手を不快にさせてはいけない。そういう気持ちが強いのかもしれません。

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あまり儲けたいという気持ちも感じません。1日3回の食事を楽しむことができ、休みに趣味の合う仲間と笑い合うことができればそれで十分。それに加えて年に1回日本に行ければ理想。

それ以上に稼ごうという意欲がないように感じます。

ただ、それは悪いことではなく、日本のようにストレス社会を上手に回避しているように思えます。通勤時間にみんながイライラしているように感じる日本。決して明るい顔をしているわけではないのですが、どこか余裕があるように感じられる台湾。

実際に豊かなのはどちらでしょう?

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台湾人の収入は日本の半分くらいです。台北の場合は、物価が日本の半分とはいきません。スタバもマクドナルドも吉野家も成立するくらい物価は高めです。ちなみにくら寿司の1皿は日本の1.6倍です。

収入は半分くらいですが、夫婦の場合は共働きですので金銭的には思ったよりも余裕があります。ただし、3食外食という家庭も珍しくありません。

そういう意味では日本の生活レベルとほとんど変わらないのが台北です。ところが、台湾の人たちからは日本人の感じている仕事のストレスなどを感じません。

思わぬことが起きても笑って許せる懐の深さがあり、困った人がいれば当たり前のように手を差し伸べる文化が根付いています。それもかなり自然な感じで手を差し伸べます。

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地下鉄に乗っているときに、女性がスターバックスで購入したコーヒーをこぼしてしまったのですが、そこに居合わせた人は、自分の手持ちのティッシュでこぼれたコーヒーが広がらないようにしたり、後から乗車した人に「気をつけて」と声を掛けたりしていました。

そういうことは「日本人らしさ」としてかつての日本に根付いていましたが、いまの日本でそんなことはまずありえません。ほとんどの人が見て見ぬふりをしてやり過ごすのを簡単にイメージできますよね。

台湾はよく「日本よりも日本らしい」と表現されることがありますが、そろそろ「さすが台湾」と表現されるべきだと、わたしは思います。

台北101の展望台に上るときに、ちょうど日本の修学旅行と一緒になったのですが、海外旅行ということもあって、その高校生の団体がテンションが上りすぎて、他の人たちに迷惑になるくらいの騒がしい状態になっていました。

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若いので仕方がないとは思いますが、それをコントロールしようとしない先生。そこに、台湾の人たちが知っている礼儀正しい日本人の姿はありませんでした。

いま、日本ではこれまで以上の台湾ブームが起こっていますが、日本人が台湾に来ることで、日本人に対する悪いイメージがついてしまうのではないかと心配になります。

そんな傍若無人な日本人に対しても、笑顔で接してくれる台湾の人たち。

日本人は心のどこかで自分たちを優れた民族だと思いこんでいますが、実際のところ日本人が優れている部分なんてほとんどありません。お金だけあって、心の豊かさという意味では疑問符がつきます。

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台湾の人たちのすべてが優れているとは言いませんが、日本人が学ぶべきことがたくさんあります。

そういうことを、台湾ブームの今だからこそ多くの人に気づいてもらいたいなと思います。お互いがリスペクトし合える関係。お互いのいいところを参考にしあえる関係が理想です。

日本でも最近は「働き方改革」のようなものが言われていますが、なぜか仕事の時間を減らすことばかり注目され、そのための効率化ばかりが問われます。

でも本当に目指すのは効率的に働くことではなく、もっと仕事のスピードを落とすこと、急いで結果を出すことだけを評価する状態から脱却することです。

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ただ、それは日本という国にいるだけでは気づかないことです。台湾のスピード感を肌で感じることで、初めてそういう生き方もいいのではないかと感じられることです。

そういう意味では、多くの人が台湾を訪れて、かつて日本だった国をしっかりと感じてもらいたいと思います。

毎日が面白くないという人や、自分の人生がこのままでいいのかと悩んでいる人は、1週間くらいのんびりと台湾で過ごしてみませんか?自分の知っているものとは違う豊かさを見つけられるかもしれません。


台湾で日本を見っけ旅 ガイド本には載らない歴史さんぽ
著者:おがた ちえ
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ハルカススカイランレポート〜悔しさの中の自己ベスト更新〜

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昨年に引き続きハルカススカイランを走ってきました。ハルカススカイランはことしからワールドサーキットのひとつに組み込まれましたが、一般ランナーのわたしには何も関係ありません。

昨年よりも速く駆け上がる。目標はそれだけです。

本当は10分台で完走するという目標がありましたが、万里の長城マラソンで足裏を負傷した結果、3週間で走ったのは2つのレースだけ。ハルカススカイランの数日前に筋力が落ちすぎていることに気づき、目標を下方修正。

ハルカススカイランは「ラン」となっていますが、すべてを走りきれるのは一部のトップランナーだけ。わたしのような庶民ランナーは少しでも粘って耐えるだけ。

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ハルカススカイランの前日にアディダスのイベント取材があったため、現地入りは夜行バス。

今年のハルカススカイランは受付会場があべのハルカスではなく、少し離れたてんしば広場。プレスの受付はあべのハルカスだったこともあり、到着早々にあたふたします。

8時10分にプレスの受付を行い、8時40分に個人の受付。9時からは開会式で、その後着替えて自分のレースの準備。その間に取材も行います。分刻みで動き回らないといけないスケジュール。

走りながら取材もするのは大変ですが、それすらも楽しく感じられるのがハルカススカイランです。

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下手に時間があると、余計なことを考えてしまいます。60階をどうペース配分するのか、シミュレーションを行う。それが理想なのですが、そのシミュレーションは数階上がるだけで意味がなかったことに気付かされます。

わたしは、1年前に個人とプレスの2回走っているので、心構えは誰よりも知っているつもりです。

気持ちを上げすぎないこと。あくまでも冷静にして、それでも順番が来る前にある程度は心拍数を上げておきます。階段レースはゼロから一気に最大心拍数まで上げるレースですので、一度は心拍数を上げておかないと、いいタイムは望めません。

幸いなことに気温は1年前よりも暖かめ。裸足の状態でも何の不安もありません。

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ハルカススカイランにどれくらいのランナーがいるかはわかりませんが、わたし以外の裸足ランナーは見かけませんでした。ただ、階段ならシューズよりも裸足のほうが圧倒的に有利です。

シューズ特有の蹴り出しもできませんし、上りですのでクッションすら意味がありません。シューズは無駄なロスを生み出すだけですが、みんな当たり前のようにシューズを選びます。

足におもりを付けて走っているようなもので、数階であればそれもいいのですが、これが1610段にもなると明らかに足の軽さは武器になります。

わたしのブロックはFでしたが、小さなブロックわけにはあまり意味はなく、4〜5ブロックくらいが混成になり、そのうち5人ずつが30秒毎に走り出します。

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30秒の余裕というのは思ったよりも大きいもので、前の組に追いつくというのは簡単ではありません。

スタートの号砲とともに前方に飛び出る河童。飛び出したというよりは周りが自重した感じです。エリートランナーの場合は、お互いを肩で押し合いながらいいポジションを確保します。

階段に入る段階で少しでも前にいること。これがとても重要です。

遅い人を抜いていくことは簡単ですが、走力がやや劣るくらいの相手の場合、外側から抜くというのはほぼ不可能です。階段で抜きかけても、踊り場で大回りをすることになるため、簡単に引き離されます。

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ですので、少なくとも同時スタートの中では誰よりも前にいる必要があります。

階段に入って、すぐに手すりを掴んで上がります。階段垂直マラソンですが、1秒でも時間を縮めるポイントは手すりにあります。足の筋力だけでなんとかしようとすると、必ず脱落します。

足の筋肉はできるだけ使わずに、腕の力で移動します。

このコツを知っているかどうかで、タイムは1〜2分は違います。ずるいと思うかもしれませんが、手すりを使ってはいけないというルールはありませんし、トップランナーほど上手に手すりを使います。

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もうひとつのポイントは「階数を数えないこと」です。懸命に上ってまだ10階。そういうときに人間はとてつもない疲労感を感じてしまいます。人によっては心が折れることもあります。

25階まで上がっても、まだ35階残っているときの絶望感。

ですので、できるだけいま何階にいるのかは考えません。一歩踏み出せばそれだけゴールに近づくと信じて足をあげるしかありません。

最初は1段飛ばしで駆け上がりますが、20階を超えた当たりからそれが厳しくなります。ただ1段ずつ上がるのと、1段飛ばしで上がるのとではスピードがまったく違います。

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10分台を出すには、最後まで1段飛ばしをしなくてはいけません。十分な練習ができなかったわたしは、当然最後まで耐えられるわけがありません。どこまで粘れるか、それだけが課題です。

徐々に1段飛ばしができなくなっていき、最終的には前の人を抜くときだけ全力を出します。途中に給水ポイントもありますが、すべて無視して上がることだけに集中。

50階までくればあとは気持ちの問題です。心臓が飛び出そうな状態で、息を吸うことすら苦しい状態。ただ、どれだけ苦しくても万里の長城マラソンの3往復目の苦しさよりはまだましです。

3本目の復路で、永遠に終わらないのではないかと思った上り坂。あのときよりは足が動きます。ただ心肺系が苦しいだけ。苦しいのは我慢すれば乗り越えられます。

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そうやって止まりたくなる自分を奮い立たせての60階到達。

60階まで駆け上がっても、まだ油断はできません。60階の回廊をぐるっと1周近く周りますので、数十メートルのランが残っています。昨年はここで安心してスピードを落としてしまいました。

今回は最後まで駆け抜けよう。そう思って走り出した最初のコーナーで足を滑らすというハプニング。それでもすぐに体勢を整えてリスタートします。足に力は入りません。

ここで歩いても数秒遅いだけ。そう分かっていても、足は前に進もうとします。

13分32秒。

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昨年よりも1分も速くゴール。ただ、その瞬間にわたしを支配したのは悔しさです。きちんとハルカススカイラン向けの練習ができていれば、あと2分は縮められたはず。

10分台を出せるかどうかはわかりませんが、11分台は確実に出すことができました。

練習ができなかったのはすべて自分のせいですが、ただただ悔しさだけが残ります。この日のベストは尽くせましたが、もっとできるはずという思いは消えることがありません。

今シーズンのメインレースは愛媛マラソンです。それが終わったら、半年以上かけて上り専用の体づくりを始めよう。この悔しさを1年後にぶつけたい。そんな想いがわたしを支配しています。

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そこに何があるのか?

きっと何もないのでしょう。あるとするなら自分の誇りを守るというだけのこと。誰のためでもなく、誰かに勝ちたいのでもなく、自分のプライドのためだけに体を鍛え上げる。

そんなことを考えながら、取材枠での2本目を駆け上がりました。

おそらくハルカススカイランを4本走ったことがあるのはわたしだけ。誰よりもあべのハルカスの階段を知っている男としての挑戦がこれから始まります。


ディエゴ・シメオネ 『信念 己に勝ち続けるという挑戦』
著者:ディエゴ・シメオネ
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クローズアップ現代+のマラソン大会特集で語られなかったこと

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クローズアップ現代+のマラソン大会特集、面白い切り口だなと思いながら見ていましたが、結論としては「これでいいのか?」と感じる内容でした。限られた時間の中で情報を伝えるためには仕方ないことですが、情報を意図的に歪めているように感じるところもありました。

特に気になった点が3つありますので、それについてどのような点がおかしいのか、何が納得できないのかわたしなりの解釈を入れながら説明します。

「レースではスポーツドリンク」という切り口

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まず気になったのはつくばマラソンの取り組みで、参加者に練習会を開催して走れる身体を作ってもらう。それも科学的なアプローチで行うという面白い内容でした。

ところがその練習会の映像で、水とスポーツドリンクの使い分けのような説明がありました。そこでは「レースははスポーツドリンク、練習は水」というニュアンスのことが語られ、練習は水を飲んで糖分を使わず体脂肪を燃やすと取れる説明がありました。

映像には入ってないのですが、おそらく教授は塩分補給についても説明していると思うのですが、その部分の映像はありませんでした。教授が塩分補給について語っていないのか、それともそこがカットされたのかはわかりません。ただ印象としては「練習は水」というイメージだけが残ります。

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NHKとしては「面白いアドバイス」と感じてこの部分だけを切り出したとすれば、それはとても危険なことです。

「練習は水」をランナーが鵜呑みにしたらどうなるでしょう?来年の春から夏にかけては熱中症のランナーが増えていくことでしょう。そんなこと自分で判断しろと思うかもしれませんが、世の中にはNHKが言ってることは絶対に正しいと思っている人たちがいます。

映像を編集した人は「科学的な情報」を映像に入れたつもりかもしれませんが、中途半端な情報なら入れない方がマシです。

中国人ランナーが日本に走りに来ているのか

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海外ランナーを取り入れようとしているマラソン大会が増えているという内容で、わたしも個人的にそう感じてましたし、嬉しいことでもあります。

ただ、その中で中国が空前のマラソンブームだということを伝えていました。それは事実ですが、その流れで空気の悪い中国ではなく、空気のきれいな日本に走りに来る中国人が増えているというようなことが語られました。

さて、どこの大会で中国人が走っているのでしょう?

いや、正確には中国人も走っています。香港に住む中国人ですが。香港も中国ではないかと思うかもしれませんが、例えば香港の人が簡単に北京マラソンを走れるかというとそうでもありません。

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香港は中国でありながら中国ではありません。これはとても複雑な問題で、むしろクローズアップ現代+で取り上げると面白い内容なのですが、ここでは香港のランナーを中国人として、空気の悪い中国の大会ではなく日本の大会を選んでいるとしていました。

まるで中国本土のランナーが日本を走りたがっている。中国人が日本に憧れているというようなスタンスで語っています。

中国人はもはや日本に憧れなんてほとんどありません。ある部分ではとっくに日本よりも豊かで暮らしやすくなっています。その事実を伝えるのが報道の仕事なはずですが、この国ではなぜかその事実をひた隠しにしています。

そして、未だに中国人が日本に憧れているというような印象を与えようとします。

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この番組を観た人はきっと、「最近は中国人ランナーが増えてるらしいよ」という会話をします。情報は正確に伝えるべきです。

繰り返しますが、増えているのは台湾人ランナーと香港人ランナーです。北京や上海から日本に走りに来るというのは簡単なことではありません。

中国本土のランナーの多くは国内のマラソン大会で満足しています。熱狂的な日本好きの台湾人や、香港の人たちとは同じ枠で語ることはできません。

誤解を招くような情報伝達を意図的にしているのか、それともキチンと伝わっていないかもしれないという危機感がないのか。いずれにしても、お金を徴収して作っているテレビ局としてはいかがなものかと思います。

さいたま国際マラソンは改善されるのか

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さいたま国際マラソンの評価が下がった原因の1つがボランティア不足にあるという内容で紹介されていました。そしてそれが改善されるから今年は大丈夫というような内容でした。

実際にはもっとたくさんの理由があり、さいたま国際マラソンのスタッフもそれは理解しているはずですし、改善に向けて努力をされているのでしょう。でもさいたま国際マラソンが低評価になる本当の理由を掴んでないのだとしたら、今年も間違いなく不評に終わるでしょう。

さいたま国際マラソンが上手くいかないのは、誰がトップなのかがうやむやになっていて、いくつもある頭が勝手に動き回っていることにあると、わたしは感じています。。マラソン大会の運営は組織的に行わなくてはいけません。

しっかりとしたトップダウン構造になっていないと、数万人ものランナーをきちんとさばくことはできません。数千人のボランティアさんを効率的に動かすこともできません。

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成功している大会のほとんどすべてと言っていいくらい、組織のトップがマラソン大会を心から楽しんでいます。わたしの経験上、知事や市長が走っているマラソン大会でハズレはありません。

トップダウンで統制のとれた組織になっていないと確実に現場が混乱します。特にボランティアさんは指示に従うしかできませんので、その上に立つ人がキチンとした判断を的確に行わなくてはいけません。

指揮命令系統がしっかりしていないから、それぞれが自分の責任でやっていいことがわからない。なので「おかしい」と思っても、何も改善できません。スタート・ゴール会場の動線のひどさだけでもそれがわかります。

トップがしっかりしていないと、責任も曖昧になりその下も本気で取り組むことができません。現場のスタッフやボランティアさんは一生懸命にしているのはわたしも目にしています。でも、ベースがすでにおかしくなっているから、その努力もむなしく低評価になっています。

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さいたま国際マラソンの評価を上げる唯一の方法は、トップにすべての権限を委ねること、周りはそれを全力でサポートすること以外にないと思うのですが、そう思うのはわたしだけでしょうか。

さいたま市がトップなのか、埼玉県がトップなのか、それとも陸連がトップなのか。今の体制のままでは、同じことを繰り返すだけです。

もちろんそんなことテレビで言えるわけもなく、運営も公務員でしょうからそんなことは口が裂けても言えないでしょう。だから、「ボランティアさんの数が」みたいな表現しかできないのでしょう。

それをNHKが番組として紹介する意味あるのでしょうか?

とはいえ、テレビに出てこない部分で大幅な改善もしているはずです。今年は昨年ほどひどい評価にならないことを期待しています。取材に行けないのが残念ですが、どういう結果になったかは追っていこうと思います。

番組を通じて伝わってきたこと

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唯一この番組で良かったのは、マラソンにはお金がかかり、ほとんどのケースで税金が使われているということを明らかにした点です。ウェルネスの坂本さんは受益者負担ということを言います。

いまは、ランナーが払った以上のお金をかけてもらって走ってます。なのに、台風などで大会が中止になったら、収支を発表しろと言ったり、返金しろなどと無理を言う人がいます。

マラソン大会は走らない多くの人たちの税金によって成立しています。

もちろんかけた税金よりも経済効果が大きいなら、それは正しい税金の使い方なので、税金を使わないことがいいこととはいいません。ただ本当にマラソン大会のに、そんなにもお金をかけて開催する必要があるのかという議論は必要です。

1人が1万円近いお金を払って、まだ足りない。

そんなマラソン大会って本当に正しいのでしょうか?税金やスポンサーのお金がないと開催できないマラソン大会。そこを根本的に見直す必要はないのか。これからの課題になるような気がします。

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番組としてはマラソンに詳しいし人が、きちんと監修すればいいのになとは思います。

自分たちの常識だけで番組を作るから結論ありきで情報を歪めてしまう。

それを作った人たちにその自覚はなく、いい番組を作ったと思っていることに問題があります。正しく情報を伝えられていないという自覚。それが欠如しているというのはとてもこわいことです。

今回はマラソン大会だったので、わたしは「そうじゃないだろ」と思いましたが、おそらくメディアの発信している情報の多くがこうして歪められているということです。

正しいことを正しく伝えてもらいたい。意図的に情報を歪めているわけではないと信じたいところですが、だとしたらあまりにも稚拙すぎます。いずれにしても救われません。せっかくのいい切り口なのにもったいないな、そんなことを感じたクローズアップ現代+でした。


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ハダシスト42歳の誓い

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そういえば42歳になっていました。天童ラ・フランスマラソンを終えて、そのままラン仲間の車で帰ってきた慌ただしさで忘れていましたが、42歳の誓いのようなものを語っておかないといろいろブレてしまいそうです。

ただ、わたしはずっと誕生日なんて365日のなかの1日でしかないし、そもそも365日で1年というのも人間の考えたものなので、大した意味なんてないというスタンスでした。

誕生日だから特別なのではなく、毎日が特別になるように生きる。この考え方は今でも変わっていません。

それでも、自分の現在地を知り、そこからどこに向かうのかを決めるという意味では、誕生日というのはいい節目というようには考えるようになりました。ただ、具体的な目標のようなものは年始に決めるようにしています。

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誕生日に決めるのはもっとあやふやで具体性もなく、目標というよりは夢のようなものです。

ちなみに、自分の誕生日にはあまり興味はありませんが、自分以外の人の誕生日は好きです。家族や恋人などに何をあげたら喜ぶかなと考えるのも楽しいですし、パーティーの雰囲気も好きです。久しくそういうのをやっていませんが。

自分の誕生日を祝ってもらうというのは、かなり照れくさいものです。特別なことを成し遂げたわけでもなく、ただ生きてきただけで「おめでとう」と言ってもらえる。

嬉しくないというと嘘になりますが、こそばゆい感じが何歳になっても慣れることができません。

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さて42歳のハダシストはどう生きればいいのか。どこを目指すのか。これに関しては正直なところ、この数年間はそれほど大きく変わっていません。ただし、独立をして3年間は我慢と決めてきました。

42歳の9月にその3年間が終わります。

春にはいろいろと決め始めなくてはいけません。このまま鶴巻温泉に住み続けるのか、それとも交通の便を考えて東京に行くのか。もしくは台湾や中国に留学するのかという選択肢もあります。

ライターなのか、それともランニングジャーナリストなのか。自分の書きたいことだけを書いて生きていく道はあるのかなど、模索しなくてはいけないこともたくさんあります。

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何かを決めることになる。これからの1年にそんな予感はあります。それも大きな決断。

もちろん予感だけで何が起こるのかがまったくわかりません。ただ、42歳になってすぐに、様々なことが同時並行で進み始めています。いま対応しなくてはいけないことがたくさんあるわけです。

こういうことはこれまでにほとんどありませんでした。

基本的にはひとつを終わらせたら次の1つを始めるというのがわたしのスタイルですが、いまそんなことを言っていたら、あれもこれも止まってしまいます。

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年齢なんてひとつの区切りに過ぎないと思っていたのですが、42歳になった途端にこの流れ。厄年なども気にしないタイプですが、厄が明けるというのはこういうことかと思わず納得してしまうレベルで物事が動き出しています。

とはいえ、それらはすべてここまでに種を蒔いていたことばかりです。

北京や台北の街をガイドできるのも、ウルトラマラソン練習会で面白いコースを走れるのも、すべてここまでの人生経験によるもので、この歳になって急に何かが変わったというわけではありません。

そういう意味ではいい歳のとり方をしているなとは思います。少しでも若く見られたがる人がいますが、わたしは歳を重ねることはネガティブなことではなく、むしろポジティブなことだと考えています。

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男性でも女性でも様々なことを経験したからこそ出てくる強さや美しさがあります。

昨日の自分よりも今日の自分のほうが強くて美しい。大事なのはそういう生き方をしているかどうかということです。歳を重ねて老いていくのか、それとも磨かれていくのかは自分次第です。

42歳のハダシストはこれまで通り、自分を磨き続けること。

それを見た誰かが「自分も磨いてみようかな」という気持ちになってくれればそれが理想ですが、それはちょっと傲慢過ぎる気がします。ですので、とにかくわたしは自分磨きを包み隠さず見せ続けるだけ。

それが自分自身や周りの人との笑顔につながると信じて前に進みます。


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夢中になれる人がいると人生はきっと豊かになる

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みんなそれぞれに憧れの人や、追いかけている人がいるのに、わたしにはなぜそういう対象がいないのだろうと変なところに引っかかりました。

引っかかったのはラン仲間と出かけた天童ラ・フランスマラソンの帰りの車の中でした。会話の中でみんなそれぞれに憧れていたものが出てくるのですが、そう言えばわたしには誰も居ないなと。

このブログでもよく出てくる女優の石田ゆり子さんは、あこがれの存在というよりも、彼女の書く文章が好きで彼女の考え方が好きなだけで、例えばドラマや映画に出ていても観たいとは思いません。

森脇健児さんに関しては、憧れに近いものがありますが、どちらかというと兄貴という存在に近いかもしれません。姉と妹に挟まれて育ったわたしは、どこかで男の兄弟に憧れがあったのでしょう。ですので、熱狂的に追いかけるというようなことはしていません。

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もし森脇健児さんがマラソンをしていなかったら、わたしの中では2度と開かない記憶の引き出しに、しまわれていたことでしょう。

憧れのアイドルというものはいません。音楽をたまには聞きますが「ライブに行きたい」と思うほど好きになれる歌手もいません。追いかけた人があるとすれば、サッカーの三浦知良さんくらいかもしれません。

それはファンとしてではなく、この人のところまでたどり着くのだという意味での追いかけです。結果的には追いつくことはできませんでしたし、プレースタイルもまったく違いましたが、そこを目指せば世界が近づくと信じていました。

ただ、三浦知良さんですら絶対的な存在ではありません。あくまでも目指すべき山頂のようなものです。

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みんなには憧れの存在がいて夢中になれるのに、なんでわたしにはそういう人がいないのでしょう。これまでそんなこと考えたことがなかったのに、急にそんなことが気になり始めました。

もちろん夢中になったことがないわけではありません。

今では走ることに夢中ですし、学生時代はサッカーに夢中になって、他のものはまったく視界に入ってきませんでした。高校時代の頭の中はサッカーばかり。大学はいろいろあって勉強もしましたが、試験期間前でもない限り、やはり頭の中はサッカーだけでした。

誰かを応援したり、追いかけたりするための時間を、全部自分の成長のためだけに使ってきたような気がします。

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それがいいのかどうかは分かりませんが、もったいない生き方をしてきたなとも思う自分もいます。そういう道を選んだから今の自分があるわけです。なので後悔することはありません。

でも、正しい青春時代を過ごしてこなかった。だからいつまでたっても大人になれないんだろうなと思います。

友だちと買い物に行ったり、飲みに行ったりして、ときには合コンなんかして。そういう時間の使い方をほとんどしてこなかったことが、本当に良かったのか。振り返ってみると少しだけ疑問に感じます。

過去は戻りませんし、今の自分が好きなのでこれはこれでいい人生だと思います。ただ、誰かに夢中になっている人を見ると「楽しそう」と思うわけです。

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隣の芝生の色でしかないのでしょうが。きっと走っていない人から見ると、わたしの日常は「楽しそう」に見えるのかもしれません。そう考えるとただのないものねだりなんでしょうか。

でも、夢中になれる人がいないというのは、もう少し根の深いことのようにも感じます。

誰かに夢中になれなかったからこそ今の自分があるのか、こういう自分だから誰かに夢中になれないのか。いい年して独り身でいるというのも無関係ではないのでしょう。

もっと人に興味を持つようにしたほうがいい。頭では分かっているつもりなのですが、それができないのがわたしなのでしょう。ただこの部分は諦めずに時間がかかってでも変えていこうとは思います。

憧れの芸能人はいなくても人生に大きな影響はありませんが、夢中になれる人がいるほうが人生はきっと豊かになるはずですから。


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映画「あさひなぐ」よりは漫画「あさひなぐ」のほうが好き

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毎月1日は映画を観ています。映画の日ですし、月に1回くらいはきちんとした休みを入れたいし、何よりも脳に刺激を与えたいので。

今月は都内に出かけていたのもあり、エルネストを見ようと思っていたらすでに満席。そのまま帰ろうかと思ったのですが、前から気になっていた「あさひなぐ」を観ることに。

基本的に青春映画が好きです。特にスポーツものや、仲間で何かを目指すというスタイルのものが大好きです。でもなので「あさひなぐ」が気にはなっていたのですが、メインの役者さんがほとんど乃木坂46というのが引っかかり。

ちなみに音楽では乃木坂46のものをよく聞きます。歌詞とメロディが好きなので。

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でも役者でない人が映画をやるのってどうなんだろうなと思ったわけです。しかも映画の評価を見ても、主人公が可愛いとかどうでもいい内容ばかり。

でも他に観る映画もなかったので、気になっていたならと映画館へ。

結果は散々なものでした。もちろん映画なんて個人の感性によって評価が変わりますが、個人的にはこんなことしてるから邦画を観る人が減るんだよと思うような仕上がりでした。

これは乃木坂46ファンのための映画です。わたしはファンではないので、かなり消化不良でした。月1回の映画をこんなふうに消費してしまったことへの罪悪感。なぜ自分の直感を信じなかったのか。

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でも、きっと原作は面白いんじゃないかなと思ったので、それから漫画を読み始めました。まだ7巻までしか読んでいませんが、これは面白い。努力して成長していく過程や若者ならではの壁のぶつかり方にグッと来ます。

わたしは頑張っている人が好きです。努力とかそういうものではなく、自分の向かうべき方向をしっかりと見定めて、そこに向かって自分を疑うことなく突き進む姿を見るのが好き。

それは映画でも小説でも漫画でもかまいません。

まっすぐに突き進むから壁にぶつかる。不器用だから正面突破しようとしてもがき苦しむ。でもある日、あることがきっかけでその壁を突破していく。定番のストーリーですが、それを分かっていても心が震えます。

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わたしはとても単純にできているので、心が震えるような経験をすると「自分も頑張ろう」となるわけです。

頑張ると言っても、やることは地味なことの積み重ねです。物書きでは多くの文章を積み重ねること。できるだけわかりやすい言葉で文章を作ることそれだけです。ランニングでは徹底した体づくりです。

まったく華やかさはありませんが、成功するための特効薬というものはありません。

漫画ドラゴンボールに超聖水というアイテムが出てきます。カリン塔を自力で登った人だけが飲むことができ、飲んだ人は自分の力を何倍にもできるという水です。

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孫悟空はこの超聖水を手に入れるために、何度もカリン塔を登っては落ちを繰り返し、最後に超聖水を手に入れます。ところが超聖水はただの水でしかなく、何度も挑戦する過程で力がついてくという設定でした。

これに対して、同じ漫画の中に超神水と呼ばれる水があります。これは体の中の隠れた能力を引き出すもので、強い精神力がないと毒にやられて死んでしまうというのも。

わたしたちは、ランニングに限らず超神水を求めようとします。何もせずに自分の能力を開花させて、今までの自分を超えていく。本屋さんに並ぶノウハウ本を見ていると、いかに人間が楽して結果を出したがっているかがよくわかります。

でも現実の世界にあるのは超聖水だけです。コツコツ頑張りを積み重ねること以外に、自分を超えていく方法はありません。練習しない人が今よりも速く走れることはありませんし、勉強しない人がスキルを高めることはできません。

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特効薬なんてものはこの世界にはありません。

ある日突然才能が開花するというのはあります。ただそれも、そこまでに積み重ねてきたものがあるわけで、何とかの実を食べて才能を手に入れることができるわけではありません。

きちんと積み重ねることの大切さ。「あさひなぐ」にはそんなあたり前のことがいっぱい詰まっています。

もう学生時代に戻ることはできませんが、学生時代のようにがむしゃらに生きることはできます。それをできなくしているのは自分自身の思い込み。壁から逃げるのではなく、真っ直ぐにぶつかっていく愚直さを手放してしまうのは、誰かのせいではなく自分自身に原因があります。

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だってやっぱり楽したいじゃないですか。誰かにチヤホヤされたいじゃないですか。

だから人の目を気にして自分らしさを手放して、手軽に手に入る目先の喜びばかり集めようとする。でもそういうのは本質的じゃありません。喜びも嬉しさも刹那的なものでしかありません。

一晩寝てしまえば忘れてしまうもの。

でも高い壁と向き合って、そこを正面突破したときの感覚は、決して忘れることはありません。そこにあるのは喜びや嬉しさなどではなく、もっと静かな心地よさです。

そういうものを一つひとつ手にしていければ人生はほどほどにいいものになる。そんな気がします。

わたしはときどき、そういう大切なことを忘れそうになってしまいます。今日の一歩を大切にする。そういう生き方を忘れないようにするために、漫画「あさひなぐ」ちょっといいかもしれません。


あさひなぐ 1 (ビッグコミックス)
著者:こざき 亜衣
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2年連続2回目のバースデーラン「天童ラ・フランスマラソン」

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ラン仲間の実家にお世話になっての2年連続2回目のバースデーラン、天童ラ・フランスマラソンのレポートです。昨年は土曜日開催だったのですが、今年は日曜日開催になったことで昨年も今年も誕生日開催になるというミラクル。

ずっと1人での誕生日を過ごしてきたわたしにとって、ラン仲間と過ごすことができる誕生日。これ以上の誕生日プレゼントはありません。

ただし、わたしの足は完治には程遠い状態です。足裏の皮が剥けてから2週間。あれこれトライしましたが、前日になっても左足の拇指球部での接地ができません。走るどころか歩くときも足を引きずっています。

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こういう状況ですので、当然シューズを履いて走るべきだということは理解しています。でも頭の理解と心の動きはいつだって違います。気持ちは裸足で走ることを欲しています。

どうするか決められないまま眠りについた前夜。あまり深いとは言えない眠りの中で、万里の長城マラソンの夢を見ました。そこに出てくるのはおなじみの顔。

起きた瞬間には完全に気持ちは裸足ランを望んでいます。あんな苦しい挑戦をする人たちの顔が夢に出てきたら、挑戦しない自分で入られません。

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気持ちのほとんどは裸足ランに傾きますが、問題は気温。スタート前の気温は7℃。わたしの中の基準では10℃を超えない状況での裸足はNGです。10℃以下の路面に触れると人間は冷たさではなく痛みを感じるように作られています。

裸足で走るにしても拇指球は接地できませんので、おかしなフォームで走ることになります。雨の予報もあり場合によってはまったく走れなくなる可能性すらあります。

スタートの30分前、迷っていましたが天童市長が3kmを走っている姿を見て決断。市長が走る大会におかしな大会はありません。そんな大会なら裸足でリタイアしても本望です。河童はシューズを脱ぎました。

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スタートは最後尾。陸上競技場の出口から50m続く、小さな砂利が敷き詰められたエリアを通過したときには最終ランナーになっていました。そこからしばらくは足裏の冷たさの影響もありふくらはぎの筋肉がガチガチです。

いつもなら最後尾から追い上げるのですが、最後尾にいながら周りのスピードにまったくついていけません。ところが、雨の予報はどこへやら。1kmもいかないうちに、空には暖かい太陽が顔を出します。そうなればこちらのもの。

足の冷たさは徐々に和らいでいき、感覚が戻ってきます。

ただし、左足の拇指球部の接地は不可。かかとから着地して、足の外側を使ってローリングさせ、親指に重心移動。そろそろこれが癖になりそうでよろしくない。早く治して自分のフォームを取り戻さなくてはいけません。

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筋力も右足ばかりついていしまって、左足はやや細くなってきました。

でも、そんなことを言っていても始まりません。いまできる精一杯をやるだけ。未来のことは未来になってから考えればいいんです。自分にあるのは「今」だけなんですから。

陸王の影響でしょうか、裸足への注目度は去年よりもかなり高く「やっぱりミッドフット着地なの?」と聞かれたり。とても「着地なんて適当ですよ」なんて言えません。普段はでも適当ですよ。

フォアフットとかミッドフットとか言葉遊びなんて意味がありません。体が一番効率よく動くところで着地すればそれが正解です。その結果としてミッドフットになってるかもしれませんが。

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「ケガをしないためにミッドフット(フォアフット)で走る」とかいうのは、自己啓発本によくある成功するノウハウみたいで気持ち悪いというのが正直なところです。走り方は結果です。大事なのは体の声を聞くことだけ。

そういう意味では、今年の天童ラ・フランスマラソンはかなり神経を使って走りました。先週の金沢マラソンも神経戦でしたが、裸足になった分だけさらに神経を使います。

適当な接地をすると、皮がなくなった拇指球がついてしまいますので、その瞬間に激痛でもだえ苦しむことになります。痛みが嫌いな裸足ランナーですみません。

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神経は使いますが、2〜3kmごとにあるエイドのおかげで、上手に休むこともできます。今年もテーマは「全エイド制覇」です。天童ラ・フランスマラソンはすべてエイドでラ・フランスが出されますが、それを食べきること。

さらに今年は網走から蟹がやってくるとのこと。ただし数に限りがあるということなので、少しでも前に行って蟹をゲットする必要があります。もちろん耐えられる痛みの範囲で。

前半はアップダウンが厳しいのですが、ここで大会アドバイザーに就任している金さんを見つけます。網走マラソンでは最後のストレート前のスペシャル砂利エリアで金さんに裸足を爆笑されたのもあり、勇気を出して声をかけてみました。

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すると覚えていてくれたらしく網走の話で盛り上がり、そのあと抜きつ抜かれるをしているうちに「万里の長城マラソンなんてあるの?」と新ユニフォームの背中に書かれた文字に興味を持ってもらえました。

他にも万里の長城マラソンについてはいたるところで聞かれるので、新ユニフォームは完全に成功したようです。

金さんによると蟹は3000人分用意されているとのことで、ならば無理をする必要はないと下り坂でややスピードダウン。ここでラン仲間に追いつかれてしばらくランデブー。

そういえば東京マラソンも途中からゴールまで一緒に走ったなと思い出しながら、引っ張ってもらいます。

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アップダウンが終わったことで、なんとか6分30秒/kmを維持しながら進みます。残り10kmくらいで、よほど下手をしないかぎり裸足での完走が見えてきます。

ここまで引っ張ってもらっておきながら、ちょっと調子も良さそうなのでゲストランナーの中村優さんを追いかけてみることに。ただしこれが失敗。スピードを上げることで左足の甲が痛み始めます。

拇指球を路面に当てないために足をグーの状態に軽く握っているので、甲が伸ばされています。ゆっくりであればそれほど負荷がかからないのでいいのですが、スピードが乗ると痛みが出ます。

なんとか蟹の出るエイドに到着。少しでも量の多い蟹を選ぶ卑しい河童。

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でも本物の蟹を口いっぱいに含んだときの幸福感。トップランナーのほとんどが蟹を食べずにゴールを目指したそうですが、彼らは何のために天童ラ・フランスマラソンを走っているのでしょう?

きっと甲殻アレルギーなのかもしれません。そういう人がいるから後方のランナーも蟹にありつけるわけですし、ありがたい存在ではありますが。

ここで大きく失速したことで、ラン仲間との位置が入れ替わり、今度はわたしが追いかける番に。

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残り2.5km軽い下り坂。まったく追いつけません。せめて背中が遠くならないようにと足を動かしますが、スピードを上げすぎると甲が痛むので、ギリギリのところを目指します。

残り1kmを切ったところで、なんとか背中をとらえてそこからは並走。裸足で挑戦したことに対するマラソンの神様のご褒美でしょうか。誕生日に走れるだけで十分に嬉しいことなのに、仲間と一緒のタイミングでゴールを目指せるなんてそうそうあることではありません。

レースが終わってしまうのがもったいない。そんな気持ちでゴールを目指したのは久しぶりです。

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難関の砂利道を必死の形相で乗り越えて、あとはきれいな路面のトラックを走りきるだけ。ネットタイムで2:21:16でゴール。ゴールタイムは正直どうでもよく、この日走れたことをただただ感謝するしかありません。

こうやって素晴らしい大会に出会えたのも仲間のおかげだし、多少のケガには負けない体に育ててくれたのは親のおかげ。たくさんの人に支えられながら走ることができるという幸せ。

マラソンは個人競技だけど、個人だけで走り続けることはできません。1人じゃないから頑張れる。1人じゃないから笑顔になれる。そこでは足が速いことなんて本当にちっぽけなことでしかありません。

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走ることの楽しさを再確認できたレースとなりました。きっとこのレースがこれからわたしが走り続けるための原点になる。そんな気がします。

わたしはゴールのあの瞬間を、これからの人生で何度も思い出すことになるのでしょう。


ともに戦える「仲間」のつくり方
著者:南 壮一郎
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マラソン大会の完走メダルは何のためにあるのか

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横浜マラソン2017が台風の影響で中止になり、どのような対応をするのかなと思ってみていたら、思った以上にしっかりとフォローをしているようです。

インターネット上では「返金しろ」というようなコメントが見られましたが、マラソン大会に出るということがどういうことなのか、きちんと理解してもらいたいと思いますし、理解できるようにわたしも情報発信をしなくてはいけない。そう感じた出来事でした。

それはともかく、今回横浜マラソンが発表した内容に、今年走れなかった人で来年完走したら、今年の完走メダルももらえるという、意味の分からない項目がありました。

おそらく、参加者の一部から「希望者に完走メダルを配ったらどうか?」というニュアンスのことを言われ、アイデア出しをしたか、偉いさんの鶴の一声で決まったのでしょう。

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今回の一連の対処を見ていると、とにかく火を消すことばかりにとらわれすぎている気がします。いろいろな意見が出されたのでしょうが、できるだけ角が立たないようにとへりくだり過ぎている感があります。

当たり前のことですが、完走メダルは完走したからもらえます。

そして、完走メダルそのものにはほとんど何も価値がありません。それを手にするための過程に価値があるのであって、完走メダルはその過程を思い出すための鍵のひとつに過ぎません。

わたしはランレコードという、完走メダルを飾るためのアイテムを製造販売している会社さんと一緒に仕事をするようになって、完走メダルを飾るのもいいなと思い始めました。

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ところが、飾ることを意識するようになると、ただかっこいいだけのメダルを飾ろうとは思うことはなく、苦しんで手に入れたものや、思い入れのあるものだけを飾りたくなります。

思い入れもなく淡々と走った大会の完走メダルは、自分の中でほとんど価値がありません。

もちろん、これはわたしだけの価値観です。走らなかった横浜マラソンの完走メダルでも、捨てられるくらいならもらいたいと思う人がたくさんいるのでしょう。でもそれをもらってどうします?

捨てられるのがもったいないから欲しい。そしてもらったメダルはどこに行きます?たくさんある完走メダルと一緒に目につかない箱の中に入れられるだけ。

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きっと「もったいないから」と言う人は、家の物置には使わないものが山のように積まれているんでしょう。

わたしは、今回の発案をしたのがマラソンを走ったことのない人なのではないかと思っています。誰なのかは分かりませんが、自分で苦労して完走メダルを手にしたことのある人が思いつくようなことではありません。

横浜市の偉い人が決めたのか、スポンサーの誰かが言ったのかは分かりません。

でもそれが、上意下達のようにそのまま方針となるのが、いかにもお役所仕事だなと感じています。横浜マラソンの運営をしているのはウェエルネスですが、ウェエルネスはいつだって実働部隊であり、主催者のサポート役に徹しています。

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今回の中止でもウェエルネスを叩いていた人が何人もいましたが、中止を決めたのがウェエルネスなのか、横浜市なのかは分かりません。あのタイミングで中止を決めたのもどちらの権限でそうしたのかは分かりません。

でも今回の完走メダルの件や、横浜マラソンで「裸足はご遠慮ください」となった件も、わたしの知っているウェルネスらしくないことを考えると、主導権を握っているのは横浜市なんだろうなと推測しています。

横浜市の偉い人が「捨てるくらいならあげればいい」「そうだ今年走れなくて来年走る人にあげれば、ゴミとしての処分代がかからない」効率化を重視するお役人さんらしい発想だと思うのはわたしだけでしょうか。

完走メダルをモノとしてしか見ていない。そこに込められることになる想いの部分を無視した対応のように感じます。わたしは第1回を走った後に「2度と横浜マラソンは走らない」と決めましたが、横浜マラソンには、どことなくランナー目線というものが決定的に不足しているように感じます。

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もちろん、マラソン大会は慈善事業ではなくひとつのビジネスであり、地域を盛り上げる役割があります。ランナーに良い思いをしてもらいたいという気持ちだけではうまくいかないことは重々承知です。

金曜日のうちに開催中止を発表すればランナーは助かります。だから早めに決定するというのが一般的な考え方ですが、これをビジネスだと考えれば、走らなくてもホテルを予約している人に、なんとかして横浜に来てもらうことを優先するのがひとつの正解です。

だったら、発表を遅らせる。ホテルも収益があり、近隣の飲食店も儲かります。新幹線や飛行機も利益が出ます。「早々に中止を決めてたときに、その損失をどうするつもりだ。責任取れるのか」なんて偉い人に言われたら、現場はどうしようもありません。

実際にそういうことがあったかどうかは分かりませんが、横浜マラソンはランナーのことよりも横浜の活性化を重視しているように感じています。

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税金をつぎ込むわけですから当然経済効果が求められます。ですので、そういうクレバーな考え方のできる運営者やトップがいることも大会を継続していく上ではとても大切なことです。

ただ、そういうのをもっと上手に隠せないものかと思うわけです。もし、石原さんが都知事のときに東京マラソンが中止になっても完走メダルをランナーに渡すなんて判断はしなかったでしょう。

「馬鹿言っちゃいけない。完走していない完走メダルを手にすることに何の意味がある」メダルを欲しいという人や、メダルを配るべきだと言った人をそう叱責したんじゃないかと思います。

わたしは決して石原慎太郎さんが好きなわけではありませんが、少なくとも彼はランナー目線をとても大切にしていましたし、それを感じさせる行動をとっていました。

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それが東京マラソンを大成功に導きました。

後に続く都知事の東京マラソンへの関与の仕方は本当にひどいものがありますが、その後の都知事なんてお飾りでいいくらいに、しっかりとした組織にして退陣されたので、東京マラソンは今もランナーのための大会として常に進化を続けています。

横浜マラソンも東京マラソンを目指す、東京マラソンをライバル視するのであれば、もっと根本的なところから変わらなくてはいけないように感じます。ただ、申し訳ないですがしばらくは変わることはできないように感じています。

ランナーに対するリスペクトが足りないことに対して、「じゃあ今日からリスペクトします」というわけにはいきませんよね。そもそもそういうのはリスペクトとは言いません。

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ですので、横浜マラソンは東京マラソンを目指すのではなく、徹底して我が道を行けばいいんだと思います。それをよしとするかどうかはランナーが判断します。

素晴らしい判断と思うランナーは、おそらく来年もエントリーをするのでしょうし、わたしのような偏屈なタイプは「やっぱり関わるものではない」と距離を置き続けるだけのことです。

世の中にはいろんなタイプのランナーがいます。

全員に対していい顔はできないというのが、運営者の苦悩だとは思います。でも物事の本質を見落とし、目先の利益だけを追求して成功した例は古今東西どこにもありません。

今回の件に関して「馬鹿言っちゃいけない」と叱責できる人がいない、そういう声が聞こえてこないこと。それが横浜マラソンがこれからも抱えている大きな問題のひとつのような気がします。


男の粋な生き方
著者:石原 慎太郎

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縁を大切にするということで人生は面白おかしくなる

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縁というものをとても大切にしています。

ただ、その縁というものは自然とやってくるもので、自ら掴みに行ったり固執したりしてはいけないと考えています。縁は大切にしますが、それは神様のいたずらのようなものだと考えています。

金沢マラソンを走り終えたわたしに、神様がひとつのいたずらを仕掛けました。

facebookへの投稿に対して、空手家でプロレスラーである中川達彦さんがコメントをくれ、ちょうどそのタイミングに金沢ホテルでSAMURAIあばれ祭に出場するとのこと。

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SAMURAIあばれ祭ブログ

それだけなら別に驚くことではありませんが、実はマラソンの遠征先で中川さんが試合をしているというのは初めてではありません。以前NAHAマラソンを走ったときにも試合があるのを現地で連絡をもらい、レース後に観戦しています。

マラソン会場でランナー同士が会うということはたまにありますが、それでも何回も会うというのは珍しいことです。それが、まったく違うジャンルのイベントが同日開催で、さらに同じ場所にいるというのは神様のいたずら以外に考えられません。

せっかくなので、試合観戦にと思って金沢ホテルに向かったところ、「今日はセコンドがいない」ということで、なぜかわたしがセコンドに付くことに。

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格闘技の「か」の字も知らないわたしがセコンドに入るという奇跡。しかもタイトルマッチで、地元金沢の王者との対戦。中川さんの後ろについて花道を行きます。

実際には、慣れた人が1人セコンドについてくれたので、わたしはビデオとカメラ撮影がメインの仕事でしたが、どんな顔をして花道を行くべきなのかも分からぬまま、あっという間に試合開始となりました。

おそらくわたしは、今年の金沢マラソンを走った後にSAMURAIあばれ祭の花道を歩いた唯一の男です。

そして、そのままSAMURAIあばれ祭の打ち上げ会場へ。格闘家の名前すらわからないわたしが、そんなところでビールを飲んでいるという不思議。人生はいつだって思わぬことの連続です。

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こういうことはわたしだけではなく、誰にでも起こることです。

いや、そんなわけないだろうと思うかもしれませんが、こういう縁が生まれるためには、1つだけ意識しなくてはいけないことがあります。それはとても簡単なことで「誘われたら行く」ということです。

どんなお誘いでも、スケジュールと財布の中身に余裕があるなら必ず行くこと。

これをずっと繰り返していると、繋がれる人の数がどんどん増えていきます。縁というのは運命のようなものですが、確率論でも語ることができます。知り合いが10人と1000人では縁を引き合う確率が100倍違います。

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もちろん知り合いが多いということが優れているということではありません。ただ、繋がりが広いほうが面白おかしく人生を過ごすことができます。少なくともわたしの場合は。

本当に大切な人と数人だけで生きていくことを好む人もいると思います。そういう人にしてみれば、わたしの生き方なんてバカらしく感じるのではないでしょうか。あまりにも刹那すぎる生き方に深みがないと感じる人もいるはずです。

ただ、わたしの生き方を面白いなと感じたり、少しでもいいなと思えるのであれば、「誘われたら行く」を重ねてみてください。好きなことだけを選り好みするのではなく、何にでも出かけてください。

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そうすれば知らないうちに思わぬ人と引き合うという経験をするはずです。人生を変えるような出会いが生まれるかもしれません。そこに留まり続けても、何かが勝手に近寄ってくることはまずありません。

目まぐるしく動き回った人だけが、思わぬチャンスが巡ってきます。

ただし、天才と呼ばれる人たちは別です。才能のある人はその吸引力が強いので、動き回る必要はありません。わたしのような凡人に奇跡を起こさせるには動き回り、縁を大切にするしかありません。

逆に打算的に生きるという選択肢もあります。効率的に損得勘定で行動を決める。

きっと天才以外でビジネスで成功する人はこういう人たちなのでしょう。人生という限られた時間の中で、縁を大切にしながら打算的に生きるということはできません。

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どちらがいいとか悪いとかいうのではなく、自分の生き方としてどちらが好きなのかというだけのことです。

ただ、婚活をしている女性が「年収は1000万円以上で、身長は180cm以上」みたいなことを言っている人や、「美人じゃないきゃ嫌だ」などと言っている人には違和感があります。

半分はわたしが、婚活相手の条件をひとつも満たしていないということへの嫉妬なのですが、もっと縁というものを大事にしたら見えてくる世界が変わるのになと思うことはあります。

まぁ他人のことは他人のこと。

ひとつだけ覚えておいてもらいたいのは、上手くいかないときは視点を変えてみるということです。普段からそういう柔軟な思考を持っていると、大体のことは上手くいきます。足裏の皮が剥けててもフルマラソンを走れます。


一流の人は小さな「ご縁」を大切にしている
著者:高井伸夫
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知識と経験の総力戦で完走した金沢マラソン2017

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1週間前の万里の長城マラソンを裸足で完走したことで、わたしの中で何かが変わりました。

万里の長城マラソンを走り終えたとき、死域と呼ばれる領域に足を踏み入れ、そこから抜け出してきたことで、走りに対する恐れのようなものが一切なくなりました。平凡な言葉で表現するなら自信というやつでしょうか。

ただし、その代償としてわたしは左足裏に大きなトラブルを抱えてしまいました。マラソン2日前にもなって、いまだに左足拇指球部分は500円玉サイズで皮が剥けたままです。

それだけでなく、家から駅まで小走りをしようとした瞬間に、両足ふくらはぎに強力な電気が流れます。金曜日の段階でわたしは足裏とふくらはぎという悩ましい爆弾を2つ抱えている状態。

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それでも金沢の街が好きだということもあって、「取材だけ」のつもりで金曜日の夜行バスに乗り込みました。もちろん、少しだけ走ることができる可能性を信じて。

かなりの量の仕事を抱えての移動でしたので、マラソン前日はほとんど観光することなくスターバックスに入り浸り状態でした。ランチのために移動をしたときは、まだ足裏の激痛に悩まされていました。

ただ、そこで頭をよぎったのは「傷の部分が浮いていれば痛みは発生しないのでは?」というひらめき。

さっそく、100円ショップと布屋さんに向い、シューズの中の詰め物になりそうなものを物色しました。その詰め物で痛みが大幅に和らぎましたが、まだ不安だったため外反母趾用のパッドを購入して傷部分を嵩上げします。

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この時点で、わたしはスタートラインに立つ決断をしました。

あとは走り始めてから考えればいい。走れなくて当然だけど、走り出せばアドレナリンが出ますので、なんとかなります。ただし、ある程度の作戦は立てます。

東北・みやぎ復興マラソンでは、左足首を傷めていたので「左足は置いてくるだけ」を意識して走りました。今回は置いてくることができません。いかにして拇指球部分を接地させないか。

そのためには足裏の外側部分で接地しなくてはいけません。ただし、ここに体重をかけると、足首の外側が伸ばされる形になり、ただでさえ傷めている部分にさらに負荷がかかります。

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ですので、イメージとしては左足はつっかえ棒です。その状態で20kmを走り、あとは10kmをアドレナリンに期待して、残りの12kmは気合と根性でなんとかしようという作戦。

幸運にもゲストハウスを出てから、スタートまでの間はほとんど雨は降りません。スタート前まではゴミ袋で作ったレインウェアを着ていましたが、気温も高めでスタート時にはそれも不要でした。

カメラが防水でないため、それを守るためにゴミ袋は常に持って走りましたが。

向かったブロックは最後尾。昨年も最後尾でしたが、今年の最後尾には周りに迷惑をかけたくないという思いがあります。場合によってはスタートラインを超える前にリタイアということも考えての整列。

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そこには1人の裸足ランナーがいました。なんと初めての裸足でフルマラソンということ。しかもこのブログをときどき読んでくれているとのこと。わたしの裸足で走りたい気持ちはすべて彼に託したことで、わたしの重荷は少しだけ軽くなったのかもしれません。

いつもなら、最後尾からスタートしてそこからごぼう抜きなのですが、今回はどこまで行っても最後尾です。

拇指球を守るために、選んだシューズはアディダスのPureBOOST。いつも履いている和紙布も試しましたが、ソールが傷にぶつかるたびに激痛が走るので、素直にPureBOOSTを選びました。

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PureBOOSTは踵着地で本領を発揮するシューズです。踵から足裏をローリングするイメージでBOOSTフォームを潰すことで、大きな反発力を得ることができます。

左足は実質使えない状態ですので、右足だけの走りに推進力を加えるという目的もPureBOOSTを選んだ理由のひとつです。ただし、いつもと違う走り方をしますので、慣れるのに時間がかかります。

それでも7分/kmくらいですので、上々のスタートだと思ったのですが、最後尾にも関わらず周りはもっと早いペース。みんな完走できるのか?そんな不安もありましたが、他の人の気遣いをする余裕はありません。

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わたしはある程度の走り方を掴んだので、6分30秒/kmをひとつのペースに定めました。

コースは知っていますので、前半はとにかく耐えるだけです。裸足ではありませんが、沿道からは「河童がんばれ!」の声をもらえます。子どもたちとのハイタッチでエネルギーももらえます。

ただ、ハイタッチをするとペースが上がりやすいので、そこだけは自重します。

前半のアップダウンエリアを超えて20kmの手前、左足首に軽く違和感が発生します。もちろんこれは想定内です。いつもなら、無理にその状態を引っ張りますが、今回はすぐに走り方を変えます。

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レース途中から降り出した雨により、足裏はかなりふやけた状態です。

傷口は防水性のあるバンドエイドを貼っていますので、雨が染みてくることはなく傷周りの皮膚が柔らかくなったことで、傷を引っ張るようなこともありません。だったら、もう少し足の内側も使って接地しても大丈夫なはずです。

思い切って、足を置いてくる走りへとシフトします。やや痛みはあるものの、足首をこれ以上酷使するわけにはいきません。足を置いてくる走りにすることでややペースが上がってしまいましたが、ここは気にせずにそのまま走り続けます。

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25kmくらいでソックスが水をかなり吸い、傷部を守るためにシューズ内に入れていた詰め物も膨張したので、小指がシューズ内部で圧迫されます。ここで詰め物の一部を取り除き、再調整するのに2分半のロス。

30km地点の金沢カレーエイドで、カレーを堪能するためにまた2分半のロス。大きなロスはこれくらいでしょうか。そこそこ安定したペースで走れます。

ただし、35kmを超えた当たりからふくらはぎがキツくなります。普段と違う走り方をするということは、普段使わない筋肉を使うということです。さらに万里の長城マラソンの疲労もあり、足はパンパンです。

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ここでペースを落としても完走はできるのですが、ペースを落とそうと思いません。傷が痛いのであれば、無理はしませんが、筋肉が痛いのはマラソンを走っているなら仕方ないこと。

耐えればいい。

この発想が万里の長城マラソン前との大きな違いです。以前は痛いのも辛いのも避けてスピードを簡単に落としていましたが、今回はそういう気持ちがほんの少しもありません。

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どれだけ足がパンパンになっても、弱音を吐かない自分がいます。それどころか逆境になればなるほど力が湧いてくる感覚。もしかしたらわたしもクレイジーランナーたちの世界に、半歩くらい足を踏み入れることができたのかもしれません。

そして、ネットタイム4時間52分24秒で、ゴールゲートを通過。

金曜日にはスタートラインに立てるのかすら分からない状態からのフルマラソン完走。タイムは平凡でしたが、自分なりに厳しい戦いができたように感じています。

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ケガを悪化させずに、それでも自分を追い込むまで走る。シューズには頼りましたが、それも裸足ランナーでありながら、シューズで走ることにもこだわってきたからできたことです。

自分の知識と経験の総力戦。たまにはこういうマラソンも悪くない。そんな想いで金沢マラソンを終えました。

…ところがこのあと、わたしにとんでもないことが起きます。その話は明日にでもしておきましょう(twitterには書いてしまいましたが)。


ふだんの金沢に出会う旅へ
著者:杉山 正博、濱尾 美奈子、アラタケンジ
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北京・台北・鶴巻温泉というわたしのベース

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横浜マラソンを走るために台湾の友だちが来日しています。わたしは金沢マラソンに向かうので入れ違いになりそうだったのですが、1時間くらい話をすることができました。

彼はわたしにとって初めての台湾人の友だちです。まだわたしが台湾の魅力に触れ始めたばかりの頃、2012年の台北マラソンゴール後に、声をかけてくれました。彼のお婆さんは日本人だそうです。

それからなかなか会えなかったのですが、5年ぶりの再会です。そういう意味ではfacebookはすばらしいシステムです。本来ならそこで一期一会の関係だったのに、SNSを通じて世界中の人とつながれます。

facebookでつながったタイ人の投稿だけは何が書いてあるかまったく分かりませんが、わたしのタイムラインには中国語と日本語、そして英語での投稿が入り混じっています。

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5年間で台湾人の知り合いがたくさんできました。台湾と北京に友だちがいる。わたしが理想としている形を、なんとか実現しています。足りないのは中国語を話せる恋人くらいでしょうか。いや、日本語を話せる恋人も久しくいませんが。

こうやって国境を越えて付き合える関係。いい時代だとは思いますが、それもこれも国があるから国境を越えていけると思うと、どこか不思議な感じがします。

国境なんてなければいいけど、国境があるからお互いを尊重しあっていい関係を築けます。台湾人の友だちもわたしが日本人だから声をかけてくれたわけで、違う国の人だから特に親切にしたくなります。

本当はそういう意識すらなくなるのが理想ですが、きっとわたしが生きているうちにその段階までたどり着けることはないでしょう。

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マラソンをしてて良かったなと思うのは、こうやって海外に簡単に出かけられ、現地の人たちと知り合えることです。走っていなかったら、台湾にも中国にもこんなに行ってなかったでしょう。

そもそもフリーの働き方もせずに、機械設計者として毎日ひたすら図面を書いていたのでしょう。

図面を描くのは嫌いではありません。むしろ天職だったと思います。自画自賛するべきではありませんが、わたしはそこそこの設計者でした。でも、その未来に希望がありませんでした。

いま読んでいるエッセイで伊集院静さんが「人間は本来みんな旅人だ」というニュアンスのことを書いています。アフリカ大陸に出現し、遠くユーラシア大陸の端まで旅をしたわけです。

旅することはわたしたちのDNAに刷り込まれた本能です。

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自由に旅することができる環境に身を置きたかった。初めて日本を離れてブラジルの地に降り立ったとき、わたしの中にそのDNAが目覚めたのでしょう。

永遠に旅人でいたい。世界中の景色を見たいし、世界中の人に会いたい。

ただここ最近で行っているのは隣の国だけですが。ときどきもうそろそろヨーロッパを見るタイミングかなと感じることがあります。これまで一度もヨーロッパに行きたいと思ったことがなかったのに。

台湾と中国だけでこんなにもワクワクできるのに、世界中に友だちができたらどんなに楽しいのでしょう。

それでもきっとわたしのベースは、北京と台北そして鶴巻温泉にあるのでしょう。その3つがしっかりしてきたから、外の世界にも気持ちが向き始めているのだと思います。

もうしばらく、3つのベースを整えたら、それをベースにして世界に飛び出す。そんなプランを考えています。


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