しげ のすべての投稿

訪れて気づいた観光地としての網走と知床の魅力

P9230359

オホーツク網走マラソンのために網走に行ってきましたが、網走に行ったのはこれで2回目。1回目は大学時代にバイクで北海道を一周したときでした。いま思えば、あのころのわたしは無知で世界も狭くて、可能性だけが無限にある若者でした。

網走刑務所まで行った記憶はありますが、それ以外は何も思い出せず。

そして20年近く経過しての訪問。そこで驚いたのは街がきれいだということ。美しいというきれいさではなく、きれいに整理整頓された美しさと言えば伝わるでしょうか?

P9230370

雪国で、冬には長い間雪に埋もれてしまう場所。普通に考えれば、建物などには錆が目立って、廃れた感じの街になっていてもおかしくないのに、街全体が驚くほどきれいでした。

これはわたしの推測でしかありませんが、網走刑務所の存在が影響しているのではないかと思います。日本を代表するような刑務所の存在は、街にしてみればネガティブな要素を抱えていることになります。

そんな街が古ぼけた田舎町だったとしたら、誰も近寄らないですよね。少なくとも刑務所があっても、そこに留まり続けたいと思わせるだけの魅力が街づくりに求められます。

P9240425

そこで税金をじゃぶじゃぶ使って、建物を建てるというのがこれまでの日本の姿でしたが、北海道を夕張市という大きな失敗事例を目の当たりにしていますので、無駄なお金の仕方をしないようになっているような気がします。

そこで、網走市が行っているのが、観光客の誘致と街の美化ではないかと思うのです。

観光スポットとしてのポテンシャルの高さは、もう何十年も前からあるわけで、観光施設も美味しい海産物もあり、さらに飛行機で羽田からアクセスできることを考えると、ここはもう楽園のような場所です。

P9250062

レンタカーを使えば、知床半島まで2時間もあれば到着します。大自然の残る知床半島は、ランナーなら一度は走ってみたい場所ではないでしょうか。観光船を使えば、ヒグマの親子を見られることもあるらしい。

わたしたちが寄ったスポットは、博物館網走監獄と知床半島だけ。本当は流氷館にも行ってみたいし、北方民族博物館も行ってみたい。サンゴ草群生地も絶対に行こうと思ってたのに、お酒のせいで忘れていました。

歴史好きならば博物館網走監獄は半日いても楽しめる場所です。

P9230345

そこで知った、囚人が作った160kmにもわたる北海道中央道路。あれ?これは旅ランにちょうどいいのではと思ったのは、ここだけの秘密です。

今回はマラソン以外はひたすら食べていたような気がします。初日は15時にチェックインして、博物館網走監獄へ行って、その後は網走で最も有名な居酒屋「蒸気船」で飲んだくれ。

翌日は朝からマラソンですが、終わってからはゴール会場でビールと鹿肉のビーフストロガノフ風をいただき、戻ったら打ち上げで、お好み焼き「八点鐘」へ。

P9240014

もちろん、そのまま最終日の夜を終わらせるわけにはいかないので、2次会は「富士」へ。1次会で散々食べたのに、2次会も珍しいものを次々に注文。

あれこれ食べることができることが、仲間との旅ラン最大の魅力。1人だったら「ラーメンでいいや」ということになるけど、食いしん坊の集まりだから、とにかく食べる食べる。

最終日は、知床半島の「ウトロ漁協婦人部食堂」で三種丼をいただき、道の駅では鹿肉のハンバーガー。確実にマラソンで消費したカロリーを上回るだけの飲み食いの量。

P9250038

旅ランは太る…

これだけ食べても、まだ食べていないものがいっぱいあるわけです。蟹もあまり食べてませんし、網走ビールも1杯しか飲んでません。クジラも食べてないですし、お寿司も食べたいところです。

あれもしたい、これもしたいがこんなにも詰まっていて、そして2泊3日のマラソン旅では、まったく時間が足りないという現実。それくらい網走は楽しい街です。

P9250106

そんな観光も楽しめて、マラソンではため息が出るくらい美しく自然豊かなコースを走ることができます。

ランナーとして、オホーツク網走マラソンを走らないというのは、正直なところかなりもったいないことです。せっかく42.195kmも走れるようになっているのですから、網走に行かないというのは、ラン人生を損しています。

女満別空港までLCCが飛んでくれたらわたしは毎月のように網走に遊びに行くかもしれません。

P9230402

寒いのが苦手なので冬に行こうとは思いませんが、流氷を見ておくというのもやってみたいことのひとつです。

今回の旅ランで、久しぶりに好きな場所が増えることとなりました。こういう発見があるから旅ランはやめられません。こういう好きな場所がどんどんと増えていく。本当にランナーで良かったと思います。

来年のオホーツク網走マラソンでは何を食べるのかを考えただけで、すでにワクワクが始まっています。


監獄ベースボール
著者:成田 智志
楽天ブックス:監獄ベースボール 知られざる北の野球史 [ 成田智志 ]

スポンサーリンク

オホーツク網走マラソンレポート〜40kmの天国と2kmの地獄〜

IMG 4025

35kmを通過したところで、4時間半以内での完走を確信してた。今回のオホーツク網走マラソンは、シーズン最初のレースであり、裸足のフルマラソンは春以来ということもあって、タイムはまったく気にしていなかった。

とはいえ、サブ4.5とサブ5では、走り終えたあとの気分が違う。

このレースまでにしっかり体づくりをしてきたこともあって、体の声を聞きながら走る。そうすると、ペースが自然と上がり、1kmを5分45秒前後なら無理なく走ることができる。

P9240209

取材ランでもあるので、途中で何度も撮影のためにペースを落とすことがあったのだが、それでも30kmを超えても余裕があり、35kmを超えても衰える感覚がない。ならばサブ4.5を狙うべきだろう。

40kmまでは1kmを6分ジャストくらいのペースで抑えて、残り2kmですべてを出し切る。これがわたしの選んだプランだった。ところが残り2kmでわたしの視界に入ってきたのは、想定をしていない景色だった。

遡ること6時間。ホテルの5階にある部屋からゴール地点を眺める。ひまわり畑の真ん中を突っ切る形でゴールに飛び込むことができるコース設定。気持ちいいゴールになることは容易に想像できる。

P9240425

全力ダッシュで飛び込むのか、撮影をしながら楽しみながらゴールを目指すのか。この時点でわたしにとって重要なのは、そのいずれかの形でゴールするかを選ぶということだった。

そこからさらに10時間遡った、前日の夜。

フルマラソンを走る前日は本来、お酒も食事も程々にしておかなくてはいけない。ただ、今回は翌日にマラソンを走れずに帰らなくてはいけない仲間がいたことで、「飲むしかないだろう」モードが発動する。

P9230396

網走で知らない人はいないであろう居酒屋「蒸気船」。予約もしていないのに、有名人のサインがいくつも壁に書かれた個室に通される。それだけでも特別感があるのに、出て来る料理の美味しいこと。

完全にお腹がはち切れる寸前まで、網走の海産物を楽しみ。ホテルに戻ってからも飲み続ける。本気の前夜祭。もちろん朝起きた段階ではお酒が体に残っている。

そんな状態で、いい走りができると思っているほど、わたしは自惚れの強い男ではない。

P9240444

テクテク気持ちよく時間をフルに使って走れればいい。そんな気持ちでスタートラインに立つ。並んだのは定位置の最後方。オホーツク網走マラソンでは、スタート直後に橋を渡るのだが、そこまでは追い越し禁止になっている。

フルマラソンの参加者は2000人にも満たないのだが、わたしがスタートラインを超えるまでにかかった時間は7分51秒。橋を渡って国道に出ても1車線だけがマラソンのコースになるため、無理に追い越しができない。

オホーツク網走マラソンのすごいところは、道路封鎖を最小限に抑えているということにある。一部の網走市民は不便に感じたかもしれないが、ほとんどの人がいつもの日曜日と変わることがない。

P9240459

それでも、沿道には少なくない数の地元の人が集まってくる。知り合いの応援なのか、それともお祭り気分で出てきているのかはわからない。ただ、すべてのランナーに全力で声援を送ってくれる。

裸足のわたしは、さらに大きな声で背中を押してもらえる。

1kmを7分くらいでは入れば上出来だと思っていたのだが、二日酔いにも関わらず、思った以上に体が動くこともあって、声援を活かして最初の1kmを6分35秒。次の1kmを6分10秒で走る。そして理解した。

「今日は行ける」と。

P9240488

ただ、この時点ではかなり後方に位置している。4km地点にあるエイドで振る舞われたカニの鉄砲汁。わたしの後ろ数名で終わっている。さすがに4km地点では全員分を用意しておいてあげてほしいと思いながら、我先にと鉄砲汁に手を伸ばす浅ましい河童。

自分の体がキレていることを確信したこともあり、その後から始まる上り坂と、アップダウンのある箇所で次々と周りのランナーを抜き去っていく。周りは1kmが7分〜8分ペース。わたしは、6分を切るくらいのペース。

こうなってくると、自分がちょっと走れるランナーのように思えてくる。

P9240108

コースは右手にオホーツク海。目の前にはこれから紅葉が始まろうかというような北国の樹々。足を進めていくうちに、自分の心が満たされていくような感覚になっていく。

走れば走るほど、自分が元気になっていくのがわかる。アップダウンがあるため、実際には足に疲労が貯まっていくのも同時に感じている。ただ、それ以上に気持ちよさが勝っている。

このままのペースで行けば、4時間以内の完走も見えてくる。1kmを5分30秒で走ることもそれほど無理なくできる。こんなに調子がいいのはあまり記憶にない。

P9240117

自分の調子の良さと、北の大自然がうまく融合されている感覚。

ただし、それも14km地点の能取岬で一度途切れることになる。4時間半のペースランナーが折り返し直前で視界に入ったのだが、そこから200mくらいの砂利道コース。ここで一気にペースダウンする。

14kmくらいはまだ頑張りどころではない。裸足で走るというのはそういう気持ちの切り替えも重要だ。

P9240155

他にも写真を撮るために何度も立ち止まっていたので、サブ4は頭の中から消し去った。もともと5時間半から6時間で走るつもりだったので、そんなもんかと思った程度のダメージ。

能取岬の先は、ほとんどアップダウンのない走りやすい状態が続く。

気持ちは一度リセットされてしまったが、快適な気温と美しい景色にやはり気持ちが上がっていく。自然と表情がほころんで、なぜだか分からないが、いろんな人の笑顔が浮かんでくる。

P9240159

同じコース上にいる仲間だけでなく、練習会にやってきてくれるラン仲間、大好きだった子や会えなくなった人。そして突然、母や父の顔が思い浮かぶ。その瞬間に心の奥にしまい込んでいた感情が溢れ出してきた。

複雑な感情が一気に解き放たれ、走りながら目に涙が浮かんでくる。

そしてわたしは、いま網走を走っていることに感謝した。自分だけではここに来ることはなかった。自分だけではそもそもマラソンをしていなかった。多くの人との出会いがあって、いま網走を走っているという奇跡。

P9240201

35kmで天童ラ・フランスマラソンが出しているエイドで、温かいお茶を飲み。気持ちを落ち着かせたところで、一気にスイッチを入れる。タイムは気にしないが、出し切ることはしたかった。

そのためのサブ4.5というタイム設定。

ただし、それほど無理はない。この時点では1kmを6分ペースで走れば十分に間に合う状態。自分の気持ちを緩めないためだけのサブ4.5という目標でしかなかった。そう、40km地点の曲がり角を曲がるまでは。

P9240234

わたしの視界に飛び込んできたのは、能取岬を遥かに上回る危険度の高い砂利の道。走れるかどうかではない。歩くことも困難なレベルの道がそこから続いている。

そこまでの道で追い越していった他のランナーが軽々とわたしを追い抜いていく。それもかなりの同情の込められた声援とともに。裸足で抜いていった人に追いつかれるのは、屈辱であり恥ずかしいこと。

P9240236

ゴール会場で全力の応援をしてくれる学生たちも、懸命に声で背中を押そうとしてくれる。

学生「がんばってください!」
河童「いや、無理やって!」
学生「大丈夫ですか?もうちょっとです」
河童「全然大丈夫ちゃうわ、もうちょっとでもないし」

完全に反抗期の子ども状態である。

P9240239

それでも足は止めない。1kmを12分以上かけてなんとか進む。 早歩きをするよりも遅いスピード。最終の曲がり角に金哲彦さんがランナーを待っていたのだが、悶絶するわたしの姿を見て大爆笑。

ちょっと金哲彦さんのことが好きになった。

それはともかくラスト400mの直線。両側には見事なひまわりが咲き並んでいたが、もはや頑張る気力などどこにもない。4時間30分以内のゴールはもちろん叶わず、それでいて足裏以外は十分に余力を残してのゴール。

IMG 4030

ネットタイムで4時間39分20秒。

40km地点までは本当にあっという間で、こんな素晴らしい大会は他にないと思っていたが、残り2kmで評価が一気に逆転する。天国から地獄というのはまさにこのことを言うのだろう。

おそらく完走者の中で、最後2kmを最も遅いスピードで走ったランナーだろう。2km走るのに24分44秒かかっている。最後に大きなオチが待っていた。

P9240259

ただ、これも走り終えたらいい思い出。

ゴールしたランナーには、無料でドリンクの提供があり、もちろんサッポロクラシックビールをいただくこともできる。さらに400円分の出店で使えるチケット。

荒れたコースとは正反対の気持ちいい芝生の上に転がっていただくビールと、鹿肉のビーフストロガノフ風料理の美味しいことといったら、そこは紛れもなくランナーの天国だった。

P9240261

42.195kmのうち40kmを気持ちよく走ったうえに、ご馳走が待っているマラソン大会。とてもフルマラソンが2000人規模の大会とは思えない豪華なゴール会場。

来年は最後の2kmをどう克服するのか。すでに気持ちは、来年のオホーツク網走マラソンに向いている。

感極まるほど楽しめた北の大地の40kmと、かつてない絶望の淵にまで追い込まれた2.195km。

IMG 4033

断言しよう。オホーツク網走マラソンは数年後、クリック合戦が行われることになる。ランナー同士の口コミで、あっという間に大人気大会になっていくはずです。

もちろん完璧な運営というわけではありません。後半の人はエイドの給食が十分に行き渡っていないでしょうし、完走者が多すぎて、フィニッシャータオルが足りなくなるハプニングもありました。

改善すべき点はたくさんありますが、ただそれは反省し改善していけばいいだけのこと。

P9240097

良い大会にするための、地元の人たちの情熱が素晴らしい。そのベースがあれば、大会そのものはいくらでも進化していけます。たくさんお金をかけても情熱がなければ、大会の評判は散々なものになります。

情熱があり、他の大会にはない大自然があり、観光スポットにも恵まれているオホーツク網走マラソン。この大会は人気の大会にならない理由がありません。

というわけで、参加しやすいうちに参加してみることを、強くおすすめします。


ことりっぷ 知床・阿寒 釧路湿原 (旅行ガイド)
著者:昭文社 旅行ガイドブック
編集部 楽天ブックス:知床・阿寒2版 釧路湿原 (ことりっぷ)

スポンサーリンク

猫背のゴリラはいない〜ランナーが身につけるべきこと〜

Gorilla 2580418 640

マラソンやトレランで重要なのは体幹です。でも、きっと99%の人が体幹を誤解しています。体幹トレーニングと聞くと、腹筋の奥にあるインナーマッスルを鍛えることばかりイメージしているのではないでしょうか。

少なくともわたしの経験上では、腹筋の奥のインナーマッスルなんて走りにそれほど効果ありません。効果があるとしたら、内臓が揺れないから、レース後半に入ってもしっかり食べられるということくらいでしょう。

わたしたちランナーが付けなくてはいけないのは、体の背中側の筋肉です。

「またか」と思われるかもしれませんが、わたしの体を使った人体実験では、着実に結果は出ています。最近は1分間のインターバルトレーニングを行っているのですが、先日初めて1分間だけ3分/kmを切るペースで走れました。

わたしはサブ3も達成できていない凡人ランナーです。短い距離とはいえ、3分/kmで走れたというのは、これまでのわたしでは考えられないことです。インターバルですので、もちろん全力ではありません。

0bdd973b4966292de21b71d6f4eff34a s

最近よく目にするのが、体幹トレーニングをしているのに猫背になっている人がいるという光景です。体幹=腹筋の奥側という意識が強すぎるため、腹筋ばかり強くなって、体全体がそちら側に引っ張られています。

背中側の筋肉を鍛えていないから、強い方に持っていかれます。

でもよく考えてください。体の軸はどこにありますか?人間の体の軸は背骨に沿ってあるはずなのに、その軸からオフセットされた位置にある腹筋のインナーマッスルを鍛えるのっておかしいと思いませんか?

いや、意味が無いとはいいません。先程も言ったように、内臓がブレないようにするには、腹筋の奥の筋肉がとても重要です。でも、それと速く走ることとはそれほど関係はないとわたしは思います。長く走ることには役立つと思いますが。

028901d880407c9b00f7e7e8dbf10d70 s

軸が背骨の位置にあるのなら、鍛えるべき筋肉は、その軸に近い位置にある筋肉です。すなわち体の後ろ側の筋肉で、さらにその深層部にあるインナーマッスルが重要です。

実際にピラティスを行うと、この背中の深層部の筋肉をこれでもかというくらいいじめます。そもそも人間の筋肉の中で最も弱っている部分なので、ちょっとした動きでも悲鳴を上げるのですが。

日本人はもともと背中の筋肉が発達しているライフスタイルがありました。農家では鍬で畑を耕していましたし、武士は何度も竹刀を振り続けています。昔の人は生活の中に背中の筋肉を使うという習慣がありました。

いまは皆無です。パソコン作業が多いこともあって、意識はすべて前側にあります。意識がどんどん前側に行き、さらに腹筋のインナーばかり鍛えるから、どんどん猫背になります。

Gorilla 214830 640

ゴリラの背中を見たことある人はどれくらいいますか?

驚くほど筋肉が発達しています。そして背中は少し反った形状をしています。そしてあの巨体で、時速50kmで走るそうです。単純に人間と比較するのは安直すぎますが、ゴリラの体にはわたしたちが失ったものが残っています。

ゴリラだけではありません。馬だって腹筋で走ったりはしません。使うのはあくまでも背中側の筋肉です。すべての動物がとは言いませんが、背中側の筋肉が大事なのはなんとなくは分かってもらえるかと思います。

そしてわたしたちは、背中側の筋肉が絶望的に衰えています。

街を歩く人を眺めていても、ほとんどが背中側の筋肉を使えていないような状態です。いや、使えていないのではなく、筋力がほとんどありません。

Ef829ee39e510997cc8ff892ea43fbe8 s

体幹を意識した走りがなかなかできないという人が大勢いますが、できなくて当然です。そもそも筋力が落ちすぎているのに、意識したって使えないんです。

走りながら体幹を付けるという方法がありますが、それはある程度筋力がついていないとできません。体には防衛反応がありますので、バランスが悪くなったらアウターの筋肉を使って、体を守ろうとします。

ではどうすればいいのか?

本気で取り組みたいなら、走る量を減らして、徹底して本当の体幹作りに取り組むしかありません。ものすごく地味な作業です。でも背中側の筋肉をきちんとつければ、おそらく体がこれまで以上に丈夫になります。

疲れにくくもなりますし、しっかり呼吸ができるようになるので、常に体がいい状態を保つことができます。

A5b64d588d524fa2b35bc2f33b608d3a s

でも、インナーの筋肉は見よう見まねで行っても身につけることはできません。専門の知識を持ったピラティスの先生か、体幹トレーニングのプロから学ぶしかありません。

そして、数回で身につくものでもなく、何年もかけけて体づくりを行います。

コツコツ継続して、インナーを意識して使えるようになるまでは、ずっと体づくりです。でもある時からは、体幹トレーニングをしなくても、走っているだけで体幹を整えることができるようになります。

アウターの筋肉に負けないくらいのインナーの筋肉がついてしまえば、走るだけでインナーを鍛えられるようになります。しばらくするとゴリラのように背中の筋肉がが発達していきます。

A2e65d8a4856b94a4f0d6f03e9a34101 s

そうなれば、あとは走りと融合させるだけです。むしろインナーマッスルを使った走りというのはそこがスタートラインです。

最近一本歯下駄で走っているのですが、あれを体幹トレーニングに使う人もいるようです。正直なところ、上手く使えているのは体幹がすでに整っている一部の人だけだと思います。

一本歯下駄で上手に走るには体幹が整っている必要があります。でも一本歯下駄で走ったから体幹が整うかというとそれは別の話です。人によってはアウターだけを鍛えてしまう可能性があります。

まずは背中側の筋肉をしっかりと鍛えること。自然体で猫背でなくなるように、背中側で体を引き上げている状態を目指してください。意識はゴリラの背中です。

Gorilla 315544 640

そこまでムキムキにする必要はありませんが、方向性はゴリラの背中で間違いありません。

体が少し反るくらいの状態が基本となるくらい後ろ側で引っ張る。そのために何をしていいのか、さっぱり分からないという人は、鶴巻温泉まで来てもらえればいつでも教えます。もちろん報酬は生ビールで。

とりあえず、今日から毎日Googleで「ゴリラ 背中」を検索して、背中の筋肉を眺めてイメトレしておきましょう。冗談ではなく本気ですよ。目指すところがわからないと、努力も続きませんからね。


ゴリラは戦わない (中公新書ラクレ)
著者:小菅 正夫、山極 壽一
楽天ブックス:ゴリラは戦わない 平和主義、家族愛、楽天的 (中公新書ラクレ) [ 山極寿一 ]

スポンサーリンク

歴史街道丹後100㎞ウルトラマラソンで築かれた日本と台湾の絆

IMG 3906

歴史街道丹後100㎞ウルトラマラソンは国際親善大会です。昨年の優勝者は、今年の3月11日に台湾の南横超級マラソンに出場しています。そして歴史街道丹後100㎞ウルトラマラソンにはたくさんの台湾人ランナーがやってきました。

残念ながら台風の影響で、大会そのものは中止になってしまいましたが、100kmと60kmにはそれぞれ15人の外国人ランナーがエントリーしています。

その多くが、50kmの元日本代表である出口光さんの呼びかけによって集まった台湾人ランナーです。彼は地元である京丹後を台湾人ランナーとセルビア人ランナーに気持ちよく走ってもらうために、今回はたくさん自分のことを犠牲にしつつも、全力で動き回っていました。

IMG 3903

雨で中止が決まった後も、日本まで来て走らないで帰らす訳にはいかないと、自主開催で約46kmのレースを行いました。自分の仲間にサポートをお願いして、自らも走りながらコースガイドをしています。

もちろん、それだけではありません。少しでも安く観光を楽しめるように交渉をしたり、今回の国際交流を知ってもらうために、様々なところに働きかけをしていました。

それはすべて「喜んでもらいたい」という一途な気持ちからくるものです。

IMG 3864

わたしもそこそこ愚直なタイプですが、出口さんはわたしよりもはるかに真っ直ぐで、しかも揺らぐことのない太い軸を持っています。そういうタイプですので、時としてあちこちにぶつかります。

普通の人なら絶対に曲がってしまいそうなときにも、真っ直ぐを貫く強さ。

ただ、真っ直ぐすぎて誤解されることがよくありますし、意見がぶつかることもあります。ついさっきも「facebookで炎上させてしまいました…」と凹んでました。でもそれもこれも真っ直ぐだからこそ、情熱があるからこそのこと。

それでも今回で言えば、応援者も含めて40人を超える外国人の訪問者全員に、楽しんでもらうことだけに集中していました。そういう気持ちは必ず相手に伝わります。

テクニックとかノウハウとかそういうことは関係ありません。人間と人間が向き合うとき、相手のためになんでもするという姿勢は、必ずその人の心を動かします。これはわたしが万里の長城マラソンでやっていることと同じです。

IMG 3841

自分の喜びは、自分の行動によってひとつの笑顔が生まれることにある。

この点において、わたしと出口さんは心の深い部分で繋がっていると勝手に思っています。ですので、どちらも自分が儲かることなんてこれっぽっちも考えていません。世の中にはお金で買えないものがあることをお互い理解しています。

そういうことを言うと、必ず「甘いことを言ってる」と馬鹿にした目で見てくる人たちがいますが、おそらくそういう人たちと、わたしたちが交わることは一生ないのでしょう。

人生において何を優先すべきかということは、人それぞれ違います。

IMG 3832

安定した収入を得て、子どもを育ててということを大切にする人もいれば、世界中を旅して刺激のある人生を大切にする人もいます。ビジネスで成功することを重視する人もいれば、目の前の1人を笑わすことにすべてを注ぎ込む人もいます。

何が正しいなんてことは絶対にありません。

ただ、誰かの心を動かそうと思ったとき、このやり方しかできないのがわたしたちです。全力で1人1人と向き合って、全力で期待に応える。そこに効率とか、小手先のテクニックなんてものはありません。

でも、今回の彼の行動を見ていると、間違いなくそれによって多くの台湾人ランナー、そして世界トップクラスの走力を持つセルビア人ランナーの心を動かしていました。

IMG 3972

大会が中止になると決まっても、わざわざ台湾から日本までやってきましたし、セルビア人ランナーのIvanさんは、何もかかっていない自主興行のウルトラマラソンで、全力の走りをすることでイベントを盛り上げてくれました。

台湾人ランナーも含めて、本心は正式な大会を走りたかったのだと思います。この日のために調整してきた人たちは、心の整理がなかなかつかなかったと思います。

それでも、外国人の参加者のために全力で動き回る出口さんを見ているので、ワガママを言うようなことはありません。言いたいこともあるはずですが、それは飲み込んで、今を全力で楽しんでいるように見えました。

そうすることが、出口さんに対するお礼であると分かっているからでしょう。

IMG 3966

何百回の「ありがとう」よりも、用意してもらった環境でとにかく楽しむ。たくさん笑顔を作ることがお礼になるということを彼らは知っています。

中国語のありがとうは「謝謝」です。これに対する返答は「不謝」です。

中国語会話などでは「不謝」を「どういたしまして」訳すことがあるのですが、実際はそうではありません。その字のごとく「感謝なんて必要ない」という意味です。「助け合って当然だろ?」そういうニュアンスが含まれています。

中国人(台湾人)と日本人の文化の違いが出ているおもしろいところです。そして中国人や台湾人と仲良くなるには、「不謝」な関係になれるかどうかということがとても重要です。

IMG 3965

中国人や台湾人は仲間のために全力を尽くすというのはあたり前で、台湾人の場合は仲間でなくても困っている人のために全力をつくすのはあたり前という感じがあります。

そして、全力を尽くされた側は、相手がピンチになったときに全力で助けよううとします。そこにあるのは感謝というよりは信頼です。そして、今の日本に欠けているのはその「信頼」です。

SNSが定着したことで、表向きの人間関係だけは薄く広がっていきましたが、信頼関係というのはどんどん希薄になっているような気がします。自分と繋がりのある人のうち、すべてを投げ捨ててでも助けたいと思える人はどれだけいますか?

IMG 3923

本当は「自分がピンチになったときに、すべてを投げ捨てて助けてくれる人はどれだけいますか?」と聞きたいのですが、それは質問そのものが傲慢な気がするので、あえて言いません。

いずれにしても、出口さんと台湾人ランナーたちの間には、決して壊れることのない信頼関係というものが築かれました。もし彼が台湾に行ったら、とてつもない歓迎を受けることでしょう。翌日起きられないくらいお酒を飲まされるに違いありません。

そして、これはまだ始まりにすぎません。来年はもっとたくさんの台湾人が、歴史街道丹後100㎞ウルトラマラソンにやってくるでしょう。いや、この流れからすると世界中からランナーが集まってくる可能性もあります。

IMG 3929

たった1人の狂気とも言えるほどの情熱が、何百人ものランナーの心を動かすかもしれないというワクワクする未来が、すぐそこに待っています。それを受けてわたしたちは何をすべきか。

「日本に来てくれてありがとう」と言葉にするのではなく、わたしも行動で彼らに応えたいと思います。


夢をかなえた38人の物語。 断言する。情熱で人生は変えられる。
著者:是久 昌信
楽天ブックス:断言する。情熱で人生は変えられる。 (中経の文庫) [ 是久昌信 ]

スポンサーリンク

歴史街道丹後100㎞ウルトラマラソン中止と参加費の考え方

IMG 3876

先に書いておきますが、わたしは現地入りしていますが、歴史街道丹後100㎞ウルトラマラソンの参加者ではありません。大会と友だちの活動を取材するために京丹後まで行ってます。

RUNNETでちょっとした炎上騒ぎになっていますが、今回の中止についてきちんとまとめておかなくてはいけないと思い、書きたいことがたくさんあるなかで先に記事にしました。

・開催できたのではないか?
・中止の判断はもっと早くして欲しい 
・参加費の一部でも返して欲しい

苦情をまとめてみるとこんなところでしょうか。

もう1つ、RUNNETに対する苦情が目立ちましたが、それで歴史街道丹後100㎞ウルトラマラソンの評価が下がるのはただのとばっちりです。

IMG 3884

結果論から言えば、開催は無理です。スタートは4:30で制限時間は14時間ですので18:30が競技終了時間です。その時間にはすでに雨も風も強くなっていました。自分は14時間もかからないから大丈夫と言う人もいるかもしれませんが、それは人間としてどうかと思います。

強引に18:30まで続けるということができたかもしれませんが、じゃあその後の片付けはどうするのか。スタッフだから危険な思いをしてもいい?丹後鉄道は15時でストップしています。帰れなくなった人はどうなるのでしょう?

確かに、夕方までは走ることはできました。わたしも昼過ぎまで走っていました。

でもそれと歴史街道丹後100㎞ウルトラマラソンを開催できたというのは別問題です。そもそも台風がほんの少しスピードが速かったらレースに直撃ですから、金曜日の時点では「中止」としか言えません。結果論で言っても判断は間違っていなかったとわたしは感じています。

IMG 3883

中止の判断を早くして欲しいというのは、ある意味では正しいでしょう。大会前日ですので、ホテルのキャンセル費が発生します。でも木曜日の段階で判断できるような人がいたでしょうか。

木曜日の段階ではまだ台風は北上していて、どこで曲がり始めるか誰にもわからない状態でした。気象予報士がお手上げでしたのに、予報円だけ見て「判断できる」というのはほとんど言いがかりです。

そもそも木曜日に中止を決めたら、今度はきっと「判断が早すぎる」と苦情を言っていたのでしょう。はっきり言えば、文句を言いたいだけの人が何人かいるということです。

マラソンは個人競技ということもあって、協調性がない人が目立ちます。もちろん大多数は今回の中止に納得していると思います、でも何か言わないと気がすまない人がいるというのが現実です。

そういう人をなだめても意味のないことだとわたしは思っています。そういう人は「相手にしない」のが、わたしのやり方です。

IMG 3892

さて、もう1つの参加費の一部でも返して欲しいというのは、とても難しい問題です。大会側の言い分は準備で使っているのだから、走れようが走れまいがかかった費用には変わりないということです。

でも現実には100%変わりないかと言うとそうではありません、やっぱり開催しないことで浮いたお金があると思います。ただ、それを返却しても1人1000円にもならないかと思います。

決算書を提示しろという人もいますが、その言い分はわかります。返せないのはいいけど、儲けていないのを証明しろというわけです。それで納得するなら大会側も正直に出してしまえばいいと思います。

でも、そこには運営側のノウハウも含まれているので、決して出すことはできないかと思います。仮設トイレを1台いくらで借りているかですら公表したくない。これが運営側の本音でしょう。

IMG 3870

わたしは正直、そんなこと追求しても意味がないと思います。それよりも、マラソン大会の参加費についての考え方をそろそろみんな変えていくべきじゃないかと思います。

マラソン大会の参加費というのは、大会当日にレースを走るためだけに払っているわけではありません。いや、お金の流れとしてはレースを走るために払っているのですが、レースというのは準備期間も含めた全体の中で考えたときに、ほんの一部でしかありません。

まずは、大会に向けての体づくりを行います。京丹後に行くというワクワク感をスケジュールを組みながら得ることができます。マラソンは準備が8割です。レースなんてスタートラインに立った時点で、結果はほとんど決まっています。

マラソン大会の参加費は、その準備をするための投資だと考えるのはどうでしょう?

無茶を言っているのは理解しています。でも大会にエントリーしていなかったら、そこまでのトレーニングはしていなかったはずです。旅をするというワクワク感も得られなかったわけです。

IMG 3872

その準備をするために参加費を払ったのだという考え方。

もしそう考えられるのであれば、大会が中止になるということも、とても小さなことに思えるはずです。雨で走れないけど、お世話になっている宿がガラガラにさせたくないから、京丹後に遊びに行くという判断だってできます。

勘違いしないで欲しいのですが、現地入りすることを推奨しているわけではありません。でも「開催しないなら行かない」という選択以外にもたくさんの考え方があるということは知ってもらいたいだけです。

いやいや、参加費はやっぱりレースを走るために払っているし、1円でも返すべきだというような考えの人もいるかと思います。正直、そういう人はレースじゃなくて自分で走ればいいのにと思います。

あんなにも高い参加費を払わなくても、走ってもいい道はどこにでもあります。参加費の18,000円を握りしめて、日本橋から箱根の芦ノ湖まで走れば、美味しいものも食べられて、なおかつ温泉宿にも泊まれます。

わたしは、そっちのほうが楽しいからウルトラマラソンのレースに出ないことを決めました。

IMG 3846

大会に参加するというのは、どんなレースでも常に中止というリスクがあります。そして返金しないという約束で申し込んでいるはずです。それは約束でありルールです。ルールに同意できないなら、なぜエントリーしたのでしょう。

マラソンはルールがあって成立するスポーツです。ルールに縛られたくないなら、目の前の道を自由に走ればいいんです。それをしてはいけない理由はどこにもありません。

繰り返しになりますが、マラソン大会はどんな大会でも中止になる可能性があり、返金はされない。これがマラソン大会にエントリーするということであり、そのときの約束事です。

これに納得出来ないなら、人が作ったレースに出るのでなく、自分で返金保証の大会を作ってしまえばいいんです。それが面倒なら大会以外で走ればいいんです。

先程も述べましたが、マラソン参加費はスタートラインに立つまでの投資です。スタートラインに立つために良い準備ができたなら、それはもう何かを得ている状態です。足りないのは完走という事実だけ。

そして、それは本当に些細なことです。

IMG 3895

スタートラインに立つ準備でどれだけ頑張ったのかは、自分が一番知っているはずです。だったら、そこへの投資でいいじゃないですか。

投資だと思えないのは、その過程を頑張れなかったからでは?

そう意地悪な言葉をあえてかけておきます。

そして、こういう考え方もあるのだということを、頭の片隅に置いておいてください。すぐに考え方を変えるのはできませんが、ほんの少しだけ気持ちがスッキリすると思います。

イライラしたって得るものはありません。運営側を叩いても何も出ません。返金されないというルールも変わりません。だったら自分が変わるしかないんじゃないでしょうか。

相手を変えることはできなくても、自分を変えることはできる。いい人間関係を築くときの基本中の基本となる考え方です。ランナーならどんどん柔軟になっていきましょう。思考も筋肉も凝り固まったらケガをするだけですから。


ビジネスの先が読めない時代に 自分の頭で判断する技術
著者:小林 敬幸
楽天ブックス:ビジネスの先が読めない時代に自分の頭で判断する技術 [ 小林敬幸 ]

スポンサーリンク

ランニングと音楽を融合させるイヤホン「Jaybird RUN」

P9150003 2

以前のわたしはランニング中に音楽を聞くことはほとんどなかったのですが、最近は旅ランなどでも音楽を聞きながら走りますし、練習でも時々使います。

でもいま使っているイヤフォンはケーブルがありますので、走っているときにケーブルを邪魔に感じることがあります。ケーブルが何かに引っかかって、耳から外れるようなこともあります。

比較的気にっているデバイスなのですが、そういう小さなところにストレスを感じています。

わたしにとってそれは、とても小さなことなのです。ところが、このケーブルをとにかく嫌った人たちがいました。その人たちは自分たちのブランドを立ち上げます。それがJaybirdです。

Jaybirdはイヤホンを作っていますが、音響メーカーではありません。彼らはスポーツをする人のためのイヤホンを開発しているスポーツブランドです。

そして今年の9月25日に、ランナーのためのイヤホンを発売開始することになりました。それが「Jaybird RUN」です。Jaybird RUNは完全なワイヤレスイヤホンで、走るときの使用に特化して作られています。

P9150094

その最大の特徴は防汗機能にあります。

ランナーは1時間のトレーニングで1リットル以上の汗をかきます。特に頭は汗をかきやすく、通常のイヤホンでは汗に濡れて故障する可能性があります。Jaybird RUNはこの問題に対して、イヤホンに二重のコーティングを施すことでクリアしています。

面白いことにJaybird RUNは防水規格を取得していません。防汗性能をアピールするときに、多くのメーカーがIPX6やIPX7といった規格を取得していると言いますが、実は防水性と防汗性は必ずしも一致しません。

ですので、汗に強いことをいくら防水規格で謳っても意味がありません。意味のない規格だから取得しない。でも汗で壊れることはないという自信はあり、それだけの社内試験をクリアしています。

こういう潔さは好きです。

Jaybird RUNのもうひとつの特徴はフィット感の良さです。「耳に付ける」のではなく、「耳で着る」ことを目指して作られているため、付けているのを忘れるくらい、しっかりとフィットします。

発表会のゲストに呼ばれたラテンアメリカンダンサーの曽又奈々さんは、競技ダンスを専門としています。ダンスではかなり激しい動きをするのですが、その動きによってJaybird RUNが外れるようなことはなかったそうです。

P9150063

わたしも実際に装着して走ってみました。標準でついているイヤーチップでは右耳はしっかりとフィットしましたが、左耳は振動するたびに外れそうになります。でもそれは付属のイヤーチップとイヤーフィンに換えることで解決しました。

イヤーチップは2種類2サイズの片耳4個あり、イヤーフィンは片耳4種類あります。この組み合わせによって最適なものを見つけることで、最高のフィット感を得ることができます。

走っているときは「付けているのを忘れる」ということはなかったのですが、帰宅して家で作業をしていると、本当に付けているのを忘れます。付けてないのに耳から音が聞こえるという不思議な感覚があります。

耳に付けているのに「どこに置いたっけ?」を何回もやりました。

音質については残念ながらわたしには分かりません。とても小さな音まで拾っていることは分かりますが、それ以上のことを述べることはできません。食いしん坊なので美味しいものにはこだわりますが、いい音にこだわったことは人生で一度もありません。

P9150085

走っているときは本当に快適です。完全に自分の世界に没頭できますし、リズムのいい走りができます。耳の穴を塞いでしまいますので、外の音はあまり聞こえません。その代わり、振動によって自分の着地音が伝わってきます。

これはちょっと不思議な感覚です。耳をふさいだから聞こえてくるものがある。そんなこと考えたこともありませんでした。

普段のわたしはほとんど着地音がしませんので、着地は足裏の感覚が全てでしたが、これからは聞こえない音を聞くことで、走りの質をより上げられるような気がします。

ただし、公道のような車が走っているような場所で、両耳をふさいでしまうのは危険ですので絶対にやめてください。時々イヤホンをして両耳を塞いだ状態で走っているランナーを見かけますが、自殺願望でもあるのかと疑ってしまいます。

ですので、わたしは基本的にイヤホンの紹介をしません。イヤホンの使用は反対しませんが、それは車の来ない安全な環境に限っていです。でもJaybird RUNなら公道でも問題ありません。

だってワイヤレスですから、片耳だけ外してポケットにしまっておけばいいんです。

P9150013

実は発表会に行くまでずっと、自分にこの商品を紹介できるだろうかと悩んでいました。絶対に外の音が聞こえなくなるのに、そんな商品を紹介するというのはどうだろうと思っていたわけです。

質疑でもそのことを聞くつもりでしたが、他の人が先に聞いてくれました。みんなこの問題に関しては、無関心ではいられないのでしょう。イヤホンをして走るランナーはちょっとした社会問題にもなりかねません。

その回答として「片方を外せばいいんですよ」と言われたとき、視界がパッと明るくなりました。

なんでそんなあたり前のことに気づかなかったのでしょう。イヤホンは2個で1セットだと思いこんでいました。ワイヤレスなら、1個を外してしまえばいいんです。

これを応用すると、同じエリアで違う行動をする2人で、同じ音楽を聞くということもできます。

好きな子とはケーブルで繋がってる状態で聞くほうがいいですけどね。距離も必然的に近くなるし。なぜだか分かりませんが、人生でそんなシチュエーションになったことは一度もないんですけど…

これなら恋人同士で同じ音楽を聞きながら走ることができる。それはちょっといいかもしれません。誰か一緒に走ってください。もれなく森脇健児の「真夏のファンタジー」を聴くことができます。

ちなみに電話での使用中は、左耳だけ外の音が聞こえるような構造になっているそうです。ちゃんと自分の声も聞こえるので、大声で電話してしまうというのを回避できるそうです。

P9150037

またJaybird RUNは、スマホアプリで音質を変えることはできるそうです。これを試してみたのですが、なぜかでデバイスが検索中になって繋がりません。発売前だからなのでしょうか?

iPhoneでもAndroidでも繋がらなかったので、アプリがまだ対応していなのか、手元にあるJaybird RUNの設定に問題があるのかのいずれかでしょう。これはしばらく待って、繋がるようになったらレポートしようと思います。

走ることが好きで音楽が好きだというランナーにとってJaybird RUNは、唯一無二の存在となるアイテムかもしれません。わたしがもう少し上手にこの魅力について語れればいいのですが、音に関しては本当に拙いので、すべてを伝えきれてないのがちょっと残念です。

でも走ることが楽しくなるアイテムだということだけは断言できます。完全に自分の世界は入り込んで自分を追い込むたいとき。Jaybird RUNは最高の相棒になってくれるはずです。

Jaybird RUN商品スペック

参考価格 25,880円(税抜)
発売予定日 2017年9月25日
本体重量 6.83g
連続再生時間 本体4時間+付属充電ケース8時間
充電時間 2時間(最初の5分の充電で1時間使用可)
Bluetooth Bluetooth 4.1

Jaybird公式サイト
https://jaybirdsport.com 

Jaybirdフェイスブックページ
https://www.facebook.com/JaybirdSportJP/ 

スポンサーリンク

iPhone 8とiPhone Xが発売されてもiPhone 5Sを使い続ける理由

Mobile 666913 640

ガジェット好きで、もちろんiPhoneが好きです。なのに、今回はそもそも発表会のことすら知りませんでした。朝起きて、ニュースを見たらiPhone 8とiPhone Xの発表。

あんなにワクワクしていた時代が嘘のように、いまは「そっか」くらいにしか思いません。

iPhoneを新品で買えるほど豊かではないというのもあるのですが、これ以上進化したって、所詮は道具でしかないということにようやく気づき始めました。

最新のiPhoneのカメラが、どれくらい優秀なカメラを付けているのかしりませんが、わたしの持っているミラーレス一眼E-M10よりもいい写真が撮れることはありません。

Business 2618096 640

どんなに素晴らしいCPUを積んでいるのかわかりませんが、iPhoneで仕事ができるわけでもありません。スマホはメールとインターネットができて、LINEとfacebookそしてWeChatが使えればそれで十分です。

そう考えると、いま使っているiPhone 5Sで困っているのは電池が寿命になっていることくらいです。それもモバイルバッテリーがあればとりあえずは回避できます。

iPhone Xは112,800円もするそうです。うちのアパートに5ヶ月暮らしてお釣りが来ます。MacBook Airを買えます。どんな人が買うんだろうと思うのですが、MacBook Airよりもスマホの方に価値を感じる人のほうが多い時代。品薄になるくらい売れるのでしょう。

1年後には型遅れになることを分かっていながら、最高品質を求めずにはいられない人たち。

Grass 1835542 640

マラソンを走るならフルマラソンじゃないと嫌。そういう思考にどことなく似ています。でもAppleはフラグシップモデルは、一部の特別な人向けに提供しています。Mac ProやiMac Pro、iPad Proがそれに当たります。

要するにiPhone XはiPhone Proなわけです。必要以上にハイグレード。普通の人が購入するのは、物欲を満たすことが目的。もちろんそれで物欲が満たされるならそれはそれで悪いことではありません。

でも人間の物欲には終わりはありません。

20年前なら持っているものでその人の価値が測られました。ブランド物のバッグを持って、高級腕時計をして、有名デザイナーの服を着る。いまでも一部ではそこに価値を感じる人もいるようですが、以前ほどではありません。

Macbook 2593391 640

いまは、持っているものではなく、その人の生き方が評価される時代です。ユニクロだってかっこよく着こなせる生き方をしていることが大事。高級品に包まれないと輝けない人は偽物で、すぐに飽きられてしまいます。

個人的にはいい時代になったと思います。自分が輝けているかどうかは別として、最高級品を持っていることに大きな意味がなくなった時代です。

もちろん、これはわたしの価値観でしかありません。「どうせ買うなら最高級品を」という人もいてあたり前です。そういう人たちがいなければ経済は回りませんし、どれを買うか悩む時間ももったいないという人もいるはずです。

一方で、iPhone Xの無駄を一切省いたというスタンスが好きです。わたしが機械設計をやっていた頃、わたしの設計ポリシーは「徹底してシンプル」でした。無駄な加工は一切しません。究極までパーツ点数を減らします。

Office 620817 640

そこに美しさがあると信じていたからです。

そういう意味では、iPhone Xはハダシストに最適なiPhoneです。価格とオーバースペック過ぎるという点を除けばですが。何回頭で考えても使いこなせる気がしません。

電車移動もほとんどしませんし、電車移動はスマホよりも電子書籍koboで本を読んでいます。

繰り返しになりますが、iPhone 5Sで電池の持ち以外では何も困っていないのです。もう何年も前の機種にも関わらず。物理的にそろそろ寿命な気もしますが、とりあえずはOSのサポートがなくなるか、壊れるまで使うつもりです。

会社を辞めて、自由に使えるお金が減ったことで、2年かけてようやくモノに支配されている状態から片足だけ抜け出せたような気がします。以前のように「欲しいから買う」ということはまったくなくなりました。

Iphone 6 458159 640

でも、今のほうが間違いなく充実した日々を過ごせています。

欲しいものを買えることが豊かさではなく、欲しいものが思いつかないくらい充実した時間を過ごせていることが豊かさなのではないかと思います。だからわたしはiPhone 5Sでいいわけです。

もちろんMacBookがあったらいいなとか、Apple Watchがあったらいいなとは思います。いまのiMacのスペックがもう少し高いといいのになと思います。

でも困ってはいません。すぐに買わなくてはいけないという焦りもありません。

ただ、ここまで書いて最後にひとつだけ。iPhone SEがなんと5000円の値下げで、32GBなら39,800円です。毎月1万円貯めれば4ヶ月で買えます。香港で中古なら3万円以下も考えられます。

ちょっと香港に行ってこようかな。


iPhone&iPad完全活用マニュアル
著者:standards
楽天ブックス:iPhone&iPad完全活用マニュアル ([テキスト])

スポンサーリンク

Reebok SPARTAN TRIAL TOKYOで感じたランナーであるということ

P9090152

わたしはランナーです。

走ることだけで生活しているわけではありませんので、プロではありませんがセミプロといったところでしょうか。走力は並よりもやや高いくらい。トップアスリートにはまったく歯が立たず、市民ランナーには「速い」と言ってもらえるレベルです。

ただ、ランニングの世界にどっぷり浸かっていると、自分の本当の立ち位置が見えなくなります。

ランナーの中での立ち位置はなんとなくは見えるのですが、世間一般的にはその他大勢でしかありません。アスリートレベルという意味では、フリーザ様に「絶対に許さんぞ虫けらども!」と罵られるレベルです。

P9090114

ランナーなので、走ることだけはどこに行っても標準以上です。じゃあ、2mくらいある壁を飛び越えていくジャンプ力や腕力はどうか。10数キロある砂袋を持って歩くことができるのか。

こうなると、笑ってしまうほど低レベルです。

わたしはまったくと言っていいほど腕力がありません。そこらへんにいる吉田沙保里と腕相撲をしたら負けてしまいます。いや普通に女の子に勝てないと思います。

「ランナーだからそれでいい」と思ってました。Reebok SPARTAN TRIAL TOKYOのイベントに参加するまでは。

P9090191

Reebok SPARTAN TRIAL TOKYOは、リーボックがメインスポンサーの障害物レース「Reebok Spartan Race」の練習会です。イベントの内容についてはRUNNING STREET 365の記事を参考にしてください。

リーボックはランニングというよりもフィットネスを中心にブランド展開をしています。このためReebok Spartan Raceはランナーのためのイベントというよりは、フィットネスを行っている人のためのイベントです。

走力を競うよりも、アスリートとしての総合力を競います。

SASUKEやスポーツマンNo.1決定戦に近いものがあります。ただ足が速いだけではダメで、フィジカルの強さが求められます。そういう中に身を置くと自分の足りないものがはっきりと浮かんできます。

P9090263

そして、トレーニングを受けながら思ったことがひとつ。「わたしは大切な人を守れるのだろうか」ということです。

ランナーは走ることに必要なものを徹底して削ぎ落とします。肉体の不要なものを削ぎ落とす究極の断捨離の形がランナーです。だから重いものは持てませんし、高く飛び上がることもできません。

なので、大地震なんかがあったとき、わたしなんかは何の役にもたちません。

アスリートとしてというよりは、人としてのサバイバル能力が著しく劣っているという現実をReebok SPARTAN TRIAL TOKYOで目の当たりにすることになりました。

P9090289

もっとも、ここからムキムキマッチョになろうなんていう気はさらさらありません。わたしはダルビッシュよりも、イチローに共感するタイプですから。

ランナーであることがわたしの立ち位置ですし、まだまだ極めるには程遠い場所にいます。ランナーであったから出会えた人もいますし、これからつながっていく人もいるはずです。

ただ、自分が明らかに劣っているという現実から目を背けないようにしなくてはいけない。そう思うわけです。

そしてReebok Spartan Raceに出れば、自分に足りていないものがもっと明確になるような気がしています。とはいえ10月に開催される分には万里の長城マラソンと日程が重なったので出られません。

P9090294

本当は友だちに依頼して出られるようにしてもらってたのですが、万里の長城マラソンはわたしの人生の中で最もプライオリティの高いイベントです。わたしがランナーである理由のひとつなので外せません。

ランナーは走ることしかできない。

これは決して恥ずかしいことでもなければ、情けないことでもありません。でも誇れるようなことでもないなと思うわけです。何かひとつに特化することによって、他の部分では弱くなっています。

この現実は特に裸足ランナーにとっては、簡単には受け入れられないことではないでしょうか。

P9090177

市民ランナーがシューズを履いて、足が弱くなっていることを「愚か」という裸足ランナーもいますが、裸足ランナーは、ランニングを選んだ時点で「愚か」な選択をしています。

賢い選択をしたつもりでいても、しょせんそれは井の中の世界。

大海に出てみれば、もっと違う景色が見えてきます。井の中がいかに特殊な世界であったかということ。そういうことに早くから気づいて、走ること以外にも取り組んでいる裸足ランナーが少なくないことは知っています。

でも、もっと多くの裸足ランナーが幅広いスポーツに取り組んでいくと面白いなと思います。サッカーや野球、バスケット、テニス。裸足ランナーだけど二足の草鞋状態。そうなれば裸足の魅力がもっと広がるような気がします。

P9090100

そしてReebok Spartan Raceやフィットネスの世界の草鞋を履いている裸足ランナーがいれば面白いなと。

いや裸足ランナーだけではありません。シューズを履いている普通のランナーも、ランニングという狭い世界にとどまらず、走れるからできることにチャレンジしてもらいたいと、わたしはずっと考えています。

走ることを極めるのもひとつの道ですが、走れるから他のスポーツでも輝ける。そういう人生の楽しみ方があってもいいんじゃないかと思います。わたしの場合は、裸足ランナーと物書きの二足の草鞋。それぞれ別物のようで実は深いところでリンクしています。

まずは、自分が世の中でどれくらいの位置にいるのか確認するために、Reebok Spartan Raceに出てみませんか?10月21日は売り切れたみたいですが、10月22日分はまだ若干参加枠があるみたいです。

P9090325

走ることに特化して鍛えてきた自分がどこまでやれるのか。何ができて何ができないのか。知っておくことはとても重要なことです。

Reebok Spartan Raceエントリーサイト

種目がちょっと複雑で分かりにくいので、申し込み前に下記ページを参考にしてもらえれば、混乱せずにエントリーできるかと思います。トレーニングの様子を動画にしてまとめているので、ぜひそちらもチェックしてください。

RUNNING STREET 365
「Reebok Spartan Race TOKYO 2017」エントリーガイド


究極のサバイバルテクニック
著者:ベア・グリルス
楽天ブックス:究極のサバイバルテクニック [ ベア・グリルス ]

スポンサーリンク

大山トレイルランニング練習会で気づいた失われている本質

IMG 3743

今回は万里の長城マラソン前の体力の確認ということで、1人だけでも走る気満々んでしたが、思った以上の「一緒に走るよ」との連絡があり、6人での開催になりました。

ロードも走りたいという希望があり、今回はいつもと違う伊勢原のロープウェイ側からのアプローチ。ただ夏のような日差しの強さでロードでは思うようにペースが上がりません。この時期はお空と常に相談が必要です。

真夏と比べると気温はやや低いものの、暑いことにはかわりません。

参加者の1人が参道に入る前にグロッキー状態。わたしはランナーに無理はさせたくないのですが、できることなら一緒に走りきって欲しいという気持ちが優先されます。

まずは参道の食事処で、少し前に見つけた激ウマとろろそばを食べながら考えます。

IMG 3734

とうとうトレイルランニング練習会にもグルメを詰め込んでしまった罪悪感…はないか。美味しいものはみんなに知ってもらいたいわけです。

ただトレイルの前に10㎞以上のロードというのは意外とこたえます。しかもほぼ全部上り坂。

ただ、伊勢原側からの練習会は常に考えていたことです。これが上手く行けば、大山トレイルランニング練習会に幅ができるなと。

この1年で、地元のラン仲間にも助けられたこともあり、たくさんのルートを知ることができました。そのことで、間違いなく、この練習会の質は上がっていきます。大山は行って帰ってだけでなく、たくさんの迂回路があり、それを活かした練習会をしていきたいところ。

まだ、いまのわたしでは「教える」という部分ではかなり不慣れなところがあります。トレランが自分のフィールドではないというのもありますが、自分が感覚派すぎてうまく伝えられません。こうやって文章にするとなんとか人並みには伝えられるのですが。

IMG 3740

そういう意味では先週のウルトラマラソン練習会に続いて参加してくれた裸足仲間から学ぶことが多々ありました。自分のための練習会ですね。もともと自分のための練習会なんですけど。

今回はペースがかなりゆっくりだったこともあり、いろいろと試すこともできました。スクワットやコンパクト一本歯下駄を履いたことで筋力がアップしていますので、これまで以上にスピードが出ますし、踏ん張りが効きます。

このままトレーニングを継続していけば、万里の長城マラソンでもそこそこ走れる気がします。

ただ、課題としている股関節の可動域を広げるというのは未だ目に見えた成果はなし。万里の長城マラソンの階段を駆け上がるにはこれは越えなくてはいけない壁です。もう少し可動域を広げないと万里の長城の階段はクリアできません。

わたしの拙いコーチではありましたが、参加者で気になったのが骨盤を立てられない人が多いということ。また、骨盤を立てるという意味もなかなか理解してもらえないということです。

IMG 3742

トレランの上りでは体を前に傾けている姿勢を写真などでよく見ますが、どこで曲げているのかという点で、勘違いしている人が多いかもしれません。

普通に考えれば分かると思うのですが、腰を折った状態ではちゃんと走れません。上半身との連動が一切なくなるので、足だけで走ることになり、無駄な力を使わなくてはいけません。

曲げるなら股関節からというのが基本。骨盤と肩甲骨が連動していれば、その流れで足も動かすことができます。ところが腰で曲げると筋肉の連動がなくなってしまいます。

トレランの上りでよく両手で膝を押して上るようにアドバイスされていますが、あれも腰は折らないでやらなければ意味がないとわたしは考えています。もっともわたしはトレランは専門外なので実際はどうなのかは分かりません。

IMG 3751

ただ、体の構造を考えれば、背骨は常に軽く反っているくらいがちょうどいいはずです。そうするとお腹が出ますが、そのお腹はおへそを肩甲骨側に引き寄せれば、姿勢が悪くなることもなく、体幹も整います。

ただし、それをするにはしっかりとした体幹トレーニングをしなければ、長時間持続させることができません。

だから本当はトレランをするには、いきなり山に行くのではなく徹底した体づくりが大切です。でも、おそらく99%以上のランナーがそれをせずに山に入ります。だって面白くないんですもん、体づくりは。

体づくりが大事だというのはマラソンも同じです。

筋力がなければどうやっても速く走ることはできません。スピードはパワーです。もちろんムキムキのマッチョになれと言っているのではなく、反発力のある筋肉を作ることが大事なのですが、それもかなり地味な作業です。

IMG 3752

トレランもマラソンも、そこの部分をすっ飛ばして、目先のテクニックやランニングギアで補おうとしている人がたくさんいます。もちろんそれでも速くなれますが、本質的な速さではありません。

そうやって補って得た速さは脆さも含んでいます。ちょっとコンディションが変わっただけで、自分の走りができなくなってしまいます。それらを利用するにしてもやっぱり大事なのは自分の体を走れるように作り上げることです。

すごく地味で遠回りに思えますが、実はそこが最短ルートです。

ただこういうことは言い続けなくてはいけないかなと思います。少なくとも体づくりの重要性を理解している人が声を大にして言わないと、やれどのシューズが良いだの、どのサプリメントが効くだの本質と違う情報が溢れてしまいます。

IMG 3753

メーカーは物を売らなくてはいけないので、「体を作れ」と言わずに「これを使え」と言います。その結果、便利なものに囲まれて、体はどんどん弱っていきます。シューズがないと10㎞も走れないなんて、人としてそれで本当に大丈夫?そう聞きたくなります。

まずは生身の自分を鍛えること。そこが基本であり本質です。

そういうことは自分ひとりで走っていると、なかなか気づけません。今回のように練習会をして、いろんなレベルのランナーと一緒の時間を過ごすことで発見があります。

山はいつも学ぶことがあって楽しいですね。

僕自身がトレランレースに出ることはありませんが、トップランナーが大幅に手を抜いてくれたくらいなら、なんとか付いていけるくらいのランナーにはなりたいなと。それくらいまで速くなれると、山の神さまがきっとこれまで見えてなかった違う景色を見せてくれそうなので。


アドベンチャーレースに生きる!
著者:田中 正人、田中 陽希
楽天ブックス:アドベンチャーレースに生きる! [ 田中正人 ]

スポンサーリンク

セムコのコンパクト一本歯下駄を履いて走ってみた!

P9070051

いま裸足ランナーの間で人気なのが一本歯下駄です。裸足ランニングのトレーニングにもなるし、体幹も整えられるということで、ちょっとしたブームになっています。

わたしも興味はあるのですが、モノを増やすのが嫌なのと、ブームの波に乗るのが下手なのでいまだに手に(足に?)していません。そういえばワラーチも履いたことありません。

そんなわたしが一本歯下駄を体験したのが、昨年のクリールシューズトライアルでした。そこに出展していたセムコさんのコンパクト一本歯下駄を試し履きしたのですが、思いのほか面白くて、シューズトライアルの記事で紹介しました。

P9070037

コンパクト一本歯下駄は普通の一本歯下駄ではなく、シューズに装着するタイプの一本歯下駄です。まずその発想がわたし好みで気に入りました。

その記事を読んだセムコの保立さんが「新しいモデルが出来たので試してみますか?」と連絡をくれました。

それはもう飛びつきますよ。こうやって記事にすることができますし、何よりも「長時間履くとどうなるのか」が興味ありましたので。

送られてきたのは、ランニング用と室内履き用の2種類。個人的には室内履き用のビジュアルが好きです。

P9070036

何はともあれ履いて走ってみることにします。シューズは頭のなかで考えるよりも、体で感じたほうが手っ取り早いというのがわたしのスタンスです。

以前のモデルは紐で縛り付けるタイプですが、今回のモデルはバンドで止めるタイプ。最初、このバンドの調整で手間取りました。慣れればなんてことないんですが、どうやってもうまく輪っかを小さくできず。

なんとかセッティングをして試走します。

一本歯下駄は体幹がしっかりしていないと、履きこなすことはできないと言われています。わたしは「体幹の虎」と呼ばれていますから(誰も呼んでない)、もちろんなんの問題もなく走れます。

ただ、少しだけ違和感があります。コンパクト一本歯下駄の走り方に、自分の走り方がフィットしていません。必要以上に足首がこわばっています。これでは長く走れそうにありません。

そこでわたしは、感じるがまま正しいフォームを探っていきました。こういうのは得意です。わたしの数少ない他の人よりも勝っていると断言できるポイントです。

そして、「ここだ」というフォームにはめたときに気づきました。これはわたしの走り方にはマッチしないということを。

どういうことかと言うと、一本歯下駄は体を前に傾けて、重心を落としながら前進します。典型的は裸足ランニングのフォームです。足の接地場所よりも重心が前にないと下駄は後ろに傾いて転んでしまいます。

P9070065

そしてわたしは裸足ランナーでは絶滅危惧種の後傾ランナーです。わたしは重心を接地場所よりも後ろに持ってくることで、背筋側の筋肉を反らして、その反発力で走ります。当然、この走り方では走れません。

これはコンパクト一本歯下駄が悪いということではなく、単純にわたしの基本的なフォームとの相性の問題です。合わないならフォームを変えればいいだけのことです。それくらいのことは問題なくできます。

ただ、スピードを上げるにはより前傾にしなくてはいけないのですが、さすがにそこまではできません。基本的にビビリということもあって、スピードは5分30秒/kmくらいが限界です。

ある程度スピードを出すとわかるのですが、コンパクト一本歯下駄を履いて走ると、膝が安定します。接地面が少ないため、プロネーションが起こらないためです。その代わり、衝撃を逃がせないので膝周りの筋肉に負荷がかかります。

また、踵を接地できませんのでふくらはぎの奥の筋肉にじんわりと負荷がかかります。

ちょっと長い距離を走ってみて分かったのは、裸足ランニングに求められる基本の動きが、一本歯下駄の走りにすべて含まれるということです。

・地面を蹴らない
・重心を前に前に進める
・リズミカルに足を動かす

一本歯下駄で上手に走れるようになると、裸足の走りも大きく変わるはずです。それは裸足ランナー以外にもいい影響を与えます。コンパクト一本歯下駄でトレーニングをすれば、無駄のない走り方を習得できるはずです。

後傾ランナーでない限り。

自分の走りはできませんが、足回りの筋トレと思えばこれは新しい可能性を感じます。また、リカバリーランなどにも効果が期待できそうですが、さすがにそこまではわかりません。

10㎞くらいしか走ってませんが、走ってさえいれば不安定さは一切感じません。

ただ、その感覚だけは人それぞれかもしれません。「履くだけで体幹を鍛えられる」というのがコンパクト一本歯下駄のコンセプトですが、わたしはむしろ体幹を緩めないといい走りができませんでした。

普段の練習ほうが間違いなく体幹を使っています。たぶんそれはかなり少数派だと思います。

普通のランナーが履けば、インナーマッスルが刺激されて体幹を整えることができるはずです。残念ながら、すでにそこそこ体幹が整っているわたしの体ではそれを確認することはできません。

P9070059

ちなみに、室内履きの「コンタ駄」でも走ってみましたが、固定がしっかりできないためダメでした。これは大人しく部屋で履く用もしくは散歩用に使います。

このコンパクト一本歯下駄の素晴らしいところは、持ち運べるということです。しかも、誰の足にでも合わすことができるので、貸してあげるということもできます。

価格も1足3,800円ですので、体幹を整えたい人は1セットくらい持っておいてもいいんじゃないかなと思います。

注意してもらいたいのは、これを履いたときに動きを小さくしないということです。バランスばかり気にすると動きが小さくなり、脱いだときの走りにも悪い方に影響します。

もし履いてみてうまく走れないのであれば、歩くことから始めてください。問題なく歩けるようになったら、少しスピードを出してみる。あわてずゆっくりと体に慣らしていきましょう。

P9070042

もし試してみたいという人がいれば、声をかけてください。ウルトラマラソン練習会でもランレコード練習会でも持参して履いてもらうことは可能です。明日9月8日のランレコード練習会にも持っていきますので、興味がある人は19時に品川シーズンテラスのランキューブに来てください。

商品は下記リンク先のヤフーショッピングから購入できます。

体幹にはちょっと自信があるという人は、きっと試さなくても問題なく走れると思いますので、ぜひ購入してみてください。

わたしはしばらくコンパクト一本歯下駄を、ポイント練習の合間のリカバリーランに使ってみようかと思います。わたしの場合は、普段使わない筋肉を使いますので筋トレになりながらも、いつもの筋肉を休ませることができるので、足がもうワンランク強くなりそうな気がします。

ヤフーショッピング:セムコ
ヤフーショッピング:コンパクト一本歯下駄
セムコホームページ:http://semuco.co.jp


日和下駄 一名 東京散策記 (講談社文芸文庫ワイド)
著者:永井 荷風
楽天ブックス:日和下駄 一名 東京散策記 (講談社文芸文庫ワイド) [ 永井 荷風 ]

スポンサーリンク

今年の台北マラソンは日本人に大人気?参加するランナーに望むこと

PC180245

台北マラソンが今年からRUNNETで予約できるようになりました。台北ナビで予約を受け付けていたのは、いつくらいのことだったでしょう。まだまだ一部の台湾好きランナーしか知っていない大会でした。

ところが今年はなぜか、わたしのfacebookつながりのある人が、かなり台北マラソンに吸い寄せられているようです。正直なところ、コースはそれほど面白みがあるわけではありません。途中の私設エイドでビールを飲めるのを除けば。

東京マラソンのように、沿道にぎっしりと応援に駆けつけてくれるわけでもなければ、京都マラソンのように見どころが満載ということもありません。

PC180197

台北マラソンの魅力は、レースそのものよりもその前後が楽しいのだとわたしは考えています。

ここ最近はLCCでセールがあるたびに、台湾路線だけあっという間に売り切れてしまいます。わたしが思った以上に、世の中は台湾ブームなのかもしれません。

今回のRUNNING STREET 365では、初めての海外マラソンにおすすめというコンセプトで、台湾マラソンを紹介しましたが、まさにそれが今回起ころうとしているように感じます。

PC180053

お手軽で旅も楽しめる海外マラソン。これからしばらくは台北マラソンにはたくさんの日本人が押しかけることになるような気がします。いま日本のマラソン大会にたくさんの台湾人ランナーが来ていますが、反対の流れもできれば、両国の関係はさらにいいものになります。

台湾に一度行った人が、ハマってしまう感覚はよくわかります。わたしも北京についで好きな街ですので、暇さえあれば、いや暇を作ってでも行きたいのが台湾です。

誰も台湾に注目していなかった頃、芸能人の渡辺満里奈さんが「台湾にはもう10回以上行ってる」と言ってました。そのときはすごいなと思ったのですが、わたしの台湾行きも、あと数年でその数には達するでしょう。

PC180041

ちなみに北京は台湾の倍以上行っています。10回を超えた当たりで数えるのを止めました。わたしにとって台湾は非日常ですが、北京はどちらかと言えば日常です。ほんの少しもドキドキしませんし。

台湾人が日本に遊びに行き、日本人が台湾に遊びに行く。ここまでくると次は、個人同士のつながりをもっと深いものにしていければ、面白いことになりそうな気がします。

わたしは、これを台湾と中国、そして日本でやってみたいわけです。ただ、台湾については中国ではタブーみたいなところがあるので、あまり触れないようにはしていますが。

PC180018

国同士がどうでも、個人と個人は気が合うなら手を取り合う。これがわたしのスタンスです。

本当はそこに韓国と北朝鮮も加われば、もっと面白いことになるのですが、韓国には1度行ったきり。北京や台北のように「また行きたい」とはなりませんでした。北朝鮮は好きも嫌いも判断ができません。

わたしたちは自分の国があり、なかなかひとつの場所に集うことができませんが、マラソンのようなスポーツがその架け橋のひとつになるのは間違いありません。どんな国、どんな文化で育っても頑張る姿というものは同じです。

PC160100

お互いに全力を出し合って、ゴールを目指す。

そういう一体感をマラソンでは得ることができます。大勢でやる個人競技ですので、国際交流という意味でマラソンというのはとても優れたスポーツです。それは万里の長城マラソンの事務局をやりながら感じていることもであります。

だから、台北マラソンに大勢の日本人が詰めかけるのは個人的にはかなり嬉しいことです。

だからこそ思います。日本人でかたまり過ぎるのではなく、もっとオープンに現地の人たちと繋がってほしいなと。ただ台湾に行って走ってきましたではなく、片言の英語でも中国語でもいいので会話して帰ってもらいたいところです。

PC170009

台湾の人たちにはそれを受け入れるだけの懐の深さがあります。

そうやって台湾の人と繋がって、できれば台湾の歴史も学んでもらいたいのですが、それはわたしの欲張り過ぎる想いなので、あまり強くは言いません。

日本人と現地の人の交流。これはわたしがずっと万里の長城マラソンで課題にしながらも、成果が上がっていないことのひとつです。なぜ台北マラソンがこれほどまでに人気が上がったのか。万里の長城マラソンでも活かせることがないだろうか。

今年の台北マラソンは、そんなことを考えながら走ってみようと思います。もっとも抽選に当たればですが。

PC190101

この2シーズンで抽選に外れたのは第1回の鹿児島マラソンだけで、東京マラソンも大阪マラソンも走っているという神通力が台湾でも通用するのか。もっとも当たらなくても当たった人の応援と取材で行くつもりです。

おそらく台北マラソンはホノルルマラソンに匹敵するくらいの大人気大会になり、今回はそのための大きな変革の年のように感じています。そういう大会を外から見るというのも得るものがあるはずです。

いえ決して、台湾に行きたいだけではありません…


ボンクラ隊が行く! おいしい台湾食べたいわん
著者:水谷さるころ
楽天ブックス:おいしい台湾食べたいわん ボンクラ隊が行く! (コミックエッセイの森) [ 水谷さるころ ]

スポンサーリンク

ウルトラマラソン練習会番外編「東横線ラン」

東横線:渋谷駅 8:08

春から開催しているウルトラマラソン練習会ですが、今回は8月分が後ろに押されて9月開催となってしまいました。8月はまだ暑いからと、先月の箱根越えランと同じく短い距離に設定しました。

ところが蓋を開けてみると、なんと最高気温は25℃前後。ただの快適なランニングになってしまいました。

東横線:代官山駅 8:24

ただ、今回は過去最大の参加者でした。スタート時には8人で、途中離脱もありながら2名途中参加もあったので、合計人数はなんと10人。1年前の今ごろは1人で黙々と走っていたんですが、人生は何があるかわかりません。

今回のメンバーにはこの半年で、旅ランの楽しさを知った人や、その人たちの情報発信で興味を持った人など、いろんなタイプの人がいます。

東横線:中目黒駅 8:32

世の中には様々な練習会がありますが、このウルトラマラソン練習会は、ちょっと変わっているのかもしれません。ランチは必ずお店に入って食べますし、いちいち立ち止まって撮影します。

今回は東横線ランで、渋谷から横浜中華街までですので、東横線が21駅でみなとみらい線が5駅。全部止まっていますので、1駅1分のロスでも26分のロス。

東横線:祐天寺駅 8:43

普通のウルトラマラソンの練習会は、できるだけ止まらずに長い時間、長い距離走ることを目指します。この練習会はコンセプトがそこにありません。「人間は毎日60㎞走ることができる」がこのイベントのコンセプトです。

毎日60㎞走ろうと思うと、自分を追い込むようなことをしてはいけません。走ることが日常になる。そう考えると、昼ごはんはちゃんと食べるしかありません。

東横線:学芸大学駅 8:54

スタートは渋谷のハチ公前。ベタすぎる集合場所ですが、そこはちょうど東横線の入り口前。

ケガや練習不足でスピードと走力に不安があるメンバーがいるので、のんびりスタートです。まず目指すは代官山。今回初めて東横線の一つひとつの駅周辺を走りましたが、東京と神奈川の格差はものすごいものがあります。

東横線:都立大学駅 9:09

東横線でも東京にあるうちはいちいちオシャレです。高架下にセンスのいいお店を集めて、オシャレ感が漂っています。これが神奈川に入るとただの住宅地を通過している電車に変わります。

東横線というだけでオシャレなイメージを持っていたのですが、どうやらそれは自由が丘や代官山といったイメージが強かっただけのようです。

東横線:自由が丘駅 9:21

順番がかなり前後してしまいますが、一番の驚きは田園調布でした。高級住宅街なのはもちろん知っています。でも足を踏み入れたことはなく、今回が初めての田園調布。その一角に入った途端、みんなの声が小さくなります。

東横線:田園調布駅 9:44

そこにはちょっと行儀よくしなくてはいけない雰囲気が漂っています。あんな街で育ったら、まったく別の人間になりそうです。きっとわたしの人生ではずっと縁のない場所かもしれません。

今回は裸足ランナー仲間が1人参加していましたが、多摩川を越えるまではシバーチ(ワラーチではない)を履いていましたが、神奈川はずっと裸足で走っていました。

東横線:多摩川駅 10:02

東京のオシャレさは、裸足を拒絶する何かがあったのかもしれません。裸足ランナーは意外とそういう空気感に敏感です。裸足ランナーは空気を読まずに我が道を行く系だと思われていますが、みんなが思っているより繊細です。

時間はさらに前後しますが、最初の休憩は自由が丘。本当はシャレたカフェに入りたかったんですが、まず午前9時半には、そういうお店はやっていません。チェーン店でないカフェは11時オープンが基本。

東横線:新丸子駅 10:18

亀屋万年堂の総本店もクローズしています。ただ、駅前店はオープンしていたので、そこで1回目のおやつ休憩。ただし、今回はおやつ休憩はこれだけ。

約1㎞で1回撮影休憩が入るので疲労感が少ないため、大きな休憩が必要ありません。長い時間走るコツは上手に休憩を入れることですが、今回はまさにそれでした。

東横線:武蔵小杉駅 10:29

ちなみに亀屋万年堂はこのあと何度も出てきます。東横線の駅にはもれなく支店があるんじゃないかと思うほどの出現率。最初に「めずらしい〜」と言っていたのはなんだったのか。

東横線ランは意外と小さなアップダウンがあります。わたしは2日前に行ったスクワットの影響で、この小さなアップダウンにかなり苦しめられます。スクワットするたびに筋肉痛になるのはそろそろ何とかしなくてはいけません。

東横線:元住吉駅 10:42

ペースは6分半/㎞〜7分半/㎞。それほど速くはないのに実はついていくのがいっぱいいっぱい。

そして武蔵小杉を超えたあたりから、お腹と背中がくっつきそうになる空腹感。日吉で限界を感じて、「綱島で食事する」宣言。もちろん綱島なんか行ったこともなく、どんなお店があるのかはわかりません。

東横線:日吉駅 11:00

でもこのウルトラマラソン練習会で、食事を外したことはありません。こういうときに食いしん坊レーダーがフル回転してくれます。

綱島で食いしん坊レーダーに引っかかったのは「魚鉄食堂」。普段は居酒屋のようですがランチ営業中。

東横線:綱島駅 11:28

今回もこれが大正解でした。わたしはアジフライをこよなく愛するのでミックスフライ定食。でも、みんなが注文しているものを見て、選択を誤ったかとちょっと焦ります。どれも明らかに美味しそうです。

特に上握り寿司が1080円で10貫+巻物。いや、間違いなくそれでしょう。

もちろんミックスフライ定食も美味しかったですよ。ランニング中でなければ、ごはんとお味噌汁おかわりしてましたね。まぐろのカマなんか頼んでたら、ご飯が絶対に足りないですから、自分のお腹にはミックスフライがちょうどです。

男は黙ってミックスフライ定食

ランニング中に揚げ物もよっぽどおかしい気がしますが、食べたい物が体が欲しているものです。

「なんで美味しいお店がわかるの?」とメンバーの1人に聞かれましたが、勘としか言いようがありません。ただ、お店の外観で美味しいかどうかはだいたいわかります。いや、美味しくないお店がわかります。

ランニング中のランチ風景

美味しくないお店は外観がどこかチグハグしています。落ち着いた雰囲気のお店にしようとしているのに、安っぽい幟が立っているようなのはアウトです。安っぽい幟がNGなのではなく、お店にマッチしていないものを置く感覚がNGなんです。

これに関しては、またいずれ書くとしましょう。

東横線:大倉駅 12:41

東横線:菊名駅 12:55

綱島からはひと駅分散歩です。お腹がはちきれそうになるくらい食べたメンバーもいますので、いきなり走ったら体に悪いじゃないですか。そうでなくても眠たくなる時間帯なのに。散歩中に万里の長城仲間が1人合流。

東横線:妙蓮寺駅 13:09

妙蓮寺で2人が離脱。自分の好きなタイミングで離脱できるのも、東横線ランのいいところです。

東横線:白楽駅 13:31

東横線:東白楽駅 13:41

横浜がそろそろ見えてきたというところで、全体のペースがやや上がります。先頭を引っ張っていたはずなのに、同じペースで走っていたらいつの間にか最後尾。頑張りたくても筋肉痛で足が上がりません。

反町で、もう1人の万里の長城マラソン仲間が加わって中華街を目指します。

東横線:反町駅 13:52

東横線・みなとみらい線:横浜駅 14:02

裸足で走り続ける1人を見て、裸足ランに興味を持っていた参加者ともう1人が横浜駅から裸足ランに切り替えました。横浜駅を裸足で走る3人。でもあんまり違和感なしです。わたしの感覚がおかしいのかもしれませんが。

東横線ランは横浜で終わり、ここからはみなとみらい線ランです。ちょっと退屈するかと思ってましたが、横浜マラソンのスタート地点や、帆を広げた日本丸、ランドマークタワーなど意外と見どころがいっぱい。

みなとみらい線:新高島駅 14:21

みなとみらい線:みなとみらい駅 14:34

日本丸 14:44

みなとみらい線:馬車道駅 14:49

みなとみらい線:日本大通り駅 14:57

みなとみらい線:元町・中華街駅 15:05

家がすぐそこという1人がみなとみらい駅で離脱しましたが、その後はあっという間に中華街駅に到着です。

わたしのGARMINでは32.9㎞、6時間55分57秒です。ランチタイムが45分くらいあったこと、1駅ごとに止まっていたことを考えればこんなものでしょう。さすがに33㎞ですと余力が残りますが、その余力は打ち上げ用に。

 

せっかくの中華街ですので、まずは恵びす温泉で汗を流して中華街のお店へ。

中華街・恵びす温泉

さすがに中華街はリサーチゼロで、いいお店を見つけられる気がしません。悩んでも仕方ないということで「テラス席ありますよ」の一言に誘われて「七福」へ。

残念ながら目の前にある関帝廟は工事中。でもテラス席のちょうどいい空気感が走った後には心地よく、会話も弾みます。料理ももちろん美味しかったのですが、ちょっと北京の味が恋しくなりました。

このためだけに走ってきた

中華街の料理はやっぱり日本人向けで親切です。どうやらわたしは、あの不親切でごちゃごちゃした中国の味が好きになっていたようです。

でも中国好きとしては中華街にもっと来たほうがいいかもしれません。自分の好きなお店を2つか3つくらい作って、かわいい中国人の店員さんと会話を楽しんで…これは蛇足。

食べ放題・飲み放題

中華街でもお腹いっぱい食べて、今回の東横線ラン完了です。ごちそうさまでしたをするまでがウルトラマラソン練習会です。

さて次回が問題です。秋マラソンシーズンに入って、思うように予定を組めません。3連休初日ですが一応10月7日の予定で考えています。ちなみに9月10日は大山トレラン練習会です。

どちらも興味がある人はぜひ参加してください。わたしとSNSなどでつながっていないなら「お問い合わせ」ページから連絡ください。


東急沿線の不思議と謎
著者:浜田 弘明
楽天ブックス:東急沿線の不思議と謎 (じっぴコンパクト新書) [ 浜田弘明 ]

スポンサーリンク

万里の長城マラソン2018PV撮影の旅〜総括〜

IMG 3581

万里の長城マラソンPV撮影最終日、慕田峪長城から戻ったわたしは、再び北京在住の浜田さんに会いに行きました。

北京の美味しいものを食べさせてくれるとのこと。食いしん坊なわたしは当然誘われるがままついていくわけです。

北京には世界中の美味しいものが集まっているのは知っているのですが、流石に1人ではそのようなお店に入ることができませんし、どこにそんなお店があるのかも知りません。

P8280150

連れて行ってもらったお店は「大董」。接待用に使うお店で、世界一美味しい北京ダックがあります。

ただし、この日は旧暦の七夕ということで、浜田さんが予約の電話を入れたときにはすでに満席。何度も利用している常連さんということで、早い時間に無理やり席を確保してもらいました。

でも時間は短めね、ということで。

いやいや、こんな立派なお店に入れただけでも光栄なこと。しかも出て来る料理がどれも美味しい。いや、美味しいという安直な表現をすべきではない。ただ、わたしはグルメレポートが苦手。

P8280159

料理にとても手がかかっていることは分かります。ただ、味が複雑すぎて笑ってしまうしかないくらい、とにかく幸せな気分になれます。

以前、作家の村上龍さんが何かのエッセイで「お金があれば、不幸を防ぐことができる」というニュアンスのことを書いていました。いまの中国はまさにこの状態にあります。

日本ではお金があっても不幸を防ぐことが難しくなっていますが、中国ではお金を持つことで不幸になることを防ぎながらも、自分たちなりの幸せを模索しているように思えます。

P8280170

お金で買えないものは確かにあります。でもお金があれば、仕事で嫌なことがあっても、大董に行って北京ダックを食べるだけで、大抵のことは小さなことだと思えるようになります。

彼らの給料は、日本のバブル期のように右肩上がりです。もちろん物価も右肩上がりなのですが、その過程でいつの間にか量から質を大切にするようにシフトチェンジをしています。

少なくとも北京においては、安かろう悪かろうは誰も望んでいません。安いことはいいことだけど、それで質を落とすことは避けたい。そういう考え方に移行しています。

P8280173

日本ではわたしもそうですが、行き過ぎた高品質よりも、そこそこの品質で低価格というものが好まれるようになっています。これは決して悪いことではなく、成熟した結果なのだと思いますが、このままではそう遠くないうちに、質の部分で中国が日本を追い抜くことになるでしょう。

メイド・イン・ジャパンが世界を席巻したように、同じ道を中国が歩んでいます。

勘違いしないで欲しいのは、それがいいことだとか悪いことだとか言いたいのではなく、そういう事実があるということをわたしは伝えたいだけです。そのうえで、どう行動に移すのかは人それぞれです。

P8280166

大董を出て、少し飲み直そうとわたしたちは、王府井にあるショッピングセンターに入ったのですが、どのお店もすべて行列でした。七夕とはいえ平日の夜8時を回っています。

10年前、わたしが北京に行き始めた当時、「行列に並ぶのがきらいな中国人が並んででも食べたい栗のお店」を紹介してもらいました。それからわたしはずっと「中国人は行列が嫌い」だと思ってきました。

ところが、そのショッピングセンターでは、お店の前に何人も並んでいます。それもひとつのお店だけでなく、20軒以上のお店が軒並みそんな感じなわけです。

IMG 3574

流石にこれは無理だと判断し、わたしたちは近くのカフェ&バーに入りました。そのお店はなぜか、それほど人が入っていません。でも雰囲気は全然悪くないのですが、七夕にカップルで来るようなお店ではないかもしれません。

ただ、そこでは北京のビールの試飲セットというものがあり、4種類の味を飲み比べることができます。

もうやってることが日本とまったく変わりません。今回のPV撮影の旅では、そのことを何度も感じることになりました。日本人と北京に暮らす中国人の志向はかなり似ています。

もちろん、それぞれに個性がありますし、立場によっても変わるのですが、総和としての方向性はそう離れたものではありません。わたしは北京に心地よさを感じつつ、中国らしさが失われていることにちょっと寂しさも感じます。

P8290208

ただ、そんな寂しさは観光客のエゴでしかありません。そこで暮らす人たちは、少しでもいい生活をするために、日々頑張っているわけですから、変わっていくことは観光客でも受け入れるべきです。

とはいえ、その変化のスピードがあまりにも早すぎます。展開が早すぎて、年に数回行ってるくらいでは、とてもじゃないのですが、ついていくことができません。おそらく中国人の一部も置いて行かれてるのでしょう。

今回はPV撮影がメインではあったものの、撮影の時間が短くなったり、単独行動の時間もあり、地元の日本人、中国人の友だちとのコミュニケーションもあり、とにかく内容が濃すぎていまだに自分の中で消化しきれていません。

P8290213

今回は華流ドラマを見続けた結果として、脳内で日本語変換せずに反応できる言葉が幾つかあったのも大きな収穫です。こうやって、ゆっくりと中国に溶け込んでいければいいなと思います。

ただ、わたしは中国人になりたいのではなく、日本人として中国の空気を楽しみたい。もちろん中国だけでなく、台湾も香港も(中国人にしてみれば全部中国ですが)。

後になって振り返ったときに、わたしにとっては大きな転機となる時間だったかもしれません。今度行くのは10月22日の万里の長城マラソン。そのときにはまた違った北京の表情が見えるのでしょう。

さあ頑張って、PVの編集作業を行わなくては。


中国バブルはなぜつぶれないのか
著者:朱 寧
楽天ブックス:中国バブルはなぜつぶれないのか [ 朱 寧 ]

スポンサーリンク

万里の長城マラソン2018PV撮影の旅〜慕田峪長城編〜

P8280126

万里の長城マラソンPV撮影4日目。

自分の家に娘と息子を送り届けた、代表の朱さんが北京に戻ってくるはずだった。ところが、中国南部で猛威を振るった台風の影響で、北京へのフライトも電車も確保できず。

この日は、秋大会の会場となる慕田峪長城まで連れて行ってもらえるはずだったが、わたしはコースの下見もしたいという思いから、自力で向かうことに。

慕田峪長城は北京市街地から70㎞くらい離れた場所にある。実は昨年の秋大会のゴールとなった場所。ただし、そのときは何も分からずに、万里の長城を目にすることもないまま戻ってきた。

P8280012

今回は自力で行かなくてはならないため、それなりに下調べ。

北京から直行便もあるということだが、本数が少ない。一般的なルートは東直門から916路快バスに乗って、懐柔北大街で下車。そこからタクシーと交渉して長城に向かうということらしい。

懐柔北大街では白タクも含め、かなりの客引きがあるというところが、引っ掛かったが行かないという選択肢はない。

直行便も頭に入れて東直門に向かったのだが、乗り場がわからない。916路快バスは本数が多いということもあって、すぐに見つかります。本数も多く確実に座ることも可能。というより、高速道路を走るため座席数以上は乗せない。

P8280002

同じバスには万里の長城に向かう白人グループもいて、「ここに付いていけば大丈夫」と思ったのだが、なぜかそのグループは、懐柔北大街よりも手前のバス停で客引きに連れ去られる。

どうやら、懐柔北大街以外にもタクシーが待機している場所がいくつかあるらしい。

懐柔北大街は慕田峪長城行きのバスに乗り換えができる場所ということで、多くの観光客に利用されているだけ。とりあえずわたしは懐柔北大街で下車。50㎞くらい移動したが6元(約100円)しか掛かっていない。

北京はバスも地下鉄も値上げしているが、それでもバスは激安。

さて問題のタクシーとの交渉。わたしは中国語会話ができない。ただし、相手は乗せたい。こちらは乗りたい。希望する価格をお互いに言い合えばいい。

「100元でどうだ?」
「そんなもの払えんわ、50元で行ってよ」
「じゃあ70元ならどう?」
「 OK」

数十秒で交渉成立。

事前のリサーチでは、1人しかいない場合は70元(約1120円)くらいかかるとのこと。交渉というよりは、お互いに落としどころを知っているから、まったく問題なくタクシーを確保できた。

人数が多ければもっと安い値段で行ける。運転手が1往復で140元くらいは稼ぎたいということなのだろう。

到着した場所は、慕田峪長城の入り口。ここからシャトルバスに乗って、万里の長城の麓まで向かうことになる。麓から長城まで徒歩で行くつもりだったが、タクシーの運転手が「絶対やめておけ」と強く言う。リフトで行くべきだと。

P8280004

あまりにも強く勧めるので渋々190元くらいを支払う。正確な値段は覚えていないが、ネットの情報よりも少し高めになっている。

この入り口部分には、いくつものお店があるのだが、驚くような観光地価格ということでまったく興味がない。そもそもわたしには時間がない。食事をする約束があり、夕方までに北京市街地に戻っている必要がある。

P8280007

そういう意味ではリフトに乗るのは懸命な選択だろう。

その気になればシャトルバスも使わず、リフトも使わないで長城まで行けるのだがタイムイズマネーだ。あっという間に長城に到着した。

そこからはもう、そこからの景色にただただ呆れるしかない。

P8280017

春大会の八達嶺古長城も悪くはないのだが、ここからの景色はまた違った凄みがある。空気が澄んでいたというのもあるのだが、かなり遠くにある長城まで視界に飛び込んでくる。

写真で慕田峪長城を見たときに「ここは走りやすいかもしれない」そう思ったのだが、実際に軽く走ってみてわかったことがある。

楽に走れる万里の長城なんてどこにもない。

P8280027

小さなアップダウンが続き走れる場所は多いのだが、やはり筋肉を使わずには走れない。急激な上り階段もあるため、歩くだけでもそこそこきつい。ただ。そんな階段でも一番上まで行き、後ろを振り返ると、ため息の出る景色がそこにある。

公式的には端から端まで3㎞しかない。秋大会32㎞の長城と10㎞のトレイルコースということなので、おそらくリフト乗り場がスタート地点で、そこから長城まで上がるのだろう。長城は5往復といったところだろうか。

コースの特徴は分かったが、行き止まりから先までみんな進んでいる。

P8280028

言うまでもなくわたしも、さらに先へと向かうことに。その先にあったのはほとんど整備されていない、ほぼ廃墟状態の長城。人が歩いているため、なんとか道はあるのだが、万里の長城を歩いているというよりは、完全にトレイル。

だが、さらにずっと先まで人が入っている。

こうなったら行けるところまで進もうと腹をくくって、危険を感じるような坂道を上がっていく。最も高い場所まで進んだのだが、どうやらまだ先にも行けるらしい。

P8280034

ただし、ここでわたしはタイムアップ。撮影もしなくてはいけないし、夕方までに戻らなくてはいけない。後ろ髪を引かれる思いで、リフト乗り場まで戻ることにした。

戻りはリフトではなくスライダーを使う(残念ながら写真はない)。

実はこのスライダーをかなり楽しみにしていた。超巨大な滑り台をスライダーで滑り降りるわけだが、こういうのは日本ではなかなか見かけない。安全とか言い始めると、絶対に許可が出ない。

P8280090

爽快な気分で一気に降りる。

それを期待したのだが、残念ながら3人前のおっちゃんがかなりのビビリで、あっという間に渋滞の先頭になってしまった。そうなるともう、面白さはまったくない。

慕田峪長城に行ったら、絶対にスライダーに乗ってもらいのだが、混雑している時間にはあまりおすすめできない。

無事撮影も終えて、あとは懐柔北大街まで戻るだけ。ここでも交渉が必要かもしれないと思ったのだが、運良く白タクのおっちゃんがいて、中国人家族との相乗りを提案してくれた。

P8280106

値段はなんと15元。最初聞き間違えかと思ったのだが、聞き直したらはっきりと「15」と言う。やっぱり人数が多いほうがお得に来れる。戻りだから足元見られて100元くらいはかかるのを覚悟していたのだが、拍子抜け。

正直、ここまでうまく行くというのは、かなり幸運なほうだと思う。ただ、今回の旅はいつも以上に自分が中国に馴染んているのを感じられたことを考えると、幸運が勝手にやってきたのではなく、少しは自分で引き寄せたのだろう。

わからないことに対して物怖じせずにきちんと向き合うことで、相手もしっかりこちらを見てくれる。少なくとも北京はもうわたしにとっての特別ではなく、限りなく日常に近い存在。

もう一歩踏み込んで中国を楽しめる。そういう段階がやってきたのかもしれない。


新ゼロからスタート中国語 文法編
著者:王 丹
楽天ブックス:新ゼロからスタート中国語(文法編) だれにでもわかる文法と発音の基本ルール [ 王丹 ]

スポンサーリンク

万里の長城マラソン2018PV撮影の旅〜再会と祝福の一歩先へ〜

P8270224

予定外にスケジュールが空いてしまった撮影3日目。

午前中は出発前に終わりきらなかった仕事を片付ける。どこにいても仕事ができるというのはメリットでもありデメリットだと思う。ただ、物書きが小さいディスプレイで作業をするのは無理がある。

いつもの倍くらいの時間をかけてできたものは駄文。帰国したら手直ししなくてはいけない。この作業環境というのはもう少し真面目に考えなくてはいけない。自分のブログやRUNNING STREET 365の記事ならいいのだが、依頼を受けている仕事だとそうはいかない。

外の天気は雨ということもあって、徐々に自分が苛ついてくるのがわかる。ただ、その理由は雨だけではない。この日の夜に会う人のことを思うと、心の奥がざらっとしてしまう。

P8270182

仕事を途中で切り上げて、わたしは雨が降り続く北京の街に繰り出した。撮影をするという目的だが、少し気分を変えなくてはいけない。まだ、自分自身をそう冷静に判断できる。

北京はあまり雨が降らない街だが、この日の雨はしつこく振り続ける。

雨だからこそ画になる映像が撮れる。そんな考えで街を歩いてみたが、PVで使えそうな映像はなかなか撮れない。偶発的なものを狙って撮るのはとても難しい。ましてやわたしは素人なのだから、アングルから撮影時間まですべてが直感。

雨が降っていることでひとつだけいいことがある。それは、人が少ないということ。中国には日本の10倍以上もの人が暮らしている。北京だけでも人口が2150万人いると言われている。

P5020025

その人たちが観光で北京の中心部にやってくるのだから、どこに行っても人だらけ。

雨のおかげで胡同には人気もなく、時間をかけて雰囲気のある映像を撮ることができる。腕がないのだから量でカバーするしかない。編集時に困らないようにたくさんのカットを撮影する。

とにかく材料を揃えなくては料理にはならない。プロのカメラマンの撮った最高の材料も、わたしのような庶民が撮ったサイドメニュー的な材料があって初めて引き立つ。

雨のせいで靴の中はずぶ濡れ状態だが、これはこれで悪くない。ホテルに引きこもって、駄文を積み重ねるよりはよっぽど健全だろう。美しくない文章ほどやりきれない気持ちにさせられるものはない。

P5020013

ある程度の撮影が終わったところで、一度ホテルに戻って気持ちを切り替える。

これから会いに行くのは、2年前の万里の長城マラソンPVで共演した女の子。デート気分かというとそうでもない。数週間前に知ったことだが、結婚したということ。

祝福の意味も込めて、会っておかなきゃと思ったのだが、わたしは彼女に少し惹かれている。男としてやはり悔しいような気持ちがないわけではない。もちろん嬉しいと感じる気持ちもちゃんとある。

どう考えても、わたしには彼女を幸せにしてあげることができない。

P9170059

いつだって気づくのは失ってから。これは恋だったんだろうなと。鈍感なのだろうか、失うまでは気づくことはない。ただの仲のいい友だちくらいの気持ちでいるが、ぽっかりと空いた穴に気づく。

今回は、スケジュールの都合も会ったので、会わないという選択肢も考えた。このままそっとフェードアウト。

でも、男にはやらなくてはいけないことがある。少しでも好きになったのであれば、これからも好きなままでいるために会う。これまで何度もやってきたこと。

幸運だったのは、彼女が旦那さんを連れてきてくれたということ。そしてわたしはその人が好きになったということ。もちろんそれは人間として。

IMG 3532

20代の後半くらいの年齢だろう。ちょうど日本のアニメやドラマを海賊版のDVDで買い漁っている世代。あまり知られていないが、10年前の中国では日本のドラマを放送日の翌日には観ることができた。

親切な誰かが中国語字幕までつけてDVDにして販売している。

今の若い世代はネット世代。日本のアニメくらいは観ることができるが、ドラマに関しては自国のものを楽しんでいる。わたしも華流ドラマは嫌いじゃない。語学勉強のために観ているが、あの空気感がたまらなく好きだ。

日本に憧れを持っていた最後の世代。今はもう日本に憧れている若者はいないだろう。行きたければ、観光で訪れることができる。国内旅行とは少し雰囲気が違っても、昔ほどの特別感はないだろう。

2人は英語が堪能で、わたしは片言の英語と片言のさらに半分以下の中国語。

IMG 3529

思った以上に会話が弾む。チョイスしてもらった雲南料理もわたしの好み。ピザか雲南料理を食べたいと依頼したのだが、ピザはなかったことのように却下された。

最近の北京はピザやイタリアンが美味しいらしい。ただ、日本人が来たのにイタリアンはないだろうという感覚なのかもしれない。それはまぁそうだろう。こういうときは自国の料理でもてなしたくなるものだ。

もちろん中国料理も好きなのだが、中国だからこそ中国料理以外を食べてみたくなるものだ。北京で無性に吉野家に行きたくなるような感覚。

ときどきまっすぐにこちらを見つめてくる彼女の視線にドキッとしてしまったが、会いに来て正解だったと思った。もしかしたら、今回の撮影の旅で最も重要なイベントだったかもしれない。

65FAA9CA

中国人の結婚感や夫婦のあり方というのを、これからわたしは2人から知ることができる。そして、何よりも利害関係がないからこそ頼れる仲間ができたような感覚がある。もちろんわたしも2人に何かあれば全力で助けるだろう。

ただ、自分より若い2人にご馳走になるという感覚は、きっとこれからも慣れないだろう。今度は日本の美味しいものを山ほど持って会いに行こう。

「再见」そう言って2人と別れて、夜の北京を歩きだす。

会いに行く前の憂鬱さは、朝から降り続いていた夏の雨とともにきれいに消え去っていた。


冷静と情熱のあいだ Rosso
著者:江國 香織
楽天ブックス:冷静と情熱のあいだ(Rosso) (角川文庫) [ 江國香織 ]

スポンサーリンク