裸足ランニングの足りないところと裸足ランナーに期待すること

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裸足は万能ではない。裸足大好きな裸足ランナーが聞いたら卒倒しそうな言葉ですが、少なくとも現代においては裸足は万能ではありません。

裸足で走るのが好きだからこそ思う、裸足ランニングの足りないところについて書いてみます。

目次

真夏のアスファルトは裸足では走れない

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あたりまえと思うかもしれませんが、真夏のアスファルトの上を裸足で走れないということが「現代において」裸足が万能じゃない最大の理由です。

わたしは軟弱裸足ランナーなので、夏の昼間と冬の朝晩は絶対に裸足で走りませんが、先日に夢の島24時間リレーマラソンはマイルールによりオール裸足で走りました。

本気で死ぬかと思うほど熱されたアスファルトは、完全に凶器でした。そんな道がずっと続くのですから、足裏への負担が半端ない状態です。

50℃を超えるアスファルトの上を走るのは裸足では無理です。鍛えればできる?心頭滅却する?

そこまでして裸足になる意味はあるのか。これは裸足ランナーにとって永遠のテーマですが、少なくとも数少ない裸足ランナーのうち99%以上は、真夏のアスファルトの上は裸足では走れません。

残り1%を人間の本来あるべき姿と考えるか、人間の進化、努力の賜物と考えるかは、まぁそれぞれで。

そういえば犬は散歩のとき熱くないのだろうか・・・痛みは感情だから、人間ほど痛いとは感じないのかもしれませんが。

裸足で長時間走り続けることが出来ない

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24時間ぐらいなら問題ありません。それ以上走り続けることが必要なのかという疑問はありますが、裸足を道具だと考えた場合、シューズとは違った消耗の仕方をします。

シューズは購入時が最も理想の状態で、そこから徐々に削れていき最終的にはソールに穴が開いてしまいます。

それに比べて裸足は消耗しても自己回復していくわけですから、永遠に履けるシューズなのですが、問題は「裸足で走ることによって細胞が壊れやすくなっている」ということ。

シューズと裸足の違いがいろいろ言われていますが、「細胞の破壊」がひとつのテーマになっているわたしにとっては、シューズと裸足の最大の違いが、この細胞の破壊にあると考えています。

呼吸法、痛み止め法、いろいろありますが、裸足ランニングでは走れば走るほど足裏の細胞が壊れていきます。ある限界値を超えたところで、どんな裸足ランナーも足裏の痛みで走れなくなります。

もっともシューズランナーは違う部分の細胞が壊れていることが多いので、どっちがいいかいう別の問題になりますし、シューズランナーでも足裏の細胞の破壊は起こるから、一概に裸足だけの悪いところではないと思いますが。

下り坂を速く走ることが出来ない

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この言葉こそトップハダシストたちがこぞって反対しそうですが、裸足で下り坂を全速力で駆け下りることはできません。裸足王子の吉野剛さんは圧倒的に下りが上手ですが、きっと裸足よりもビブラムを履いた方が速いのでしょう。

勾配が10%のアスファルトの下り坂を10km近く裸足で走り続けて、スピードも足裏への負荷もシューズと変わらないという裸足ランナーもいるかもしれませんが、そういう人がいたら申し出てください。

わたしは上りが得意で、上りだけならシューズよりも裸足の方が速いと思っています。足の力がダイレクトに地面に伝わるため、シューズ内の摩擦によるロスを減らすことができるためです。

でも下りは足の力は不要で重力との戦いになります。

ブレーキを掛けずに、しかも足裏に負担をかけずにアスファルトの下り坂を10km。路面がきれいであってもかなりの高等テクニックか根性が必要になります。

裸足になった人が誰でも上手に下り坂を走れるわけではありません。

ちなみに熊は下り坂を走れないので、山で熊に遭遇したときは、たとえ裸足であっても山の下側に逃げるようにしてください。

思考を停止させない心、創意工夫をやめない心

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裸足に足りないところ・・・実はこの程度しかないような気がします。

個人的な意見というか、希望で言えば裸足ランナーたちの創意工夫にリミッターがかかっているのが気になるくらいです。

裸足で走るという世の中の常識を覆している、自由な発想の人たちなのに、裸足で走ることに満足していることがだいぶもったいないなとは感じています。

せっかく靴を手放したのですから、もっと常識にとらわれない走り方を試行錯誤して、もっと個性的な走りをする裸足ランナーが増えてきたらいいのですが。

野球のメジャーリーグを見てるとピッチャーもキャッチャーも個性的な人が多いじゃないですか。日本のプロ野球もある程度の個性はありますが、ほとんどのピッチャーもキャッチャーも教科書通りのきれいなフォームです。

裸足ランナーもみんな似たようなきれいなフォームが多いのですが、あまのじゃくなわたしは「本当にそれでいい?」と言いたくなってしまいます。

自己流でたどり着いた人、誰かに習った人、いろいろありますがだいたい似たような走りになります。一部の人を除いてみんな裸足の教科書に載りそうなきれいなフォーム。

裸足ランニングもそろそろ個性的な人が増えていくといいのですが、個性を出すには試行錯誤が必要で簡単ではありません。でも裸足ランナーはすでにリミッターをひとつ解除している人たちです。

ここからもう1段リミッターを解除したら、裸足ランニングの幅が広がっていく気がします。

いまの裸足ランニングに足りないものは、実は上記の3つではなくて、思考を停止させない心なのかもしれません。もっと良くなるにはどうすればいいか。それぞれが考えたら裸足の可能性がもっと広がります。

失敗を恐れずにいろいろ試してみること。これこそが裸足ランニングの一番楽しいところ。シューズのランニングと違って、裸足ランニングにはまだまだ未開の地がいっぱい残されていますから。

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