ハダシストのわたしが布団のない生活を続けている理由

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冬に布団をダメにしてから、ずっと布団なし生活をしています。正確には敷布団がない状態で、さすがに床に寝るのはまずいような気がしたので、敷畳を購入して、そこにヨガマットを敷いて寝ています。

寝心地という意味では最悪です。何度か布団を購入しようと思いましたが、でも硬い床で寝続けながら、なんとなく気づいたこと、疑問に感じたことがあります。

人間が温かい布団に眠るようになって、どれくらいの歴史があるのだろうということです。

少なくとも鎌倉時代の日本人は、偉い人でも畳の上にそのまま寝ていました。庶民が布団で寝られるようになったのは、明治時代の半ば以降だそうです。

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裸足ランナーを中心に、ランナーは飛脚から何かを学ぼうとする人がたくさんいます。ナンバ走りなども、多くの人が自己流で再現しようとしています。でも、ほとんどみんな布団やベッドで眠ります。

そのほうが眠りが深くなるから。最適な睡眠を得られるから。

でも本当だろうか?布団のない生活を続けているうちに、自分の背中側の筋肉が以前にもまして安定してきたように感じています。ちょうど1年前、背中の筋肉が張って呼吸が上手にできない時期がありました。

あの後から、体の背面を使った走りを意識していますが、しばらくは背中の筋肉は常に硬い状態でした。腹筋はバネのようなしなやかさがあるのに、背筋は筋肉はあるけどガチガチです。

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ところが、布団のない生活をすることで、背中の筋肉が腹筋のような柔軟性を持ち始めました。バネ性は腹筋よりもあるかもしれません。

最初はきちんと眠れない日が続きましたが、いまでは眠りが浅い日はあるものの、しっかりと眠れています。体が布団のない生活に適応してきたのです。

そして先週の日光100kmウルトラマラソンです。これまでウルトラマラソンや24時間マラソンを走ったあとは、必ず張っていた背中の筋肉が、多少の違和感もあるのに痛むことはありません。

走り終えたときに、かなりの負荷がかかっていたように感じ、翌朝は間違いなく起きれないと思ったのですが、その後筋肉痛がやってくる気配もありません。むしろここ数日は驚くほどいい姿勢で歩けます。

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少し前に寝具に関する記事を書く仕事を請けていたこともあり、寝具の考え方というものはある程度は理解しています。そして、わたしがやっていることは、その理屈の正反対なのですが、結果的には良い方向に向いています。

わたしがいつも言っていることですが、常識というのはやっぱり疑わなくてはいけないですし、自分で確認してみないといけません。布団やベッドで寝るのが当たり前と思って40年以上も生きてきましたが、そもそもそれが当たり前という根拠はどこにもありません。

最新のマットレスは人間工学に基づいて、人間の体に最適な状態で眠れるように作られています。

硬いせんべい布団で眠ると、体が圧迫されて、血行が悪くなり、筋肉が酸欠状態になって腰痛を引き起こす。最新のマットレスなら、体が圧迫されないから、それが起こりません。

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これ、なんとなくシューズと裸足の関係に似ていませんか?

足を守るためにクッション性の高いシューズを履いて、その結果としてケガをする人が続出する。シューズでケガをする理由はいろいろあるのですが、足が鍛えられないということもその理由のひとつだと、わたしは考えています。

じゃあ布団はどうなのでしょう?

あくまでもわたしの感覚ですが、この布団というのも通常は人間を弱くするものだと思います。もちろん、歳をとって筋力が落ちてきたら、それは布団のお世話にならなくてはいけないのかもしれません。

ただ、布団がなくては健康を保てないという状態は、自然界においては「死」を意味するのではないでしょうか。生きているのではなく、ただ生かされているだけ。

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布団に限った話ではないのだと思います。結局わたしたちは、文明の力に知らず知らずのうちに守られながら生きています。スマホがなければ困る人がほとんどですよね。わたしもMacがなくなると仕事ができません。

でも、そういうものの一つひとつが自分をダメにしているかもしれない。そういう感覚は大切だと思います。

勘違いしないで欲しいのですが、わたしは決して江戸時代に戻るべきとかそういうことを言いたいわけではありません。わたしなんかが江戸時代に戻ったら、1日も耐えられないかと思います。

昔は良かったなんてことを言うほど昔のことは知りません。ただ、人間の本来あるべき姿を取り戻すためには、裸足になるだけでは足りないということは確信しています。

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そして、そのひとつが硬い床で寝るということ。

いつもなら「試してみて」というのですが、さすがにこれは気軽に言えません。たぶん、慣れるまでに数ヶ月かかりますし、そこまでは寝不足の日々が続くかもしれません。

わたしの体が硬い床に向いていただけかもしれません。ここにたどり着くまでに、随分と腰回りと背筋を鍛えてきたことで、硬い床でも耐えられる体ができていた可能性も否定できません。

その点、裸足はとてもわかりやすいかと思います。膝を痛めて、一歩も走れなかった状態から、シューズを脱いだだけで走れるようになったりするのですから、「これは素晴らしい」とすぐに気付けます。

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硬い床は……まず間違いなく「こんなの無理」となるでしょう。わたしがそうでしたから。

真似をして欲しいというよりは、それぞれが「これもおかしいんじゃない」という提案をしてもらいたいという思いがあります。裸足ランナーの一部では褌を使っている人がいますが、そういうものがもっと増えていくと面白いなと思うわけです。

とりあえず、しばらくはこの布団のない生活を続けていこうかとは思いますが、さすがに人が遊びに来たときように、1セットくらいは布団セットを用意しておくつもりです。

ですので、大山や丹沢を走りたくなったときにいつでも拠点にしてください。2年間、鶴巻温泉で暮らして宿泊していった人は1人もいませんが……


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著者:西野精治
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