根なし草に根が生える?3年目の鶴巻温泉で感じた自分の変化

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今朝の朝イチで明治大学とアディダスの記事を書いたこともあり、今朝は箱根駅伝の予選会をiPadで観ていました。実は予選会を観るのは初めてです。わたしはマラソンが好きなのであって、陸上競技はそれほど興味なく。

1kmを3分で走る人たちの走りなんて、何の参考にもなりませんし。

でも明治大学の記事を書いたから、少し気持ちが入ります。そもそも予選を突破してくれないと、書いた記事がマヌケなことになってしまいます。でもスタート前の情報で、エースが体調不良でメンバーから外れたとのこと。

10kmで他のメンバーよりも1分速い選手なので、かなりの痛手です。そういうときチームが一丸となるのか、それとも動揺が走るのか。それがチーム力というものなのでしょう。

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結果論からいえば、明治大学の選手は動揺してしまったのでしょう。2分近いアドンバンテージを失ったわけですから、それぞれが12秒ずつ速く走らなくてはいけません。いや、そう考えてしまったのでしょう。

準エースとなる1人が給水時に転倒して、ケガをしてしまいリタイアになりました。日本人のトップグループにいるはずの仲間がいないのを目にした明治大学のメンバーはさらに焦ることになります。

何も考えずに、自分たちのベストを尽くす走りに徹していれば、結果は違ったのかもしれません。それはタラレバになるので、スポーツでは禁句ですが。

つくづくランニングはメンタルだなと感じました。1kmを3分で走り続ければ20kmを60分で走れます。でもそれができなくなってしまうのがレースです。焦りや不安、そういうものが選手たちを飲み込んでいったのでしょう。

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今回わたしは、明治大学に注目して観ていましたが、きっとそういうドラマがすべてのチームにあるのでしょう。明治大学とともに本戦出場を逃した日本大学と創価大学。そして昨年のまさかの敗退からの復活を見せた中央大学。

若いっていいですね。計算だけではうまくいかないことに何度も遭遇できる。学生という二度と戻ることのない時代の中で全力で向き合うことがある。それだけでウルッときてしまいます。

それぞれのチームが勝ちにこだわりますが、勝ち負けを超えた何かがある。人間の最高に美しい瞬間だと思います。

そして、母校を応援する人の気持ちが初めて分かったような気がします。

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わたしの高校は野球部がないため、甲子園をかけた母校への思いがありません。大学も陸上部がないため(いやあったような気もする…)少なくとも箱根駅伝の予選会に出ることはありません。

母校を応援するという機会がこれまでにほとんどなかったので、純粋に競技を楽しみながら観ていました。ただ、今回は完全に明治大学びいきです。記事で名前を出した選手が走っているわけですから、気持ちが入ります。

みんなこういう感覚だったんだなと、ほんの少しだけその世界に触れることができたことに、少し喜びを感じています。他の大学などとも何かの形で絡むことがあれば、感情移入してしまうんでしょうね。

でもわたしはマラソンランナーですが、陸上競技者ではないので、ここが交わることはきっとないのでしょう。それもまぁ人生です。

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母校という意味では、オリンピックや世界選手権、ワールドカップなどではやはり日本人選手を追ってしまいます。テレビ中継がそうなっているからというのもありますが、日本人が勝つと嬉しくなる自分がいます。

ただ、そうなったのは割りと最近のことです。サッカーの世界に身を置いていたというのもその理由のひとつです。ワールドカップで純粋に日本を応援するということが簡単ではありませんでした。

どうあがいても日本が優勝争いに絡むことがないという事実。絶望的なまでに見せつけられる壁の高さ。なので日本の応援をしつつも、もう一方で世界のトップレベルのぶつかり合いのほうを楽しんでいました。それはまるで別の大会を観ているような感覚でした。

そういう背景があり、オリンピックでも気になるのは日本人ではなく、優勝争いをするような特殊な選手たちでした。オリンピックは国と国との争うと言われていますが、国別のメダルの数を数える意味が分かりませんでした。

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その点に関しては、正直今でも変わりません。日本が何個メダルをとったのかは、個人的にはどうでもいいことです。ただ、一人ひとりが最高のパフォーマンスを見せてくれるということには心が動かされます。

ちょっと深いところに触れると、国ってなんなんだろうなと思います。わたしは日本が好きですが、愛国心があるかと言われると、きっとそれほどはないんだと思います。大切な人のためなら頑張れますが、日本のために頑張れるかと聞かれると、即答はできません。

国ってなんだろうというのは、北方謙三さんの水滸伝シリーズを読んでいるといつも考えさせられることです。国とは何なのか、それは母国の選手を応援したくなる気持ちの先に答えがありそうですが、見えそうで見えません。

きっとその理由のひとつとして、自分の出身地と呼べる場所、地元と呼べる場所がないというのも影響しているのかもしれません。

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わたしは徳島で生まれ、神戸と大阪で育ち、大学から神奈川に出てきました。神戸が出身地と言えるほどの記憶も思い入れはなく、大阪は神戸からやってきた余所者感が拭えません。でも神奈川に来たら、大阪から来た人になるわけです。

神奈川は人生で一番長く過ごしている場所ですが、幼馴染と呼べる人がいるわけでもなく、通った幼稚園も小学校もありません。(幼馴染はいろいろあってすぐに会えるところにいるのですが)

ここで育ったという気持ちがないまま生きてくると、こんな風に根なし草になってしまうのでしょうか?それとも根なし草なのは、わたし自身の問題でしょうか。

ただ、最近日本人が活躍すると嬉しく感じるのは、わたしの中でゆっくりと変革が起こっているからではないかとも思います。鶴巻温泉に引っ越して、ここで戦うと決めたときから、わたしの根はゆっくりと深くこの地を掴んでいるような気がします。

そのことが気持ちの変化につながっているのだとすると、それは少しも嫌なことではありません。

自分のすべてが変わるわけではありませんが、きっと2年前の自分と今の自分は同じではありません。考え方も感じ方も。そういう変化を喜べる自分に戸惑いながらも、きっとこれはいい変化だと思っています。


〈愛国心〉に気をつけろ!
著者:鈴木 邦男
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