愛媛マラソンのあとに財布を落としてしまった話

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愛媛マラソンのアスリート枠確保に浮かれていたわたしに、思わぬ不幸が舞い降りてきました。会場近くでの打ち上げを終えて、実家に戻って母も含めて一緒に走ったなべくんと2次会に行こうとしたら……

財布がない。

いや、ないわけがないんです。戻ってくるバスの中で両替をしたのですから。でもどこを探しても出てきません。「いやいや、そんなわけないやん」という思いと「人生に絶対はない」という思い。

とはいえ、どうあがいたところで財布はすぐには見つかりそうもありません。とりあえず、バス停まで歩いてみて、途中で落としていないかをチェックしてみました。

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悪あがき……見つかるわけもありません。

そういえば、四国遍路をしていたときも、大事なお遍路道具を松山でなくしました。高知かどこかで区切った後だったと思います。JR松山駅前で荷物の整理をして実家に向かおうとしたときに、大事な山谷袋をそこに置きっぱなしに。

すぐに気づいて戻ったところ、目の前にあった交番に届けられていて、事なきを得ました。

iPhoneを飛行機内で無くしたのは、2年前の愛媛マラソンでした。なぜか知りませんが、伊予の国の神様はわたしの持ち物を奪っていくのが好きなようです。お墓参りもちゃんとしているのになんででしょう。

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とにかく財布はありません。もちろん2次会は母の財布をあてにします。その直前に「2人で行っておいで」と言った母を説得して連れ出したのは隠れたファインプレーか。

42歳にもなって母にあれこれ払ってもらうのはなんだか不思議な気分ですが、きっと何歳になっても子どもは子どもなんでしょう。鶴巻温泉まで遊びに来てくれたら、元湯陣屋にくらい連れて行ってあげないと罰が当たりそうです。

元湯陣屋1泊1人3万5千円から…日帰り温泉プランで許してもらおう。

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なべくんと母の3人で行ったお店は、最近できた問屋町バルズ。いくつもの食べ物屋さんが入っていて、あれもこれも頼める楽しいお店なのですが、それぞれのお店に行って注文しなくてはいけません。

12月1日オープン!問屋町のオシャレな横丁「BALZ」の歩き方♪|DO?GO!愛媛

えぇ好きなものを自分で頼むのに母がいないとできないわけです。小学生にでも戻った気分です。わたしは食べ物に関しては食いしん坊すぎて優柔不断ですが、この日ばかりは迷っている場合ではありません。

自分の財布がないというのがこんなにも不便なものだとは……

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それでも問屋町バルズはかなり面白く、美味しい料理がいっぱいです。来年愛媛マラソンで実家に泊まってくれる人がいれば、一緒に問屋町バルズで打ち上げしましょう。

その問屋町バルズで1リットルビールで気持ちよく酔ってきたときに、「あそこにいる諭吉さんはどうするのが正解でしょう」と、なべくんのひと言。視線の先にはなんと1万円札が落ちています。

向かいのお店のレジの下に、持ち主不明の福沢諭吉。

「これもらっておけば損失が5千円くらいで済むんじゃね?」
わたしの中の悪魔がささやきます。

「そっと回収すれば誰も気づかんって」
わたしの中のビリケンさんが煽ります。

「しれっと持っていけよ」
わたしの中のブラックみきゃんが耳打ちします。

どうやらわたしの中には天使はいないようです。 ただ、どう考えたって持っていけるわけがありません。「1万円落ちてました」と店員さんに手渡す正直者のわたし。

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時代が時代なら、そこでわたしは金の斧も銀の斧ももらえたでしょう。もちろんわたしには1円も入りません。神様がくれたチャンスをみすみす逃すことになりましたが、人生なんてそんなもの。

金は天下の周りものと言いますが、それとこれは違います。きっと1万円札が持ち主のところに戻ることはないのでしょうが、じゃあわたしがもらっていいはいう道理はありません。

というわけで、懐は寂しくとも心もお腹もいっぱいになって愛媛マラソンの夜を終えました。

そこからRUNNING STREET 365の「日本一早いマラソンレポート」を書いたのは言うまでもありませんが、実は頭の中は、財布にの中に入っていた運転免許証の再取得がめんどくさいということでいっぱいでした。

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ちなみに財布にの中には運転免許証のほかSUICAとランステの会員証、少量の領収書しか入っていません。財布を札入れと小銭入れ、カード入れに分けているため札入れをなくしても被害は最小限で収まります。

わたしは海外を旅することが多いので、普段からこういうリスクヘッジをしています。1つを失うと全てを失うというのは旅人にとっては考えられません。分散して所持しておけば海外で強盗にあって財布を出しても、カードまでは渡さずに済みます。

ですので、財布を落としても実はちょっと損したなという気分と、運転免許証を再発行するのは面倒だなと思う程度の被害しかありませんでした。SUICAには少しチャージされていましたが、カードがボロボロなので新しいのに変えられるとポジティブに考えるくらいの余裕があります。

ただ、紛失は紛失です。とりあえず、翌朝にバス会社に電話してみます。あのタイミングでバスの中に落とすとは考えられませんが、そういえば両替中に後ろの人に強くぶつかられました。その拍子に落としてたら……と淡い期待。

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念のためと思ってダメ元で電話をしたら「ありますよ」との返事。

さすが日本と言わざるをえません。落とした財布がきちんと返ってくる国です。日本で落とした財布が交番に届けられて、持ち主に戻る確率は72%もあるそうです。まぁコンビニに置いたビニール傘が、高確率でなくなる国でもありますが。

いずれにしても、財布が手元に戻ってきました。

母曰く「問屋町バルズで1万円をポケットに入れなかったのを神様が見ていた」と。

もっとも正しい行いというのは、神様が見ていようが見ていまいが関係なくすべきこと。それで馬鹿を見たって痛くも痒くもありません。胸を張れない行いをして、それを一生背負って生きるよりは100倍ましです。

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財布をバスの運転手に渡した人も、きっとそういう思いだったはずです。そういう気持ちの連鎖で、この国はちょっとずつ良くなっていきます。見返りは期待しませんが、善い行いはいつだって巡り巡って自分に戻ってきます。

反対に、悪い行いは巡り巡ってやはり自分に戻ってきます。

だから良い行いをしましょうなんて短絡的なことは言いませんが、何かうまく回ってないなと思ったら自分の行動を見つめ直してみるのもいいかもしれません。そしてちょっとだけ良い行動を増やしていく。知らない間にいろいろなことがうまく回るようになるはずです。

そうならなかったら?

それもまた風流と笑い飛ばせばいいだけです。


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著者:北野武
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