24時間テレビの24時間マラソンをやめてほしい理由

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24時間テレビの24時間マラソンが今年からなくなるのでは?そんなニュースが流れていましたが、個人的にはようやくかという思いがあります。

別に24時間テレビに批判したい気持ちがあるわけではありませんが、24時間もランナーでもない芸能人が走ることに何の意味があるのかわたしには理解できません。

純粋に芸能人の精神力に驚かされますが、ただそれだけです。

これまでマラソンを走ったこともないような芸能人を短期間で鍛えますので、体には必ず無理が出ます。しかも真夏に24時間走りますので、笑い事ではなく命がけです。

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そのわりには、その努力は正当に評価されません。「24時間もあれば誰だって100kmくらい走れる」なんて声を毎年聞きます。実際に24時間で100km走れる人はそう多くはありません。

ランナーでもない芸能人が100km近い距離を走る、しかも信号のある一般の道を走るというのは、決して簡単なことではありません。

でも世の中には24時間で200km以上走る人がいます。200kmとなるとたくさんいるとは言いませんが、100マイル160kmくらいなら、それなりに走れる人数はいます。

わたしでも24時間で120kmくらいは走れます。調子が良ければ裸足で100km走ることもできます。100kmなんてその程度の距離です。「芸能人が走るのは凄いけど、ウルトラランナーにとってはそれほどでもない」これが現実です。

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1年間という時間をかけて練習に取り組めば、ほとんどのランナーが24時間で100kmは走れるようになります。そんな競技に対して、十分な練習を積まずに挑戦して本当にそれを「凄い」と言うべきなのか、わたしはいつも迷います。

どうせチャレンジするなら、もっと別の形ですればいいのにと、わたしは思います。

例えば24時間マラソンでよくあるリレーならどうでしょう?芸能人が襷を繋いでリレーマラソンをする。これならば24時間頑張り続けますし、頑張れば頑張るほど距離が伸びますので見る側も楽しめます。

目標設定は24時間マラソンの世界記録にして、それに挑戦ならやりがいもあるはずです。

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ただ、やっぱり個人的には24時間テレビでのマラソンはやめてもらいたいという気持ちがあります。もうそろそろ「走ること=苦しいこと」みたいな構図からは抜け出すべきだと思います。

ランニングなんて走り出せばいいだけのことなのに、日常的にランニングをしている人は少数派です。走っていない人の多くが「走るのは苦手」「走るのは好きじゃない」と言います。

でも人間が「走れない」「走るのが好きじゃない」というのは、どう考えても不自然です。小さな頃、みんな親に叱られるくらいに走り回っていたはずです。本質的に誰もが走ることが好きだった時代があるわけです。

ところが、学校教育のせいで多くの人が走ることに苦痛を感じるようになりました。学校で頑張って走ることを強要した結果です。本来は走る楽しさを教えるのが学校のあるべき姿です。

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それが学校では走る楽しさどころか、正しい走り方すら教えません。それでいて「頑張れ頑張れ」と苦しい走りを強要します。そんなことをしても誰も得しないのに。

走ることは楽しいこと。

いまランニング業界ですべきことは、それを取り戻すことです。24時間テレビで芸能人が苦しそうにして走るのを見ると、走ることは苦しいことだという過去の苦しい思い出を蘇らせてしまいます。

苦しんでいる芸能人を見て「自分も頑張ろう」と思ったり、「その頑張りに応えるために募金しよう」となる人がどれくらいいるのでしょう。

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マラソンを苦しみを表現するアイテムとして使ってもらいたくない。これがわたしの思いです。

何かに挑戦するのは尊いことです。でも、その挑戦に苦しみを伴わせる必要があるのでしょうか?その先にあるのは「努力すればなんとかなる」「成功しないのは精神力が弱いからだ」というような、間違った思い込みだけです。

努力が尊いことと、成功することとはまったく関係ありません。努力は過程であり成功は結果です。努力してもいい結果につながらないことがあるのは、世の中の多くの人がすでに知っていることです。

結果が出ない理由を「努力が足りなかった」というのは無理があります。

「結果はともかく努力する過程が人間を美しくする」という考え方が広まっていけば、もっと多くの人が様々なことに挑戦しやすくなり、世の中が活性化するはずです。

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制限時間内に必ずゴールできる24時間テレビのマラソンは、芸能人がどれだけ頑張ったにしても壮大な茶番に過ぎません。そういう意味でももう限界なんじゃないかなと思います。

もっとも24時間テレビがチャリティという名目のバラエティ番組なら、継続してもいいと思いますが、視聴者はきっともう飽き飽きしています。「どうせゴールできるんだから」と、そこに感動が生まれなくなっています。

真夏の24時間マラソンというリスクを考えると、これ以上続けることに意味はありません。もっともテレビ業界はわたしたちの常識とはまったく違う常識で動いていますので、どんな判断をされるのか分かりません。

どちらにしても、作られた感動ではなく、心を揺り動かされるような挑戦を見たいところです。そこまでいまのテレビ業界に求めるのも無理なのは承知していますが。


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