変化が早すぎる!中国のスマホ決済を使えないから気づいたこと

中国でスマホ決済が一般的になっていることはすでに知っている人は多いかと思います。よく使われているスマホ決済はAlipayとWeChatPayの2種類あります。

どちらの決済方法も中国に銀行口座がないと使えない状態にあったのが、この春から外国人も利用できるような流れになりつつあります。ところがWeChatPayは急に日本のクレジットカードでは登録できなくなりました。

このあたりは、とても複雑な政治的思惑もあるので状況が常に変化していますが、とりあえず現時点ではWeChatPayが使えず、Alipayは登録できる状態にあります。

万里の長城マラソンに合わせて、どちらも使えるようにしたかったのですが、結果的にはAlipayのみ登録して北京に向かいました。ただ結局、今回の訪中でスマホ決済を使うことはありませんでした。

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その最大の理由は中国の電話番号がないと決済時のSMSを受けられないことにあります。例えば観光施設に入るのにWeChatPayてもAlipayでも支払いが出ますが、その決済画面でSMSに送られてくる番号を入力しなくてはいけません。

飲食店でもWeChatPayで注文画面まではいけますが、注文確定をするために中国の携帯電話番号の入力を求められました。

今回は香港のデータSIMを使っていたためSMSを受けることができませんでした。というわけで、Alipayでの決済は使えず。おそらくなんらかの方法でチャージできれば使うことができたはずなのですが、その方法にまでたどり着けませんでした。

自販機でもコンビニでも券売機でもスマホ決済ができるはずなのに、中国の電話番号がないというだけで、大きな壁に阻まれる結果になりました。おそらくこれは、中国SIMを使うことで回避できそうですが、そこまで試す時間がありませんでしたので、次回の課題にします。

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もっとも次回試すときには、すでに外国人でもAlipayやWeChatPay を使えるようになっている可能性もあります。中国は驚くべきスピードで常に変化し続けています。そしてその変化によって、今回はスマホ決済がができなくても不便さを感じないという状況を生み出していました。

前回訪中したのは2017年10月でしたが、スマホ決済ができないのはとにかく不便でした。ところが、半年後の今回は、スマホ決済ができない人のための環境が整っています。

以前は何がなんでもスマホ決済をさせようとしていたところが、現金払いでも問題なくなっているお店が増えています。あるお店では注文用のオーダー表が作られていました。スマホ決済ができなくても、それに対する準備ができていますので、不便さをまったく感じることがありません。

あまりに急激に広まったスマホ決済。その歪みをきちんと補正しているというのが中国の面白いところです。やると決めたら強引にでも進めていくというイメージが強いかもしれませんが、決して強引さだけではなく、現実を見た対応をする柔軟性を備えています。

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これは日本だけで暮らしているとまったく見えない部分でもあります。中国はトップダウンで共産党の強引な政策で動いていると思われがちですが、ダメなものはダメだと認めて、そこからスピーディに修正します。これは日本のメディアでは決して語られることのない中国の一面です。

わたしは中国が好きですが、日本が劣っているとか、中国の方が優れているとか言うつもりは毛頭もありません。むしろ、いま目の前で起こっている現実だけを、ありのまま伝えていきたいと考えています。その上で伝えたい、中国のスマホ決済の今が、このような状態というわけです。

もちろんスマホ決済を使えればとても便利ですが、使えないことによる不便さは以前よりも小さなものになっています。少なくとも北京に1週間いて感じたのは、臨機応変に変化し続けている中国の姿です。

中国では昨日の常識が今日の非常識になることが珍しくありません。時間をかけて蓄積したノウハウが、数日後に紙くずになってしまうくらいのスピード感で変化しています。

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これを理解せずに、いつまでも過去の成功事例を引きずって失敗するのは大抵日本人です。そして、思い通りにならないことから、中国に対して悪いイメージを持ってしまいます。

日本のやり方が通用しない世界があるということを理解できているかどうか。日本での成功事例をなぞっても中国で成功できるわけではありません。むしろそれに囚われていると泥沼にハマっていきます。

もちろん過去のノウハウがまったく役に立たないというわけではありません。大事なのは、過去のノウハウにがんじがらめになるのではなく、過去のノウハウを活かして臨機応変に対応することです。

そうして日本流と中国流のいいところを融合させていくこと。きっと次世代の成功者はそういう自由な発想をできる人たちなのかもしれません。


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