石田ゆり子さんのインスタグラム炎上について思うこと

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石田ゆり子さんのInstagramが炎上していると教えてくれたのはラン仲間。慎重に言葉を選んでいる彼女がそんなことするなんて信じられませんでしたが、その内容を知ってわたしはやるせない気持ちになりました。

お店の店員さんの接客に対して、色々話しかけてくるのが疲れるというようなニュアンスのことを彼女はInstagramにアップしました。それに対して、販売員の仕事を否定されたと感じた人が反論や批判のコメントを残したそうです。

結果的にその投稿は削除されることになりました。

色々話しかけてくる店員さんに疲れるというのは多くの人が感じていることだと思います。わたしはガジェット好きなのでよくカメラやスマホなどを見に行きますが、話しかけられずに自分でじっくり見たいわけです。

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でも同じようなことをわたしがtwitterでつぶやいても、みんなにスルーされるだけのことです。このようなことが炎上するのは、ここ数年に人気が高まってきたことで多くの人に見られる存在になったからなのでしょう。

「それを読んで傷つく人がいるかもしれない」これを意識して文章を書くことは重要ですが、誰かに忖度して書かれた文章なんて面白みもありませんし、人の心を動かすこともありません。

ただ、この構造を噛み砕いていくとちょっと興味深いことがわかります。

石田ゆり子さんは空気を読めない店員さんに対して「もうちょっと空気を読んでもらえるほうが嬉しい」と言っているわけです。それに対して「馬鹿にするなよ」と怒っているのは、その空気を読めない人たちだということです。

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「わたしはお客様のために一生懸命になっているのに、何で批判されなければいけないのか」怒っている人の声からはそのような主張が伝わってきます。

誤解を恐れずに言えば、わたしはこの「あなたのために、こんなにもしているのにどうして理解してくれないの」というような主張が嫌いです。心から惚れている人にこれを言われたら、千年の恋であっても冷めるというものです。

人間は誰でも認められてい欲求があります。わたしにも当然あります。ですので「あなたのために……」と思うのは自由ですが、口に出していい言葉とそうでない言葉があります。

誰かのために一生懸命にやって褒めてもらいたいですし、振り向いてもらいたいわけです。ただそれは相手のために何かをしているのではなく、結局のところ自分のためにしているだけです。

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わたしは本当に相手のためだけに動く人を何人か知っていますが、彼らはみんな相手に理解を求めたり、感謝してもらおうなんて思いを持っていません。見えないところで誰かのサポートをしているだけで満足しています。

いや、満足すらしないのかもしれません。誰かのために自分が一生懸命になるのは当たり前のことで、そこに特別な感情を持っていないようにも見えます。毎日お風呂に入るくらい当たり前の感覚で人を助ける人たち。

そこに美しさを感じます。

これに対して「わたしはこんなにもしているのに……」と言葉にするのはとても幼稚に感じます。相手の立場や思いを考えずに、自分が認められないことに不満をぶつける人たち。

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そういう人が接客をすると、やっぱり独りよがりなものになります。最高の営業は物を売らないという話はビジネスに関わる人なら聞いたことがあると思います。

最高の営業は売るのではなく話を聞きます。お客さんのニーズを会話の中から拾い、そのニーズを満たすためにサポート役に回ります。そうして信頼関係を築いていけば、売ろうとしなくても物は売れるというわけです。

わたしは営業の仕事をしたことがないので、これが本当かどうかは分かりませんが、万里の長城マラソンはそういう形で運営しています。そして、そのスタンスでそこそこうまくやっているつもりです。

「うちの大会すごいから絶対に来て」と言う人たちの大会に実際に行くと、残念に感じることがほとんどです。反対に「うちはまだまだ全然です」と運営者が口にする大会の多くに、ものすごいホスピタリティを感じます。

謙遜するのが美しいとは思いませんが、現実としてそういう大会のほうが魅力的に仕上がっています。

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もっとも積極的に話しかけてくれる接客を喜ぶ人もいるのでしょう。石田ゆり子さんはそれに対して疲れると言うだけのこと。うまく噛み合わなかったということです。実際に彼女もInstagramの冒頭でそのことに触れています。

「いろんな人がいてもいいけど、わたしには合わない」それだけのことなのに、自分が否定されたとして、批判や反論をする人たちがいるということ。

承認欲求を満たすために、意味のない自己主張を繰り返す。そういうことでしか、自分の立ち位置を確認できない人がいるという現実。それも少し悲しいことです。

優しさのないわたしなら「そういう自分勝手なところが嫌なんだよ」なんて言ってしまいそうですが、石田ゆり子さんは投稿を削除し、そっと幕を下ろす方法を選びました。

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ただ、これから彼女が自然に言葉を綴ることができなくなるのは残念です。わたしは表現者としての彼女の存在が好きです(Instagramはフォローしていませんが)。

ときどき触れることのある彼女の言葉の一つひとつに心をギュッと掴まれます。これまで以上に気を使って言葉を選ぶことで、その魅力が半減するんだろうなと思うとやはり寂しくなります。

もっとも芯の強い人ですから、これまでとは違う方法で、自分の思いを表現してくれることを期待している自分もいます。こんなことで、素晴らしい表現者が言葉を綴ることを止めるなんてことは、決してあってはならないことです。

同じ表現者の1人として、そのことだけは強く主張します。


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著者:石田ゆり子
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