わたしたちは「がんばらない」練習が必要なのかもしれない

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台風の中、外に出てケガをした人もいれば、ピザのデリバリーをした人もいて、さすがにこれはちょっとおかしいのではないのかなと感じています。どうしてそういう判断をしたのかは分かりませんが、危機感が欠如しています。

もちろん、どうしても外に出なくてはいけない人もいたとは思います。あんな強風を経験したことがないわけですから、物が飛んでくるなんて考えもしなかったのでしょう。

誰もが想像しないようなことが次々に起きたことは事実。

でも、自分の身は自分で守るというのが動物としての当然の姿で、危ないかどうかという判断は自分でしなくてはいけません。ランニングでも「これ以上走ったら危ない」という判断は自分自身がしなくてはいけません。

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山を走っているとき、ちょっと嫌な感じがするから引き返す。非科学的ですが、そういう自分の勘のようなものを信じられるかどうか。いや、そもそも嫌な感じというのが分からないという人が増えたのかもしれません。

それとは別に、デリバリーをさせるお店も注文をする人も、まったくもってどうかしていると思います。注文した人は悪ふざけなのかもしれませんし、本当に困っていたのかもしれません。でも、やっぱりどうかしています。

こういう部分だけを拾って「日本人の民度が下がった」なんて言うつもりもありません。日本人の民度なんて最初からこの程度なだけで、賢い人もいれば愚かな人もいます。

自ら外に出る人も、デリバリーをする人も共通しているのはリミットラインが分かっていないということです。どこまでが努力なのか、どこからが無茶なのかの線引ができていないのでしょう。

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頑張ればなんとかなる。頑張らないのは恥ずかしいこと。そういう感覚が身についてしまっているのかもしれません。

わたしは努力も嫌いですし、踏ん張るようなこともしません。どっしりと逆風に立ち向かう大木よりも、風に吹かれる柳でありたいと思っています。そういえば好きな禅語も「柳緑花紅」です。意味は自分で調べてください。

中山道を走ったときに、多くの人から「無理しないで」と言われましたが、その言葉をかけてくれる人に感謝しつつも、わたしのことを勘違いしてるんだなぁと思ったり。わたしは頑張ることも無理することもしません。

ただ、頑張りはしませんが、全力を尽くすことはします。

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この2つは似ているようで、実は非なるものだとわたしは考えています。頑張るというのはわたしの中で限界の向こう側に足を踏み入れること。全力を尽くすというのは限界まで引き上げるということ。

わたしは自分のポテンシャルが100なら100までしかしません。それも100を出すというのは1年間に数回あるかないかというくらいのこと。頑張るというのはリミッターを振り切って110や120まで行ってしまう状態です。

そういうことは絶対にしません。昔は「限界突破」なんて言っていたこともありましたが、それは若気の至り。もう限界を超えて何かをしようなんて思うことすらありません。

だから中山道も苦しいときもあったものの、それは限界の向こう側に行ったわけではなく、自分の手の届く範囲内でもがいていたに過ぎません。

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わたしの話はいいとして、これは無理だというラインをきちんと引くことを習慣化していないと、今回みたいなときに「自分だけは大丈夫」なんて思って、簡単に無理の向こう側に行ってしまいます。

臆病だとバカにされようが危険なエリアには立ち入らない。危ないと思ったことはやらない。日々それを積み重ねていないと、危機感というものを持つことはできません。

危機感は、「危機感を持つように」と言われて「はい、持ちます」というようなものではありません。

あんな天候なのに出社させる会社があるくらいですから、危機感を持とうとするような人は社会では生きていけないのかもしれませんが、会社も世の中も命を守ってくれるわけではありません。

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会社なんて、何かあったらすぐに簡単員社員をポイ捨てします(そうでない会社もありますが)。

人生にはリセットボタンもなく、復活の呪文もありません。命を大事にしたいなら、周りの目なんて気にせずに臆病に生きることです。正義のヒーローが現れて、危険から救ってくれるなんてことは起きませんから。

臆病なのは恥ずかしいことではありません。

無理だと思ったらそれは無理なんです。わたしたち日本人には「がんばらない」練習が必要なのかもしれません。


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著者:酒井 圓弘
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