若さという特権と加齢という希望

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取材で駒澤大学に行ってきました。取材内容は本日アップするRUNNING STREET 365の記事を読んでもらいたいのですが、簡単にご紹介しておきます。

ベルリンマラソンで世界最高記録を出したエリウド・キプチョゲ選手と彼のコーチが来日して、駒澤大学の選手を中心とした若手選手との練習とアドバイスということでした。

エリウド・キプチョゲの足元でレースをサポートしたナイキのランニングシューズをPRする活動の一環です。トークセッションと実際のトレーニングの2部構成でしたが、トレーニングセッションでキプチョゲ選手が走ったのはアップまで。

同じくトークセッションに参加した設楽悠太選手も、ランには参加していませんでした。設楽選手は歩き方がちょっと不自然に見えたので、福岡マラソンに向けて疲労のピークだったのか、何かトラブルを抱えていたのか。

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ちょっと不安になるような動きをしていましたが、彼のことを詳しく知るわけではないので、あくまでも個人的にそう感じたというだけにしておきます。大きなトラブルでないこと、もしくはわたしの勘違いであることを願っています。

あまり、この取材内容について触れるとRUNNING STREET 365のネタバレになるので、そうならない範囲でわたしが感じたことをいくつか。

学生時代というのはどうしようもないんだなと、自分の過去を振り返りながら感じていました。別に駒沢大学の選手が良くないとかそういうのではなく、20代前後でこの豊かな国で生きていると地に足がつかなくなって当然です。

目の前にエリウド・キプチョゲがいるわけですから、ある程度浮足立つのは理解できなくもありません。なぜか分かりませんが、わたしは0.1ミリも浮いていませんでしたが。

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多分、彼らには本当に大事なことは伝わってないのでしょう。社会人ランナーも設楽悠太選手を含めて4人いましたが、深いところまで理解していたのは、おそらく設楽選手くらいでしょうか。

東京オリンピックを目指す実業団の選手でもそんな状態です。若いというのはエネルギーが満ちていますが、思考の深さを兼ね備えているとなると、そう多くはいません。

わたしも20代くらいの若者と話す機会がときどきありますが、話をしていて疲れることがあります。彼らに伝わるように話をすることも、彼らが伝えたいことを理解するのは簡単ではありません。

ジェネレーションギャップとは少し違います。言い方があまりよくないですが、若い人には深みが足りていません。表面的に物事を捉えてしまうことが多く見られます。

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繰り返しになりますが、すべての若者がそうだと言っているのではなく、そういう傾向があるというだけのことで、わたしが若かったときなどは、今の若者よりもよっぽど軽薄でした。

そして、それが悪いという意味でもありません。刹那的に生きられるのは若者の特権です。

若いうちにあれこれ求めるのは、求める側が悪いのかもしれないと、そんなことを考えています。たぶん、駒澤大学の選手はキプチョゲに出会えたことで、数日は高いテンションで練習を続けるでしょう。

でも会えたことを活かすことができるのは、2〜3人くらいいればいいほうだと思います。

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箱根駅伝はいい選手を集めただけでは勝てない。頭で分かってはいました。実際に駒澤大学の選手を見てみると、足が速いという点を除けば普通の若者でした。

だから、ちょっとしたことでスランプになったりします。頑張りすぎて故障することもあります。

ランニングはメンタルのスポーツですから、気持ちの波はできるだけ小さいほうが良いわけですが、20代前後の若者にそれを求めるのは簡単ではありません。監督がそのメンタルをいかにしてコントロールできるのかを求められるのでしょう。

走ること以外に楽しいことがたくさんありますし、仲間とケンカすることも、恋の1つや2つくらいだってするはずです。

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そういうものをすべて手放せば日本を代表する選手になれたとして、それが本当に幸せなのかというと、必ずしもそうだとは言い切れません。日の丸と学生時代の馬鹿騒ぎした仲間との絆の重さを比較する方法はありません。

大人になって「学生時代もっと勉強しておけばよかった」と思ったことあるかと思います。でも、それはできないことなんです。学生時代なんて、自分に何が足りていないのか把握できていませんから。

もったいないなと思いながら、そういう自分はずいぶんと物分りがよく、つまらない人間になってきたなということに危機感を持っています。ただ、いまさらあの時代に戻れるわけでもありません。

それなら物分りがいい自分を受け入れて、今できることをしっかりやりきるしかありません。

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この日の取材で感じたものを、わたしなりにどうすれば活かせるのかを考えながら行動する。それができる年齢になったことはありがたいことです。

歳を重ねたからできることがあります。

いい年して若者っぽく振る舞うのはみっともないですが、年齢を受け入れたうえで今できることを楽しもうとする人は男女関係なく魅力的。決して強がりではなく加齢していくことにだって希望があると信じています。


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著者:響堂雪乃
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