加齢を受け入れ、いまできることをやり抜く

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髪を切るたびに白髪が目立つようになってきました。わたしは白髪になるのがちょっと嬉しかったりします。順調に歳を重ねて、少し父に近づいているような気がして。

もしかしたら女性には理解しづらい感覚かもしれません。わたしは歳をとることをポジティブに考えています。若さはそれだけで魅力になりますが、経験を積み重ねて作られた美しさには敵いません。

悲しいかな経験を積み重ねて醜くなることもあるのが、少しだけ悩ましいところですが。「生き様は見た目に表れる」これだけははっきりと言えます。

何も清く正しく生きていればいいというものではありません。狡いことをした自分を恥じ、目を腫らすほど泣くような経験をして、自分なんか居なくなってしまえばいいなんて思ったりもする。

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そういう美しくない部分も、人によっては魅力的な顔を作るための糧となります。

わたしが美しいなと感じるのは、自分に正直、そして自分に嘘をつかないように生きている人の顔です。もちろんそれはわたしがそう思い込んでいるだけであって、実際のところどうなのかは知りません。

ただ、この人はまっすぐだなと思う人、信じられると感じた人の顔はみんな間違いなく美しいものです。もちろん、わたしの主観においては、という前置きが入りますが。

若い人の顔には、そういうにじみ出てくるものがありません。人生経験や視野の広さという意味で、一部の特殊な人を除いて、生き様が顔に出ることはなく、言い方は悪いのですが「深み」がありません。

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それが、人生というものなので仕方のないことです。いまの若者だって20年もすれば、顔に生き様が表れます。いまはそのフェーズにないだけで、むしろ表れないことこそ若さの魅力でもあります。

若々しくあろうとする人たちがいます。女性にその傾向が強いかもしれません。でも、男性も老いたくないという人は意外と多いものです。若く見られることを喜ぶ人も珍しくありません。

わたしは若く見られることを、未熟と思われているのだと受け取ります。だから、「若く見える」と言われることにずっと抵抗があり、今では表面的に喜ぶことはあっても、そう見られた自分に落胆します。

もちろん「若い」と言ってくれた人が悪いわけではありません。

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そう見られる自分が、未熟であることに問題があるわけです。いや、わたしが勝手に問題だと思っているだけですが。少なくとも年齢相応な自分ではいたいわけです。

若さというものは、どれだけお金を積んでも取り戻すことはできません。美容整形でもすれば、見た目は若くなるのかもしれませんが、心に刻まれたシワまで伸ばし切ることはできません。

ここまで生きてきた経験は消せませんし、学生時代の自分に戻れるわけでもありません。

でも、やっぱりアンチエイジングは同世代の女性には永遠のテーマなのでしょう。世の男性が若い女性を好きだというのが悪いのかもしれませんが。わたしも、女性に限らず若い人が頑張っているのを見るのが好きです。

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それはもう自分には戻ってこない時間だとわかっていて、ただ眩しくて応援したくなるだけで、そこに自分を重ねたり、その時代に戻りたいとは1ミリも思いません。そして、若さそのものに惹かれることもありません。

人生のいい部分も悪い部分もまるっと全部受け入れて、前を向いている人を見るとハッとさせられますし、単純なわたしは簡単に心を奪われてしまいます。そんな相手は、そう多くはいませんが。

偉そうに書いていますが、そもそもわたしがその域にまったく達していないわけですが。

でも、上手に歳をとっていきたいなと思ってきましたし、これからもそのスタンスはきっと変わりません。顔のシワと心のシワが同じくらいでありたいなと、常々思っています。

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どうやっても歳はとりますし衰えもします。

それに抗うのではなく受け入れる。その上で、いま自分にできることを精一杯やり抜く。そういう人が増えていくと、世の中はほんの少しだけ良くなる。そんな気がします。


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著者:養老孟司・小島慶子
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