物書きには盆暮れ正月もクリスマスもないが喜びはある

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物書きは人が休んでいるときに働くものだと教えてくれたのは伊集院静さん。伊集院静さんも先輩の作家さんからそう学んだとのこと。わたしは作家ではありませんが、物書きに盆暮れ正月などありません。

もちろんクリスマスも。

この仕事を始めたころはそれこそ意気込んで「物書きにクリスマスなどない」なんて言っていましたが、気がつけば4回目のクリスマス。完全に意識から抜けていました。

いや、12月の温かいこと。そしてここまでの半月以上を自宅外で過ごしていたので、仕事をしないと行きてくことすらできないわけです。寝ても覚めても仕事です。

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ようやく物書きらしくなってきたのかもしれません。

こういう生き方は人によっては「大変だな」と思うかもしれませんし、わたしの遊び回っている姿だけ見て「気楽なもんだ」と鼻で笑う人もいると思いますが、基本的にわたしは人の目は気にしないので。

いや、まったく気にしないかというとそうでもなく、外を歩くときに見栄えくらいは気にします。社会の毒にも薬にもならない存在なんだから、外にでかけたときも不快感を与えないようにしたいなと。

不快感を与えないようにしながらもインパクトを残すというのでsousouスタイルにたどり着いたわけですが、生き方も財布も薄っぺらい物書きには予算が合わずに、最近はユニクロさんにずいぶんとお世話になっております。

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伊集院静さんが物書きたるものファストファッションの服など着るべきではないとかどこかで言ってそうですが、まぁわたしは彼の弟子でもありませんし、わたしにはわたしの生き方があります。

美味しいと思うところだけを真似て薄っぺらく生きるのもわたしスタイル。

人生で深く掘るべきところなんか1つあればいいんです。どこを掘っているか、どこまで掘ったのかは誰にも教えませんが。わたしに何かあったときにでも探してください。

人の目を気にしないというのは、楽なものです。そういう意味ではイケメンに生まれなかったことは幸いかもしれません。イケメンは誰も自分のことを見ていないという感覚を知らないまま行き続けるわけです。

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それはもう息苦しいですし、常に見られていることを考えて一挙手一投足に気を配るわけです。

「お前のことなんか誰も見ていないよ」なんて言ってくれる人もいません。だって、美男美女は存在するだけで目で追ってしまうわけですから。芸能人も可愛そうだなとはおもいます。

売れなければ食べていけないけど自由に街を歩けるわけで、売れてしまうと食うには困らないけど自由がなくなるわけです。中山道の路傍で野宿というわけにはいきません。

そういう意味ではわたしもマラソン大会ではやや不自由な思いをすることはありますが、見られていても見られてなくても気を張るタイプではないのは、やはり見られることに慣れていないからなのでしょう。

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先日会った人が初めましてだとおもったら、どうやらわたしを知っているとか。裸足の河童もそこそこ知られる存在になってきたわけです。あれは正直なところあざといやり方なので好きではないのですが、いまさら引くに引けず。

初期設定を間違ったアイドルみたいなものです。こりん星なんてどこにもありやしません。

裸足の河童を知っていると言われるよりも、やはり自分の文章を面白かったと言ってもらえるほうが何倍も嬉しいわけです。評価が欲しくて書いているわけではありませんが、わたしだって喜んでもらえれば心が満たされます。

年に1本くらいしか、ヒット作がないのが問題ですが、才気溢れるタイプではありませんので、年に1回でも身に余るというものです。自分の書いた文章を何万人も読むなんて、イメージすることすらできませんから。

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まぁ売れっ子の作家さんは何十万部も売ったりするわけですから、もはや想像どうこうといったレベルではありません。マラソンで言えば1kmを2分台で走るような人たちです。分をわきまえないと大ケガをします。

わたしは自分の文章力はランニング力と同じくらいでしょう。そこそこ速く走れてもキロ3分台がいいところ。天才たちの領域にはどうやっても届きません。でも、そこにだって居場所はあるわけです。

その居場所だって、安泰なわけではありません。自分が出せる最高の文章を紡ぎ出し続けること。これが物書きが存在し続けられる唯一の条件です。

というわけで、物書きには盆暮れ正月もクリスマスもないわけです。浮世離れをするわけにはいかないので、コンビニでケーキだけ買ってきて昨夜の夕食後にいただきましたが。

メリークリスマス。このブログを読んで、笑顔になってくれる人が1人でもいますように。


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