怠惰がいけないって誰が決めた?

悩まされていた膝の故障から抜け出せたかもしれません。長い距離を走った翌日の違和感もなくなり、順調に距離を重ねられるようになっています。体重が落ちたのも大きいかもしれませんが、やはり睡眠かなと思います。

しつこいくらい睡眠が大事だと言ってきましたが、言うは易し行うは難しというように、実際に自分で睡眠時間を伸ばすのはかなり苦労しました。それだけ働く時間が減るわけですし、時間がもったいないなと思ってしまいます。

でも、実際に睡眠時間を確保するようになってから、明らかに調子がよく、頭の回転も悪くありません。イライラすることも減りました。気持ちに余裕があるのが自分でもよく分かります。

体重は最も重たいときから4kg以上落ちています。体重もケガを回避するためにはとても重要です。単純に体重が軽いほうが膝などの関節にかかる力が小さくなり、ケガのリスクが下がります。

「シューズを履いているからケガをする「裸足で走ればケガをしない」と裸足ランナーたちは言いますが、それは半分事実ですが、半分はこじつけです。「走らなければケガをしない」と言っているのと変わりません。

ランニングでケガをする理由はいくつも考えられます。でも結局のところ「無理をした」というのがすべてです。体が耐えられないだけの負荷をかけてしまったらケガをするわけです。これはランニングに限らずすべてのスポーツに言えます。

人間の体には耐えられる限界があります。それを超えたらケガをする。自然の摂理です。ただし、1回で限界を超えるということはあまりなく、通常は徐々に疲労が溜まっていき、どこかで破綻します。

その疲労を溜まらないようにする。もしくは疲労を抜くのが「寝る」作業です。肉体的疲労の場合は、睡眠の質よりも睡眠の量が重要だとわたしは感じています。とにかく長い時間寝ないことには疲労は抜けません。

脳を休めるなら睡眠の質が重要になります。睡眠時間は短いのにすっきりすることがありますが、あれがまさに睡眠の質なんじゃないかと思います。すっきりはしているけど、体の疲労が抜けたわけではない状態。

もし肉体的疲労が睡眠の量で決まるなら、話はとてもシンプルです。たくさん練習したらたくさん寝ればいいだけです。そしてきちんと疲労を抜いて次の練習にを積み重ねる。

もちろん睡眠の質も重要です。しっかり寝ないと正しい判断ができません。足に負担をかけすぎたかなと思っても、睡眠不足だと「まだ大丈夫」なんて思ってしまいます。もちろんオーバーワークになります。

ケガをしたくないなら休むこと。

RUNNING STREET 365で記事にしたときは、6時間を標準の睡眠時間にするなら、走った時間と同じだけ睡眠時間を増やすという考え方です。1時間走ったら睡眠時間は7時間にします。

根拠はありません。練習の質によっても変わってくると思います。でも経験からすればそれくらいの睡眠時間は必要だという意識は間違いなく必要です。実際にそれに従うかどうかは別として、意識の問題。

そんなに寝れないのなら、練習をしないほうがいいのではないかと考えています。実業団や学生だと話が違いますが、わたしたちのような市民ランナーに限っていえば、「睡眠 > 練習」であるべきかなと。

寝不足というのはかなり深刻な問題だとわたしは考えています。子どもの反抗期なんかも実は、寝不足も影響してるんじゃないかなと思ったり。小学校くらいまではしっかり寝てたのに、中学生になって睡眠時間が短くなる。

そういえば、何かとイライラしているように見える隣国の住民は、日本よりも平均睡眠時間が短いのだとか。あちらはかなりの競争社会だと聞いているので、寝ることよりも働くこと、勉強することを優先するのかもしれません。

日本人もイライラしている人が増えているような気がします。ちょっとしたことで怒ったり、モノに当たったり。

他の人がどうなのかは別にどうでもいいことですが、わたしはできるだけ人に優しくありたいなと思うので、もし睡眠不足がイライラに繋がるなら、それだけでちゃんと眠ろうとは思います。

それだけ人生の活動時間は短くなりますが、イライラしながら時間を過ごす2時間と、気持ちに余裕のある1時間ならどう考えても、選ぶべきは後者です。

たくさん寝ることを怠惰だと考える人もいるでしょう。でも、その考え方がもうすでに睡眠不足なんじゃないかと思います。怠惰がいけないことって誰が決めたのでしょう。怠けたってダラダラしたっていいじゃないですか。

わたしはよく遊びよく働け派ですが、がむしゃらに働くためにも、自分を緩める時間が必要だと思っています。いい仕事をしたければ休む。矛盾しているようですが、マラソンも仕事も同じです。

人生に目的意識を持つなんて、賢い人に任せておけばいい。凡人はその日暮らしで毎日を全力で楽しめばいいんです。なんて言ったら怒られそうですが、怒られても気にせずマイペースにいきましょう。


怠ける権利 (平凡社ライブラリー)
著者:ポール ラファルグ
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