the pillows 結成30周年記念映画『王様になれ』の感想

今月の映画の日もあつぎのえいがかんkikiに行ってきました。最近映画の日でも1,100円する映画館が増えましたが、あつぎのえいがかんkikiは1,000円で観ることができます。たった100円の差ですが。

候補に上がった映画は「愛がなんだ」と「王様になれ」の2本。最初は「愛がなんだ」を観ようと思ったのですが、愛よりも今の自分に必要そうな映画ということで「王様になれ」を選択しました。

「王様になれ」はthe pillows 結成30周年記念映画なのですが、わたしはthe pillowsについてほとんど何も知りません。でも、予告編を見て「これだ」と感じるものがありました。

ストーリーを簡単に説明すると、カメラマンを目指して苦悩する青年が、the pillowsに支えられて生きてきた女性と出会い、そこからthe pillowsの魅力にはまり、それとリンクしてカメラマンとして成長していく過程が描かれています。

結成記念の映画ですとドキュメンタリーになりがちなのですが、これはドキュメンタリーではありません。きちんとしたストーリーのある映画で、the pillowsがどんなバンドだったのかを、後世に伝えることを目的に作られました。

ストーリーはとても平凡です。でも、ものすごいメッセージ性があります。感動すると言うか、何度も左の胸の奥が震えました。こころのものすごいところを抉られる感覚。

30年もバンドを続けてくると、当然いろんなことがあるわけです。39枚のシングルに対してオリコン最高順位は7位。決して華々しい活躍をしているわけではありませんが、多くのアーティストに影響を与えバンド。

なぜ30年も続けてこられたのかの答えが、この映画に込められているように感じました。まだ上映中ですので、ネタバレにならないように書くのは難しいのですが、主人公の祐介が学んでいくことが、the pillowsそのものなのでしょう。

どういうスタンスで音楽と向き合い、そしてthe pillowsらしさを出してきたのか。流行り廃りのある音楽の世界で、オンリーワンを貫くことができる理由が、映画の中に散りばめられています。

それはミュージシャンやカメラマンといった特定の働き方に限ったことではなく、自分の夢を持っているすべての人に刺さります。

映画を観終えてから、ずっとthe pillowsの曲を聞いています。30年分の曲が多すぎて聴ききるのが無理な気もしますが、Prime MusicとSpotfyを駆使して、ランニング中や仕事中に。

まだ曲から何かを感じられたわけではありませんが、なぜでしょうあれだけ聴いていた乃木坂46の曲がどうでもよくなりました。歌詞をきちんと聞き取れているわけではないのですが、とても心地良いんです。

そして映画を観たことで、背筋がピンとします。プロとして生きるというのがどういうことなのかを映画を通じて学ぶことができ、その結果として、自分の中の甘えがずいぶんと薄れたような状態にあります。

わたしは基本的に影響を受けやすいタイプです。だから、映画を観るときのチョイスをかなり慎重に行います。でも「王様になれ」を選んだのは間違いでなかったようです。

映画の中で、「もしかしたら必然かも、ピロウズに出会ったの」というフレーズがありますが、きっと「王様になれ」とわたしが出会ったのは、必然だったのでしょう。今の自分に本当に必要なものが詰まってたわけですから。

わたしの中でパズルが組み上がっていく感覚があります。ブログで詳しくは書いていませんが、今のわたしはそれこそ崖っぷちにあります。きっとthe pillowsも何度も崖っぷちに立たされたのでしょう。

でも、その崖っぷちで自分を曲げない。自分を捨てないことが本物への唯一のみちなのだとこの「王様になれ」は教えてくれます。いやthe pillowsは音楽を通じてそれを30年も語り続けてきたのでしょう。

その音楽に支えられた人が大勢いるわけです。誰もが知っている存在ではないけれども、それでも存在することで誰かの支えになれる。そのために必要なのは、誰かが決めた正解をなぞるのではなく、自分自身が王様になるということ。

わたしは王様というキャラクターではありませんが、孤高の王というのも面白いかもしれません。王様にだっていろいろなタイプがありますから。ただ、偽物にはなってはいけない。それだけは真実です。

昨日まで
選ばれなかった
僕らでも、
明日を待っている

10年後にもう1度観直したい映画でした。

まだまだ上映中の映画ですので、予告編を見て「これだ」と思ったら、ぜひ映画館まで足を運んでください。

映画「王様になれ」Official Website
https://ousamaninare.com