結婚できない男、結婚したくない女

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村上龍さんのエッセイに「結婚できない男、結婚したくない女」という言葉が出てきて、あぁなるほどな、と妙に納得してしまいました。

年収400万円では子どもに十分な教育を与えられないから、現状を正しく把握している男性は、結婚しても子どもを育てるということを諦めるしかなくなります。何も考えていない人と裕福な人たちだけが、子育てに不安を感じないから結婚します。

女性は女性で結婚して子どもを産むことで、現在の職場での地位や立場を手放すことになります。年収が男性と同じく400万円あっても、結婚して子育てを終えて社会復帰すると年収が200万円になり、やりがいのある仕事にもつけなくなります。

だから男性は結婚はしたくでもできない。女性にとっては結婚はしたくない。そういう状況にあるという文脈でそのエッセイは書かれていました。

わたしの周りにはとても魅力的で仕事もできる未婚の女性が何人もいます。みんながみんなとは言いませんが「結婚したい」と口にはしながらも、婚活をするわけでもなくむしろ仕事や自分のやりたいことに情熱を注いでいるように見えます。

たぶん彼女たちは「結婚したいけど生活を大きく変えるのは嫌」なのかもしれません。本人たちに聞いたわけではないので、あくまでも想像です。

反対に男性は子育てのことまで考えている人は少なく、単純に「いまの生活を変えたくないから結婚は嫌」という人が多いように感じます。両者は似ているようですが似て非なるものです。

いずれにしても、日本はいま結婚をしにくい状況にあります。50代でも年収が400万円台というのが珍しくないため、これからの生き方としては「夫婦共働き」がスタンダードになるしかありませんが、世の中のインフラが整っていません。

そして何よりも夫婦共働きのモデルがいません。

日本人は真似るのは得意ですが、自分たちで生み出すことは苦手です。男が外で仕事をして、女が家を守るというスタイルがこれまでの日本のスタンダードだったため、いきなり「これからは共働きの時代ね」と言われてもどうしていいかわからない。

それでも共働きするしかないので見切り発車で出発するものの、どこを目指していいのか分からずに行き詰まる。

かといって、給料が右肩上がりで増えなくなった時代では男が仕事に出て、女が家を守るというスタイルには戻れません。少子化を食い止めるには結婚をできる環境が必要で、結婚するには夫婦共働きができる環境とそのモデルを示す必要があります。

国やメディアは晩婚化などと言って濁していますが、実際に進んでいるのは未婚化です。なぜ結婚しないのか、結婚できないのかの議論から国やメディアが逃げているうちは未婚化も少子化も歯止めなく進んでいくのでしょう。

わたし?あまり気にしないでください。

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