世界に革命を起こすのではなく自分の中に革命を起こし続ける

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子治世之能臣亂世之奸雄

何のことか分かる人はよほどの博識なのか、それとも三国志バカか。乱世の奸雄という言葉にかっこよさを感じたのは小学生のころ。

横山三国志の劉備玄徳をこよなく愛する少年は、そのライバルとなる曹操孟徳の底知れない魅力にも引きこまれていきました。

わたしは何かを成し遂げようとする人、そこに向かってまっすぐに愚直にまっすぐに進む人が好きで、それこそ世界を変えてやろうという野望を持った人にワクワクしてきました。

清朝末期の辛亥革命とそれを支援した日本人たち。その後も孫文とともに生きた日本人たちの話を本で読むたびについつい手に力が入ってしまいます。

明治維新の何かを成し遂げようと時代を駆け抜けた人たちの熱い想いに心が動かされます。

それもこれも、すべて自分にないものだからだと自覚しています。

わたしは冷めたところのある人間で、心から熱くなるようなことはまずありません。何かに立ち向かっていくようなこともしませんし、争いがあるとすぐに身を隠すタイプ。

人を殴ったあとの手の痛みと心の痛み、人を論破したあとのあの気持ち悪さ。

40歳になってあんな思いをするくらいなら、殴られる側にいたいし、論破される愚か者でありたい。

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もちろん若いころはいろいろありましたよ。

男子家を出れば七人の敵あり。完全に孤立するようなこともありましたし、孤立して当然のようなこともしました。いま思えばとんでもないメンタルな気がしますが、まぁそれも含め若気の至り。

今朝のブログにも書きましたが、もう争いとかそういうのいいんです。勝っても負けても気持ち悪い。それぞれが自分の正義を貫いてぶつかり合う。そこから何かが生まれるならぶつかるのもありですけどね。

現実はそこに生まれるのはしこりだけ。

ちなみに三国志が好きだったのにレッドクリフを見て、戦闘シーンで次々に人が死んていくシーンをみて、恐ろしくなってしまって前編までしか見れていません。

人が死ぬシーンというのはとにかく嫌いで、わたしは小説好きですがミステリー小説はほとんど読みません。名探偵コナンや金田一少年の事件簿ですらアウトです。

ただ北方謙三さんの小説のような死に様は好きなんですよね。人が人として死ぬのは受け入れられるので、人が道具のように死んでいくシーンが苦手なだけかもしれません。

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是故百戦百勝
非善之善者也
不戦而屈人之兵
善之善者也

なんか漢文続きですが、これは孫子の兵法の中の一文。これを知ったのは中学3年のときだったように記憶しています。テレビは時代劇ばっかり見てたような記憶が蘇ってきましたが、それは思い出さなかったことに・・・

百戦百勝することが最善ではなく、戦わず勝つことが最善

これをどう解釈するかはいろいろありますが、この「戦わず勝つ」というのは決して屈服させるとは違うと思っています。それぞれにとっての最良の解決方法をさぐりながら、自分の目標を達成すること。

ホリエモンこと堀江貴文さんが、世の名前を売ったときのこと覚えていますか?彼は1円も使わずに自分の名前を日本中に知らしめることに成功しました。

「近鉄バファローズを買収する」その一言だけで彼はライブドアと堀江貴文の名前を日本中に広めました。

敵は作りましたし、やり方の賛否はあれど、彼は戦わずに勝ちました。あの騒動のおかげというわけではありませんが、あの一連の流れから楽天が新チームを作り、パ・リーグに新時代がやってきました。

そういう意味では堀江貴文さんもまた乱世の奸雄。会ったこともないですし、彼の本もほとんど読んだことがないので好きも嫌いもありませんが、彼のやり方は正直天才とはこういうことなのかと感心させられました。

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そして非凡なる才能を持たいないわたしが、戦わず勝つことは無理なのだと気付かされました。あれは天才が考えだした天才のための策です。

だったら戦わないし、勝つことも放棄する。命よりも大切なものを守るため以外にもう拳は握らない。

戦うこと、争うことが好きな人たちの戦いをただの傍観者として眺めているだけ。

人間には限られた時間しか与えられていません。その時間を争いに費やし、それでも成し遂げたい何かを持っている人たちを羨ましく思います。

世界を変えるのだと言い切れる人たちの強さに憧れもします。

「戦わず、勝ちもしないし負けもしない」これがわたしの進むべき道。乱世の奸雄にはなれないし、遠くから眺めているくらいがちょうどいい。

人を言いくるめるために口を開くよりも、人を笑顔にするために口を開きたい。

きれいごとでしかないかもしれないし、バカにする人もいるだろうけどそれはそれで構わない。世界に革命を起こすのではなく自分の中に革命を起こし続ける。わたしがすることはただそれだけ。

三国志 (1の巻) / 北方謙三
出版社:角川春樹事務所
発売日:2001年6月
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