漁港まで行かなくても新鮮な鯵を食べられるお店『菜こんたん』小田原

漁港まで行かなくても新鮮な鯵を食べられるお店『菜こんたん』小田原

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小田原に行くと昼ごはんはどうしても早川港に行きたくなる。そしていつの間にか「小田原といえば早川港」という図式が成立し、小田原駅周辺でごはんを食べるという発想がなくなっていた。小田原駅近くで美味しいものがあるということすら考えもしなかった。ただ、今日を境に考えを改めなくてはなるまい。そもそも早川港と小田原駅は目と鼻の先。魚の鮮度に差があるワケがない。というわけで友だちと小田原駅で待ち合わせて鯵が美味しいと評判の『菜こんたん』に行ってきました。

時間は土曜日の12時ちょっと過ぎ、見事にランチタイムまっただ中です。人気店なので行列でもできているかなと思ったら、そうでもなくあっさり1階のカウンターに通されました。でも「2階に11名入ったばかりなので、作るのに時間かかるよ〜」とシェフのおっちゃんからの申告あり。待つのは嫌いだけど、座って待つのは嫌いじゃないので全然OK。とはいえ、目の前で料理が仕上がっているのを眺めているだけなのはなんなので、まずは鯵の刺身と板わさを日本酒でいただくことに。

それならばとおっちゃんはささっと作ってくれました。言わなくともこっちの意図を汲んでくれる。そういう言葉のない会話好き。

お店は和風でありながら洋風な雰囲気もただよいます。ここは洋食屋さんですと言われても不思議ではない感じ。料理をつくるのは板前さんというよりはまさにシェフです。かなり居心地いいかんじです。こういうお店が都内にあるとみょうに力が入ってて肩の力を抜いて楽しめなかったりするけど、『菜こんたん』の雰囲気は大好物だなぁ。初めて来たのに、すっと入っていける感じがおいらとの相性の良さを予感させてくれます。

注文したお酒は『隆』の若水と山田錦。『隆』ってこんなに美味しかったっけ?と思えるほど美味しい。温度管理が絶妙なんだろうね。久しぶりに日本酒を「美味しい」と言いながら飲みました。

板わさは外れるわけがありません。なんせここは小田原ですから。鈴廣のかまぼこにわさび漬け。どうやっても美味しいわけです。でも、この味は自分の家では出せません。なぜなだろう。切る厚みが違うからかな。それとも普段おいらが買うようなかまぼことはちょっと違うレベルの高いかまぼこだからなのか。

次は鯵のお刺身。ここらへんの写真を撮っていなかったのが悔やまれる。日本酒の旨さで一気に酔ってしまったのかもしれない。鯵の旬は春から初夏なので旬からはずれていますが、いやいやこれも美味しい。本当に久しぶりに美味しい鯵の刺身をいただきました。比べるのもなんだけど、スーパーの鯵の刺身で喜んでいたおいらはなんだったのだろう。プロが作るお刺身はやっぱり違うよ。

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そしていよいよ、メインの小田原丼(鯵のサクサク丼)の出番です。インパクト大(笑)鯵のフリッターが乗っているのですが、フリッターというよりは天ぷらかな。いやでもあのふわふわ感はやっぱりフリッターか。でもそんなことはどうでもいい。これまた美味しいではないですか。『菜こんたん』の名物になっているのがわかります。骨せんべいも鯵がしっかりしてて香ばしくて美味しいじゃないですか。

すべてにおいて感じるのは「適切」ということでしょうか。板わさの厚み、鯵のお刺身の切り方。鯵のサクサク丼の味付けの絶妙さ。あたり前に作っているように見えるので見逃してしまいがちですが、あたり前をあたり前にやることが一番難しい。でもあたり前があたり前にあると安心感につながるわけです。

最後にあしがら金太郎牛乳で作ったプリンを頼もうとしたら品切れでした。シェフのおっちゃんが「全部売れちゃったから急いで作ってるんだよ〜」って楽しそうに作ってました。そして「これが美味しいんだよ〜」とも。自分で作ったものを嫌味なく「美味しいんだよ〜」と言える料理人は信用すべき料理人です。今度はプリンも食べ逃がさないようにせねば。

小田原に行ったらぜひ寄りたいお店が出来ました。

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