大きなお世話と言われようとも目の前の困った人を助けたい

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もうほとんどの人の記憶から消え去っているかもしれませんが、昨日で熊本地震からちょうど1年が経過しました。あの日の自分の無力さをわたしは一生忘れないでしょうし、いま頑張れている原動力のひとつになっています。

震災から1年も経過していない段階での熊本城マラソンの開催。そこでわたしが目にしたのは、重く沈んでしまっている熊本の空気と、それを拭い去ろうとするかのような沿道からの熱い声援でした。

ランナーと沿道との一体感という意味では熊本城マラソンはおそらく日本一です。東京マラソンもNAHAマラソンも沿道の声援は多いのですが、一体感とはまた違います。

熊本の空気が沈んでいるように感じるのは、やはり浮かれている場合ではないという想いと、誰かしら親しい人が被災している、もしくは親しい人がその友人や家族をなくしているということにあるのでしょう。

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その重さは時間だけが解決してくれるものであり、1年やそこらで解決するものではありません。それは熊本城の修復と同じで、長い時間をかけて修復していく必要があります。

ちなみに熊本城の天守閣は2019年までの修復を目指し、完全修復は20年後ということです。

その頃には、熊本の外でクラス多くの人の中から、熊本の震災の記憶は消えてしまいそうです。ただし20年もの間、熊本城マラソンが開催され続ければ、熊本を訪れた人が震災について触れることができます。

マラソンだけではありません。美味しい馬肉を食べに行くのでもよし、天草まで足を伸ばすもよし。最近はLCCのおかげで熊本にも格安でさっと行くことができます。年に1度くらいは熊本を訪れてもらいたいところです。

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別に特別な復興支援なんてする必要はありません。いや、できるならしたほうがいいと思います。それよりも、継続的に熊本を訪れること、熊本にハマっていくことのほうが熊本の将来に繋がります。

それは東北も同じことです。福島からの自主避難者への援助が打ち切られることで問題になりましたが、復興はまだ終わっているわけではなく、まだスタートラインから少し歩み始めたくらいです。

なにも震災だけが支援すべき対象ではありません。遠くで困っている友だちがいるなら、すぐにでも駆けつけて相談にのることもできますし、道に迷っている外国人がいたら道案内してあげることもできます。

わたしたちがいま行うべきことはそういう、自分なりにできる人の役に立つことをすることなんじゃないかと思います。日本人は親切だと言われていた今は昔。できるだけお互いに関わらないように自分のエリアを守る人が増えています。

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困ったことに、そういう人ほど自分に何かあったときは「周りで誰も助けてくれない」と言います。

あたり前ですよね。自分は困っている人を見ても見て見ぬふりをするのに、自分が困ったときだけ助けてもらおうと思っても、誰も近づいてきません。

情けは人のためならず。いろいろな解釈がある言葉ですが、わたしは人への情けは自分への情けになって帰ってくると考えています。いや、もっといえば自分への情けにならなくても、困っていれば助ければいいんです。

助けられた人はきっとどこかで、困っている人を見たら助けようとします。そしたらそこで助けられた人も同じようにしていきます。黙っていても世の中はいい方向に流れます。

情けは人のためでも自分のためでもなく、世界がほんの少しでもよくなるために必要です。

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小さな親切大きなお世話という言葉もあります。正直なところまさにその通りだなとは思います。だから小さな親切をするなと言いたいのではなく、自分の親切は迷惑をかけるかもしれないけどせずにはいられない。その気持が大事だとわたしは思います。

間違っても助けてあげた、手伝ってあげたなんておこがましいことは考えないことです。だって大きなお世話になっているかもしれないのですから。それでも居ても立ってもいられないから手を差し伸べたそれだけのこと。

そうやって本当に救われるのは、手を差し伸べられた人ではなく、手を差し伸べた自分です。

偽善だと言われようと、周りからどのように見られようが関係ありません。困っている人がいたら自分のできる範囲で助ける。そういう自分の正義をそれぞれが持っているとこの国は何があってもきっと大丈夫です。

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こういうことはいちいち言葉にするようなことではないのですが、最近そういうことを教えてくれるおせっかいな人が少なくなってきたので、めんどくさいと思われようとわたしがやらなくてはいけないかなと考えています。

こうやって情報発信をし、それを読んでくれる人がいるわけです。読んでくれる人の中でたった1人でも、共感してくれる人がいれば、わたしとしてはそれで十分です。

とりあえず、熊本を中心とした大きな地震があったのが、まだ1年前だということを思い出してください。そして自分ができることをしてみましょう。別に熊本に対してでなくてもかまいません。そうですね、コンビニでお釣りの1円玉を募金するくらいのことで十分です。

その気持がこの国をもっといいものにしてくれます。


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著者:パオロ・マッツァリーノ
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