分をわきまえる:身の程にあった生き方ができればイライラしなくなる

理由は分かりませんが、最近文章を書くのが明らかに遅くなっています。理由があって遅くなったことはこれまでもありましたが、今回はまったく心当たりがありません。その代わりと言っては何ですが、自分なりによくできた文章になっていると感じることが増えました。

これまではブログを書いたあとに手直しをすることなんてほとんどしてきませんでしたが、最近はちょっとだけ手を入れています。ただ、自分の満足できる文章を書けたからといって文字単価が上がるわけではありませんし、ブログを多くの人に読んでもらえるわけではありません。

ブログ記事が読まれるかどうかはタイトルでほぼ決まります。中身がどうなっているかなんてクリックしてみないと分かりませんので、クッリクしたくなるタイトルを付けた人が有利になるわけです。文章の質よりもコピーライティングの技術が問われます。

ただタイトルだけ良くても読者は定着しません。最終的にはいい文章がそこにあるというのが重要です。ただ、いい文章があれば、たくさんの人に読んでもらえるわけではないという難しさ。きちんと読みたくなるようなタイトルを付けて、中身もともなっているというのが私の理想です。


昨日は石田ゆり子さんのインスタグラム炎上について書きましたが、アクセスを集めるにはわざと炎上させるというスタイルもあります。刺激的な言葉で反発を生み出して注目される炎上商法というやつです。ビジネスという意味ではそういう手法も重要なのかもしれませんが、私はビジネスの世界からはみ出してしまった人間。

お金は必要ですが、月に数回くらい仲間とお酒を飲むくらいあれば十分です。高級車を乗り回したいとは思いませんし、飛行機でビジネスクラスに乗りたいなんてことも思いません。欲がないということはないと思うのですが、ビジネスとして何かをしようという想いはかなり希薄なほうだと思います。

「こうすれば稼げるよ」と言われても「だから?」と素っ気なく応えてしまいます。多少の欲はありますが、欲が満たされなくても困らないことをどこかの段階で気づきました。新しいiPhoneを欲しいとは思いますが、買わなくてもなんとかなることを知っています。


私という人間の器はそれほど大きくないため、いつも満たされています。むしろいつも何かが溢れています。これに関しては幸運だなと思います。私の器が大きければ、いつも「まだ足りない」状態になるわけです。今の日本を動かしているのは、いつも「まだ足りない」と思っている人たちで、彼ら(彼女ら)はいつも乾いています。

いつも新しいことを吸収し、貪欲にチャレンジをして道を切り開いていきます。格好いいなとは思いますが、人には相応な分というものがあります。「分をわきまえる」という言葉があります。いまこの国に足りないのは、この言葉ではないかと思います。

インターネットが普及しSNSが広まったことで、この国では上下の関係というものが希薄になりました。組織内の意味のない上下関係が薄れることは別に構わないのですが、人間関係がフラットになりすぎて、選ばれた人間と自分が同じだという感覚があまりにも広まりすぎています。


選ばれた人間という表現をするとアレルギー反応を示す人がいるかもしれませんが、私たち人間は明らかに平等ではありません。何をやらせてもうまくできる人もいれば、どれだけ努力をしても成果を出せない人がいます。フラットな関係が当たり前になった結果、才能の差から目を背けようとする人が増えています。

もっと言えば自分はまだ結果が出ていないけど、選ばれる側の人間だと思いこんでいる人があちこちで目につきます。自分が選ばれる側の人間だと信じるのは自由ですが、「自分は特別だ」と思うから現状に不満を感じ、いつも苛立っているように見えます。

自分が特別じゃないことを受け入れて分をわきまえれば、そこに不満を感じることはありません。大抵のことは「まぁいいか」で済んでしまいます。今のワイドショーで流れているニュースなんかは「どうでもいい」と思うようになります。


1日は24時間しかなく、人生には限りがあります。

無理に背伸びをしてつまらないことで立ち止まったりイライラしたりするくらいなら、自分に無理のない範囲で生きていく。そういう考え方もありではないかと思います。成長することが素晴らしいことだと思い込んでいる人たちは、まったく理解できないとは思いますが。

成長して、今までできなかったことができるようになって、じゃあ次にどこに向かいます?また成長して、また成長して、また成長して…さてそれはどこで終わるのでしょう。「人間は死ぬまで成長する」と言った人がいました。それはそれで素敵な生き方ですが、行雲流水という生き方も悪くないものです。

成長ではなく変化し続ける生き方。社会で成功するだけが人生じゃありませんから。

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