自分の強い部分をとことん追求していく

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どうやっても越えられない壁というものがあります。どれだけ努力してもわたしが東大に入学できることはありませんし、フルマラソンを2時間10分以内に走るというのも無理です。

人にはそれぞれ適正があり、適正がない分野で才能のある人たちと争っても勝てることはありません。

だから諦めが肝心なんてことを言うつもりはなく、ただ才能の有無というのは決して軽視できるものではなく、どうやってもできないことがあるというのは認識すべきことです。

やっても勝てないからやらない。これはひとつの考え方です。わたしも負けると分かっているケンカをすることはありません。無謀な挑戦だって基本的にはしません。

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じゃあ挑戦しないかというとそうでもありません。むしろ難しいかなと思うようなことでも、頭の中でうまくイメージができたことには積極的に挑戦するようにしています。

ただ、やはりできることとできないことがあります。頑張れば何だってできるのであれば、世界中の野球好きがメジャーリーガーになれるということになります。

もちろんそんな訳はありません。プロ野球選手でも全員が160km/hの速球を投げられるわけではありません。それぞれに適正や個性があり、その個性を活かしてその地位を確立しているわけです。

自分に適していないことを延々とやり続ける。これはとても悩ましい問題です。わたしは何事も結果よりも過程を大事にするタイプです。だから、適していようが適していまいが自分で納得できるなら、それでいいとは思います。

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問題はそこで「なんで自分は周りよりもできないのだろう」と思ってしまうことです。

断言しますがそんなことに意味はありません。他の人と比べて自分が劣るかどうかなんて考えても何ひとつプラスになることはありません。自分よりも能力の優れた人に対して憧れるのは自由ですが、その人になれるわけではありません。

目標とするのも自由ですが、正直なところ自分の可能性を潰してしまうだけなんじゃないかと思います。

自分の特性が分からずに、どこに向かって努力をしていいのかまったく分からないのであれば、憧れの誰かを目標にするのもいいのでしょうが、そういう人で才能を伸ばしたという人をわたしは1人も知りません。

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この人はすごいなと思う人のほとんどが、もがき苦しみながら自分の特性を掴んで、その特性にすべての力を注ぎ込んで1点突破しています。

弱点をなくすことに注力している人もいるようですが、それをしても無味無臭の人間ができあがるだけです。苦手なものがあって得意なものがある。そこにキラリと光る個性が出てきます。

できないものは「できない」と言ってもいいんじゃないかなと、わたしは思います。

もちろんやらなくてはいけない最低限のことはできるようになっておくべきですが、人生において絶対にできなくてはいけないことなんてそう多くはありません。

何か別のもので代用が効いたり、他の誰かにお願いできることばかりですから。

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それよりも、自分の強い部分をとことん追求していくこと。誰かのモノマネではなく自分だけの強みを伸ばす。そのためには、やはり自分が何に適しているのかを知らなくてはいけません。

そして、何ができるのか何ができないのかを知るためには、やっぱり試してみる必要があるわけです。そして試すときには全力で取り組むこと。中途半端な気持ちで取り組んで結果が出るような世界はどこにもありません。

結局のところ、自分がやると決めたことに全力で向き合うしかないんです。そのうえで「これは違うかな」と思ったら、すぐに方向転換すればいい。もしかしたら可能性があるかもと感じたり、単純に楽しさを感じたなら続ければいいんです。

楽しめるというのも立派な特性のひとつですから。

わたしにとってのランニングがまさにそれに当たります。どうやってもわたしは3時間を切れるかどうかというレベルからは抜け出せません。オリンピックに出られるわけでもありません。ただ楽しめるから続けています。

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才能がないことは知っているので、誰かと競うようなことはしませんし、1分1秒を削るような走りはもうやめましたが、それも自分の個性を把握したことによる判断です。

きっとわたしはサブ3を達成できてもそれほど喜ぶことはありません。五街道を制覇したことですら記憶からほとんど消えているくらいですから。過去に固執しないというのがわたしの特性でもあります。

固執しないから記録なんてどうもでいいわけです。いま自分が楽しめているか、ベストを尽くせているかがわたしにとってのすべてです。過去の自分ですらライバルではありません。

わたしはいまこの瞬間だけを走り、いまこの瞬間だけを生きています。だから大事なのはタイムではなく、自分の弱さに負けないこと。重松貴志という人間の根っこにある強い部分はそのスタンスにあると信じています。


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著者:カル・ニューポート
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