諦めてもいい。ただ潔く

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雪が降る中でのマラソン大会。ランナーはなんであんな環境で走ってしまうのでしょう。わたしも人のことは言えませんが、寒さに耐えながら走ってもケガをリスクが高くなるだけなのに。

日本人は耐えるのが好きです。ただ、耐えて頑張ることに重きを置いて、その結果よりも耐えたことを褒めることすらあります。本当に大事なことは、耐えて何を得たかということです。

わたしはマラソン大会の途中で、まだ行けるのにと思うようなタイミングで身を引ける人をカッコいいなと思います。自分では絶対にできない判断であり賢い選択だからです。

賢いのは分かっているけど、倒れるまでは頑張りたいというのがわたしのスタンスです。

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でも最近は、少しずつ考え方が変わってきました。目先のことに全力を尽くすのではなく、もっと先を見れるようになってきたような気がします。気のせいかもしれませんが。

例えば、一昨日のTAMAハーフマラソン。1時間36分というタイムでしたが、さらに10km走れと言われたら、無理なく走れるくらいの余力を残してゴールしました(実際に言われたら寒いので拒否しましたが)。

このレースにエントリーしたのは、そもそも愛媛マラソンの調整と自分の現状を確認するためでした。だから、自己ベスト更新を狙うわけでもなく、仮に調子が良くても1時間30分以上はかけて走るつもりでした。

1年前の千葉マリンマラソンは、愛媛マラソンの調整レースなのに1時間30分以内の完走を目指しました。愛媛マラソンの目標タイムが3時間30分だったにも関わらず。

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少し前まで、わたしは点でしか物事を考えられませんでした。何をするにしてもピンポイントです。それはそれでわたしの強みではありました。でもそれだと目先のことしかできません。

少しだけ線で物事を考えられるようになって、刹那的な走りをすることは減ってきました。将棋では何手も先を読むのがあたり前らしいですが、何手先も読むことはできなくても、少し先のことまで考えて行動できるようになってきました。

今回でいえば愛媛マラソンが直近の目標ですが、それに対していま何をすべきかを考えられますし、その先の南横ウルトラマラソンにどうつなげていくかも考えています。

いつからそうなったのかは分かりません。1年前の段階ではそうではなかったわけで、2018年のマラソンシーズンが終わってからくらいでしょうか。

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2018年の4月にハルカススカイランに向けて体を作りあげることから初めて、意味のない練習(意味なく走る練習)は1つもしてきませんでした。もしかしたらそれが何らかの影響を与えた可能性はあります。

目標を定めて、そこに向けて全力を尽くす。途中で結果が出ないことに焦らないこと。いまやるべきことを地道に重ねていくこと。

結果的にはハルカススカイランではいい走りができませんでした。ただ、ロードレースで結果が出て、努力は報われるということを体感したことが大きいような気もします。

これがランニング以外にもいい影響を与えるのではないかと少し期待しています。

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わたしはこう見えてかなり気分屋です。いい仕事ができるときとそうでないときの差がかなりあります。そしてライティングという意味では、目先の仕事ばかりをこなしています。

物書きの仕事も点ではなく線で考えられるようになると、ひとつの壁を超えていけるはずです。

こういう考え方を20代で理解できていればとは思いますが、それができないからこそ今の自分があるわけです。20代から小さくまとまっていても人としての魅力は出ません(今のわたしに魅力があるかどうかは別として)。

でも、きちんと未来の着地点を決めて、そこに向けて今やるべきことを逆算して考え実行する。そういうことを若いうちからできる人が成功者になるのでしょうね。

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40代にしてようやく気づけたわたしは、これから大成することもないのでしょう。何事も遅きに失するということはありませんが、さすがにここからプロサッカー選手も目指せませんし、ベンチャー企業を起こす気にもなりません。

それが器というものです。

点ではなく線で考えられるようになると、自分の器というのも見えてきます。大きくもなく平凡に見える形であっても、自分だけの器。見えてくると器に入らないものを追いかけることもなくなります。

これまでは自分の器の形も分からずに、あれも欲しいこれも欲しいとなっていました。そして、手にすることができない現実を受け入れることができずに未練がましく。でも、そこから一歩抜け出せた気がします。

諦めてもいい。ただ潔く。


諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉
著者:為末 大
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