あるアイドルグループのメンバーが「輝いている他の人のことを羨ましいとか思わず、それはその人だからできることだと認められるようになったら、目の前に道がひらけた」というニュアンスのことを言っていました。
若いのにすごいなと思いながら、この視点を持つのはやっぱり簡単なことではないだなとも感じています。
誰かと比べないこと。わたしは小さな頃から、この部分だけはかなり厳しくしつけられました。他の人がどうなのかは関係なく、自分がどうしたいのかを、自分の言葉で語ることを求められました。
その結果、他人に対する関心が見事に欠落したわけですが、これは自分の個性だと考えています。
わたしは好きなミュージシャンや俳優さん、スポーツ選手というのはいても、その人を応援するということはありません。その感覚が分からないんです。良いとか悪いとかではなく、どうすれば応援するという気持ちになれるのかが分からない。
目標があって、そこに向かって頑張ってて、結果が出たらすごいとは思います。結果が出なくても全力を尽くした姿には心を動かされます。でも、その過程を応援するという感覚がすっぽり抜け落ちています。
目標に向かって頑張るというのは、完全に個人の中でクローズすることだと思っています。誰かが何かを言うことではありませんし、誰かの言動に左右されるものでもないと。
自分が好きなものがあり、それに向き合うというのは個人的なものです。
だから、誰かが頑張っていても「おっ、やってるな」くらいにしか感じません。サボっていても、別にそれはその人の道ですから気にもなりません。努力をせずに「才能ある人はいいな」と愚痴っている人を見るのは好きではありませんが。
誰かと比べることに何の意味もありません。
誰かに憧れて、それを真似てみるというのは悪くありません。20代までなら。 10代や20代で自分の個性に気づいて、そこに注力できる人なんてほんのひと握りです。
若いうちはみんな、自分が分からなくてもがき苦しみます。でも、そこから逃げなかった人は、ちゃんと自分を見つけています。自分で自分の居場所を見つけ出し、誰かを見て「いいな」なんて思わずに、自分の道を進んでいます。
ここで逃げた人が多いんだろうなと思います。逃げたというと表現がよくないですね。考えることを諦めたとでもいいましょうか。「人はなぜ生きるのか」考えたことありますよね？その答えは出たでしょうか。
「答えなんてない」「考えるだけ無駄」そう決めつけて、考えるのをやめた。
まぁそれが普通です。考えるのを止めて、周りに流されて生きるほうが楽ですから。人生では受験やら恋愛やら仕事やらやらなきゃいけないことがたくさんあって、人生の意味とか自分らしさとか考えないほうが生きやすい。
誰かが提供してくれるコンテンツを消費しているだけのほうが気楽じゃないですか。
でも、心のどこかで自分が特別であることを願っている。これがよろしくない。自分は自分であればよくて、特別である必要もありません。自分が好きなものに熱中して、自分の好きなように生きる。
少しだけ周りの人に迷惑をかけないように気をつけながら。
ここで、周りの人のことを考えすぎたり、周りの目を気にしないことも大事な気がします。とはいえ、好きなことを好きなように言えない時代において、それはとても難しくてバランス感覚が問われます。
だったら、もうそんな不自由から飛び出して、完全に自分の好きなようにすればいいんじゃないかなと。
いつも言ってることですが、誰かの人生を生きているわけでもなく、自分の人生を生きているわけですから。周りに迷惑をかけないようにじっとしていても、自分が好きなようにしていい順番がまわってくるわけではありません。
刻々と残り時間が減っていくだけ。
だから、自分にしかできない自分の好きなことに集中する。そうしたらきっと道は開けます。開けなかったら？それもまた面白い人生じゃないですか。少なくとも好きなことに熱中している時間は本物なのですから。
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