中華人民共和国が建国して70周年なのでその歴史を解説してみた

中華人民共和国が建国して70周年だそうです。中国の歴史はとても複雑で、とくに近代の歴史は、専門家でも分かりやすく説明するのは難しいように思います。以前、北京旅人で北京の歴史について書きましたが、かなり頭が混乱しました。

清王朝が倒れて中華民国ができたのが1912年です。辛亥革命が起きたのがその1年前の1911年。大学受験をした人なら、なんとなく覚えているかもしれません。中華民国の臨時大統領は孫文です。

孫文は中華民国(台湾)でも中華人民共和国(中国)でも「国父」です。日本亡命時代には日比谷公園近くに住んでいたとか。その家の表札が中山だったので、孫中山と名乗っていたのは有名な話です。

中国や台湾各地にある中山公園や中山路は、この孫中山からとったもの。ですので、ちょっと不思議な感じがします。ちなみにその「中山」邸宅の持ち主の叔母が明治天皇の生母にあたります。

めずらしく為になることを書いている気がします。ニーズがないのは知ってますが。でも大事なことなので、できれば最後まで読んでください。

清王朝から中華民国にそのまま流れを引き継げれば、現在の複雑な状況はなかったのですが、中華民国が建国されてから、中華民国・南京国民政府と中国共産党が内戦を始めます。

第2次世界大戦では、日本が共通の敵ということになり、1度は手を結びますが、戦争が終われば、やはり1つになることはできず、再び内戦が起こります。中国共産党は、戦争に勝ったことで満州にいた日本の関東軍の武器を入手し、さらにはソ連の後ろ盾もあって、南京国民政府を台湾に追いやります。

そして1949年10月1日に中華人民共和国が建国され、今年でちょうど70周年を迎えたというわけです。このときの中華人民共和国のトップが毛沢東です。県国当時は緩やかな社会主義化を目指しましたが、1952年に社会主義国家へと舵を切り現在に至ります。

ここまでの説明でもかなりポイントを端折りました。そうでもしないと余計に混乱することになりますので。

簡単にまとめておきます。

1.辛亥革命により清王朝が倒れて中華民国が建国される
2.中華民国内で南京国民政府と中国共産党が内戦を始める
3.第2次世界大戦によって南京国民政府と中国共産党は一時休戦
4.戦争が終わって内戦が再発
5.南京国民政府が台湾に追いやられ、中華人民共和国が建国される

ずいぶんとすっきりしました。最初からこう伝えろと思うかもしれませんが、わたしもまだ頭が付いていきません。こうして解説をしながら学んでいるような状況です。

ただ、この説明で台湾と中国の関係についても少し理解してもらえたのではないでしょうか。台湾は中華民国ではあるものの、中国から逃げてきた人達からすると「我こそが中国」という意識があります。

その話は長くなるので、また別の機会にお話しますが、なぜ台湾が国として認められていないのかも含めて、いずれお話しようと思います。

話の脱線のついでに香港についても話しておきましょう。香港がイギリス領になったのはアヘン戦争の後です。1842年に清王朝とイギリスで交わされた南京条約によって、香港島がイギリスに割譲されました。

中華民国も中華人民共和国もない時代です。この後、第2次アヘン戦争によって、九龍半島南端もイギリス領になります。この2つは永久にイギリスのものとなります。この2つの地域と中国の境目を新界と呼び、そこは1898年に99年間イギリスに貸すことになりました。

それが香港返還の呼び水となります。1997年に新界を返還しなくてはいけないわけですが、それに合わせて中国政府は香港島も九龍半島南端も返せと主張します。「返さなければ中国からの水の供給を止める」という強硬な話も出たそうです。

ただし、返還しても50年は香港に社会主義を導入しないと約束しました。これが一国二制度の始まりです。ですので、2047年には香港は完全に中国と同化する可能性があります。それに不満な人は、そのときまでに香港を出ていけというわけです。

なので中国は待てばよかっただけなのですが、あれだけ強行に出たのには、中国なりの理由があったのでしょう。こちらについては、不勉強なのであまり触れないでおきます。

いずれにしても、国にはそれぞれの歴史があります。その歴史を少しでも知っていると見えてくるものが変わってきますし、興味も湧いてきます。もしこれを読んでちょっと学びたいなという人がいれば、とりあえず浅田次郎さんの蒼穹の昴シリーズを読んでもらえればと思います。

秋の夜長を埋めるのには十分すぎるほどの長編になっていますが、ついつい先を読みたくなるので寝不足にはご用心ください。

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