竹本孝之のおすそ分け【小田原jakajakaライブにて】

音楽はまったく疎いわたしにしては珍しく、今年に入ってから2回目のライブに行ってきました。前回は2年前からよく聞いているあいみょんでしたが、今回は竹本孝之さんのライブでした。どちらも友人の誘いで、持つべきものは友ですね。自分では絶対にチケットを取ったりしないので。

竹本孝之さんについて、ほとんど知らなかったわたしですが心から楽しめました。音楽の細かいことはわからないけど、楽しいかどうかはわかります。体が勝手に動き出しますから。ただ今回も、楽しいだけでは終わりませんでした。

ライブでわたしが何を感じたのか、忘れないうちに言葉にしておきます。

目次

竹本孝之さんについて

歌謡曲に詳しい人や、わたしよりも少し上の世代なら竹本孝之さんを知っているかと思います。アイドルとしてデビューし、第23回日本レコード大賞新人賞を「てれてZinZin」で受賞しています。このとき、同年の最優秀新人賞が近藤真彦さんです。

もしかしたら、わたしと同世代ならキャプテン翼のオープニングテーマ「燃えてヒーロー」を歌っている人とお伝えしたほうがピンとくるかと思います。もちろんわたしは、そんな知識もなくライブに行ったわけですが。

現在は埼玉で園芸農家をしながら、全国各地のライブハウスなどで音楽活動もされているということ。

人に歴史ありと言いますが、アイドルから園芸農家になり、そしてシンガーソングライターとして全国をまわっているという人生に何があったのか。それを知ることはできませんが、はっきりわかったのは、これまでの経験を音という形で表現している人なんだなということです。

音を楽しめる才能

今回ライブが行われた小田原jakajakaは、それほど大きなキャパのライブハウスではなく、アイドル時代の竹本孝之さんを知っている人だと、もしかしたらその規模に驚くかもしれません。おそらく40人くらいのキャパだったのではないかと思います。ただ、その距離感だからすぐに目があいます。

わたしだけでなく、きっとその場にいた全員がそうなのでしょう。昔からのファンの方はあこがれの人を身近に感じられ、このうえなく幸せな時間を過ごすことができます。そして竹本孝之さんも、作られたかつての自分ではなく、本当の自分でいられる場所なのかもしれません。

今回は竹本孝之さんの単独ではなく、KA☆BOSSというバンドでのライブだったので、いつもの竹本孝之さんの感じとはまた違ったのかもしれませんが、とにかく終始楽しそうだったのが印象的でした。

歌うことを楽しんでいる以上に、バンドメンバーと音を重ねること、セッションすることを楽しんでいるようでした。そして、さらに自分の歌声を重ねて「音楽」にする。こういう表現の方法もあるのだと感心しつつも、その楽しさに乗せられて揺れる体。

この人は心の底から音楽が好きなんだな、音を楽しめる才能を持った人なんだなというのが伝わってきます。その楽しさのおすそ分けをしてもらったような気がします。人は誰かの笑顔を見ると自然と笑顔になります。それと同じで、自分たちが楽しんでいるのを見せて、楽しい気分にさせてくれるライブでした。

この楽しさは自分だけのもの

音楽をどう感じるかは人によって違うのでしょう。きっと今日集まった人たちも1人1人感じたことは違うはずです。わたしは「楽しさのおすそ分け」と感じ、そして「これは君のものではないんだよ」と告げられたような気がしました。

友だちのおもちゃで遊んでいたときに「今だけ貸してあげるけど、ちゃんと返してね」と言われたときの、楽しさと悔しさが入り混じったあの複雑な感情を思い出しました。

きっと多くの人は、また楽しさを借りたくて次のライブに行くのでしょう。でも、わたしは曲がりなりにも表現者です。貸してもらった楽しさではなく、こうやって自分の言葉で表現し、それを楽しむことでしか、この感情を消化することができそうにありません。

この話をすると「どの立場から物を言ってるのか」とよく言われます。自分でもそう思いますが、わたしがこれまでの人生で誰を憧れたりしなかったのは、きっと誰かが作り出した楽しさでは満足できないからなのでしょう。だから自分で自分が納得できるものを作ろうとする。

この感覚を誰かに理解してもらおうとは思いません。
わたしはただ黙々と言の葉を紡ぐだけ。

この楽しさは自分だけのもの。誰かに理解してもらう必要もなく、きっと他の誰かが理解できるものでもありません。それでも、いずれわたしの紡いだ言葉が誰かの琴線に触れて、その人を動かすことがあるかもしれません。言葉だけでなく、わたしの生き方そのものだって、人を動かせる可能性があります。

楽しさをおすそ分けできる表現者

思うがままに書いていたら、少し複雑な話になってきました。どうも今の自分では今日の出会いを消化しきれそうにないので、このテーマはもう少し温めておくとしましょう。うまく言葉にできるようになったときお伝えします。

楽しさをおすそ分けできる表現者になる。

これまでフワフワと文章を書いてきましたが、ひとつ目標ができました。今はそれで十分です。すぐに何かがすぐに変わるわけではありませんが、何かが変わるきっかけになったかもしれません。どんな出会いにだって、すべて意味があるわけですから。

もし竹本孝之さんが気になった人がいれば、YouTubeの「竹本孝之 official」チャンネルをチェックしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次