世界一美味しい料理「ルンダン」を食べてみた【本物編】

ステイホーム期間中に、たまにはご馳走を食べたいということで、世界一美味しい料理であるルンダンを作った。ただし、写真と簡単な説明だけを頼りに、レシピを確認せずに作るという企画。結果的には驚くほど美味しい料理ができたのだが、本物のルンダンとどう違うのかわからないという問題が残ってしまった。

ルンダンはインドネシア料理なので、インドネシア料理店に行けば食べられることはわかっていたが、人生で1度もインドネシア料理店に入ったことがないわたしは、1人で行く勇気がなくずっと先延ばしにしていたのだが、先日友人を誘ってようやく念願を叶えることに。

ルンダンを食べるために選んだお店は目黒の上大崎交差点にあるチャベ。インドネシア大使館が近くにあるということで、お客さんの大半がインドネシア人。本場の人たちからも支持されているお店が美味しくないわけがない。

実はこのお店はルンダンを作る前から気になっていた。わたしはUberEatsの配達にいくつかの拠点を持っているが、そのうちのひとつが目黒。比較的ライバルが少なく、面倒な配達先もほとんどない。目黒駅前が品川区になるのでブーストが弱いが効率よく配達できる。

そのUberEatsの配達で、何度もお店の前を通過している。正確にはお店はビルの2階にあり、1階にランチメニューなどの看板が出されていて、いつか行きたいと思いつつも、ランチタイムは配達をしているのでチャンスが訪れず。

中目黒にはレンタサイクルのポートもないので、配達終わりに寄るということもできない。だが、毎月1回ほどフリーランス仲間で意見交換会という名目で食事会をしており、全員食いしん坊というメンバーなので、ルンダンを食べに行きたいと伝えると乗ってくれた。

新型コロナウイルスの影響で、外食を控える人が増える中、こうやって付き合ってくれるのはありがたい。新型コロナウイルスとどう向き合うかは、人それぞれだが、気にしていたらフリーランスなんてやってられない。もちろん批判的な意見があるものわかってはいるが、安全なところから批判されてもわたしの耳には届きはしない。

前置きが長くなったがルンダンだ。ルンダンは牛肉をココナッツミルクと香辛料で煮込んだシンプルな料理だ。シンプルだが香辛料の組み合わせやバランスによって味が変わる。インドネシア以外でもマレーシアやシンガポールなどでも人気の料理だ。

少し前に無印良品のルンダンをレビューしたが、チャベのおじちゃんが言うには無印良品のルンダンはマレーシアタイプで、インドネシアのものとは少し違うのだとか。わたしが作ったルンダンのような料理も無印良品のものとは違っていた。

ちなみにわたしはインドネシアの位置をきちんと理解していない。先ほど地図を見てみたら、どうやらマレーシアの西からパプアニューギニアの西まで続いている。東西の距離だけならオーストラリアよりも長く、いったいどうしてこれを国としているのか不思議しかない。

どう考えても島ごとに国になっているのがシンプルなのに、島をマレーシアやパプアニューギニアと分けているなど、歴史を追うときっと面白いことになりそうなのだが、どうしたことかわたしは南の島には興味が湧かない。当然インドネシアに行ったこともないし、検討したこともない。

また話が逸れてしまったがルンダン。もちろんすぐに注文した。これを食べるためにやってきたわけだから。出てきたルンダンはビーフシチューのようにゴロゴロとしたお肉が盛られており、ココナッツミルクの香りがする。香りだけなら、わたしが作ったものと変わらない。

ただ本物のルンダンは辛い。わたしもかなりの量の唐辛子を入れたのだが、その辛さはすべてココナッツミルクの甘さが消していた。だが本物のルンダンはココナッツミルクの甘さと唐辛子の辛さが共存している。これもご飯がすすむ料理だ。

そして、自分が作ったルンダンのような料理も、それほど大きく間違っていなかったことを確認。辛さは足りなかったが、味の本質は近いものがある。ココナッツミルク煮込みなのだから当然なのだが、わたしが作ったものもコクがありご飯がすすむ。

しかし、これで終わりではない。メニューには気になる料理がいくつもあり、片っ端から注文していく食いしん坊たち。個人的にはマトンのサテ(串焼き)がストライクで、あれで無限にビールを飲めそうな気がする。いずれも暑い国の料理らしく香辛料がたっぷりで「旨い」しか言葉が出ない。

食いしん坊のくせに語彙力がないので、美味しさを文章で伝えることができないのだが、とにかく味に深みがあって、それでいて素材の味も活かされている。日本食のような繊細さはないが、豪快でありつつも絶妙なバランスで調味料が使われている。

なるほどインドネシア料理が、世界の美味しい料理ランキングにいくつもランクインしている理由がよくわかる。おそらく世界のどの国の人が口にしても「美味しい」と言うだろう。だが、日本ではそれほどインドネシア料理店がないのはなぜだろう。

わたしはタイ料理も好きだが、少なくともチャベのインドネシア料理よりも、美味しいタイ料理屋があまり思い浮かばない。これならUberEatsの配達後に、白金台で自転車を返して、インドネシア料理を食べて帰るのもありかもしれない。

目黒でランチをするなら、間違いなくここに来ることになるだろう。素晴らしいインドネシア料理店に出会えたことに感謝。そしてまたわたしは食いしん坊度がアップするのだろう。来月の食事会……もとい意見交換会が楽しみで仕方ない。

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