搾取されているという意識を持つことで見えてくるもの

UberEatsの配達中に東京五輪に反対するデモに遭遇しました。言葉は悪いですが、暇なんだろうなと。私のように日銭をなんとか稼いでいる人間にとって、東京五輪が開催されようが中止になろうがどうでもいいことで、中止になったらチケット代が戻ってくるくらいの意識しかありません。

そもそもデモをするという感覚がわかりません。批判や否定をしているのではなく、なぜそうするのかが分からない。気に入らないなら無視すればいいのに、なぜそこまでエネルギーを注ぎ込めるのか不思議に感じます。そこにエネルギーを使うくらいなら、もっと楽しいことに時間を使えばいいのにと。

もしかしたら、あの人たちにとってデモが楽しいことなのかもしれませんが。自分の正義を主張するのは気持ちの良いものです。注目もされるので、自分が偉くなったかのような気分になります。集団で歩くことで高揚感も得られるのかもしれません。世の中を変えたいという熱い思いを持った人もいるのかもしれませんが。

「声を上げない者たちは賛成している」と歌ったアイドルグループがありましたが、主張することは大切なことかもしれません。ただデモというのは基本的に搾取です。オリンピックに反対することで利益を得る人がいて、デモをする人たちは、そういう人たちにいいように利用されているだけ。知ってやっているならいいのですが、ほとんどの参加者はそこまで考えていないはずです。

私たちは知らないところでいつも搾取されています。旅行サイトを利用したあと「レビューを書いてください」みたいなメールがきますが、物書きとして生活をしている私からすると、いったい何を言っているのだと苛立ちます。1円ももらえないのにそのサービスのために文字を書くなんて考えられません。

でも、実際には多くの人がレビューを書きます。Amazonや価格.com、食べログなどいたるところに無料でレビューを書かせる場所があり、いくつものレビューが並んでいます。それを私は搾取だと思っているのですが、レビューを書いている人は、そう感じることはなく、むしろ喜びすら感じているような気がします。

そんな考え方をしているから、性格が歪むのだと言われると返す言葉がありませんが、日銭を稼ぐための基本はギブアンドテイクです。十分なリターンのない作業をするような余裕はありません。もちろん、リターンが必ずしも金銭的なものだとは限りません。しまなみ海道を走ったり東西対抗東海道53次ウルトラマラソンをしたりするのは、お金では買えないリターンがあるからです。

私はただでは指1本も動かない守銭奴です。そういう立場からすると、いいように使われているだけのデモをする人の気持ちも分かりませんし、無料でレビューを書く人の気持ちもわかりません。レビューなんて自分のサイトに書けば、お金を生み出すかもしれないのに、他人の収益にしかならないのに他人のサイトに書き込む。

他人の生き方にあれこれ言うのは無粋かと思いますし、ボランティアのようなことができるのは金銭的にも精神的にも余裕があるからで、どちらも持っていない私の僻みなのかもしれません。でも、搾取されていることに多少は敏感になってもいいのかなと。自分がそれをすることで、誰がどこで得をするのかを考える。

世の中の行動のほぼすべてが誰かの利益につながります。それが資本主義というもので、良いとか悪いとかいうことではありません。誰が得をするのかという視点で見ると、思わぬ気づきがあったりするもので、それはそれで楽しかったりします。そういうところが歪んでいるのですが……

別に誰が利益を得ていてもいいんです。守銭奴ですが、お金に執着はないので。世の中の仕組みや原理原則を知りたいだけ。それらは大抵、マスメディアが流す情報とは一致しません。マスメディアは物事の表面だけをすくって発信しているので、本質的なことを書きません。いや、本質を隠すために表面的なことを書きます。

すべてがそうというわけではありませんが、大事なことはいつだって私たち庶民には見えないように隠されています。その隠されている部分に触れるのって楽しいじゃないですか。私はそういう楽しいことに時間を使いたい。デモをしている人からしたら、中身のない人生に見えるかもしれませんが、人生に中身なんて必要ありません。

大事なのは楽しんでいるかどうかということ。それだけです。

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