1週間の旅で最も美味しかったのはスーパーのおにぎりだったという話

今回は7泊8日の旅になりました。そのうち3日は依頼を受けての取材でしたが、楽しむことが目的という素晴らしいお仕事なので、8日間ずっといい思いをさせてもらいました。知らないものに触れて、いろいろな人に会えて、足りないものは何もない充実した時間となりました。

もちろん食いしん坊ですので、美味しいものもたくさん食べました。ただ、1番美味しかったのは、甑大橋を眺めながら食べたAコープのおにぎり。これが真実なんでしょうね。どんな贅沢な料理であっても、運動してお腹がぺこぺこ状態で、絶景を眺めながら食べるおにぎりに敵わないわけです。

昨日、新しいiPhone SEやMacが発売になりましたが、こういうものが発売されても以前のようにワクワクすることはなくなりました。どれだけ高機能でリーズナブルなアイテムであっても、それを手にするだけでは豊かにはなれないとわかってきたのでしょう。大事なのは所有欲を満たすことではなく、何をしたかということ。

スマホもパソコンも体験をするための道具でしかありません。ランニングシューズもそうですね。新しいものを購入すると嬉しいものですが、私たちが本当に満たされるのは、それらを使って何かを成し遂げたとき。最高のランニングシューズを手に入れることよりも、それを履いてどこを走ったかが大切。

贅沢な料理を否定するつもりはありません。美味しいものは、私たちから不幸を遠ざけてくれます。でも、それを1人で黙々と食べていても私たちは満たされません。誰と食べるのか、どのようなシチュエーションで食べるのかということがとても大切。美味しいものを食べるだけでは、私たちは満たされません。

満たされたような気分にはなれます。ここがとても難しいところ。本物を知らないと、それが最高のものだと思い込んでしまう。それはそれで幸せなことだと思います。むしろ本物を知るというのは、満たされない状態になりやすいので、どちらかというと不幸なのかもしれません。

でも、本物というのは決して手が届かないものではありません。今回はスーパーで購入したおにぎりだったわけです。ただこれは、コンビニのおにぎりだとダメなんです。理想は自分で握ったおにぎり。旅先でそれは難しいけど、きちんと人の手で作っていることが大切です。

効率の良さとか利便性とか、そういうものとはまったく別の次元にある豊かさ。いや、その反対のベクトルにある豊かさがあって、それは積極的に意識しないと、存在を忘れてしまいます。実際に私は甑島でおにぎりを食べるまでは、そういう幸せがあることをすっかり忘れていました。

便利なものを取り入れ過ぎて、本当の豊かさを見失っていたわけです。どこかに行ったら「美味しいお店を探そう」と必死になっていることもあり、でもそんなことをしなくても美味しいものはもっと身近なところにあり、それを美味しくいただけるかどうかは自分次第なわけです。

スマホやパソコンといった便利なものを手放すのは難しいことですが、論理的に考えすぎたり、効率を追求しすぎたりするのはやめて、もっと人間らしさを出していってもいいのかもしれません。難しいことを考えず「好き・嫌い」で物事を判断する。効率は無視して、やりたいことだけを積み重ねる。

難しいことは賢い人たちに任せて、私はもっと感覚的に生きる。非効率であっても体験することを大切にして、泥くさく日々を過ごす。都会で暮らしていると(都会というほどのところには住んでいませんが)、自然とスピードや効率を重視するようになりますが、このタイミングで甑島に行ったということは、ライフスタイルを切り替えるべきなのでしょう。

みんなよりも劣っていてもいいし、みんなよりも頑張らなくてもいい。ただ人生を楽しむことだけは忘れない。そのためにはどんどんと非効率なことを取り入れていく。便利なものは手放していく。言葉にするのは簡単ですが、実現するのは大変。ただ、今ならまだ舵を切るのに間に合う気がします。

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