感覚派は自分のテクニックやスキルを言語化できるのか

私は理系出身ということもあって理論派だと思われがちですが、これまでも何度か話したことがあるかもしれませんが感覚派なんです。だから、自分ができていることを他の人に伝えるのがとても下手で、そういうところから教えることに苦手意識があります。

困ったことに100%感覚でやっているわけではなく、自分が吸収する場合には理論も重視します。理論的に正しいと思えることを、感覚的に実行しているというのが実際のところで、裸足ランニングはそうやって身につけました。

だから裸足ランニングを教えるのが難しい。「理論的にはこう。だからそうなるように体を動かして」というのが私の説明になるわけですが、「どうすればそのように体を動かせるか教えろ」という話になります。まぁ教えるときにはそれなりに上手くやりますが。

ただ、まずは動いてもらう必要があり、その動きを見てあるべき姿との差異から「こうしたほうがいい」とアドバイスをします。トレーナーを生業にしている人は、きっとそれを最初から最後まで理論的に説明できるのでしょう。

先日、クライアントさんに会ったときに「ライティング講座とかすればいいのに」と言われましたが、これも同様の理由で難しい。自分では感覚で書いているので、それを言語化するのは無理なんです。それっぽいことは言えますが。

もし教えるとしたら、まず文章を書いてもらい、違和感があるところに対してアドバイスはできます。でも、なぜ違和感があるのかについては、論理的には説明できないことが多々あります。「それじゃおかしいから」「それだと読み手が混乱するから」ということは言えます。でも「なぜ?」に対しては答えられません。

私のランニングやライティングがもう2ランクぐらい上なら、「天才だから」と言えるのですが、その領域には達することはできないので、凡人が「感覚で」と言うのはどことなく滑稽です。でも、現実的に感覚でやっていますし、そこが自分の強みだと思っています。

最近、ライティングで「自動読み上げ機能」を使って推敲しているのですが、これも読み上げてもらえれば、文章のどこに問題があるか瞬時に判断できます。でも、それって才能じゃないんです。これまで読んできた文章量と自分の性格の融合。

感覚派といえば、読売ジャイアンツ終身名誉監督の長嶋茂雄さんを思い浮かべますが、他の競技でも感覚派が認められるのはトップのひと握りだけ。結果が出てない人の「感覚」ほどあやふやで、頼りないものはありませんから。

でも、いまさら理論派になれるわけもなく。いや、理論派でもあるわけなので余計にややこしい。私は論理的に成立しないことは受け入れないタイプ。きちんと納得した上で取り入れるようにしているので、理屈がどれだけ大事なのかは理解しています。

でも理解した後は100%が感覚の世界。「こうやって、トンって足を置いて」なんて表現になるわけです。これを言語化するだけの言語力が私にはないわけです。ライターがそれでいいのかと思うかもしれませんが、良い悪いではなく、それしかできないという話。

これは機械設計でも同じでした。頭でイメージしたら手が勝手に動いているのですが、そのプロセスを言語化して後輩に伝えるのは不可能。そういうことって世の中にいくつもあるはずなのですが、世の中が求めるのは理屈や理論。まぁ弟子をとることもないのでいいんですけどね。

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