「バンクーバーの朝日」いまの自分にこれほどしっくりくる映画はない

  • 2015.01.19
  • (更新日:2019.11.13)
  • LIFE
「バンクーバーの朝日」いまの自分にこれほどしっくりくる映画はない

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目標としてきた愛媛マラソン直前なのにまったく練習できない。年末年始の東海道57次ランニングの影響で胃と腸の調子が悪くて、ちょっとでもスピードを出して走ると激痛があり練習どころではなくなってしまう。さすがのわたしでもこうなると気分が滅入る。何をするにしてもやる気が起きない。

どうせやる気が起きないなら、前から観たかった映画でもと思い、ピラティス後に辻堂まで行き「バンクーバーの朝日」を観てくることにした。間違っても妻夫木くんを観たかったわけではない。なんやかんやで最近の彼の出ている映画は飛行機の中などでほぼ全部観ている気がする。

この映画は美化されている部分があるとはいえ実話だ。カナダに移住した日本人が作った朝日軍というベースボールチームが、カナダ人リーグに所属したはいいが白人相手にまったく歯がたたないという状況から話は始まる。

当時の日本人は、わかりやすく言えばいま日本に来て働いている中国人に似ているところがある。好意的というよりはどこか蔑んで見られているし、見下されている感じがある。白人とアジア人という違いがもしかしたらいま日本で働く中国人以上の差別を受けていたかもしれない。

そういう環境で、カナダ人のリーグに日本人のベースボールチームが挑むことがどれだけ大変だったかは想像が難しい。完全にアウェーというどころではない。審判はカナダ人優位な判定しかしないし、そもそも白人と日本人とでは体格も違えば力も違う。ベースボールだって白人のスポーツだから日本人には向いていない。

いまでこそメジャーリーグで活躍する日本人が出ているが、当時は「日本人にベースボールなんてできるはずがない」という雰囲気もあっただろう。でも朝日軍のメンバーはそれでも諦めず、日本人だからできるベースボールを追求し、しだいにカナダ人にも受け入れられていく姿はやはり考えさせられるものがある。

映画の中でチームに所属してるメンバーは日系2世になるのだろうか、カナダに移住した世代の子供たちにあたる。移住してきた世代は試合に勝つことで、カナダ人を見返して欲しいと願い、現役メンバーたちはそんなことを考えずただ勝つことだけを考えている。いつの時代にも新人類というものはいるのもだ。

前の世代の思いとは裏腹に純粋にベースボールを追い求める彼らの姿。これこそが俯いていたわたしの顔をあげさせてくれた。走れないことがほんとうにつらい。もしかしたらもう走れないんじゃないかと無闇にマイナス思考になったりもする。でも、諦めてはいけない。考えに考えていま自分に出できることをやる。

弱気な表情をしていても何も変わりはしない。元気なふりをしても何も変わりはしないけど。でも、周りに与える影響もある。体に与える影響もある。回復することを信じてベストを尽くす。それこそがわたしらしさだし、わたしにはそれ以外の取り柄もない。できることを懸命にやればいい。

難しく考えずに、それでもしっかり考え、実行し愛媛マラソンに備えよう。それが日本人であるわたしのやり方だ。大事なのは結果ではない。走れないなりに何ができるかを試すチャンスでもある。直前の走り込みを一切せずにサブ3を狙えるのか。胃は重いままだが、気持ちは少し晴れやかだ。

映画に支えられるなんてわたしもまだまだだ。

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