野口みずき現役引退へ 日本マラソン女王の座はいまだ空位

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野口みずきさん、やっぱり引退のようです。あのパワフルな走りをもう見ることが出来ないのは残念ですが、トップアスリートには引退は付きものですから仕方がないですね。

足が壊れるまで走りたいと言い続けていましたが、本当はもう壊れていたのかもしれません。壊れていたけどやっぱりもう一度オリンピックの舞台に立ちたくて、北京を走れなかった悔しさが野口みずきさんをスタートラインに向かわせていた。そんな気がします。

高橋尚子さんのような華やかさはなかったけど、ただまっすぐに誰よりも速くゴールテープを奪いに行く走りを見て熱いものを感じた人も多いはずです。

最近の日本人ランナーに珍しい勝つことに飢えている選手だったとわたしは感じていました。高橋尚子さんは勝利に飢えているタイプではなく、走ることに飢えているタイプ。似ているようで少し違います。

とにかく勝たなければいけない、そして誰よりも速くなくてはいけない。そんな思いをいつも背負って走っている。そんな印象がわたしには残っています。

先日、北島康介さんも引退を発表し、卓球の平野早矢香さんも引退しました。ただ、水泳界も卓球界も次の世代、新しいスター候補が育っています。マラソン界は・・・男子はあと10年は低迷するのではないでしょうか。

女子は唯一の光が福士加代子さんですが、彼女はきっとリオオリンピックではギャンブル的な走り方をするはずです。100%取れる入賞ではなく5%の優勝を狙いに行くはずです。

ギャンブルに勝てばヒロイン、負ければバッシングの嵐。目が離せないのは間違いありませんが、福士加代子さんは女子マラソンを背負っていくタイプではありません。彼女に鈴をつけられるネズミなどどこにもいないでしょう。

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あらゆるスポーツで世代交代があるのは仕方のないこと、引退する選手がいて新しくその座を奪う選手がいる。野口みずきさんはその座を奪われたのではなく、少し席をはずしているあいだにそこに戻れなくなってしまいました。

日本のマラソン女王の座はいまだ空位のまま。

そのことについてもきっと野口みずきさんは悔しい思いがあるはずです。目の前に空席があるのにどうやってもそこに届かない。せめてその席に誰かが座ってくれれば安心して引退できたのかもしれません。

とはいえ引退が覆ることもなく、野口みずきさんの全力をもう見ることが出来ません。

もう勝つことばかり追う必要はなくなります。きっと数年間は心にぽっかりと大きな穴が開いたままになるのでしょう。でもいつかわたしたち市民ランナーの前に帰ってきてくれると信じています。

高橋尚子さんが市民ランナーに元気を与えているように、野口みずきさんともマラソンのコース上でハイタッチできる日がやってくる。そんな日を楽しみに待っています。

日曜日の長野マラソンは野口みずきさんに敬意を表して、彼女のような大きなスライドで走ろうと思います。

100mだけ。

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