猫背のゴリラはいない〜ランナーが身につけるべきこと〜

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マラソンやトレランで重要なのは体幹です。でも、きっと99%の人が体幹を誤解しています。体幹トレーニングと聞くと、腹筋の奥にあるインナーマッスルを鍛えることばかりイメージしているのではないでしょうか。

少なくともわたしの経験上では、腹筋の奥のインナーマッスルなんて走りにそれほど効果ありません。効果があるとしたら、内臓が揺れないから、レース後半に入ってもしっかり食べられるということくらいでしょう。

わたしたちランナーが付けなくてはいけないのは、体の背中側の筋肉です。

「またか」と思われるかもしれませんが、わたしの体を使った人体実験では、着実に結果は出ています。最近は1分間のインターバルトレーニングを行っているのですが、先日初めて1分間だけ3分/kmを切るペースで走れました。

わたしはサブ3も達成できていない凡人ランナーです。短い距離とはいえ、3分/kmで走れたというのは、これまでのわたしでは考えられないことです。インターバルですので、もちろん全力ではありません。

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最近よく目にするのが、体幹トレーニングをしているのに猫背になっている人がいるという光景です。体幹=腹筋の奥側という意識が強すぎるため、腹筋ばかり強くなって、体全体がそちら側に引っ張られています。

背中側の筋肉を鍛えていないから、強い方に持っていかれます。

でもよく考えてください。体の軸はどこにありますか?人間の体の軸は背骨に沿ってあるはずなのに、その軸からオフセットされた位置にある腹筋のインナーマッスルを鍛えるのっておかしいと思いませんか?

いや、意味が無いとはいいません。先程も言ったように、内臓がブレないようにするには、腹筋の奥の筋肉がとても重要です。でも、それと速く走ることとはそれほど関係はないとわたしは思います。長く走ることには役立つと思いますが。

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軸が背骨の位置にあるのなら、鍛えるべき筋肉は、その軸に近い位置にある筋肉です。すなわち体の後ろ側の筋肉で、さらにその深層部にあるインナーマッスルが重要です。

実際にピラティスを行うと、この背中の深層部の筋肉をこれでもかというくらいいじめます。そもそも人間の筋肉の中で最も弱っている部分なので、ちょっとした動きでも悲鳴を上げるのですが。

日本人はもともと背中の筋肉が発達しているライフスタイルがありました。農家では鍬で畑を耕していましたし、武士は何度も竹刀を振り続けています。昔の人は生活の中に背中の筋肉を使うという習慣がありました。

いまは皆無です。パソコン作業が多いこともあって、意識はすべて前側にあります。意識がどんどん前側に行き、さらに腹筋のインナーばかり鍛えるから、どんどん猫背になります。

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ゴリラの背中を見たことある人はどれくらいいますか?

驚くほど筋肉が発達しています。そして背中は少し反った形状をしています。そしてあの巨体で、時速50kmで走るそうです。単純に人間と比較するのは安直すぎますが、ゴリラの体にはわたしたちが失ったものが残っています。

ゴリラだけではありません。馬だって腹筋で走ったりはしません。使うのはあくまでも背中側の筋肉です。すべての動物がとは言いませんが、背中側の筋肉が大事なのはなんとなくは分かってもらえるかと思います。

そしてわたしたちは、背中側の筋肉が絶望的に衰えています。

街を歩く人を眺めていても、ほとんどが背中側の筋肉を使えていないような状態です。いや、使えていないのではなく、筋力がほとんどありません。

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体幹を意識した走りがなかなかできないという人が大勢いますが、できなくて当然です。そもそも筋力が落ちすぎているのに、意識したって使えないんです。

走りながら体幹を付けるという方法がありますが、それはある程度筋力がついていないとできません。体には防衛反応がありますので、バランスが悪くなったらアウターの筋肉を使って、体を守ろうとします。

ではどうすればいいのか?

本気で取り組みたいなら、走る量を減らして、徹底して本当の体幹作りに取り組むしかありません。ものすごく地味な作業です。でも背中側の筋肉をきちんとつければ、おそらく体がこれまで以上に丈夫になります。

疲れにくくもなりますし、しっかり呼吸ができるようになるので、常に体がいい状態を保つことができます。

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でも、インナーの筋肉は見よう見まねで行っても身につけることはできません。専門の知識を持ったピラティスの先生か、体幹トレーニングのプロから学ぶしかありません。

そして、数回で身につくものでもなく、何年もかけけて体づくりを行います。

コツコツ継続して、インナーを意識して使えるようになるまでは、ずっと体づくりです。でもある時からは、体幹トレーニングをしなくても、走っているだけで体幹を整えることができるようになります。

アウターの筋肉に負けないくらいのインナーの筋肉がついてしまえば、走るだけでインナーを鍛えられるようになります。しばらくするとゴリラのように背中の筋肉がが発達していきます。

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そうなれば、あとは走りと融合させるだけです。むしろインナーマッスルを使った走りというのはそこがスタートラインです。

最近一本歯下駄で走っているのですが、あれを体幹トレーニングに使う人もいるようです。正直なところ、上手く使えているのは体幹がすでに整っている一部の人だけだと思います。

一本歯下駄で上手に走るには体幹が整っている必要があります。でも一本歯下駄で走ったから体幹が整うかというとそれは別の話です。人によってはアウターだけを鍛えてしまう可能性があります。

まずは背中側の筋肉をしっかりと鍛えること。自然体で猫背でなくなるように、背中側で体を引き上げている状態を目指してください。意識はゴリラの背中です。

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そこまでムキムキにする必要はありませんが、方向性はゴリラの背中で間違いありません。

体が少し反るくらいの状態が基本となるくらい後ろ側で引っ張る。そのために何をしていいのか、さっぱり分からないという人は、鶴巻温泉まで来てもらえればいつでも教えます。もちろん報酬は生ビールで。

とりあえず、今日から毎日Googleで「ゴリラ 背中」を検索して、背中の筋肉を眺めてイメトレしておきましょう。冗談ではなく本気ですよ。目指すところがわからないと、努力も続きませんからね。


ゴリラは戦わない (中公新書ラクレ)
著者:小菅 正夫、山極 壽一
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