4回目の開催となるさいたま国際マラソンは成功するのか

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正直なところ、個人的にさいたま国際マラソンと横浜マラソンだけは「おすすめしない」大会という位置づけです。どちらも責任者というか自治体のトップが市民ランナーを理解していないように感じ、現場の人間に迷いを感じます。

そんな2つのマラソン大会ですが、先に動いたのはさいたま国際マラソンでした。毎年改善はされていますが、今回の改善点は「おっ」と思うような内容になっています。

主な改善点は次の4点です。

・事前受付の廃止
・コースの変更
・開催日の変更
・フルマラソン女子ビギナーの部

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事前受付が不要だというのは、参加したほぼすべてのランナーが感じていたポイントでした。さいたま国際マラソンに集まってくるランナーは基本的に関東圏で日帰りできるところに住んでいます。

わたしも日帰りできるのですが、これまでは日帰りできるのに前日に埼玉まで受付に行かなくてはいけませんでした。東京マラソンのような魅力的なEXPOがあるならともかく、ほぼ何もない受付会場まで行く意味があるのか。

多くのランナーが望んでいた、ゼッケンなどの郵送がようやく実現しました。これは素直に喜ぶべきことですし、さいたま国際マラソンが東京マラソンとは違うベクトルを向く決意のように感じます。

コースの変更に関しては、正直どうでもいいところです。さいたま国際マラソンはいつも、走りやすいコースを探しているように思うのですが、ちょっと一貫性がなさすぎます。

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これだけコースがコロコロ変わると、昨年までのタイムが何の意味もなくなります。苦しいコース設定も、少なくとも市民ランナーにとっては「名物」として頑張るための目標になります。

とはいえ、国際女子マラソンという視点で、トップランナーに来てもらいたいという思いがあるのでしょう。今年は全日本実業団対抗女子駅伝後の開催にするために、12月開催になりました。

要するにコース変更はトップランナーを集めたいためで、マラソン大会の本質の部分が抜け落ちています。楽をしたい人はそもそもマラソンなんて走りません。昨日の自分よりも今日の自分が優れていたいから走るわけです。

コースが毎年のように変わったのでは、速かったのが自分の頑張りなのか、コース変更のせいなのか分からなくなってしまいます。この点に関しては、「市民ランナー視点」という意味で、まだ揺らいでるなというのを感じます。

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そもそも全日本実業団対抗女子駅伝から1〜2週間で、本当にトップランナーが出場するのでしょうか?長い区間は10kmを全力で走ります。1〜2週間で調整するのは現実的ではありません。

最近は設楽悠太選手のように毎週のようにレースにでるランナーが出てきていますが、それはまだ少数派です。しかも勝負レースを続けるようなことはしません。

全日本実業団対抗女子駅伝とさいたま国際マラソンのどちらに比重を置くのか、誰が給料を払ってくれているのかを考えれば答えは自ずと見えてくるはず。

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面白い取り組みと感じたのはフルマラソン女子ビギナーの部の開設です。女性の市民ランナーは小柄な人も多く、マラソン大会のスタート直後の混雑には恐怖を感じる人もいるかと思います。

そんな状況の中、自分のペースで走るのも大変です。もし、周りが女性ランナーだけなら安心して走れます。

ただ気になるのは、一般の部の参加資格が「6時間00分以内に完走できる男女」になっているに対して、フルマラソン女子ビギナーの部は「5時間台の完走を目指す女性競技者」になっているということです。

これでは、見切り発車なのではないかと勘ぐってしまいます。要はまだ道路の使用について警察と話が詰め切っていないのではないかと思います。実際にまだ関門の時間などは明確になっていません。

関門がもし昨年までと変わらないなら、9時40分スタートの15時40分終了です。一般枠の後方からスタートするということは15分はロスになります。

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本来ならフルマラソン女子ビギナーの部は10時スタートにすべきですが、なぜか一般枠と同じ9時40分です。これでは「遅い女子は最終ブロックにまとめるね」そう言っているようなものです。

もし5時間台でのゴールがグロスタイム(号砲からのタイム)で言うのなら、実質5時間40分くらいでの走力が求められます。もしそうだとすれば、なんのための”ビギナー”の部なのでしょう?

ただ、これも警察との交渉がうまくいけば(交渉中なら)、10時スタート16時クローズにできるはずです。問題はまだそれが見えていないのに発表したということです。

一見すると大きく改善されたように見えて、やっぱりまだ体質は変わっていないのかもしれません。

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ほんの少しだけ期待したのですが、ここまで書いてみてやっぱりぬか喜び感が強くなってきました。さすがに2016年ほどひどくなることはもうないとは思いますが、個人的には走りたい大会になるにはまだまだ時間がかかるのかなという気がしています。

申し込みは来月からですので、それまでに大きな動きがあればいいのですが。


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著者:ロバート・キーガン / リサ・ラスコウ・レイヒー
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