いわて銀河100kmチャレンジマラソン中止と運営者の説明責任

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いわて銀河100kmチャレンジマラソンが中止となりました。コースとなっている県道12号線で山崩れが発生したということで、安全上の理由から中止という判断を行いました。

中止という判断は仕方のないものだとは思います。自然災害ですし、開催に向けていろいろ考えた結果、こうなったのだと思います。ただし、受付終了直後に中止のお知らせということで、何かと揉めそうな雰囲気があります。

岩手日報公式サイトいわて銀河マラソン中止 北上-雫石、道路土砂崩れ確認

中止なのは分かりますし自然災害によるものですので、規約によれば返金はできないとなっています。ここまでならよくあることなのですが、山崩れが見つかった時点でもまだ参加者を募集していた点が問題視されています。

facebookでは18日も19日も参加者を募集している告知をしていました。ところがエントリー終了した20日から数日しか経たない24日に中止のお知らせを出しています。

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※写真はイメージです(実際の現場ではありません)

山崩れの発生が分かって、まだ開催できるかどうかを検討している段階とはいえ、この時点で参加者を募るというのは運営側としては大きな失敗でした。

募集を一時中断するなどの処置が最善の手だったと思うのですが、それは後出しじゃんけんのようなものです。その時点で運営側は開催できるようになんとかして動いていたし、開催できると信じていたのでしょう。

ただそれもわたしの推測でしかありません。

さらに問題なのは、土砂崩れが発生した場所が100kmのコースであって、50kmは対象ではないということです。このため、普通に考えれば50kmは開催できますし、理屈だけで言えば100kmも50kmの往復とすることも可能です。

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そんなことは運営側は百も承知だと思います。それにも関わらず、50kmまで中止にしたというのは、そもそも昨夏の大雨によって、コース内の様々な場所で崖崩れなどが発生していたことが理由にあるのでしょう。

50kmのコースで開催したときに、崖崩れなどが発生しないとは断言できません。ホームページでは「安全性の確認が取れない道路使用許可は出せない」とされたと記載されていますので、要するに警察が開催NGとしたのでしょう。

道路使用許可が出なければ、ウルトラマラソンとしての開催ができません。開催したくてもできないというのが実情だと思います。

ただこれも、深読みした結果ですので真実かどうかは分かりませんし、深読みしなければなぜ50kmが開催できないのかが分かりません。

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結局のところ、最大の問題はきちんと説明をしきれていないということです。返金不可というのも、まだエントリーが終わったばかりの段階で、なぜ返金できないのかをきちんと説明しなくてはいけません。

いや、法的な説明責任というのは存在しないかもしれません。でも、こういうときに騒ぎを大きくしないためには、可能な限り真実をきちんと伝える必要があります。言い訳することなくありのまま伝えること。

それだけが信頼を失わない唯一の方法です。

もちろんこれはマラソンの運営に限ったことではありません。何かトラブルが発生したときなどに、きちんと説明できるかどうかというのはとても重要です。

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いわて銀河100kmチャレンジマラソンの運営者もお知らせできちんと伝えたつもりなのでしょうが、この文章では残念ながら伝えたいことをきちんと伝えきることができていいません。

先程のように深読みすれば理解できなくはないのですが、読み手に対して「深読みして欲しい」というのは文章を書く側の勝手な都合です。どんな文章でも「これでは伝わらないかもしれない」という思いがベースがないと、本当に大切なことが伝えることができません。

結果的にいわて銀河100kmチャレンジマラソンは「4月28日に臨時の役員会を開催し返送内容を含めた今後の対応を検討させて頂きます。」という案内を出しています。

返送内容というのが何を示しているのかまったく分かりませんが(こういうところが問題かと思うのですが)、ニュースなどでも取り上げられたことで「このままではまずい」と感じたのでしょう。

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勘違いしないで欲しいのですが、わたしは運営者を責めたいわけではありません。返金しないという判断も間違っているとは思いませんし、中止という判断だって運営者を尊重すべきだと思います。

ただ、きちんと伝えることができれば、こんな大事にはならなかったのにと残念に思うわけです。

今年の千葉マリンマラソンといい、昨年の横浜マラソンといい、トラブルが発生したときに、なぜきちんと説明をしないのか、わたしには理解できません。

伝える能力が不足しているのか、それとも伝えなくてもいいと思っているのか。

マラソン大会の中止は運営者が判断して行わなくてはいけません。すべての状況をしっかりと判断して決定するわけで、参加者はその判断を尊重しなくてはいけません。

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ただ、運営側が偉かったり立場が上だというようなことは絶対にありません。関係はあくまでもフラットであり、運営側は常に情報をきちんと参加者に伝える義務があります。

中止を決める権利と納得できる説明をする義務。

いわて銀河100kmチャレンジマラソンが4月28日以降にどのような発表をするのか、注目してみようと思います。参加した人の口コミがとてもいい大会ですので、きっと落ち着いて納得できる説明をしてくれるのを期待しています。


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著者:鶴野 充茂
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