五街道制覇プロジェクト最終章「中山道69次ラン」8日目

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8月8日
5時30分 快活クラブ17号本庄店

この日は中山道ランにおいてとても重要な日になりました。夕方には関東に台風が上陸するとのこと。ネットカフェで調べた天気予報では18時から大宮で大雨になるという天気予報。

どうしても8月9日までに中山道ランを終わらせたいわたしは、この日のうちに大宮に到着しておく必要があります。それが難しくても、上尾宿が最低ライン。

仮にそこまでたどり着けても、台風の進み具合次第で翌日には一歩も進むことができない可能性もあります。ただ、この日に出来る自分のベストは尽くさなくてはいけません。

ネットカフェを出発したのが5時30分。大雨が降り出すであろうリミットの18時まで10時間30分。この日の走行距離は約57キロですので、通常なら問題ありませんが、旅ラン8日目にもなると体は思うように動きません。

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5時58分 本庄宿(459.6km)

本庄宿は本庄城の城下町にあります。このためか立派な史跡が多く残る街なのですが、残念ながらそれを楽しむ余裕はありません。とにかく前に進むことがこの日の課題。

コンビニで簡単な朝ごはんを済ませて、すぐに深谷宿に向かいます。

江戸に近づいたこともあり、この日は宿場館の距離が長く、なかなか先が見えません。本庄から深谷までは約10.6kmですので、これまでのペースなら2時間と言ったところ。

ところが、この日は体がまったく言うことを聞きません。わたしのランニングは体のバネを使って走るのですが、そのバネがまったく反発しない状態で、筋肉に力が入りません。

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8時3分 深谷宿(470.1km)

体は思うように動きませんが、なんとか予定通り深谷宿までたどり着きました。

深谷宿も本庄宿と同じように宿場町の雰囲気が色濃く残っています。ここで気になったのは酒蔵です。これまでも中山道の宿場町でも酒蔵がセットになっていましたが、深谷にはなんと3つの酒蔵があります。

普段だったら、すべてで試飲していくところですが、この日ばかりはそうもいきません。そもそも酒蔵が開いていないというのもありますが、泣く泣くすべての酒蔵をスルーして次の宿場町に向かいます。

次の熊谷宿までは11.2km。こちらも2時間で到着したいところです。

ただ、ここから完全に足が走ることを拒否します。1時間で5kmなら歩いてでも行けそうなのですが、その歩きすらも続けられないくらいの状態。体が完全に眠っているかのようです。

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10時38分 熊谷宿(481.3km)

熊谷宿で予定よりも30分近く遅れます。

熊谷は比較的大きな街で、現在の国道がそのまま中山道になっていますので、宿場町の雰囲気がほとんど残っていません。ただ、宿場町の雰囲気がないのは都市部の発展があったからではなく、終戦前日の空襲が原因です。

中山道も群馬くらいまではまだ戦争の影響が少なかったのですが、さすがに埼玉にまでやってくると、空襲によってそのほとんどが消失しています。

悲しいことではありますが、熊谷宿の消失が現代の発展に繋がっているとするなら、それもひとつの歴史なのかなと受け入れるしかないのでしょう。わたしたちは過去ではなく現代で前を向いて生きているのですから。

それよりもわたしにとっての問題は動きそうにない足です。

このままではどうやっても18時までに大宮宿には辿り着けそうにありません。ただ、こういうときに焦っても仕方ありません。次の鴻巣宿まで行ければ残りは50km。台風次第では翌日のゴールも見えてきます。

悩むよりもまずは空腹を満たすために、丸亀製麺で早めのランチ。

理由はよく分かりませんが、このランチ休憩を経て、ようやくわたしの体が目覚めてくれました。お店を出てからは、きちんと足が地面を掴んでくれる感覚があります。

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14時47分 鴻巣宿(496.6km)

15時前になんとか鴻巣宿にたどり着きます。残り3時間で19km。

幸いなのはここまで台風の影響がほとんどないということです。天気予報を確認する余裕がありませんので、台風がどうなっているのかは分かりません。ただ、東京方面の空には怪しい雲が重なっています。

とにかく先を急ぎます。ここからは宿場町の間隔もやや狭くなりますので、目標設定がしやすくなります。

道もほぼ真っすぐですので地図を見る必要もなく、走りに集中するだけです。

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16時42分 桶川宿(504.5km)

桶川宿の本陣にはなぜか政治家の立て看板。いろいろ理由はあるんでしょうが、これはいかがなものでしょう。せっかくの本陣遺構がこれでは台なしです。

宿場町らしいまっすぐな道。ビルの間に残る史跡など見どころはある街なのに、肝心の本陣がこれでは気持ちが萎えてしまいます。

ただ、そんなことについて考えている余裕はわたしにはありません。あと数時間後には電車が止まるくらいの台風がやってくるわけです。大宮宿までは残り11.6km。

真っ直ぐな中山道を休憩をはさみながら進みます。

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17時16分 上尾宿(508.4km)

桶川から上尾まで3.9km。最後の力を振り絞って最低ラインの上尾宿まで一気に走り抜きました。

台風がやってくる18時までにはまだ余裕があります。大宮の宿場町までは8.2kmですので、単純計算で19時前には到達できそうです。そうとなると早めに宿の確保をしなくてはいけません。

台風ですので、考えることはみんな同じ。狙っていたカプセルホテルはすでに埋まっていて、もうひとつのカプセルホテルを確保。あとは大宮まで走るだけです。

ただ、ここから雨脚がやや強くなってきました。

ただ風が強くないことだけが幸いして、傘をさせば問題なく進むことは出来ます。問題は町中ということもあって傘をさして走るということができません。

安全な場所で走っては歩いての繰り返し。おそらく大宮に着くのは20時前くらいになるのでしょう。それでも歩くのをやめなければ目的地は確実に近づいてきます。

宮原駅前で最後の休憩をして、大宮までラストランというところで、この旅ラン初めての応援。仕事仲間でもありラン仲間でもあるランレコードの代表の樋下田さんが、道の先で待っているではないですか。

まったくの想定外でしたので、何が起きたのか分かりませんでしたが、知った顔を見れるのはやはり安心します。

そして、東京までは本当に近いのだと実感。

自分のためだけで走ってきた中山道でしたが、気にしてくれる人がいて知らないうちにいろいろな人を巻き込んでいたようです。こうして気にかけてくれる人がいるわけですから、何があっても日本橋まで行かなくてはいけません。

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19時23分 大宮宿(516.6km)

最後はほぼ歩きになりましたが、台風がやってくる前に、この日の目標である大宮宿までやってくることができました。残念ながら大宮宿には何も残っていませんが、大宮くらい大きな街ですので最初から宿場町としては何も期待もしていません。

ただの繁華街となっている街道の写真を撮って、カプセルホテルへと向かいました。

残りの約30kmを翌日に走れるかどうかは、朝起きてみるまでは分かりません。神様が決めるなんていうことを言うつもりはありませんが、果報は寝て待つしかありません。

カプセルホテルのお風呂でしっかりと汗を流して就寝。残すところあと1日。鬼が出るか蛇が出るかは分かりませんが、出た目で勝負。泣いても笑ってもあと30kmですから。


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著者:八木 牧夫
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