五街道制覇プロジェクト最終章「中山道69次ラン」最終日

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8月9日
9時0分 大宮駅・まめの木前 

台風の影響を考えて最終日は9時スタートにしました。ここからはラン仲間が2人並走してくれるということなので、何かあったらどうしようという不安もありませんし、気も紛れます。

旅ランそのものはやはり単独のほうが気が楽ですが、ここまで来るといつもの自分でいられる仲間がいることが大きな支え。旅の最後はどうしても気が抜けがちですが、おかげで兜の緒を締め直してからの最終日となりました。

残る宿場町は3つで約30km。単純計算で15時から16時くらいにゴールできるはず。相変わらずの一本道で迷うこともないはずです。心配なのは自分がどこまで走れるかということだけ。

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10時9分 浦和宿(523km)

6.4kmを約1時間ですので、単独走よりはしっかりと走れます。1人だったら1回はコンビニ休憩を入れていたところですが、話をしながらですとこれくらいの距離はなんてことありません。

ただ浦和宿もただの都会の街になっていて、趣がほとんどないがっかり宿場町。ただ、ところどころに宿場町である証があるので大宮宿よりはまだいいのかもしれません。

台風の影響もほとんどなく、むしろこの時間ではまだ暑さをほとんど感じません。

この旅ランで恐れていたのは関東平野の暑さだったのですが、幸か不幸か台風がやってきたことで、その暑さをほとんど感じることなくここまでやってきています。

そういう意味では本当に恵まれていた9日間でした。

浦和宿から少し走って国道17号線に戻ります。このあたりから太陽の日差しが気になり始めました。

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11時13分 蕨宿(527.3km)

「蕨って漢字で書けないよね」と話をしているうちに蕨宿に到着しました。どうやらラン仲間の1人が書けるのだとか。以前、何かでよく書いていたらしいのですが、その理由は分からず。

大宮宿と浦和宿はがっかりな宿場町でしたし、板橋も都会であることを考えると期待できません。というわけで個人的には最後の見どころだと考えていた蕨宿。

予想通りにしっかりと整備されていました。整備されすぎていて本陣が作った感が満載になっていましたが、それも愛嬌というものでしょう。

全国で1番面積が狭い市だと思えば、むしろやりすぎなくらい頑張っています。もっとも人口密度は全国の市で1番高いらしいので、決して貧しい市ではありません。

ちなみにこの蕨で行われていた青年祭が、全国の成人式の基礎になったとWikipediaに記載されています。

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荒川を越えればそこは江戸。洪水でもない限り旅人は板橋宿を目指したのかもしれませんが、氾濫すれば1〜2日は足止めされる宿場町。そう考えれば、かなり立派な宿場町が整っていたのでしょう。

こちらも一気に板橋宿を目指したかったのですが、腹が減っては街道は歩けません。板橋宿までの間にある中華料理屋さんでランチにします。

この中華料理屋が暑くなって歩けなくなってきたわたしたちにとどめを刺しました。笑ってしまうくらいの大盛りのご飯。「これ絶対残す」と言っていたのに完食した結果、もう走ることが不可能に。

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13時52分 板橋宿(536km)

板橋宿なんて、きっと何も残っていないに違いない。そう思っていたのですが、驚いたことにいまは大きな商店街として新旧が混在する街がそこにはありました。

そもそも板橋宿は3つの宿場町を合わせた総称で、上宿・仲宿・平尾宿を合わせると2.2kmもあります。

世の中の勘違いでよくあるのが、江戸の旅人は何も日本橋まで行ってから旅を始めたわけではありません。東海道は品川宿、甲州街道は内藤新宿、日光街道は千住宿、そして中山道は板橋宿から旅が始まります。

明治時代に板橋宿は宿場町としての役割を終えて、その後は寂れて遊郭に。売春禁止法が制定されてから、再び市民の街という姿を取り戻したわけですが、そういうことも旅をしてみないと分からないものです。

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そんな板橋宿からはもう1人が加わり、暑さもあってここからは完全に歩きモードに入ります。それでも日本橋まで10.5kmですので、2時間半から3時間といったところ。

関東に住んで20年以上経過するのに訪れたことのなかった巣鴨のとげぬき地蔵。そして42年の人生でまったく縁のなかった東大の赤門をくぐるなど、思った以上に観光要素が詰まった東京の中山道。

このコースなら久しぶりにウルトラマラソン練習会で街道ランをしても楽しそうです。

東大まで来れば、そこはもう上野ですので本格的に終わりが見えてきます。さすがに最後まで歩き通すのももったいないので、残り数キロで走りを再開します。

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16時20分 東京日本橋(546.5km)

神田駅を通過して、さらに真っ直ぐに進むと遠くに首都高速が見えます。三越やコレド室町といった見慣れた風景がわたしたちを歓迎するかのように出迎えてくれます。

そして、最後の交差点を通過して、東京日本橋にたどり着きました。

スタート時には手探り状態でしたが、当初の予定通りに戻ってきたというのもあって、感極まるということはありませんでしたが、五街道をすべて走りきったという達成感と高揚感は、思った以上に気持ちを昂ぶらせました。

いや、安心感のほうが大きかったかもしれません。最終日を並走してくれた仲間、ケガなく走り続けられるシューズを作ってくれたマイロード靴総合設計の薄井さんに感謝。何よりも強い体に育ててくれた親に感謝しかありません。

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旅好きの人でも分割して行くか、定年後の楽しみにしている五街道制覇。42歳という年齢ですべてを走り切ることができたのは幸運としか言いようがありません。

ただ、自分の中では特別なことをしたという思いはまったくありません。時間とお金があれば誰でも出来ることをやっただけですし、1日60kmなら毎日走れるということを証明したに過ぎません。

わたしが五街道を制覇したことで、「あいつにできるなら俺も」と、みんなが思ってくれればそれでいいんです。むしろそうでなくてはいけません。

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わたしはフルマラソンのサブスリーに届かないランナーですし、ウルトラマラソンは12時間以上かけてゴールするような庶民ランナーです。わたしに出来るなら他の人だって、できるはずです(やりたいかどうかは別として)。

いずれにしても、これで五街道は走り終えました。ここまでは誰もが思いつく旅ランでしたが、ここからは自分で創作していくフェーズに入ります。できればみんなが走ってみたいと思えるようなコースを作りたいところです。

土日で100kmくらいの移動距離になりつつも、走っていて楽しいコースづくり。

それが落ち着いたら、わたしに残された1つの宿題と1つの大きなチャレンジに挑戦しようと思います。さて、この冬はどんなコースを走ろうかな。すでにちょっとワクワクしています。


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著者:八木 牧夫
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