HANZO V2の新作発表会での違和感と個人メディアの役割

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ニューバランスとミムラボによる、日本人ランナーが世界で戦うためのランニングシューズ。HANZO V2の新作発表会の取材に行ってきました。シューズを履くことができたので、そのレビューはRUNNING STREET 365で行います。

こちらでは、レビューに書かない(書けない)内容について、個人的な想いを綴っていこうと思います。

ただ、何も触れないわけにはいかないので、端的に感想だけでも書いておきます。結論だけ言えば「とてもバランスがよく魅力的なシューズ」ということになります。

機能面での魅力もありますが、魂の作品とでも言えばいいのでしょうか。ものすごい想いが込められた1足だというのがシューズから伝わってきました。間違いなく走れる1足として注目されるはずです。

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シューズの感想はそんな感じにしておきます。気になる人はRUNNING STREET 365のレビュー記事をチェックしてみてください。

今回はたくさんのメディアが参加していましたが、ミムラボの三村さんやニューバランスへの質問の多くが、ナイキのランニングシューズとの比較についての内容でした。

「なぜ薄底にこだわっているのか」
「ナイキのシューズに対してはどう思っているのか」
「あのシューズはレギュレーション違反では?」 

いまだにドラマ陸王の 世界を引っ張っているという状態で、マスコミというのは本当に勉強しないし、前に進む気がないんだなと変なところで納得してしまいました。柳の下に何匹もどじょうがいると思っているのでしょうか。

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どういう言葉を引き出したいのか分かりませんが、良いも悪いもナイキのヴェイパーフライは世界記録を更新したランナーが履いていました。世界のメジャー大会で上位入賞者の多くが履いています。

いま読んでいる小説『武士道ジェネレーション』に、「人が何かを守ろうとするとき、必ず必要となるのは、力だ。圧倒的な力」という一文があります。

ナイキが何かを守っているかどうかは分かりませんが、圧倒的に強い力を示しました。そういう視点から見ると、マラソンの世界ではいまのところ彼らが正しいと考えなくてはいけません。

きっとマスコミは「ナイキ厚底シューズ=ズルい」というような構図を作りたいのでしょう。その構図の中で、日本を代表するシューズ職人の三村さんが立ち向かうという物語にしたい。

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バカバカしい。

誤解しないでもらいたいのですが、バカバカしいと感じているのは、ニューバランスや三村さんに対してではなく、現状をきちんと把握できていない人たちに対してです。

三村さんもニューバランスも、「そういうアプロチーの仕方もあり、私たちがとやかく言うことではない」というスタンスであり、三村さんは他社がどうこうではなく、自分の理想とするシューズを作るだけとしています。

そのことはHANZO V2を履けばすぐに分かるはずです。魂を込めて作った1足。

ナイキだって、アディダスだって、熱い想いを持った人たちがシューズを開発しています。自分たちが正しいと思った道を突き進み、いまは旗がナイキに傾いているだけのこと。

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もし、世界レベルの選手が現れて、ニューバランスのシューズを履いて世界記録を出せば、旗はニューバランスのほうに向きます。風向きは時代の流れとともに変わります。

ちなみに、HANZO V2で世界記録が出せるかというと、それはないんじゃないかとわたしは思います。メジャー大会で優勝者を出すくらいのことならクリアできると思いますが、世界記録となるともう少しブラシアップが必要になります。

さすがにすごいシューズを作ってきたなという喜びはありますが、「圧倒的」とは表現しづらいところです。もっとも、三村さんのすごいところは、そこから1人ずつにカスタマイズするところにあります。

市販品は平均的に多くのランナーに合うように作られていますので、これをベースにカスタマイズされたシューズを履くことになるエリートランナーなら、想像を超えた走りをするかもしれません。

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日本記録に迫るタイムを出しても不思議ではありません。それくらいの出来栄えです。

でも、それをきちんと伝えてくれるメディアがどれだけいるのか。きっと大手の多くは「厚底vs薄底」の構図で記事を書いてくるはずです。まったく意味のない議論であり、ものづくりの本質とはかけ離れています。

ものづくりをする人に対するリスペクトがない。そういう感じを受けてしまいましたが、そういう部分は裸足ランナーにも共通するかなとも思ったり。だから最近は距離をおいているわけですが。

それはともかく「厚底vs薄底(vs裸足)」。

もうそんな不毛な議論をするのはやめませんか。わたしたちはそれらをうまく使いこなしていけばいいだけのことです。選択肢が増えただけのことです。それぞれのシューズを作っている人をリスペクトし、そして足をサポートしてもらう。

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あとは、自分に合ったものをそれぞれが選ぶだけです。ランニングメディアはそのシューズの選び方をアナウンスする立場にあるのですが、どこかを持ち上げればどこかが下がるわけで、大切なスポンサー様のことを考えると、言いたいことも言えないかと思います。

だったら、わたしのような個人メディアが、それを発信するしかありません。

小さなメディアだからこそ言えること。本当に最適なシューズ選び方や、今回のように新しいシューズが発売されるときに、そのシューズの本質についてきちんと自分の言葉で情報発信していきます。

RUNNING STREET 365
【シューズレビュー】「ニューバランス NB HANZO V2」 


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著者:伊藤 羊一
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