マラソンを走る人に注意してもらいたいたった1つのこと

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今日は江東シーサイドマラソン大会の取材に行ってきました。東京都内で開催されている地元密着のローカルマラソンという、ちょっと変わった立ち位置にある面白い大会でしたが、さすがに38回の歴史を感じさせる素晴らしい運営でした。

ただ、素晴らしい運営をしていても、思わぬことはどうしても起きるもので、ゴール後に倒れてしまって救急車で運ばれたランナーが出てしまいました。

わたしが気づいたときにはすでに救急車が呼ばれている状態で、看護師さんが点滴を打っている状態でした。ですので、詳細に何が起きたのかは分かりません。

ただ、ゴールの直後で倒れている人がいて、多くの医師が対応していました。さすがに倒れてしまう人を大会側で防ぐことはできません。むしろ迅速な対応だったようには見えました。

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ですので、大会側にどうこう言うつもりはありません(少しあるので軽く触れますが)。わたしが言いたいのはランナー側に対しての苦言のようなものです。

本当はこういうことも言いたくはないのですが、「たかがマラソン大会ごときにオールアウトしないで欲しい」ということはどうしても伝えなくてはいけないかなと感じています。少なくともこのブログを読んでくれている人くらいには。

全力を尽くしてゴールになだれ込む。一見すると美しいような気がしますが、マラソンの理想は最初から最後まで、自分の設定したペースを維持して走りつづけることです。

当然ラストスパートなんてものもなく、苦しさに無理して耐える必要もありません。

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実業団の選手やプロランナーとなると話は変わってきます。彼らは命を削って走っているのですから、レース中に命を失っても仕方ないと思っているのでしょう。そういう人に「無理するな」なんてことは言えません。

でも、健康になることが目的で走っている人や、ランニングは趣味で行っているという人。走ることに命を賭けているわけではないという人は、マラソン大会ごときで頑張る必要なんてありません。

ゴール後に倒れ込んでしまうなんていうのは、走る目的を完全に見失っています。

もちろん、わたしもランナーですので頑張りたくなる気持ちはわかります。でも、自分の能力を超えたところで頑張るのは違います。レースは練習でやってきたところを試す場、試し合いなわけです。

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ナイキの大迫傑選手が「マラソンは退屈だ」と言いましたが、10kmにしてもハーフマラソンにしても、練習の成果を確認するために1時間も2時間も走るわけですから、退屈になって当然です。

退屈ではないという人は、練習できちんと出し切れていないから、レースで高揚してしまっているわけです。

そして、レースで救急車が駆けつけているのを見ても「自分だけは大丈夫」なんて思って、ちょっとおかしいなと思っても無理して続けてしまうわけです。違和感を気持ちで乗り切ろうとする。

レース中におかしいなとおもったら、ゆっくりスピードを緩めてください。

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大事なのはすぐに立ち止まらないということ。これはゴールした直後でも同じことですが、すぐに止まってはいけません。違和感があったら、そこからソフトランディングをして止まるようにしてください。

足の動きを止めると、足の筋肉を使って行っていた血液の流れを止めてしまうことになります。そうなると、体の末端の血液が足りなくなり、足の筋肉という補助がなくなった心臓に負担がかかります。

歩くようなスピードで走っているなら、いきなりとまってもいいのですが、キロ4分台よりも速い場合は、絶対にすぐに止まってはいけません。

ゆっくりゆっくりとスピードを落としてください。

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もちろん、これは普段の練習でも同じことが言えます。インターバルやスピード練習のあとに、その場に立ち止まってしまうというのは最悪です。命に関わる行為だと言っても過言ではありません。

マラソン大会ではラストスパートをしないことと、ゴールしても立ち止まらないこを徹底してください。ラストスパートなんかしても記録が1分も縮まりません。無駄に心臓に負担がかかるだけでとても危険です。

マラソン大会によってはゴール後にすぐに止まらなくては行けない大会もあります。横浜マラソンはゴールに人が溢れて、下手すればゴールできないというような状況になっていますが、その他の大会も似たり寄ったりです。

もし、これを読んでいるマラソン大会関係者がいれば、ゴール後には100mくらいの減速エリアを設置してください。100mかけてゆっくりとスピードを落とせば、心臓への負担も減り、救急車を呼ぶリスクも大きく減らせます。

これがマラソン大会側に伝えたいとても重要なポイントです。

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ランナーは無理してでも100mは流してください。いや、無理して流さなくてはいけないようなスピードではゴールしないようにしてください。

とにかく自分の命をさらすような行為だけは避けてください。ゴール直後に倒れ込んで走るのを止めるのは本当に最悪です。市民ランナーとしては絶対にやってはいけないことであり、自殺行為だと考えてください。

ゴール後に十分なスペースがないと分かっているなら、ゴール手前100mを使って、ゆっくりとスピードを落としてください。

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サブ3を達成できるかどうかという場合に減速できるどうかは自分で決めればいいのですが、サブ3と自分の命どちらが大事化を考えれば、自ずと答えは見えてくるはずです。

長く走り続けたいなら、ラストスパートはせずに、ゆっくりとスピードを落としながらゴールする。わたしはすべてのランナーにこのことだけは頭に入れておいてもらいたいと思います。

わたしたちは、走るためだけに生きているわけではないのですから。


「がんばらない」ススメ
著者:酒井 圓弘
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