カーボローディングをすると体重が増えるという事実

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わたしは旅ランのとき、マラソン前日や前々日に3万歩とか4万歩くらい歩くことがあります。20kmを超えることもあるので、ちょっとやり過ぎだなとは思うものの、旅がメインなので仕方ありません。

でもちょっと気になることがひとつ。たくさん歩けば歩くほど、トイレが近くなります。わたしは基本的に水分をあまり摂取しないタイプで、2泊3日の旅なら初日に買った水を家まで持ってかえることもしばしば。

そんなに水分を摂らないのに、前日や前々日に歩き回るとかなりトイレに行きたくなります。下手すると30分ぐらいしたらトイレを探しているなんてことも珍しくありません。

これはわたしの解釈ですが、きっと体内に溜まっているグリコーゲンを使っているのだと思います。逆カーボローディング状態で、たくさん歩けば歩くほどエネルギーが消耗されていく。

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グリコーゲン1gを体内に貯蔵するには3gの水が必要だと言われています。そして体内に貯蔵できるグリコーゲンは300gくらい(人によりますが)ですので、MAX貯蔵したら水分とグリコーゲンだけで1.2kgも体重が増えます。

マラソンでカーボローディングをしている人は、レース前には1.2kgの増量をしているのと同じです。1kg体重が増えるとフルマラソンで3分タイムが遅くなると言われています。

ランニング中にグリコーゲンを消費していますし、汗もかいているので後半には体重が軽くなっているはずですが、基本的には重たい状態でスタートすることになります。

さらに、しっかりと炭水化物を摂ることで、そもそもの体重も増えてしまいます。 口から摂取された食べ物が便として排泄されるまでの時間は24〜48時間と言われていますので、当然食べ過ぎも体重増です。

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カーボローディングなんかしても良いことないんじゃないかと思うわけです。トップランナーの世界は知りませんが。

というのも、わたし自身が12月の3レースのすべてで、水分とグリコーゲンがかなり抜けた状態でレースに挑んでいますが、いずれもエネルギー切れもせずに、失速なく比較的うまく走ることができました。

グリコーゲンを貯め込むくらいなら、むしろ消耗させて体を軽くしたほうがいいのでは?とそんなことを感じたので、こうやって書いてみたわけです。

トップランナーは体への負荷が大きいので、脂肪をエネルギーにするというのが難しいのですが、わたしのような3時間から5時間くらいで走るランナーなら脂肪をエネルギーにして走ることも可能です。

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いや、むしろそのほうが効率よく走れるような気がします。オーバーペースにならないで済みますし。

ネタとしてマラソン前日に「カーボローディングしよう」というのは好きにすればいいと思うのですが、本気にして炭水化物ばかり摂取したら、スタート時に体が重いなんてことになりかねません。

なのに、レースの前半にタイムを稼ごうとして無理なスピードを出したり、無理やり設定ペースにまで上げようとしたりするから失速するわけです。

ネガティブスプリットでうまく結果が出ている人は、もしかしたらそのカーボローディングがハマっているからではないかとも考えられます。体が重い前半にはゆっくり目に入って、体が軽くなる後半にスピードを上げる。

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逆に言えば、カーボローディングしていないなら、ネガティブスプリットはうまくハマらない可能性があります。

最近の3レースで、わたしはほぼすべて同じペースを守る走りをしています。脂肪を使って走れていましたので、フラットなペースがハマったのでしょう。

どちらがいいとか悪いとかではなく、闇雲にネガティブスプリットにしたり、カーボローディングしても意味がないんじゃないかという考え方の提案です。

マラソンでは「これさえしておけば安心」というものはありません。対策として何かをすれば、必ず別の何かが失われます。だから、上手に対策を組み合わせてレースを走るという賢さが求められます。

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行き当たりばったりで走るのも構わないと思いますが、それができるのは30代くらいまでではないでしょうか。40代50代になってきたら、知識と経験をフル活用して走りの最適解を導き出す。

これまでカーボローディングをしてもいい結果が出ていないという人は、騙されたと思って逆カーボローディング。前々日くらいから体内のグリコーゲンを可能な限り使い切ってみてはどうでしょう?

最も、脂肪を使って走るというのができないと早々に失速することになりますので、普段の練習から空腹時に走る習慣をつけておく必要がありますが。

とりあえず、カーボローディングは体重が増える。これだけでも頭に入れて、その上で自分に最適で合理的な準備方法やレース展開を進めてみてはいかがでしょう?


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