山を走るのが好きなのに山に入らない理由

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万里の長城マラソンの練習会として、久しぶりに山を走ってきました。2日前に和紙布のトレランシューズをシェイクダウンするために山には入りましたが、リミッターを外して走ったのは半年ぶりでしょうか。

やっぱり山は楽しいものです。気持ちいいし100%安全ではないという緊張感はロードにない魅力です。

でも、わたしが走りたいのは、トレランレースではないんだなということを再確認しました。わたしが山を走りたいのは、自分を開放したいから。山との対話を楽しみたいから。誰かよりも速く走りたいわけではありません。

自分を超えていきたいという想いもありません。

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トレランレースに出場するランナーが、真剣に走っているのに覚悟のないわたしが同じ土俵に立つのはいかがなものか。なんて難しいことは考えていませんが、とにかくレースにはわたしの求めるものはありません。

勘違いしないでほしいのですが、トレランレースが良くないと言っているわけではなく、あくまでもわたし個人としてレースという形でのトレランが好きではないというだけです。

山はとても懐が深く、どこまでもわたしを受け入れてくれます。

ロードを走るのも好きですが、ロードではこの感覚はありません。アドレナリンを出すこともなく、ただ淡々と走っていくのがわたしのスタイル。

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でも、山に入ったらすべてを感覚に委ねることができます。

速いとか遅いとか、上手く走れるとか全部含めてどうでもよくなります。そこにあるのは、何も考えずに走る自分だけ。これは山でしか得ることができません。

じゃあ、山をもっと走ればいいじゃないかと思うかもしれませんが、山に入るとロードのトレーニングプランが立たなくなります。トレイルを走ると、やっぱり疲労が大きいわけです。

練習しないから疲労するのは当然ですが、速く走りたいわけではないので練習をする意味もありません。だから、自分の主戦場となるロードでのトレーニング中心になります。

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トレーニングというのは毎日追い込めばいいというものではありません。この年齢になるとそれを強く感じます。質の高い練習を1日したら2日間のリカバリー。そうなると1年に120回しか追い込む練習ができないことになります。

人間の体はすぐに変化しませんので、120回のトレーニングというのはかなり少ない回数です。

そこにトレイルを取り込むと、さらに追い込む練習ができなくなります。マラソンの世界でも、人生においても二兎追う者は一兎も得ずなんです。自分の軸足をどこに置くべきかが大切です。

少なくともわたしにとっては、その軸足を置く場所がトレイルではないわけです。

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ただトレイルを走るのが好き。それはきっと街道を走るのが好き、東京の坂道を走るのが好きというのと同じ感覚なのかもしれません。レクレーションのひとつとしてのラン。

でも、そういう楽しみができるのは、やっぱり普段から走っているからこそ。

トレイルを走るのが好きだと言えるのは、やはり普段のトレーニングの積み重ねがあって、それを活かすことができるからなのでしょう。だから今はロードのトレーニングを優先するというのがわたしの選択肢。

何かの間違いで、本気でトレイルを走りたくなったら、もう少し頻繁に山に入るようにします。いまはきっとこのままでいい。でも、来週も再来週も山なんですが。


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