ランニングにおける体幹と体の軸の関係性

  • 2019.08.17
  • (更新日:2019.11.13)
  • RUNNING
ランニングにおける体幹と体の軸の関係性

夕方のリカバリーランをしているときに、ちょっとリズムよく走れる瞬間があり、それを再現してみたところ、どうも体の後ろ側の筋肉のバネをうまくつかっていたようで、そのときは気持ちよく走っていました。

ただ、その走りをするとやっぱり疲れやすいということで、意識的にバネを使うのは3km程度で終了し、そこからは軽く意識をするくらいに切り替えました。

ほどよい疲労感があり、心地よさとリカバリーランなのに疲労しているという罪悪感がありましたが、感覚を掴んだときにはすぐに試さないと気がすまない性格なのでそれはよしとしました。

問題は翌朝です。

背中の筋肉がバキバキで、しかも両足が重たい。これではとても夕方に長い距離は走れないかなと思いながら、朝ランを始めました。朝ランは練習というよりは習慣なので、睡眠が足りていないとき以外は体が重くても走ります。

背筋がかなり張っているのが分かったのですが、その瞬間に「この張りを使って走ったら面白いかも」と、ちょっといたずら心が目覚めてしまいました。

ランニングは筋肉の反発力を使って行いますので、例えばストレッチをしてユルユルの状態よりは、少し筋肉痛があってハリがあるくらいのほうがスピードを出せたりします。思い当たる節がある人もいるかと思います。

フルマラソンの前日に1kmを全力で走るといいと聞いたことがあるかもしれませんが、あれもその理屈です。足に刺激を入れておくことで、少しハリのある状態を作り出しておくわけです。

なので「こんなに背中が張っているなら、走りにもリターンできるのでは?」と思いつき、すぐに実効したわけです。

体の背面を軽く反って、腹筋は軽く引き上げる。ここまではいつもの走り方ですが、いつもよりも意識を背中の筋肉に持っていきます。そうすると、足の裏から頭頂のさらにその上まで1本の軸ができるのが分かります。

その軸を崩さないように、リズミカルに走ります。普段の朝ランはキロ6分くらいですが、このときはキロ5分15秒くらいでしょうか。スピード感はありますが、足のちからは抜けていて面白いように前に進みます。

結果的に、いつも走っている6.6kmのコースを、普段よりも6分も短いタイムで走ることができました。頑張ってないのにも関わらず。

休養明けの体が軽いときに、スピードに乗って短時間で朝ランが終わることはこれまでもありましたが、この日は明らかに自分のコンディションが悪く、ワーストタイムになってもおかしくない走り出しだったわけです。

走り終えて気づいたのは、「これが体の軸なのか」ということです。

そして、体の軸というのと体幹というのは、似ているけど違うものだという感覚にたどり着きました。体幹というのはとても曖昧な言葉というか、人によって定義が違うためどうも伝わりにくい言葉です。

わたしの考える体幹というのは胴体の部分。体の幹になる部分を体幹だと捉えています。体幹というと「インナーマッスル」「腹筋」とイメージする人もいるかもしれませんが、それは体幹の一部でしかありません。

あくまでも、わたしの考え方ですのであしからず。

体幹を語るときに忘れられることが多いのが、背中の筋肉です。これはもう、しつこいくらいに言い続けていることなので、このブログを読んでいる人には「またか」となるかもしれませんが、ランニングで大事なのは背筋です。

腹筋がいらないわけではありません。でも、腹筋なんて走るときに少し引き上げておけば自然と必要な筋肉がつきます。引き上げるというのは、おへそを肩甲骨側に引っ張る感覚です。ポイントはグッと力を入れるのではなく、意識をするだけで十分だということ。

腹筋は内蔵がブレないようにする役割がありますので、ある程度は付けておく必要があります。でもほとんどの人は背中の筋肉が弱いので、腹筋ばかり鍛えても体幹を整えることはできません。

椅子に座って猫背になる人は、まず間違いなく腹筋が強くて背筋が弱い人です。そうなると、ほとんどの人が背中の筋肉が弱いことになります。現代社会において背中の筋肉を使う機会がないので、これはもう仕方のないことです。

でもランニングに限らず、スポーツをするときには、体幹というのはかなり重要になってきます。先程お伝えした体の軸というのも、まずは体幹が整っていないことには意識することもできません。

スポーツをするときには、どんな競技であれまずは体作りを行う必要があり、その体作りの土台となるのが体幹を整えるということだと、わたしは考えています。そして、体幹を整えるにはインナーマッスルを鍛えるしかありません。

「鍛える」という表現は少し語弊があるかもしれません。どの競技であっても、インナーマッスルを意識して使うことで、自然と必要なだけの筋力をつけることができます。

問題は「意識できない」ことにあります。これはスポーツをやってきた人ほどその傾向にあります。アウターの筋肉でなんとかしてきた人は、インナーマッスルの使い方どころか、存在すら気づけません。

わたしもピラティスを10年近くやっていますが、インナーマッスルを意識できるようになるまで数年かかりましたし、それを走りに取り入れるとなると、さらに時間がかかり、未だ完成の域には到達していません。

まずは、インナーマッスルを意識できるようになること。そして、それを意識して走るようになることで鍛えられ、ある程度の域に達したところで、胴体が幹になる。すなわち体幹が分かります。

わたしは、ここがゴール地点だと思っていました。走りが安定していますし、体がブレないのでケガのリスクも下がっています。きっと、今シーズンはそれなりのタイムを出せるのではないかと思ったり。

でも、体の軸の存在に気づいたところで、体幹が整うのがゴールではないことに気づきました。ゴールはまだはるか先にありそうです。

今はまだ体の軸が分かったところですが、背中のハリがなくなっても同じことができるとは限りません。そして、どのように使えばいいのかという部分も見えていません。でも、走りが変わるという確信はあります。

体の動きというのは、追い求めても追い求めても正解にたどり着けません。まさに雲をつかむような話ですが、だからこそやめられなんですよね。体について知れば知るほど惹かれていきます。

やっていることは意味のないことかもしれませんが、ちょっとずつ理想の自分に近づいているような気はしますので、三歩進んで二歩下がるの精神で、着実に前進していこうかなと思います。


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著者:中野ジェームズ修一
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