フルマラソンで完走が目標の人へのアドバイス「歩きなさい」

  • 2014.03.12
  • (更新日:2019.11.13)
  • RUNNING
フルマラソンで完走が目標の人へのアドバイス「歩きなさい」

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3月23日に開催される板橋Cityマラソン。初マラソンの人や、初完走を目指す人も仲間に大勢いるようで、わたしなりの完走のためのアドバイスをしてみようかと思います。

走力に不安がある人にとって最も不安なのは「最後まで走れるか」ということに尽きるのではないかと思います。実はその不安こそが完走の妨げになるのではないかとわたしは考えています。わたしの完走のためのアドバイスは「いかにうまく歩くか」これに尽きます。

まず「最後まで歩かないことが完走」だという人のことは無視してください。フルマラソンにおける完走は「制限時間内に42.195km移動できるかどうか」これがすべてです。歩いていけないなんてルールはどこにもありません。むしろ走力不足の人はどんな形であれ、最終的に歩くことになります。

最悪なのは「歩いてしまった」という罪悪感です。歩くことはまったく悪いことではありません。多くの人は力を使い果たしてしまったことで、自分の力が足りなかったと考え力の足りない自分を責めるてしまいがちです。発想を変えてください。力を使いきる前に意図的に歩きを入れます。そのことで「歩いてしまった」という罪悪感は背負わずに済みます。力が尽きて歩くのではなく戦略的に歩きを入れるのです。

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なぜ歩くことがよいのか、少し詳しく説明しましょう。走るという行為には無酸素運動と有酸素運動が組み合わさって成り立っています。無酸素運動は100m走のような筋肉に負荷をかけるタイプの走りです。有酸素運動はジョギングですね。ただ、100%の無酸素運動や100%の有酸素運動というのはなくジョギングでも無酸素運動を行っているのと同じような症状が体に出てきます。

わかりやすいところで言えば乳酸です。乳酸は無酸素運動をすることで発生すると考えてください(本当はもっと複雑ですが)。そして有酸素運動は乳酸を消費します。乳酸が貯まると足がパンパンになって思うように動かなくなります。ゆっくりペースで走ったとしてもフルマラソンの終盤には足がパンパンになるではないかと思うかもしれません。それがジョギングでも無酸素運動を行っているということなのです。

どんなにゆっくり走ったところで、何度も繰り返して地面に着地する衝撃が無酸素運動につながるのではないかとわたしは考えています。

足はスマホなどに使われているリチウムイオン電池だと思ってください。リチウムイオン電池は残量を使い切るとエネルギーを蓄える構造がダメージを受け電池寿命が短くなります。足の場合は足のエネルギーを使い果たす(乳酸が満タンになる)と足にダメージが残り回復が遅れると考えてください。なので、足にダメージが溜まる前に乳酸を減らすことが必要なのです。そして、その乳酸を減らせる唯一の方法が「歩く」なのです。

歩くタイミングは人それぞれですが、関門まで時間に余裕がある場合、5キロ毎に5分程度歩くようにしてください。5分というのはあくまでも目安です。乳酸が抜けてくると自然と足が走りたがります。そのタイミングで走りだしてください。

意図的に歩くというのは勇気がいります。でも、完走できるかどうかのボーダーラインの人はうまく歩くことで間違いなく完走できます。そして、まずは完走して自信をつけたら歩く回数を減らしていけばいいかと思います。気がつけば、最後まで歩くことなく走りきれる力がついてきます。そうなるには数年かかるかもしれません。それがマラソンです。1日で力がつくことなんてありえません。

それでもやっぱり完走はしたいという気持ちがあるなら、うまく歩くことをおすすめします。繰り返しますが、歩くことは決して悪いことではなく、戦略的に取り入れるべきことです。直近のフルマラソンで初めての完走を目指す人は、「歩く」を取り入れてみてはどうでしょうか

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