ランニングで体幹を意識できるようになるには時間がかかる

昨日のTwitterで次のようにつぶやきました。

体幹を鍛えれば走りが安定するとか、ケガをしにくくなるとか色々と言われています。これは半分正解ですが半分は間違っています。体幹は「鍛える」ものではなく「整える」もので、鍛えるのはインナーマッスル。インナーマッスルを鍛えて体幹を整えるというのが本来の考え方です。

そんな細かいことはどうでもいいと思っているかもしれませんが、この細かいところの違いがわからない人は、おそらく体幹を整えるということの本当の意味を理解できないかと思います。

それはともかく、「体幹を鍛えること」と簡単に言うトレーナーがいますが、ランニングに体幹を活かそうと思うと、かなり長い時間がかかります。普通の筋トレをするよりも何倍も時間がかかります。

なぜならインナーマッスルを鍛えようとすると、アウターの筋肉がじゃまをするからです。筋力がまったくない人なら、インナーマッスルを鍛えるのはそれほど難しくありません。

でもすでにアウターの筋肉がついている場合には、どうしてもそちらを使ってしまうのでインナーマッスルに負荷をかけるのが難しくなります。


わたしはピラティスを始めて10年近くになりますが、最初の3年は「本当に意味があるんだろうか」と半信半疑で続けていました。もちろん、その期間でインナーマッスルは鍛えられ体幹は徐々に安定していきました。

ただ、ランニングに還元できているとは思えず、鎌倉までピラティスの先生に会いに行くという楽しみがなければ、とっくに止めていたと思います。わたしにピラティスを教えてくれている先生は、体の声を聞くことを大事にしているので、相性が良かったというのもあります。

3年を過ぎたあたりから、自分の姿勢が明らかに良くなっていることに気づきました。わたしはかなりの猫背だったのですが、それが改善されています。歩く姿もそこそこ美しくなってきました。

そうなるまでに3年です。もしかしたら、専門のトレーナーについてもらって学べばもっと早くに結果が出たかもしれませんが、これまで何十年もかけて作り上げてきた体は月に2回程度のピラティスで、すぐに変わることはありません。

一般的にピラティスの効果が出始めるのは10回のトレーニングが必要で、完全に身につけるには30回のトレーニングが必要と言われています。これはきちんとピラティスのトレーニングを受けた場合です。

ランニング前後に数種類のトレーニングを行うくらいだと、やはり体幹が整うのには3年はかかると思います。

そして、その整った体幹を走りに組み込むとなると、さらに3年はかかります。それもあれこれと試行錯誤をした上での3年です。ただ、それくらいになると、体幹トレーニングをしなくても、ランニングである程度インナーマッスルを鍛えられるようになります。

いずれにしても、わたしの場合には6年かかっています。

もちろん、わたしの運動神経が悪いというのもあります。センスのいい人なら、もっと短期間で体幹と走りをリンクさせることができると思いますが、トップアスリートでも2〜3年はかかるのではないでしょうか。


このように結果が出るのに、かなり長い時間がかかるのが体幹トレーニングです。同じようにランニングフォームも定着するのに1年以上かかります。

効率のいい走り方。ケガをしない走り方。裸足でフルマラソンを走れるフォームなどいろいろとありますが、共通しているのは習ってすぐに身につくものではないということです。

習ったときには「いつもよりも軽く走れる」と感じます。でも、そのフォームで走れるだけの筋力がついていないので、3〜5kmくらいは走れても、いきなりフルマラソンを走れるようにはなりません。

マラソンは積み重ねのスポーツです。

もちろん適正というのはあります。誰でも2時間30分以内に42.195kmを走りきれるようになるわけではありません。それぞれに限界がありどうしても越えられない壁はあります。でも、その壁に到達している市民ランナーはひと握りだけ。

そのひと握りの人たちに共通しているのが、日々のトレーニングを丁寧に積み重ねているということです。

ジョグでもダラダラ走るのではなく、体の使い方をきちんと意識している。体幹トレーニングや筋トレを定期的に行う。体のケアのためにストレッチをしたり、十分な睡眠時間を確保したり。そういうことをあたり前に積み重ねる。

ランニングに近道はありません。グリーンやピンクのシューズを履いても積み重ねがなければ結果にはつながりません。パーソナルトレーナーになるにあたって、そういう部分をきちんと伝えていこうと考えています。