体脂肪をエネルギーにして走るためにランナーがすべきこと

ウーバーイーツの仕事を始めてから、配達しない日は疲労抜きに徹していたので、この数週間は朝ランだけで10km以上のジョグもしていない状況でした。この数日は自宅仕事だったので、昨日は久しぶりに裸足ジョグをしてきました。

そこで感じたのは、フォームに無駄がなくなっていることと、糖質に頼らずに走れているという感覚でした。この両方について話をすると、いろいろと分散してしまうので、今日は糖エネルギーに頼らないということが、どういうことなのかお話しするとしましょう。

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わたしたちは糖質と脂質をエネルギーにして活動している

わたしたちは日常活動や運動をするときに、糖質と脂質を主なエネルギー源にしています。タンパク質もエネルギー源になっていますが、割合でいえば15%程度で、残りの85%は糖と脂肪を使っています。

安静時には脂肪を中心にエネルギーを使い、運動強度が上がるにつれて糖質をエネルギーにしていきます。ランニングにおいては、ジョギングくらいなら糖質と脂質の割合が半分くらいで、レースペースになると脂質はあまり使わずに、エネルギー源としては糖質を使います。

ただし、体内に貯められる糖質の量には限度があります。体内に貯められる糖質の量は、約400gと言われています。これは1600kcal相当のエネルギー源で、体重が60kgの人がフルマラソンを走ると、2520kcalも消費するのでレース途中に確実にエネルギー不足になります。

ただ、それはスピードを出して負荷を高くしたときのことで、ペースを落とせば脂肪をエネルギーに変えられるので、ガス欠にならずに走り切ることができます。マラソンでオーバーペースが良くないのは、体内のエネルギーが不足して走れなくなるのもひとつの理由として挙げられます。

いかにして体内の糖質を不足させずに完走するか

マラソンというのは「走る」だけに焦点がいき、42.195kmを走るスポーツだと思っている人がほとんどですよね。でも実際には、いかにして糖質エネルギーを使うかという競技なんです。

ゴールする前に糖質を使い切っても、ゴールしたときに糖質が余りすぎていてもいけません。ハイブリッドカーをイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。ハイブリッドカーはガソリンと電気で動きますが、ガソリンを使い切ったら、100%の性能が発揮できなくなります。

人間の体も同じことで脂肪はエネルギーになりますが、ランニングなどの運動をするときにメインのエネルギーになるのは糖質です。だから糖質を使い切らずに42.195kmを走るというのがとても重要になります。

とはいえ、追い込めば追い込むほど糖質を使ってしまうので、トップランナーはスペシャルドリンクを使って糖質を補給します。スペシャルドリンクを取るのを失敗するというのは、高速道路で「もうガソリンが少ない」状態なのに、サービスエリアに入らないのと同じこと。

もちろん、わたしたち市民ランナーも同様で、5〜6時間かかる人もペースはともかく本人にとっては高負荷な状態ですので、糖質が優先的に使われます。それもトップランナーよりも長い時間かかっているので、ガソリンタンクはすぐに空っぽになります。だから、マラソンエイドでの給食が必要になります。

脂質を使う割合を増やすようにすればペースを上げられる

マラソンにおいて糖質を使い切らないことがとても重要なのですが、そのためには使い切らずに済むペースで走るというのが基本的な考え方になりますが、もうひとつランナーにできることがあります。それが脂質を積極的に使うようにするということです。

とはいえ、意識して「ちょっと脂質を多く使うか」というようなことはできません(意識することで、可能かもしれませんが)。

でも、トレーニングや日常生活の習慣で、積極的に脂質を使えるようにはなります。実業団の選手や学生ランナーは、朝ごはん前にメインの練習を行いますが、これは体内に糖質が少ない状態で走ることで、脂質を使える体にするという目的もあります。

人間の体の順応性は素晴らしいものがあり、糖質が少ないなら、自然と脂質を使うようになります。ただ、これまで糖質に頼っていた状態で、いきなり糖質をカットしても、すぐに脂質をエネルギーにできるわけではありません。

普段から糖質が足りない状況を意図的に作り出し、その環境の中でトレーニングを行うことで、効率的に脂質を使えるようになります。

脂質を効率的に使えるようになるためにすべきこと

糖質を使い切らないようにするために、脂質をエネルギーにする。これがマラソンを最後まで走り抜く秘訣ですが、実際にトップランナーほど、脂質を上手に使っていることが推定できるレポートがいくつも発表されています。

ですので、わたしたち市民ランナーも脂質を使える体を手に入れることができれば、競技能力が向上するはずです。では、どうすればそのような体を手に入れることができるのかについて説明します。

  • 朝食前にトレーニングを行う
  • ポイント練習の後に5〜10km程度のジョグを入れる
  • ケトン食を取り入れる

まずはすでに説明した、朝食前のトレーニングです。朝起きて朝ごはんを食べる前にその日のメインのトレーニングをしてしまいます。ジョグでもポイント練習でもかまいません。体に糖質が少ない状態でトレーニングを繰り返せば、自然と脂質をエネルギーに使えるようになります。

朝にそんなトレーニングを入れたら仕事にならないという人や、毎日トレーニングが難しいという人は、ポイント練習に長時間ジョグを組み合わせましょう。ポイント練習は負荷が高いので自然と糖質を使いますが、そのあとの糖質が枯渇しているときに、5〜10kmのジョグを入れます。

ポイント練習で追い込まれていてきついから、そこで練習を終わらせたいところですが、ポイント練習直後は脂質を使えるようになるためのゴールデンタイムです。30〜50分くらいのジョグをしてください。

また、ケトン食をすると脂質を使える体になるそうですが、これに関してはまだ不勉強なのでまたいずれ解説します。ただ、ケトン食は糖質の摂取量が大きく減るので、わたしのようなライティングの仕事をしている人間にはあまり有効ではないような気がします。

いずれにしても、ケトン食の話はいずれということで。

ウーバーイーツは脂質を使えるようになるトレーニング

話を少し戻すとしましょう。わたしは体重を落とすために、この数日間は糖質をかなり抑えています。このため、体内には糖質エネルギーが少ない状態で、こういうときにジョグをすると5kmくらいでハンガーノックの前兆がやってきます。

でも昨日はその気配もなく、12km走ってもまだまだ余裕でした。絶対に補給が必要だろうと小銭を持っていましたが、その必要はまったくありませんでした。おそらく、ウーバーイーツの配達をするときに脂質を使えるようになっているのでしょう。

ウーバーイーツの配達は昼と夜に4時間ずつ行っています。4時間近く自転車を漕ぎ続けているので、体内の糖質エネルギーは常に不足している状態です。3時間経過してきたら、頭の回転の悪くなるので完全にガス欠です。

ところがそういう状況に体も順応するもので、自然と脂質をエネルギーにするようになってきたのでしょう。体が「糖質がないなら脂質を使えばいい」と学習をしたわけです。そういう意味ではウーバーイーツはとても優秀なトレーニングなのではないかと思い始めています。

ただ、すべては愛媛マラソンで結果を出してからのことです。まだ何も成し遂げていないので、これはあくまでも推測でしかありません。

まとめ

走力というのはとても曖昧な言葉です。フルマラソンを走る場合には、筋力があるだけでなく筋持久力、心肺機能なども鍛えなくてはいけません。でも、どれだけ走れるカラダを作っても、糖質エネルギーを枯渇させるような走りをしたら、失速して残念な結果になります。

だから脂質をうまく使えるようになるというのも、記録を求める人にはとても大切になります。いや、正確には脂質をうまく使える人こそが速く走れる人なのかもしれません。だったら、そのための体質改善はとても重要です。

朝ランをすることや、ポイント練習のあとにジョグを入れる。そしてまだ説明はできませんが、ケトン食を導入するというのも効果があります。あとはウーバーイーツの配達員ですね。いずれにしても、糖質がないじょうたいで運動するというのがポイントです。

この仮説が正しいかどうか、ウーバーイーツを始めてまだ1ヶ月にも満たないので愛媛マラソンで答えがでるかわかりませんが、続報は愛媛マラソン後にお話しようと思います。

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