体の声に騙されない!調子が悪いという感覚を疑うこと

体の声に騙されない!調子が悪いという感覚を疑うこと

16時間のプチ断食を始めてから、ランニングのコンディションが上がりません。グリコーゲンが不足しているのだという認識で、なおかつ速く走る時期でもないのであまり気にしてはいないのですが、朝ランのペースがキロ6分30秒くらいまで下がることもあります。

そうなってくると、根本的な走力が落ちているのではないかと不安にはなります。でも週に1〜2回ほどジョグの途中にHIITを入れているのですが、自分の想定を超えた走りができています。そうなってくるとコンディションとは何なんだろうという疑問が湧いてきました。

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ジョグではキロ6分30秒なのにHIITではキロ3分を切れる

これが土曜日の夕方ランニングでのペースです。午前中にRUNWAY練習会をしてやや筋肉に張りがある状態。体の声を聞きながら走ったら前半はキロ6分40秒よりも遅くなる時間帯があるほどのゆっくりペース。平均すればキロ6分程度。

シューズは履かずに裸足ランニングです。

この日はお腹の調子も悪くてギリギリまでHIITをするかどうか迷いましたが、「無理なら途中でやめればいい」と考えてスタート。いま行っているHIITはスタンダードなもので、20秒の高負荷ラン+10秒のジョグを8本行います。トータル4分で終わります。

スポーツ養成時期ではないので、いまの時期はこれで十分。

スタート前に呼吸を整えたのもあり、最初の20秒でキロ2分39秒まで上がります。わたしの走力を考えると、ちょっとぶっ飛んだペースです。HIITじゃなければこんぱペースでは走りません。しかも1本目で心拍数を上げたかったのもあってのオーバーペース。

2本目からはさすがにペースが落ちましたが、HIITを含んだ1kmのタイムが3分44秒です。緊急事態宣言明けにワークマンの厚底シューズで1kmのTTをしたときが3分39秒だったのに、インターバルで3分44秒なら悪くありません。なんだったら緊急事態宣言中にやった1kmTTよりもタイムが速い。

何が言いたいかというと、ジョグではキロ6分でしか走れないのに、スイッチを入れるとそこそこのペースで走れる。これはいったいどういうことなのでしょう?

マラソンにおけるベストコンディションとは

マラソンにおけるコンディションづくりを考えたとき、ポイントになるのは下記でしょうか。

  • 疲労が残っていない
  • 体内に十分なグリコーゲンが貯蔵されている
  • ストレスを抱えておらず自律神経が安定している
  • 十分な睡眠時間を確保できている
  • 十分な量の血液がある
  • 自分に自信がある

もしこれが正しいとするなら、わたしのコンディションは疲労とグリコーゲンの貯蔵量において大きな問題があります。だからジョグでスピードを出すことができないのだと認識しています。この状態でレースをするわけではないので、体への負荷を高めるために良しとしている部分でもあります。

でも、本当にコンディションが悪いならHIITでキロ3分を切るようなペースにまで上げることはできそうもありませんし、HIITなのに1kmを3分44秒で走るなんてことも無理です。ただ逆の考え方もできます。もしこれがバッドコンディションなら、コンディションを高めるとさらに速く走れると。

これは別の機会に試してみますが、自分の走力を考えるとさすがにそれはなさそうです。体重はシーズン中と変わりませんので、速く走れる根拠がどこにもありません。緊急事態宣言中にもっと痩せていれば話は別ですが、実際には現状維持。

だとすれば疲労が残っていてもグリコーゲンが足りなくても、そこそこ走れてしまう理由がどこかにあるはずです。

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コンディションが整っていない状態で結果を出せる理由

自分のコンディションが良くない状況で質の高い練習をしたり、タイムトライアルで結果を出すことができるのか。当然そんなことはできないように思えます。それができるならコンディションがそもそも悪くないという考え方もできます。

でも、実はコンディションというのはあくまでも感覚のひとつでしかないのかなと思い始めています。もっと噛み砕いて言いましょう。「調子が悪い」というのはただの思いこみなのではないかと。

もちろん筋肉痛などは思い込みではなく、現実問題として疲労を抱えている状態ですが、集中力を高めていけばその痛みを一時的に消すことは可能です。本当に疲労がひどくて動けないのであれば、集中力を高めようと何しようと動けないはずです。

体がだるいなという感覚があったとします。それは体のどこかに問題が出ている可能性もありますが、集中さえすれば問題なく走ることができる可能性もある。いや、むしろその可能性のほうが高いような気がします。逆にいえば「調子がいい」と思っていても、実は体は走れない状態にあるなんてことも考えられます。

何がそれを支配するのか?

ひとつはやはりメンタルなんだと思います。心の問題で走れるように感じたり、走れないように感じたり。わたしがいまジョグでスピードが出ないというのは、メンタルのどこかに問題がある。「プチ断食をしているから走れなくてあたり前」というようなバイアスがどこかにあり、それはランニングペースを支配している。

でもHIITをするときは、頭の中が空っぽに近い状態で、メンタルが入り込む余地もないのできちんとポテンシャルを発揮できる。だとすれば、マラソンにおいてもメンタルが記録を伸び悩ませたり、サブ3の壁になっている可能性もあります。

体の声に惑わされず、必要なだけの負荷をかける

わたしはコンディショニングが必要ないと言いたいわけではありません。むしろコンディショニングはランナーにとってとても重要なことです。そのためにしっかりと眠り、栄養価の高い食事をする。オーバートレーニングにならないようにする。

これらはやって当たり前のことです。こういうあたり前のコンディションづくりをした上で、コンディションについて忘れてしまう。走れない理由を正当化するのではなく、本当に走れないのかどうかいろいろと試してみる。もしそれなりのペースで走れたなら、メンタルに問題があるわけです。

なぜ走れるのに「走れない」と思い込まそうとしたのかを考えて、同じことを繰り返さないようにする。体の声が聞けるようになると、ときどき体の嘘の信号に騙されてしまうことがあります。それを嘘だと見抜けるようにならないと、次のステップにたどり着けません。

体の声を聞くことは大事ですが、その声に惑わされないことも大事。そのためにはデータがやはり有効です。体が動かないと言いつつも心拍数が上がっていないなら、体はそれほど無理をしていないことになります。難しいのは心拍数だけでは測りきれないということですが、ひとつの指標にはなります。

感覚だけでなく数字で確認する。そしていけると思ったら集中力を高めてチャレンジしてみる。そのうえで違和感があればすぐにやめる。しばらくはこの方針でトレーニングを続けていこうと思います。

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