福岡国際マラソンやびわ湖毎日マラソンはなぜ終了しなくてはいけないのか

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びわ湖毎日マラソンに次いで、福岡国際マラソンも終了になると報道されました。この報道が事実なら、日本に残されたエリートランナーのための大会が、別府大分毎日マラソンと防府読売マラソンだけになります。これも時代の流れということで、これからは東京マラソンのようにエリートランナーと一般のランナーが一緒に走るのがスタンダードになるのでしょう。

【参考】Yahoo!ニュース

終了する原因はスポンサー離れと、中継費用が高額になったということです。ただ、根本の問題は新型コロナウイルスにあるのでしょう。日本陸連の収支の多くが協賛金で賄われています。2019年4月1日から2020年3月31日までの事業収益2,543,651,296円のうち、受取協賛金が2,176,676,296円を占めます。

約86%が協賛金なのですが、2020年4月1日から2021年3月31日まで、すなわちこの1年間の受取協賛金は1,348,500,000円となっています。7,900万円も減っており、収益全体で見ると1億円のマイナスになります。来年度はさらに減ることが予想されており、とにかく日本陸連にはお金がないわけです。

福岡国際マラソンやびわ湖毎日マラソンは注目度が高い大会ですが、警備などにかかる費用も大きく、コロナ禍が続くようであれば継続するのが難しいと判断したのでしょう。スポンサーもシューズやウェアが売れないので、これまでのように協賛金を出すことができません。ない袖は振れないわけです。

その点、市民マラソンと同時開催できれば参加者から費用を集められます。もちろん市民マラソンも儲けがあるわけではありませんが、収支を考えたときにはエリートの大会を単独で開催するよりは余裕があります。福岡国際マラソンであれば、福岡マラソンと合わせれば、地元の負担も最小限に抑えられます。

実際に福岡マラソンと統合するかどうかは開催時期とコース次第でしょう。開催時期は変更するだけでいいので、まだ問題ありませんが、コースは記録を出せるアップダウンのないコースにしなくてはいけません。そうでないとびわ湖毎日マラソンの二の舞を演じることになります。

びわ湖毎日マラソンは大阪マラソンと合わさるので、福岡国際マラソンの統合先は東京マラソンや大阪マラソンと並ぶほどのフラットなコースでなくてはいけません。それを福岡マラソンがコース変更をしてでも実現できるかどうか。ただいずれにしても、単独開催はないでしょう。

日本陸連は新型コロナウイルスを理由に挙げていないので、もしかしたらコロナ禍より前から単独開催のエリートのためのマラソン大会は、収支面で問題になっていたのかもしれません。コロナ禍というのは引き金に過ぎず、いずれ終了となっていたのでしょう。日本記録に1億円の報奨金を出している場合でないのもわかります。

個人的には周回コースによる賞金レースがあれば、単独開催もできるのではないかと思っています。大阪国際女子マラソンが周回コースになっていましたが、面白いもので観ている側からすると、同じ場所をグルグル回るのは意外と目が離せなくなるもので、それこそF1のようにシリーズ化すれば観客収入も確保できます。

totoのようにスポーツくじにすれば、収益面でも大きな利益になります。でもそこまで大きな改革を期待するのは無理なのはわかっています。これはあくまでも私の妄想。びわ湖毎日マラソンや福岡国際マラソンを終了させるだけでも、現場にしてみれば大改革なのです。ただ、マラソンにはもっと可能性があるのにとは思います。

もっと面白く見せることができるのではないかとも思いますし、賞金レースになれば夢があります。プロランナーという肩書きの意味合いが、今とはまったく変わってきます。スポンサーだけに頼るのではなく、自分で稼いで生活できるとなれば、ランナーを目指す子どもも増えていきます。

いずれそういう時代が来ることを願っていますが、残念ながら今はそれどころではありません。日本陸連には目先の収入が足りないのです。ただ、これはもしかすると、陸連が収益確保のためにマラソン大会を再開する流れを作り出す可能性もあります。この秋の開催を掲げている大会が多いのも、もしかしたらその流れだとすれば意外と早く、マラソン大会が私たちの元に戻ってくるのかもしれません。

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