アディゼロ プライム Xでレースを走りたくなる誘惑【ウィーンマラソンでソール厚による失格発生】

  • 2021.09.15
  • (更新日:2021.09.14)
  • RUNNING
アディゼロ プライム Xでレースを走りたくなる誘惑【ウィーンマラソンでソール厚による失格発生】

ウィーンマラソンで開催されたマラソン大会で、優勝したデララ・フリサ選手が規定外シューズを履いていたとして失格になりました。マラソンの規定ではソール厚が40mmまでというルールが制定されていますが、デララ・フリサ選手が履いていたのは50mmのソールだったとか。大手シューズメーカーで50mmソールのランニングシューズを出しているのはアディダスだけなので、おそらくアディゼロ プライム Xかと思います。

選手もルールは分かっているはずなので、意図的だったのか、それとも間違いに気づいたけどそのまま走ったのかはわかりません。少なくともどこかで気づいていたのは間違いありません。アディオス プロと比べて重さもフィット感も違いますから。ですので、分かって履いたことになるわけですが、その理由はわかりません。アディオス プロを履いても勝てるレベルの選手なので、興味本位だった可能性もあります。

アディゼロ プライム Xを履くと「これで走ったらどうなるんだろう」という気持ちが湧いてきます。少なくとも私はそうでしたし、マラソン大会で履いてみたいという気持ちを完全に抑え込むことはできていません。デララ・フリサ選手もそうだったのか、それとも別の思惑があったのか。ただ、結果としては1位になって失格になっています。これによりわかることは、レースが公平に行われたということと、アディゼロ プライム Xは勝てるシューズだということ。

50mmの厚底と聞いただけで「やり過ぎ」や「そんなので走れるわけがない」という声がありましたが、実際にはアディダスのテクノロジーが詰まった1足だったわけで、思わぬ形でそれが証明されました。まさかアディダスの指示ではないのでしょうが、アディダスの目指している方向性の正しさを示すことになりました。これはランニングシューズ好きにはとても興味深い結果です。

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マラソンを走るのはランニングシューズではなくランナーです。でも、ランニングシューズがタイムに影響するのは間違いありません。それは数%のことですが、トップレベルの争いになるとその数%が大きな違いとなります。だから各メーカーは他社に負けないようなランニングシューズを開発するわけです。勝てるシューズを作ることができれば、ランニングシューズが売れるわけです。

実際に失格のニュースが出てからRUNNING STREET 365に掲載したアディゼロ プライム Xのレビュー記事のアクセス数が増えました。これがどちらに転がるかはわかりませんが、規格外シューズの存在を知らしめる結果にはなりました。おそらく、それなりの数が売れることでしょう。少なくとも市民ランナーレベルでは、ソール厚さをチェックされることはありませんので。しれっと履いて自己ベスト更新してしまうなんてこともできるので。

それに何の意味があるのか私にはわかりません。でもランナーの中のはタイム至上主義の人がいて、自分の記録で他のランナーに対してマウントを取ったりします。でもランニングの本質はそんなところにありません。速く走るだけがランニングではなく、誰かよりも速いことに1ミリも価値はありません。速さを追求するにしても、ライバルは過去の自分だけ。それも成長したと言えるのは、同じシューズを履いて走ったケースだけ。

まったく同じシューズというのは手に入らないので、自分の中で薄底での記録と厚底での記録をわけで考えた方がいいかなとは思います。あと2〜3年くらいは。厚底で走って薄底の記録を超えても、必ずしも自分の走力がアップしたとは限らないので、シューズを履き替えての記録更新はそれほど意味のあるものではありません。下駄を履いただけのことですから。この認識がなぜか広まらないのが不思議なのですが、それだけタイムというのがわかりやすい結果なのかもしれません。

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私は新しいテクノロジーが好きですし、それを開発する人たちの想いが伝わってくるランニングシューズが好き。だから最新のシューズも履きます。裸足で走るのはニュートラルな自分を軸に持っておきたいから。裸足で走ることが楽しいのもあります。でもそれと同じくらいシューズで走るのも好き。記録を出すならやっぱりシューズには拘ります。では規格外シューズを履きたいか。

すでに述べたように、アディゼロ プライム Xでフルマラソンを走ってみたいという欲望はあります。それはタイムを出したいというよりは純粋な好奇心として。これだけすごいテクノロジーが詰まっているのに、日の目を見ることがないというのは、ランニングシューズとしても不憫です。せめて私が走って、レビューなどで存在を知ってもらいたい。そんな想いはありましたが、今回の違反でそれの気持ちも薄れました。

もうデララ・フリサ選手が勝てるシューズだということを示しましたので、私が「やってみた」を記事する必要はありません。やるとしたら、近所の公園でグルグル42km走るくらいでOK。もうアディゼロ プライム Xは日陰の存在ではないわけです。規格外ではありますが、アディダスのフラグシップモデルであり、みんなが注目する1足。私は1人のランナーとしてこれからの進化を楽しみにするだけのことです。

規格外シューズ、面白いじゃないですか。ルールに縛られず、自分たちが最高だと思う1足を開発できる環境があるというのは、マラソン業界にとって刺激になりますし、未来への指針にもなります。資金力のあるアディダスだからできることではありますけどね。できれば他のメーカーも追随してもらいたいところ。でもそうなると市民マラソンは規格外シューズだらけになる可能性があります。それはそれでちょっと違う気がするので、盛り上がりすぎてもよろしくありませんが。

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