オーバートレーニングになるからケガをする【自分の力量を見極める】

昨日はジョグをする予定でしたが、今日から2日間で80kmを走るのと仕事の進捗が良くなかったのもあり、久しぶりに完全休足日にしました。かつての私だったら何があっても走っていましたが、ランニングの情報発信をするようになってから、意図的に休みを入れるようになってきました。

走っていないと不安というのは今でも変わりませんが、走ったことによる疲労をイメージしたら、自分なりに納得はできるようになったのが成長かなと。トップアスリートが「走った距離は裏切らない」なんてことを言うので、たくさん走ることが重要だという考え方が定着していますが、その「たくさん」の基準は人によって違います。

トップアスリートは月間走行距離が1000kmになるようなこともあります。それができるのは、毎日30km以上の距離を走れるベースがあるからです。月間走行距離が100km程度の人が、それを真似してみたところで体を壊すのがオチです。距離を走れるようになるには日々の積み重ねが大事で、一朝一夕で身につくものではありません。

その文脈なしで「月間走行距離を積みましょう」というのは、考えが浅すぎます。でも、かつての私がそうだったように、マラソンはたくさん走ればいいというのが一般的な考え方。とにかく無理をする人が多すぎます。そしてケガをして、ワラーチや裸足ランニングに目覚める。

そこまではまだいいのですが、ケガをした理由をオーバートレーニングだと考えず「シューズを履いていたから」という、とんでもない理屈を持ち出してきます。かつてはケガをしやすいシューズがあったのも事実で、今も体のことよりも速さを追求するシューズがあります。でもそれはタイムとのトレードオフであり、ケガをしたくないのであれば、ケガをしにくいシューズを選ぶことができます。

このブログでも何度も書いていますが、ケガをする理由の多くがオーバートレーニングです。真面目すぎるがゆえに、練習の虫になって体を消耗し壊してしまう。真面目すぎるがゆえに「シューズが悪い」と思い込んでしまう。本当に悪いのはケガをするメカニズムを学んでこなかった自分自身なのに。

ランニングメディアにも多少の責任はあります。トレーニングの手順を正しく説明してきたメディアがどれくらいあるでしょうか。なんだったら「3ヶ月でフルマラソン完走」みたいな、めちゃくちゃな企画を立てているメディアもあります。ランニングを生涯スポーツとして考えていれば、そんな企画はボツになるはずなのですが。

私がこのブログやRUNNING STREET 365で定期的にオーバートレーニングを注意しているのは、そういう状況を少しでも改善し、1人でもいいからランニングによるケガを回避してもらいたいから。ただ強制するつもりはありません。ケガをしたくないと心から願っている人に届けばいいかなと。

ケガをしないように安全側でトレーニングを続けても、必ずどこかで伸び悩みが起きます。フルマラソンでサブ3をするような人は、大抵どこかで突き抜けたものがあります。意識しているかどうかは別として、リスクを取って速く走るための追い込みをしています。タイムのためなら壊れても仕方ないと。

それは生き方の問題なので、私がアドバイスするような話ではありません。どうぞご自由にの世界。そうやって突き抜けたからこそ見える景色もあります。ただ私はその景色を見たいとは思いません。それよりもできるだけ長く走り続けたい。いつまでも理想を追い続けたいのでケガをしないように安全側にいます。

2日間で80km走る前日に20km走ることにメリットはないと判断し、しっかりと休みを入れるわけです。2日間で80km走ることが突き抜けていると思うかもしれませんが、私の基準では無理のない範囲の遊びです。それができるだけの体を何年もかけて築き上げてきたので、それでオーバートレーニングになることはありません。

自分の力量を客観的に判断すること。これも大事ですね。意外とそれができていないランナーがたくさんいます。だから行き当たりばったりの走りをして、後半に失速するわけです。力量を判断できないからオーバートレーニングでケガをする。じゃあどうやって見極めればいいのか。それについてはまた後日ということで。

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