再開したマラソン大会に出場するにあたってランナーに意識してもらいたいこと

ぐんまマラソンからPCR検査のキットが送られてきました。11月30日以降で群馬県内に入る前に検査しておくようにとのこと。驚いたことに、検査結果は提出する必要もなく、さらには大会当日に持って行く必要もありません。指定の用紙にチェックを入れるだけ。よほどランナーを信用しているのか、それとも大会側も形式だけでやっているのか。

おそらく大会側としたら、陽性が出た人が参加するなんてことは考えてないのでしょう。もし東京マラソンのように、検査結果のチェックまでするとなると、陽性の人に参加費の返還などもしなくてはいけなくなると考えたのかもしれません。健康チェックシートもそうでしたが、判断をランナーの良心に委ねるよりも、こういうのは厳格化したほうが最終的な大会の評価は上がるもの。ただ厳格化にもお金がかかり、一方で予算が限られているので仕方ないかとは思います。

マラソン大会に限らず、ほんの一部の大会を除いて、イベントというのは主催者の想いが込められていて、そしてさまざまな制約の中で最適解を探りながら開催に向けて動いていきます。外の人間にはその制約が見えないから、基本的に好き放題言います。今はTwitterなどの匿名で好き放題言えるツールがあるから過剰に批判されることもあります。担当者はきっとこの数ヶ月ずっと胃が痛んでいるのではないでしょうか。

別に好き放題言ってはいけないことはありません。核心をついた提案をしている人もいますし、その発言の裏には別の思惑があることもありますし。さらにはこの国には表現の自由があります。誹謗中傷は良くありませんが、自分の感じたことを思いつくまま言葉にするのは自由。ただ、その言葉に責任を持つ必要があります。そして、自分の吐いた言葉は時として自分を縛り付けるので、不用意な発言は注意しなくてはいけません。

長い前置きはそれくだいにしhて本題に。ぐんまマラソンは新型コロナウイルス対策を見掛け上はしっかりとしています。でもそれはハリボテであり、クラスターになる可能性も心配系のトラブルで倒れる人が出る可能性もあります。念のため書いておきますが、ぐんまマラソンを批判しているのではなく、事実と論理的に考えられる推定だけを述べています。参加する人はそのリスクを頭に入れておく必要があります。

ここまで対策してるから大丈夫だろうと思って会場でノーマスクでいたり、必要以上に人との距離を詰めたりすると、新型コロナウイルスに感染する可能性もあるということを頭の片隅に置いた上で参加してください。それだけでも、クラスターに巻き込まれる確率が大きく下がります。走るときはもちろんノーマスクでOKです。ただ会場内やシャトルバスなどではマスクを着用を徹底しておきたいところ。まあ着用しない人はいないと思いますが。

ぐんまマラソンに限らずマラソン大会や他のイベントはある程度のリスクはあります。このタイミングでリスクゼロは難しく、今年は来年以降の開催、ランニング業界そのものの正常化を目指すための試金石という位置づけです。だからこそ、参加するランナーは浮かれることなく、地元の人たちに迷惑をかけることなく参加したいところです。走り終えて浮かれて騒いでしまうなんてことのないように気をつけなくてはいけません。

今は些細なことでも「ほら見たことか」と批判されてしまいます。大会によっては炎上することもあるでしょう。そうなると来年以降の正常化が難しくなります。何よりも運営者の心理的負荷が大きくなり、「もうやらない」と言い出す可能性だってあります。マラソン大会は主催者だけ頑張ってもいい大会にはなりません。ここはランナーが一致団結するところ。ある程度は自分を抑えて、何事もない開催に向けて協力し合いましょう。

もちろん、それをするかどうかは自由。別に強制するようなことでもありません。参加費を払っているのだから自分達はお客さんだと主張するのも自由。でも、それが自分にとって将来的な不利益になる可能性だってあります。滞りなく開催されないと、マラソン業界は冬の時代を迎えることになります。大会そのものが減り、「自己ベスト更新を目指す」なんて言ってられなくなるわけです。

だからこそ、今シーズンの大会だけはベストを尽くすにしても周りに配慮しながら。会場ではマスクの下で口角を上げ、できるだけ穏やかな気持ちで過ごしましょう。久しぶりの大会で舞い上がったり、今回に賭けていてピリピリしたりする気持ちもわかります。ただ今回のライバルは周りのランナーでもなく、自分自身でもなく「世間の目」です。いつもよりも数センチ背筋を伸ばして、美しいランナーを目指しましょう。

そして地元の人たちや主催者に、やっぱりマラソン大会っていいよねと思ってもらえたら、来年以降もまた走れるようになります。ここは大きな分岐点。もう多くのランナーが「マラソン大会が開催されるのが当たり前」という感覚は抜けきったかと思います。私たちが信じていた日常は、思った以上に簡単に崩壊したわけです。コロナ禍が終息したとしても、もう元には戻りません。

ここからは新しいスタイルのマラソン大会としてリスタートになります。過去を引き摺らないこと。コロナ禍前の大会と比較しないこと。新鮮な気持ちで、そして走れることに感謝しながら42.195kmを楽しみましょう。この状況で開催されること自体がすごいこと。多くの人が裏で戦ってくれたからこその開催です。なので、走り終えてからフィニッシュラインでコースに向かってお辞儀することもお忘れなく。

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