クッション性の高いシューズで走るということ【足は守られるけど】

久しぶりに薄底シューズで走りました。まだ骨折は完治していないので6kmほど。ジョグよりもやや速いくらいのペースでしたが、翌朝にしっかりと骨折した指が痛くなりました。これまで足を守るために、厚底でクッション性の高いシューズを履いていたのですが、ここまで変わるとは思いませんでした。

厚底シューズはそもそも「疲労しにくい」というのが強みのひとつだったのですが、やっぱり注目されるのはカーボンプレートの存在。カーボンプレートやそれに代わる補強材があるから速く走れるのだと思っている人もいるようですが、レース後半に失速しないのはやはりクッション性が優れているから。

ただクッション性が高いだけでは沈み込んでしまうので、走っているときには柔らかさを感じないのが理想。指で押したら簡単に沈むのに走ってみたら「ちょっと硬いかも」と感じるくらいが大雑把に言えばちょうどいい硬さ。実際にシューズメーカーの多くがそこを落とし所にしています。

それゆえにソール材の存在感が薄くて、ほとんどの人はその恩恵を感じないわけです。なんだったらカーボンプレートなどの補強材があるから体をどんどんと前に進めてくれると思っている。でも本当はソール材が主であり、補強材は補助的な役割でしかありません。柔らかすぎるソール材がねじれないようにするための補助。

ただ、ソール材にここまでクッション性があるとなると、使い方をよく考えなくてはいけません。厚底シューズを履いてトレーニングをしても足が弱っていく可能性があります。それはこれまでも言ってきたことなのですが、今回の件でより強く感じるようになりました。

薄底のシューズで少し走ったくらいで痛むケガが、厚底シューズに履き替えたらまったく痛まない。それだけ筋肉への負荷が落ちていることを意味します。最近はジョグのシューズもレースと同様に厚底シューズを履くのがトレンドになりつつありますが、あれはやめたほうがいいというのが私の考え方。

確かに普段のジョグとレースのシューズが似たようなフィーリングであれば、レース用のシューズを履きこなすのが簡単になります。でも厚底シューズでのジョグは自分たちが思っている以上に足への負担が少なく、これまでと同じ質、同じ量の練習だと練習量が不足するような気がします。

シンプルに練習量を増やすか質を上げれば回避できそうですが、きっとそれほど単純な話ではないのでしょう。一般のランナーの場合には練習時間を確保するのが難しいわけでして、どちらかといえば練習時間を短くしたい。だったら薄底にして足への負担を大きくしたほうが効果的なトレーニングになる。

この落とし所が難しいというか、差が出るところなんだろうなと思います。同じ練習をしていても人によって、疲労感や負荷、回復にかかる時間が違います。だから正解は人それぞれ違うというのもあるのですが、正解を見つけた人は右肩上がりに成長し、反対に間違った組み合わせをするとケガをする。

同じ珈琲豆でも挽き方やドリッパーの種類、お湯の温度などでまったく味が違ってくるのと同じ。自分の好みの味にするには試行錯誤が必要なのですが、練習メニューやシューズの選び方も同じですね。自分を最高の状態に導くには試行錯誤が必要になります。ただ知識があれば無駄なトライはしなくなります。

いずれにしても、厚底は楽だけどできるだけ履かない方向にしなくてはというのが、とりあえずの私のスタンス。ただ、骨がくっつくまでは厚底メイン。これはもう仕方のないことで、筋トレで補うことにします。これがひとつの味付けですね。選択肢が限られていて、どうやっても思い通りの味付けにできないから、ミルクや砂糖を足してみるような。

骨折が完治したらやっぱり薄底がメイン。暖かくなったら裸足が基本。ちょっと厚底に浮気していましたが、私のようなタイプのランナーはやっぱりジョグでも体にしっかり負荷をかけておくのが大事。2022年は自分の原点に戻って、裸足を大切にして足を鍛えるとしましょう。

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